Re:ゼロ RTA (極力)原作ルート《完》   作:MOHIGE

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はじめて残酷な描写タグがまともに機能するので初投稿です

※本作スバル君の『試練』描写が続くだけなので、読み飛ばしても問題ありません。


第4章前半1.5『ゼロカラハシルあーるてぃーえーセイカツ』

■■■

 

『まずは己の過去とtttt0010101111■■010……』

 

 

 

 

 

 部屋が見える。やや散らかった、狭い部屋だ。ベッドには少年が寝ている。

 

 「グッモーーーニン!息子ォ――!!」

 

 「ぐっはぁ!痛ってぇな父ちゃん!!」

 

 眼鏡をかけた父親らしき人物が、寝ている少年に飛び掛かった。

 

 少年が増える。

 父親も増える。

 狭い部屋の中で、見る見るうちに二人が増えていく。

 

 「ねぇちょっと二人とも」

 

 母親らしい人物が、部屋の戸を開けて入ってくる。何人も、何人も。

 

 なんだ、これは。

 ボクは何を見ている?これはナツキ・スバルの過去ではないのか?

 

 三人が、いや、三人と同じ姿をした人間が何人も、何十人も部屋の中に現れる。

 

 「どーしたよ!まるで朝から―――」

 

 「ああ待って!ひっくり返し返しは――」

 

 「なんで?みんなで食べた方がいいじゃ――」

 

 父が、母が、スバルが、狭い部屋の中にぎゅうぎゅうに詰まり、折り重なり、手足や首があらぬ方向に捻じ曲がる。

 そして同じ言葉を、同じ声で、無作為に吐き出し続けている。

 

 なんだコレは、なんだコレは、なんだコレは――

 

 部屋の外を見る。

 廊下で、台所で、リビングで、

 人が、食器が、グリンピースが、ぎゅうぎゅうに積み重なり潰れている。

 

 「おおすげーなスバル緑の森じゃん――」

 

 「なんでこんなに和洋折衷――」

 

 「いちごジャムが好き――」

 

 家の外を見る。

 通りが、町が、

 父親で、母親で、散歩中の老人で、買い物をする中年女性で、

 そしてナツキ・スバルで溢れかえっている。

 折り重なり、うず高く積み上がり、ねじくれ、潰れ、言葉を吐き出している。

 

 「今日は月曜日で――」

 

 「あら賢一さん――」

 

 「好きな子とかいる?――」

 

 「今日はただのグリンピース――」

 

 わからない。

 これは『ナツキ・スバル』の記憶、そのはずだ。

 

 町を埋め尽くす人の山が、ギョロリとこちらを見る。

 

―あくしろよ

 

 積み上がった人の山が、口を開く。

 

―あくしろよ

 

 潰れ、ねじれた人の山が――

 

―あくしろよ

―あくしろよ

 

 父親の、母親の、老人の、中年女性の――

 

―あくしろよ

―あくしろよ

―あくしろよ

 

 

 ナツキ・スバルの山が――

 

―あくしろよ

―あくしろよ

―あくしろよ

―あくしろよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あくしろよあくしろよあくしろよあくしろよあくしろよあくしろよ

あくしろよあくしろよあくしろよあくしろよあくしろよあくしろよ

あくしろよあくしろよあくしろよあくしろよあくしろよあくしろよ

あくしろよあくしろよあくしろよあくしろよあくしろよあくしろよ

あくしろよあくしろよあくしろよあくしろよあくしろよあくしろよ

 

 

 

 

 

 

 

 

※※※※※

 

 

『アりうべからざルルル■ヲヲヲヲヲヲヲ――』

 

 

 

 

 

 

 

 「嘘つき……嘘つき嘘つき嘘つき!」

 

 「何故、こうも容易く……!」

 

 「ふざけ…ふざけないでよ……!」

 

 ナツキ・スバルの遺体を、エミリアが、初老の男性が、亜人の騎士が囲んでいる。

 涙を流し、呼びかけ、治療を試みている。

 

 彼らは見ない、振り返らない、気付かない。

 

 ――後ろにある、うず高く積みあがった遺体の山を。

 同じ位置の裂傷、同じ死に顔の、ナツキ・スバルの遺体の山を。

 

 ナツキ・スバルの遺体の山が、ギョロリとこちらを見る。

 

―あくしろよ

 

 …

 

 ……

 

 ………

 

 「なんで、スバルはこんなになっても――」

 

 「私はもっと、君と言葉を交わしたかった――」

 

 森の中で、エミリアと紫色の髪の騎士が、ナツキ・スバルの遺体を見下ろしている。

 

 草の間に、木の洞に、岩の下に、

 ナツキ・スバルの遺体がぎゅうぎゅうに詰め込まれ、手足が覗く。

 

 草をなでる風に乗って、声が聞こえる

 

―あくしろよ

 

 …

 

 ……

 

 ………

 

 

 「最後まで訳の分からない事を――」

 

 転落し、潰れたナツキ・スバルの遺体を少女が見下ろしている。

 

 何十人分もの血が、何十本もの潰れた手足が、まるで湖のように広がっている。

 

 血の海に浮かぶ無数の目が、こちらを見ている。

 

―あくしろよ

 

 …

 

 ……

 

 ………

 

 まるで林のように並ぶ無数の氷の彫像が、そこから落ちた頭が、

 こちらを見ている。

 

―あくしろよ

 

 …

 

 逃げるように走り去る3人の男。

 虐殺現場のような路地裏に残された、遺体の山がこちらを見る。

 

―あくしろよ

 

 …

 

 曲刀を鞘に納める女。

 まるで市場のように並ぶ、腹を裂かれた遺体がこちらを見る。

 

―あくしろよ

 

 …

 

―あくしろよ

 

―あくしろよ

 

―あくしろよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あくシロよあくしろよあくしろよあくしろよあくしろよあくしろよ

あくしろよあくしろよあくしロよあくしろよあくシロよあくしろよ

アクしろよあくシロよあくしろよあくしろよあくしろよあくしろよ

あくしろよあくしろよあくしろよあくしろよあくしろよあくしろよ

あクしろよあくしろよあくしろよあくしろよアくしろよあくしろよ

あくしろよあくしろヨアくしろよあクシろよあくしろヨあくしろよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※※※※※

 

『いずれ来るrrrrrrrr――……』

 

 

 

 

 

 

 山の頂にいる。

 ナツキ・スバルが、頂に佇んでいる。

 麓が霞んで見えない程の、高い高い山の頂に。

 足元に積み上がるのは、ナツキ・スバルの死体だ。

 

 雲が、目の前で壁のように広がり、眼前の景色を覆っている。

 風で雲が晴れる。

 現れたのは白い山だ。

 この頂よりも遥かに高い、見上げる程の、白骨の山だ。

 

 ナツキ・スバルが自身の死体の頂で、白骨の山を見上げている。

 

 空から人が降ってくる。

 ナツキ・スバルの死体だ。

 山の頂に降り注ぎ、折り重なり、詰みあがる。

 見上げていたナツキ・スバルも飲まれ、潰され、死体の一つになる。

 

 「まだ、積むのか…?届くまで……?」

 

 どうかしていると思う。

 目指す未来に"最速で"辿り着く。そんな下らない事のために、なぜここまで出来る?

 

 白骨の山の頂に、夥しい人骨が降りしきる。

 降り注ぐナツキ・スバルの死体が、数を増していく。

 

 競い合うように、二つの山は高さを増していく。

 

 バカげている。理解できない。

 

 「キミの未来は無数じゃない、この景色だけが君の未来だ。君があの頂を目指す限り、永遠に終わらない。なぜ耐えられる?こんな不毛な未来の先に、一体何が残る?」

 

―あくしろよ

 

 足元に積みあがる無数のスバルが、

 

―あくしろよ

 

 空から降り注ぐ無数のスバルが、

 

―あくしろよ

 

 口々に訴える。

 

 

 

 

 

 

 

 

―あくしろよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「……わかった、クリアでいい」






ミスったら試走ってことにしてもう一回!(等活地獄)

今回はここまでになります。ご視聴ありがとうございました。
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