抜きゲーみたいな島に派遣された対魔忍はどうすりゃいいですか? 作:不落八十八
トレーニング二日目、水曜日の放課後に秘密基地へと集まった面々であるが、その場に淳之介と那須の姿は無かった。淳之介は未だに目的を達していないためSS側の訓練に精を出しているようで、那須に至ってはやけに深刻そうな表情で周辺情報を探ってくると言い残して一瞬にして消えた。その時の表情はあの那須でさえ顔を曇らす何かがあったのだと感じさせるものであり、流石にそれを止める事は一同できなかった。
そのため、リラックスルームで掃き掃除を終えた女性陣が水着姿になり、ゆるゆるとプランクをやって消化試合のように額の汗を拭っていた。前日必死になっていたのは想い人の前で力むために変顔を晒さないように注力していたためであり、それのない今日は比較的プランクもきつくは無かったようだった。
「ぷはぁ! 淳くんと那須くんに教えてもらったプランク、きっついねぇ。でも、身体の筋肉さんが頑張ってるよーって言ってるみたいで効果ありそうだね!」
「むべ……、準備に手間が掛からないのは良きでございますね」
「はっ、アナニーしながらプランクすれば夢のボディと快楽が得られるのでは……?」
「いや、常識的に考えて力むから括約筋痛めるのでは。これだからアナニストの畔さんは……」
「まぁまぁ、アサちゃん。美岬もこれでもマシになった方なんだからあんまり強く言わないの」
「はひぃ、奈々瀬しゃんの御命令ならば」
「うぅぅ、麻沙音ちゃんの好感度が一向に上がらないのはバグなのではと思う今日この頃です」
「好感度……そう言えば、アサちゃん」
「何でしょう奈々瀬さん」
「那須くんとは何処まで進んだの?」
満面の笑みから放たれる言葉のバズーカに麻沙音が呻く。よりによって愛しの奈々瀬に話題を出されてしまったため追及を逃れる術が無い。いっちょ前にお姉さんぶっているが、一段と関係が進んでいるように見られる麻沙音の恋愛事情を根掘り葉掘りしたそうにうずうずしているのが表情から見えている。
そして、前日の羨ましいと思った案件を思い出したのか、他の四人も聞きたそうに視線を向けた。唯一、文乃だけが先日の夕飯の時に事情を知っているため、今思えば大分破廉恥な内容に頬を赤らめていたが、やはり乙女なのか進展があったのかもしれないと聞き手に回っていた。
プランク直後の疲労時を狙われた事で物理的に逃げ出せない事を悟った麻沙音は、奈々瀬が率先してプランクの準備に取り掛かっていた理由を察してしまう。あ、これ無理な奴だ、と負けイベントにでくわした時の気持ちに陥った事で逃げるコマンドが意味を成さないと察した。
「那須くんが入ってから麻沙音ちゃんの機嫌が良いもんね」
「そうですね、いっつもニコニコしてますもんね」
「むべ、家に居る時も嬉しそうに語ってくださいますしね」
「アサちゃんが凄い元気になってくれたって淳も喜んでたしね」
「……に、逃げ場が無い……っ」
何時の間にか修学旅行の深夜パジャマパーティみたいな雰囲気と化しているリラックスルームで、水着のままにやにやと笑みを作る四人に見つめられた麻沙音は両手を上げた。
「その、桐香さんの提案で混浴温泉に行ったのは知ってますよね? ……その時に、家族風呂で、……手コキしました」
「「「「――――へ?」」」」
手を繋いだとか甘酸っぱいキスをしただとか、そういう微笑ましい話題がくると思っていた面々は猥談に続いた事で驚愕していた。これには事情を知る文乃もびっくり顔である。ノーガードで聞いたものだから一同顔を赤らめる事態となり、もじもじとしていながらうっとりと恍惚そうに惚気る麻沙音の話に釘付けだった。
「えと、実際には温泉に入ってる那須さんの隣に行って、その場のノリに押されて、その、な、那須さんのアレを握りまして……、形を確かめるために上下しただけで、途中で終わっちゃいました。現実の男性のそれを見るのは兄とか父とお風呂に入ってた時に見た事があったんですが触った事は無くて……。第一印象は硬い、でしたね。竿の部分がすんごい硬くて、硬いゴムっていうんですかね、そんな感触で。でも、先の方になるとムニってして柔らかくて……、すんごいカリ太でした……。兄よりもおっきくて、分厚くて、ああ、男の人の頂点ってこんな感じなんだなぁって気分でした。那須さんのアレ、三十センチ定規くらいあるって聞いてたんですけど本当で……、ええと、此処からこんな感じだったから……これくらい、ですかね」
指先から続く腕と肘の間程に左手の先を置いて那須のイチモツの体感的な大きさを示す。その長さを視覚的に知った面々は驚愕の一言であった。あの美少女面でそんな凶悪なものを搭載しているのか、と。それくらいの大きさのディルドを持っていた美岬はその大きさの具合をよく知っているため、一際驚愕が大きかった。あのサイズを入れるまでに大分時間が掛かったのを覚えているためだ。
「……その、私そのサイズくらいのディルド持っているんですが、入れられるようになったの後半の方で……。大分、きついですよ」
「……マジかぁ」
「わ、わたしの腕くらいの大きさ……あわわわ」
「むべっ、そうなると私の腕の大きさ……ひゃ、ひゃぁ……」
「ず、随分と凶悪なのね。大丈夫かしら、裂けちゃうんじゃないかしら……」
「さ、流石に無理矢理入れるような人じゃないですし……、えっ、どうしよう……」
那須のイチモツで破瓜したいと想っている麻沙音だったが、現実に返った事でその難題さに直面して困惑していた。指で慣らす程度のそれではない事は何となく分かる。甘勃ちの状態でオナニーする兄のサイズを思い出し、最初は手加減して貰おうと肝に銘じた。もっとも、那須も自身のそれを難なく挿入れられるとは露とも思っていないため杞憂ではある。
「あ、因みに兄のサイズは●●センチなので、気になるようだったらある程度ほぐしておいた方が良いと思います。……やべ、これ言っちゃいけないやつだった」
しれっと会話の流れで一同に暴露する麻沙音だったが、淳之介が悩みに悩んで未だに隠しているそれを言ってしまっていた。話題が話題であったが故の誤爆であった。想い人の秘め事を知ってしまった面々はより一層顔を赤らめてから、その大きさを視覚的に理解してしまって青褪めた。
何せ、この場に居る全員が処女であり、膜を破くような事をしないように大切にしている面々である。破瓜の痛みは強いと知識的に知っているが故に、一般的のそれよりも大きい淳之介のそれのサイズを理解してしまったからこその恐怖が襲ったのだった。
もしも、これを知らずに初めての日になっていた場合、絶対に苦しませて淳之介を心配させるに違いなかった。特に、子供用の膣育グッズでさえ痛みを感じるヒナミの場合は顕著である。経験豊富な礼ちゃんに相談しなきゃ、と百面相しそうな話題をぶっこまれる礼の苦難が決定した瞬間であった。もっとも、淳之介と結ばれる時の幸福感によって多少の痛みはあれどすんなり行く事が決定している面々であるので杞憂に過ぎないのだが。
これにより、淳之介との初体験の時に心配させる一因を取り除ける事になり、結果的には良い方向に転がるのだった。しかし、流れで一番の秘密を実の妹から暴露された事を知らない淳之介はご愁傷様と言わざるを得ない。
何せ、意を決して口にしたら相手が既に知っている状態なのだから。実に困惑するに違いない、その光景が目に見えるようであった。続く言葉は、アサちゃんェ、である、間違いなかった。もっとも、麻沙音の報告で自分よりも大きいサイズをお持ちの那須の存在があるため、若干ながらトラウマが緩和していたのが幸いだろう。那須君には勝てないしなぁという自己擁護ができるからである。
「そ、そういえば! 二人は付き合ってる、んだよね? デートとかはしたのかな」
「へ? まだ付き合ってないですよ」
「えっ、付き合ってないの? あんなに近いのに?」
「そ、そうなんですか? なのにあれ程のイチャイチャを……?」
「おいたわしや……」
「いや、その、那須さんの仕事が特殊じゃないですか。私と恋仲になったら襲われるリスクが出てくるし、依頼を受けて彼方此方に行くらしいのでこの島にずっと居られる訳じゃなくて……。なので、お互いに決めかねてる、って言うのかな……。四六時中那須さんの近くに居れば襲われる心配も無いんじゃないかなぁって私的には思ってるんですが、流石に任務までついてくるのは色々と拙いらしくて、主にR18G的な意味で……」
「R18……G?」
「グロマンの略でしたっけ。……那須君、銃弾切れますもんね。つまりはそういう鉄火場になる、と」
「それもあるんですが、ファンタジーであるあるな魔族ってのが現実的に居るらしくて。捕まったら何をされるか分からないから、基本的にまともな会話が通じない場合は皆殺しにしてるそうなんです。血飛沫臓物スプラッターな現場に大抵なるみたいで、絶対に現場は見させられないって苦い顔をしてました」
「……うわぁ。……うわぁ」
「……確かにあの方ならばするでしょうね。実際、人の腕も躊躇い無く落としておりましたし」
文乃が保護される事となったあの夜の出来事。それを深く思い出そうとしなかったのは皆々あの光景にトラウマを感じていたからだ。暗闇を引き裂く赤い軌跡を描き、拳銃を持っていたヤクザの腕を切り落としていた事を思い出してしまった。加えて言うならば草陰に連れて行って拷問もしていたくらいだ。山を下りる際にこっそりと錆びた釘を仕舞い込んでいたのを麻沙音は見てしまっているため、そういう暴力的な一面も持っている事を理解している。
「それでも、私は那須さんが好き、なんだと思う。……えっちしたい相手が好きな相手なんだと思ってたけど、今なら違う気がするんですよね。隣に居て欲しいって、寂しく思うと言うかその……、一緒に居て安心するって言うか、会話をして、私を見てくれて、それで……。全部が好きっていう気持ち、こんな感じなんだなぁって……。よく好きな人を日溜まりに例える描写を見るけど、確かに那須さんを想ってる時は日向に居るような気分になるんですよね」
上気した頬を緩ませて幸せそうに語る麻沙音を見て、ガチ恋してるなぁと一同が内心で苦笑した。初々しくも可愛らしく惚気る麻沙音の様子は尊いものであり、聞いているだけで心が温まる心地だった。普段のぐぅたらなギャップも相まってあまりにも可愛らしかったため、奈々瀬が膝から崩れ落ちて尊さに溺れた。
「それでその……、那須さん、対魔忍辞めようかなって真剣に考えてくれてるみたいで。えへへ。私と添い遂げるために色々と準備とか根回しをしなくちゃいけないだとか、ふへへ、米連とかいう組織から分捕った資金もあるからこっちに一軒家を建てようだとか考えてくれてて、うぇへへ……」
「……何というか、那須くん大人過ぎだな?」
「そうね、もう人生プランの草案どころか建築に入ってるじゃないのこれ」
「米連……もしかしなくてもあの超巨大国家の――」
「いけませぬ美岬様、それ以上はいけませぬ……」
「とまぁ、そんな感じです」
気恥ずかしさから頬を掻いた麻沙音の表情は幸せそのもので、憂いは無いと言った様子であった。もしかしなくても米連は南北アメリカ大陸と東南アジアの一部、台湾、朝鮮半島の一部を統治及び信託統治している超巨大国家の事であり、東アジアを牛耳る中華連合と火花を散らしている事で有名である。
緩衝地となっている日本への干渉力も強いのだが、それを跳ね返す一助となっているのが対魔忍の存在である。それは米連に本拠地を置く多国籍複合企業体であるノマドが吸血鬼の始祖たるエドウィン・ブラックによって統括され、表向きの事業の裏でカオスアリーナやデモンズ・アリーナなどの非合法かつ非人道的なブラックビジネスを展開しているからだ。魔界勢力の受け皿となっているノマドによるそれらは明らかな侵略行為であり、それをぶちのめすのが対魔忍の仕事と言っても過言ではない程に禍根が渦巻いているのである。そこに米連の特殊部隊も乱入し、時に中華連合からも乱入する大乱闘となるため、それぞれに禍根がある状態である。
そして、それを加速させたのがふうま一族を率いた前当主ふうま弾正のクーデターによる戦火である。アサギに追い詰められた弾正は米連の特務機関Gへと亡命し、対魔忍及びノマドにも喧嘩を売った挙句雲隠れしたため、ただでさえ闇鍋な裏社会に混沌をもたらしたのである。そういった経緯もあり、対魔忍と米連の確執は相当深いものがある。ノマドの非合法魔族勢力を叩き潰す際に力を借り合う仲ではあるが、背中を見せたな死ねと言わんばかりに謀略を仕掛け合う仲でもある。
そのため、しれっと共通敵のノマドのせいにしてお互いの物資や資金、人材を奪うのも世の常である。
そして、老害共に出生を理由に無茶振りされまくっている那須は嫌がらせを兼ねて申告すべき物資などの情報をこっそりと回収し、隠し財産として米連やノマドの資金を貯蓄していたりするのだった。計算が合わない帳尻合わせにノマドを理由にすることでのらりくらりと躱してきた結果、弱小な忍一族が持っている資産程の隠し財産を築けたのである。裏ブローカーの手を借りて態々一般人の戸籍を作って預金通帳を作る程の念の入れようであり、対魔忍の情報部でさえそれを察知できていない程に慎重に集められたのであった。
もっとも、那須は気付いていないが、五車学園の地下に魔科医として居る桐生佐馬斗がこっそりと手を回しており、情報部に渡ろうとする那須の情報を叩き潰している。それ程までに那須を彼に預けた姉の存在が怖いのだろう。何せ、実の弟を実験材料にしてやろうかと脅した事のある女性である。那須に何かあったら問い詰めに来るからな、と言われてしまっては流石に佐馬斗も気が気でないのだろう。もっとも、那須が目に届かないところに居るため既に手遅れであるのは言うまでもない。
此処だけの話、アンケートの御協力ありがとうございました。
結果は、良きに計らえ、となりましたので、あくまでちょい役として出す機会を作ろうかなと思います。ぬきたしがメインなので、サブの対魔忍キャラは程々にするのが塩梅でしょう。
と、いう事で第二案件としてまた一週間ほどアンケートさせて頂きます。
ヒロインはアサちゃんで固定なので、メインヒロインとして昇格する事は無い、と予めお伝えしておきます。先っちょ、先っちょだけの登場になる予定です。
喘げば尊し楽しみですね!先行開始二分で応募し終えたので当たると良いなぁ。
NLNS帽子とマスクをして会場に行けたらなぁと思います。