抜きゲーみたいな島に派遣された対魔忍はどうすりゃいいですか? 作:不落八十八
決戦当日、土曜日の天気は快晴であった。水乃月学園の性徒たちは思い思いに喜びの感情に浸り、今日のために貯め込んで来たポチンシャルとリビドーに身を任せるようにして良い顔をしていた。何日間禁欲していただの、この日のためにサプリ飲んできただの、バイアグラとレディグラをキメて来ただのと姦しくも性欲旺盛な会話が彼方此方から学園のグラウンドで聞こえてくる。
体イク祭では身体のラインや性器などを隠す事により生じる妄想を育むために水着の着用が義務付けられており、参加する水乃月学園の性徒全員が今ではフリースタイルの水着を着込んでいる。勝敗は正直誰も重視しておらず、打ち上げめいた全体オリエンテーションの時間を今か今かと待ち望んでいる熱気が見て取れるようだった。
「……うん、アッシュから聞いてたけどもう一度言わせて貰うわ、この島やばくない?」
大分煽情的な恰好でありながらもエネルギッシュな雰囲気を感じられるゆきかぜが観覧席の近くで呟いた。先日参入したゆきかぜは水乃月学園の性徒では無いのでこのイベントには参加しないが、かといって那須が出るとなれば現場に居合わせない理由も無く。那須の家でゲームをして過ごすのは勿体無いと考えてこの場に来たは良いが、水着の性徒然り、それを観覧する家族や部外者然り、どいつもこいつも発情していて南島の熱気に負けぬ勢いの光景に辟易していたのである。
見た目ちっぱいで褐色娘なゆきかぜの容姿はこの島でも上位に入る美少女であるため、お誘いの声は多く掛けられたが、股間のナニの大きさを吐き捨てるような視線で一瞥して断っていた。中にはその蔑みと見下しの視線に新たな扉を開いた者も居たが、ドスケベ条例を持ち出してSHOを呼ぼうとタブレットを取り出した哀れな者たちが多かった。
何せ、目の前の美少女は雷撃の対魔忍たる雷遁の術の担い手である。怒声を発したが最後、うんともすんとも言わなくなったタブレットから焦げ臭い黒煙が登る始末であった。
(にしても、アッシュの事だからこんなイベント無視すると思ってたんだけど。随分と丸くなったのね)
無論、麻沙音が居なければそうしていただろうが、守るべき相手ができてしまったが故に守りやすい位置に立てる立場は必要だった。そして、桐香との取引によってイベント表を手に入れているが故に何も問題は無いだろう、そう考えての参戦であった。
――それが、仇になるとは思いもしなかったが。
NLNSの面々が集まる場へとゆきかぜが視線をやれば、何とも言えない雰囲気が漂っていた。小首を傾げるものの距離があるために会話は聞こえはしなかった。だが、誰もが口元を引き攣らせていた事から何か問題が起きたのだろうとは勘付けていた。
「……冗談じゃない、んだよな那須君」
「……ええ、先程メッセージが来まして。繰り返すようになりますが、SS隊員の一人が計画表を高値で売り捌いたらしく、それがついさっき見つかった事で全ての競技の前にランダム抽選する事になったらしいです」
「あー……、あいつだろうなぁ。花丸妹……、花丸姉妹のクズ担当と言うか、小物と言うか……」
「え、今の現状やばいじゃん。確か競技によっては挿入もあるって話じゃんか兄」
「青天の霹靂なのだわ……。今年も相手が辞退してくれたりすると嬉しいわね……」
「でも、団体戦ですとそうも言ってられませんよねぇ」
「うーん、どうにかできないかなぁ」
「ふみ……葉琴は強い女ですから……っ」
周りの有頂天さとは打って変わった絶望感が漂っていた。体イク祭では二種類に大別される。一つは一般的な学校で行われるような通常競技、そして、水乃月学園特有のドスケベナイズされたエロ競技である。
通常のそれにドスケベが加わる異常なそれをこの学園は伝統として誇っている。全ての競技が挿入込みのものでは無くなったのは割と最近の話らしく、観覧者側からのクレームによって一部の競技のみと変更された経緯がある。
結局のところ、この体イク祭の役割は見世物なのだ。ドスケベ条例を体現するような水乃月学園の体イク祭は父兄のみならず外部の観光に来た者でさえも立ち入りを許可されている大規模なイベントなのである。そして、部外者も含めた大規模オリエンテーションと言う名の大乱交、これこそが体イク祭を行う理由だ。
これにより、島民には条例の後押しを、観光客にはこの島を訪れるきっかけや移住のきっかけにするための布石なのである。まぁ、それは表向きの理由で普通の体育祭をやってもつまらないだろうという俗な理由があったりするかもしれないが、今では伝統化してしまってその実態を知る者は居ないだろう。
「さて、やるべきことをするか。那須君」
「そうですね……、では、早速」
「おお! いったい何をするの? ……って、なんで那須くん私の手を握って?」
「すいませーん、この子たち預かって貰っても宜しいですか」
「え、あー……、混ざちゃったんですね。この年頃の娘は好奇心旺盛ですからね。はーい、お嬢ちゃんたち、こっちに行こうねー」
「えっ、あっ、何で連れてくの!? 私、参加者なんですけど! ねぇ、ちょっとー!? ロリじゃないんですけどぉー……!」
「む、むべー……!」
ドップラー効果のような遠ざかるヒナミたちの声を背景に、那須が真顔で向き直ると淳之介がグッジョブとサムズアップした。見た目がロリなヒナミを見て、年齢的な見た目のハードルが下げられたのか文乃もまたSHOのお姉さんにドナドナされていく。
そして、この場に那須、麻沙音、淳之介、奈々瀬、美岬の五人が残った。本来であれば麻沙音は生理と言う仮病を使う予定だったが、エロ競技が判明していると言う安心感もあって今回は参加していたのだった。
だが、花丸凛の愚行によりこれは御破算。先日の奈々瀬の証言のように個人種目であれば相手を見て棄権すると言う手段が取れる。これは暗黙されているルールの一つであり、あくまで来賓に対してアピールする場であると言う前提があるためだ。勝敗を競う場ではないために取れる戦法でもあった。
桐香からのリークにより、性徒からすれば当たり、NLNSからすれば外れの競技を外して登録しているが、ランダムとなってしまったが故に交互に弾丸を込められたロシアンルーレットに臨んでいる気分であった。
生徒会長による開会の挨拶、礼による宣誓を終えて『無様な負け犬はだぁれ♥体イク祭』が開幕してしまった。NLNSの面々は苦々しい面持ちでアナウンスを待った。第一種目は、障害物競争。リークによればアウトであったが、抽選の結果はセーフになっているらしい。
「……リーク内容は無視せざるを得ない、ですね」
「ああ、初っ端から変更されてたらそりゃなぁ……」
「そう言えば兄、前にクレームがあって女性器に挿入して射精するのは暗黙的に駄目って風潮らしいよ」
「そうらしいわね。何でも、大乱交の時に膣から男子生徒の精液が出て来て萎えただとか、射精し過ぎて勃起しなかったとか色々あったみたい」
「となると、意外と安心できるかもですね。……って、淳之介くん? どうしました?」
「そりゃ、そこの童貞な兄は巨大なおちんちんを見せるだけで軽く呼吸が辛くなるくらいのPTSD持ちだからね。ドスコイさんがお腹見られるようなもんだよ」
「成程、それは辛いですね……っ!」
「ぐっ、しかし、今回はそうはならんぞ。何せ、コンプレックスはカミングアウト済みで、何よりも俺よりもやべぇのが居るからな!」
「……淳之介先輩。此処だけの話なのですが、ボク、大きさをある程度コントロールできるので日本人の平均チン長くらいに偽装できたりします」
「ぬぁにぃいいいい!? どういう事だ那須君!? はっ、あれか、房中術か!」
「わぁお、流石忍者なのだわ……」
「……いえ、昔に飲まされた実験薬の一つがそれでして。オークの巨大サイズだと専用の機材を作らなくてはいけないからと実験も兼ねて飲まされまして……」
「えっ、ちなみに通常よりも大きくしたり、太くしたり、細くしたりもできたりするんですか?」
「何でそんな食い気味なんだ妹よ……、で、どうなんだ?」
「あんたも興味深々じゃないの……」
やや熱の籠った鼻息荒めな麻沙音の視線を受けて、頬を掻きながら那須が頷いた。そう、これこそが小柄なゆきかぜが破瓜する際に激痛に苦しまなかった理由であった。
そこらのサキュバスよりも魔に堕ちた表情で恍惚として襲い掛かったゆきかぜたちだが、那須の本来のサイズで挿入していれば慣れてもいない女性器が確実に裂けていたに違いなかった。無理やりにでも挿入しようとする二人を見て諦めを悟った那須は咄嗟に自身のサイズを変えたのだった。
対魔粒子により身体を強化できる対魔忍とは言えども怪我をしない訳ではない。刃物を肌に沿わせれば切れるのだから。
とんでもない流れ弾もあったものだと那須は羞恥で死にたくなったが、視線を逸らした先に居たゆきかぜの満面の笑みにぶつかってしまったが故に逃げ場が無いと悟って色々と諦めた。
障害物競争から始まった競技が一つ一つ消化されていき、美岬の出場した借り物競争がアタリを引いてしまい一同絶句する事になる。何せ、借りてくる内容が『精液(尻コキ)』と言う露骨過ぎる代物であるからだ。那須と淳之介が視線を交わし、どちらが出すと言う無言の問いかけが行われた。
「……すみません、淳之介先輩。ボクのこれ、媚薬効果があるので回収されるのまずいです……」
「もしかして那須君、凌辱ゲーの出身だったりする……?」
「さて、どうでしょう。半分人じゃないですからね、もしかしたらそうかもしれないですね……」
「くそっ、時間が無い。流石にこの内容だと棄権すると後の美岬が怪しまれかねない……。俺がやる、やるかぁ……っ」
「す、すみません淳之介くん、こんなとこでするだなんて辛いですよね……」
「だが、それしかないんだ。大丈夫だ、こんな事もあろうかと今朝方に精力剤を飲んで来てある」
「いや、流石にその嘘はばれるよ兄」
「だよなぁ……っ! だが、こうも急だと勃つ物も勃たんぞ……」
「……それでしたら、良い案があります。丁度良いですし、説明も兼ねてしてしまいましょうか」
苦虫を噛み潰したような淳之介の肩へ那須が手を置いた。すると淳之介の様子が一変し、腹の奥底から込み上げてくる獣染みた性欲の昂りに応じたイチモツが持ち上がって行く。水着の上からでも分かるそのガチガチ具合に淳之介も驚愕していた。
「ゆきかぜが雷遁の術を持ち合わせるように、ボクもまた対魔忍として術を会得しています。ボクのこれは媚毒の術と言って、オークの生来由来の媚薬を制御するものとなります。ですので、今淳之介先輩が一発分を直ぐに出せるような媚毒を打ち込みました。ボクらは視線を外しておくので、どうぞボクらを盾にして出しちゃってください」
「おおおおおお……。トラウマもあってインポ気味な俺の息子がフル勃起だと……っ!? ナイスアシストだ那須君! 美岬、尻を貸せっ!」
「は、はいっ! あ、でも勢い余ってアナルの方に挿入して貰っても良いですよって熱っ、もう出ちゃったんですか淳之介くん!?」
「あっ、がっ、くっ……。……過去一番の量が出たぞ。やばいな、これ……」
美岬の触り応えのありそうな尻へ、水着から竿だけ出した状態で三擦りした途端に吐精してしまった淳之介は熱が冷めていく心地でイチモツを萎えさせた。それは那須が宣言した通り、一発出す分だけの媚毒であったが故の効能だったのだ。
展開があまりにも早すぎて視線を逸らしていなかった奈々瀬の顔は真っ赤に染まって瞳をぐるぐるとさせていたが、逞しい淳之介の淳之介をしっかりと目に焼き付けていた。そして、そのイチモツに何処か見覚えを感じて首を傾げたが、思い出せずにもやもやとするだけに終わってしまった。
尾てい骨の辺りに溜まった精液を落とさないように手で押さえながらゴールへ向かう美岬を見送り、射精後特有の賢者モードになった淳之介は荒い息で避けように無かった事態を切り抜けた事に安堵した。
そして、勢い余って掴んだ美岬の尻の柔らかさに気恥ずかしさと性欲を感じてしまっていた。そう、那須が参入する前の出来事、尻壁オブジェにハマった三人の艶姿が脳裏に浮かんでしまい、その時の美岬の胸の柔らかさも思い出してしまったのだった。
故に、途端に現実味が帯びてしまい、同級生の尻で射精した事に少しだけの罪悪感と多量の背徳感を覚えてしまったのだった。これまでドスケベ条例憎しの思いで過ごしてきた事もあって、大切な仲間で抜いてしまった事実に少しながら多幸感を感じてしまった。
「やりましたよ! 初めて一位を取れましたー! って、淳之介くん? まだ立ち直れませんか? 大丈夫ですか、おっぱい揉みます?」
「いや、結構だ……。にしても、那須君のそれは媚薬の術、じゃないんだな」
「ええ、薬品を合成した物ではありませんからね。一応、オークの媚薬効果が大本なので、媚薬効果を発揮する毒と言う扱いですね。少し練れば絶倫になる事も可能ですよ、副作用で常に勃起しっ放しになりますが」
「恥ずか死しそうだから遠慮させてもらう。にしても媚毒、媚毒か。那須君自身には作用するのか?」
「ええまぁ……、濃度次第では、と言ったところですかね。知っての通り房中術を独学で学んでいるので耐える事は可能ですよ。というか、自制できないとやばいですし……」
「ほへぇ……、流石は那須さん。私の弱いところを突いてくるぅ……」
こっそりと可哀想な展開好きーな麻沙音は凌辱ゲーご用達な媚薬を扱える那須の術に惚れ惚れしていた。是非使って欲しいと懇願しないのはまだそういう関係では無いからであり、致す関係になったら存分に使ってもらおうとげへへと笑みを浮かべた。そんな妹の脳内が手に取るように分かる淳之介はこんな妹ですまんと内心で那須へと謝ったのは言を俟たない。
此処だけの話、サイバーパンク2077にハマってました。
PC版限定ですがジョン・マラコック卿と言う巨大ディルド型の殴打武器がありまして、菊紋一字よりもやべー武器に惹かれた結果がこれです……。
エタりはせぬ、エタりはせぬぞ……!