【完結】男女比率がおかしい貞操観念逆転アカデミアだけど強く生きよう   作:hige2902

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第二話 デンシベンセ

「じゃ授業始めるわよー」

 いつもの調子でミッドナイトは教壇に立って生徒を見下ろす。どいつもこいつも、どこか物足りなさを覚えている顔をしていた。

 それを感じ取り、小さく笑って言った。

「今日はお待ちかねの戦闘訓練よッ!」

 

 ミッドナイトの一声に、おぉ~と教室が沸いた。

 体力測定以来 一般教養に加えて個性関連の法律の授業が続き、これといってヒーロー科特有の個性を使った授業は無かったからだ。欲求不満であることが手に取るようにわかる。

 また、今回の実戦形式に合わせてヒーローコスチュームも支給された。アタッシュケースが配られ、各々が胸を躍らせる。

 

「いい? 現場のプロヒーローは大小様々なアイテムを使ってるけど、誰もが一番最初に手にするのがそれ! この三年の間に使って使って、使いつぶして、ボロボロにぶっ壊して、改良を重ねて自分のトレードマークに出来るくらい使い込むのよ!」

 

 生徒たちに与えられたものは画一的な戦闘服ではなく、あらかじめ学生からデザインや個性を使う際の機能の希望を募った上で企業が製作したものだ。

 市場には出回っていないような素材が使われており、防刃防弾防炎その他諸々の性能が詰め込まれたワンオフアイテムとも言える。

 

 いまはまだ卵だが、ヒーローコスチュームを手に入れるという事は、間違いなくヒーローとしての一歩を踏み出した証なのだ。

 ヒーローの根源ともいえるアイテムに、彼女らは胸の内にある強い意志を燃やす。必ずヒーローになるという。

 

「じゃあ着替えてから、ん~どこにしよっかな……じゃあ、訓練グラウンド・エコーに集合! わたしは先に行ってるから……そうねえ、今から十分以内ね」

「えっ!? あの……時間短くないですか?」

 と麗日が戸惑う。そもそもまだ新学期は始まったばかりで、訓練グラウンド・エコーとやらの場所も知らされていない。

 

「迅速に現場に駆け付けるのもヒーローとして必要な事よ? もう授業は始まってるんだから、これも訓練の内!」

 

 発破をかけるように手を叩くと、まず彼がアタッシュケースを引っ掴んで窓から飛び降りる。続いてハッとした拳藤が教室のドアに駆け出した。1-Aしか使っていないヒーロー科 第一学年の棟の廊下は、もちろん人気が無くガランとしていている。リノリウムの床が窓から射す春の陽を柔らかく照らし返していた。全速力で走り、更衣室に向かう。

 

 その道中で彼女は自責した。舐めていた。ヒーローらしい授業に浮ついていた。ミッドナイト先生の言う事は一部の隙も無い正論だ。着替える時間が無いから? 事件の発生場所がわから無いから? だからヒーローの到着が遅れたなどという言い訳は、プロになってからは通用しない。

 

 急に飛び降りた彼にぎょっとしたクラスメートが窓の外を確認すると、何事も無く走っていた。安堵するが、気持ちを切り替える。個性で落下ダメージを受けない者は飛び降りてショートカットし、残りは拳藤を追う。

 

 八百万が生徒手帳を確認すると訓練グラウンド・エコーは走って七分ほどだ。幸いにも第二更衣室を経由すればギリギリ間に合う。(遠い場所の訓練施設自体に更衣室は無い。広大な雄英の敷地で忘れ物したら取りに行くの大変だから)だがそれは着替える時間を考慮しない場合の話だ。多くの生徒はここで躓くだろう。

 

 イジワル。とボブカットの少女、小大 唯はトップギアで走っているにもかかわらず、その物静かな表情を崩すことなく現状を分析する。

 物理的にはどうやっても間に合わない。どれだけ急いでもタイムリミットを五分は過ぎる。着替える時間がボトルネックになっていた。もちろん着脱衣のしやすさも基本設計思想の一つなのでそう手間取ることはないだろうが、ヒーローコスチュームに袖を通すのは今回が初めてなのだ。

 

 つまり──

 と行く手阻む高いフェンスを『サイズ』の個性で小さくして乗り越える。器物損壊にならないように再び元に戻した。もちろんアタッシュケースは小さくしてポケットに入っている。

 

 蛙吹 梅雨は脳裏に描いたルートを再確認しながら逡巡する。

 第二更衣室を経由しなければ間に合うだろうが、それは野外で着替える必要があるという事になる。女性なので多少恥ずかしい程度で済むが、実戦形式の授業でそれは悪手だろう。プロヒーローが外で裸になれば逮捕される。

 

 人を助ける為という免罪符があれば、何をしても良いというわけではないのだ。緊急事態を除き、原則としてヒーロー協会の定めるヒーロー倫理の遵守と、現実に起きている危機の打開を両立させてこそ真のヒーローと呼べる。

 

 最悪トイレで着替えればいいが、これもヒーロー倫理的にアヤシイ。多目的トイレはもちろんの事、トイレとは用を足すための場所であり、決してヒーローが着替える為に作られた場所ではないからだ。

 

 つまり──

『カエル』の個性で第一体育館の屋根まで一息で飛び越えて、迂回する時間を省く。

 

 つまり──必ずどこかでショートカットしなければならないという事。

 それが個性を用いた手段か機転を利かせた手段かは問われないだろう。なにがなんでも制限時間内に現場に到着するという意思を試されている。

 

 クソッ。と耳郎は道中で付けていたネクタイを投げ捨てる。少しでも着替える時間を稼ぎたかった。下着だけになりたかったが、撮られてSNSに上げられれば燃えるのでヒーロー倫理的にアウトだ。ブラウスとスカートを捨てたいのを我慢する。もう服なんてどうでもいい。汚れようが無くなろうが、ピンチに間に合うヒーローであればそれでいい。

 

 第二更衣室に到着するが、床にはかなりの数の制服が散らばっていた。壁掛け時計を確認する、小さく舌打ちした。ボタンを引きちぎりながらブラウスを脱ぐ。

 おそらくドベだ。

 黒のジャケットを引っ掴み更衣室を後にする。肺が苦しい。身体に乳酸が溜まっているのがわかる。

 

 息を乱しながらようやく訓練グラウンドに到着する。厚い壁に囲まれた場所で、市街戦を想定しているのか小さなゴーストタウンをそのまま切り取って持ってきたかのようだった。実技入試で使われたものとよく似ている。

 ゲートをくぐると全員が集まっている。何とも言えない雰囲気で、みな俯き、視線を逸らしていた。

 

「ウチっがっ……はっ、ふぅー。はぁー……最後?」

 

 呼吸を整えながら取蔭に尋ねると、歯切れの悪い肯定が返ってきた。腕時計を見やると三分の遅刻を証明している。

 ひょっとして遅刻者が出たら連帯責任で罰が課されたのかもしれない。耳郎は迷惑をかけてしまったと重い気持ちで周囲を探る。さすがに敵愾心のようなものを抱いているような人間はこのヒーロー科にはいなかった。

 

 いなかったが、どうもクラスメートは沈んでいるというよりも気恥ずかしそうに眼を泳がしているように思えた。

 怪訝そうな耳郎に、芦戸が原因を顎で指す。その先には、体育座りで頭を膝にくっつけて落ち込んでいる彼がいた。

 

 あんなんグラビアかエロ本でしか見た事ねーよ。というのが耳郎の正直な感想だった。

 

「え? なにあれ、処女を殺すセーターのインナー版? いいの? ヒーロー倫理的に」

「いや、わからん。なんであんなバッ……ある意味派手なコスチュームなのか」

「取蔭……いまバックって言おうとしたでしょ」

「そんな事ない」

 

 うずくまる彼の身体を、ぴったりと吸い付く黒のホルターネックは浮き彫りにしていた。ざっくりと開いた背中や二の腕の筋肉が思春期の女性には目に致死毒だ。同色の膝丈のインナースパッツは、もし彼が立ち上がったらその局部が象られるのではないかという期待に胸が熱くなる。

 

「でもまあ、みんなそわそわしてる理由がわかった」

「いやヤバいのはもう一人いんだわ」

「なん……だって」

 

 耳郎は愕然としつつも、三人で眼福と言わんばかりに話の流れでガン見する。そんな視線が向けられているとは知らない彼は、心底呪っていた。何にかはわからないが、たぶんこのコスチュームを用意した企業にだろう。それかデザインをおまかせにしていた自分に対してである。

 

 彼が更衣室にたどり着き、脱ぎながらアタッシュケースを開けた時にまず不良品かと思った。内容物がぜんぜん足りていない気がする。取説で同梱物を確認するが、間違いはないらしい。

 嘘だろ、と言葉を失うがその間にも時間は刻一刻と流れていく。やむを得ず着替えて訓練グラウンドに向かう。

 

 もちろんこれには男性ヒーローをとりまく風潮といくつかの手違いと勘違いが噛み合ってしまった結果だ。

 とあるヒーローのコスチュームが卑猥だとSNSでマスキュリストに燃やされたのはまだ記憶に新しい。その結果企業とヒーローは謝罪に追い込まれた。

 この事件から業界全体としてデザイナーは攻めっけを失いだす。彼のコスチュームも素肌がほとんど隠れていた。

 

 しかしその柄が白と灰色の市松模様で、上がって来た図案を見たエンジニアは透過処理と勘違いした。

 なにこれ、予算が異様に少ないホットリミットのPV衣装? 

 もちろん透明の素材もあるので実現可能だが、さすがにマズい。しかし前述の事件でデザイン部の士気は低く、ひょっとしたら自棄になっているのかもしれない。ここで突っ返してリテイクするのは簡単だが、優秀な人材がやりがいを見失い辞めていくのも困る。

 

 これが通らなきゃ辞めてやる。そんな意思を感じさせるほど尖りに尖って、真っ向からヒーロー倫理を突き刺すような迫力がそのデザインにはあった。

 しかし炎上はマズいと考え、エンジニアの独断により黒で加筆修正された。それでもヒーロー倫理的にギリギリだが初期案よりは遥かにマシに違いなかった。

 デザイン部、あんたらの意思はわれわれが可能な限り拾い上げたぞ! 

 そうして部門間を超えた熱い友情の産物は上司に最終チェックされた。

 

 これマジ? こんなの高校生に着せんの!? 深夜アニメかよ……

 というのが上司のファーストインプレッションだった。普通なら即リジェクトものだが、なにやらやり遂げたって雰囲気の部下たちを見ると、胸に熱いものが込み上がってくる。

 懐かしい。昔は自由だった。ヒラだった頃はどうすればヒーローの人気が出るか試行錯誤したもんだ。

 上司は目じりを拭い、チェックの合否に気が焦れる部下に親指を立てる。

 

 そんなわけで届いたのが炎上間違いなしのブツである。しばらくしてその会社は炎上した。

 

 彼は何かタチの悪い悪戯と考えもしたが、動きを補佐するかのような伸縮性や優れた透湿性はまさしくアイテムの域にある。ヒーロー倫理に引っ掛かりそうだが、企業がこれでいいと判断したのだから許されるのかもしれない。オールマイトもぴっちりスーツだし。

 たぶんクラスメートも特に気にしないだろう。彼はそう納得したが、そう思い込まなければやってられない。俗に言う現実逃避だった。

 

 彼が訓練グラウンドに到着した時、誰もいなかった。どうやら一番手だったらしい。ほどなくして二番手が見えた。ファーの付いた丈の短い着物姿で 口元を黒い布で覆った、目隠れ銀髪ヘアーが特徴の柳 レイ子である。『ポルターガイスト』の個性で動かしたアタッシュケースに座って移動している。憂鬱そうな目元の隈は、コスチュームの初披露という場でも相変わらずだった。

 

 おーい、と彼が手を振る。

「あと二分ちょっとあるよー」

 

 それを聞いて柳は少しペースを落とす。走るのはもちろんの事、個性を起動しても体力は消費される。この後の訓練の為に余力を残しておくのも大事だ。

 そういえば二着なら彼と話す時間があるかもしれないと緊張する。

 とうぜん彼女は中学までに何人もの異性と話したことはあるが、二人きりというのは未知の領域である。

 

 まあここは無難にお互いのコスチュームの話題が鉄板。絶対にセクハラにならないように気を付けながら誉め言葉を考えておく。

 なんとなくクラス全員が彼に話しかけにくい雰囲気だったが、これを取っかかりにしてその空気を打破しよう。変な意味ではなくクラスメートとして仲良くなれる機会かもしれない。

 

 それだけにこのファーストコンタクトは重要だ。ミスは許されない。

 んんっ、と咳払いで準備する。が、近づくにつれ目を疑いだす。

 

 え? 肌色っぽい感じの生地が使われてるんじゃなくてなんも無いの? てかなにそのセックスアピールを縫製したようなコスチューム……待ってこれセクハラを回避しながらどう誉めろと? 

 

「柳さんのコスチューム、和風でかっこいいね。幽霊がモチーフ?」

 

 柳は内心でもんどり打った。ぐぉっ、ぅ嬉しい。異性に格好をほめられるのってこんな嬉しいものか。自分でデザインしたから ひとしおなのかもしれない。

 だがそんな喜びに浸っている暇はない。こんどはこちらのターンだ。コミュニケーションとは投げられたボールをキャッチして、同じような速度で投げ返さなければならない。が。

 

「う、うん。ありがと。きみのは……」

 

 なんかスリラー映画ですぐ殺されるファッキンバックみたいだね。とはホラー好きの柳にとっては良い意味で捉えてほしいが、ほぼ初対面でそれはマズい。というか失礼すぎる。

 

「……黒くて、いいね」

 

 ダメだ! 色しか誉めるところが無いッ! 

 

 それ以外はどこに触れてもセクハラになってしまう。

 てかこんなのジャパニーズホラーに出てくる、観たら死ぬ呪いのビデオみたいなもんだよ。観たら濡れる呪いのAVだよ!? 

 せっかくの機会を活かしきれなかった柳は悔しさから脳内で意味の分からないツッコミをし、チラッと視線を下に這わせてから愛想笑いで彼の元を離れた。翌朝、彼女の目元の隈が一段と濃くなったのは言うまでもない。

 

 残された彼は判断に迷う。結局このコスチュームってセーフなのかアウトなのか、いまいちはっきりしない。だが柳の反応を見るに危うい気もする。少し自信が無くなってきたところに小大が息切れもせず走って来た。

 

「あ、小大さんお疲れー」

 

 小大はちらと彼に視線をやると、そのままスゥーと顔を真上に向けたまま「ん」とだけ返事をして横を過ぎ去る。

 

 +y軸に顔を逸らす事ってある!? 

 

 人生で初めての顔の背け方に彼は絶句した。

 春風が固まった身体を慰めるように撫で去る。

 

 そのもの悲しさはさながら「恋彦†国士」で、切り立った崖にのみ咲く伝説の花を煎じなければ治らない病にかかった余命いくばくもない少年と、騎士の内の若い方が勇気づける為に勝手に桃園の誓いを結んだシーンに似ている。

 もちろん新たに契約を結んだ人間が死んでも自動的に残った者は苦しんで死ぬ。なにが魔法の契約だ呪いだろ! と叫んだ主人公の心情は、涙なしには語れない。

 

 っていうかやっぱダメか、このコスチューム。まあ薄々そんな気がしていた。現実からの短い逃避を終え、彼はショックのあまり目立たない隅で丸くなる。

 

 てってってっ、と小走りの小大が止まった。彼に視線をやった時からずっと上を向いている。もしかして、と柳が声をかけた。

 

「鼻血出た?」

「ん」

「あー……まあ彼には見られないように、影になるところまで案内するよ」

 

 柳は小大の手を取って適当な物陰まで歩く。あんな不意打ちなら鼻血を出しても仕方がない。それでエロいやつだと彼に軽蔑されるのは可哀想だ。

 その後も次々とクラスメートが到着する。そのほとんどが学友との短い雑談をしつつもどこか上の空だった。いやー結構キツかったーと言いながら本命である彼の姿を視線で探す、コスチュームが気にならないと言えばウソになる。

 

 そしてそのドスケベ具合に目が点になり、生粋のバックなのかと固唾を呑むが、あの落ち込みようを見るに企業間とのトラブルか手違いがあるようだった。

 

 淑女として同情を禁じ得ないが、かといってなんと元気付ければいいのだろうか? 似合ってるよなどとは口が裂けても言えないが、その逆もまた彼を傷つけそうだ。

 彼女たちは己の無力さを噛み締める。ヒーローを目指す卵として、初めての挫折だった。……初めての挫折が下ネタだとは思いもしなかった。もっとこう、努力ではどうにもならない才能の差とか、そういう感じかと入学前は覚悟していたのに……

 

 故に耳郎が到着した時には みな不甲斐なさと悶々とした気持ちに目を泳がせていたのだ。

 

 しかしそんな中、またもや勇者が現れた。

 

「どこか具合でも悪いのですか?」

 

 彼がその慈愛に満ちた言葉に顔を上げると、両腕に圧迫された白い乳房が目の前で柔らかく形を変えていた。顔を見ずとも、閉じた膝に手をやってかがんでいる八百万のブツである。汗でしっとりとしており、触れれば吸い付いてきそうだった。

 ステレオタイプの催眠術師が使うような、五円玉に糸を通した仕掛けに目を奪われるように、彼もまた釘付けになる。

 

「……具合が悪いというより、少しショックというか。その……変でしょ? おれのヒーローコスチューム」

「そんな事ありませんわ、とても素晴らしいと思います。きっとあなたの個性に合わせて仕立てたものでしょうから、自信を持ってください」

 

 にこやかに語る八百万には妙な説得力があった。それもそのはず、彼女自身が極小の布面積のマイクロビキニをヒーローコスチュームとして纏っていたからだ。

 ああ、取蔭が言ってたもう一人のヤバいやつって八百万の事か、と耳郎は理解する。当の本人は自らの装いに何の疑問も抱いてないが、変質者として扱われてもおかしくない。

 だがそんな彼女の行いは、指をくわえていた自分たちとは違い、彼にとってのヒーローに違いなかった。

 

「そっか……ありがとう八百万さん。少しってかだいぶ恥ずかしかったけど、おれはこれでいいんだよね、なにも間違ってないよな!」

「そうですわ! ヒーローは見た目ではありません、たとえ身に纏うコスチュームの見た目が変わっていても、ヒーローを志す貴い気持ちは変わらないはずです!」

 

 訓練の準備を済ませたミッドナイトがビルから出てきて、彼を見て言った。

 

「おーい、その恰好はヒーロー倫理的にダメだ」

「え!?」

 二人は真顔でお互いの顔を見やり、再びミッドナイトに視線を向ける。

 

「あと八百万、あんたもダメ。何考えてんの……」

「ぇえっ!?」

 

 そりゃそうだろ。動揺する二人を除いた全員の気持ちが一つになった。

 なぜ、気持ちが一つになるという重要イベントが下ネタで消費されるのか。ヒーロー科の青春とは……。

 

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