Re:ゼロ RTA (極力)原作ルート《完》 作:MOHIGE
文字数3000オーバーなので初投稿です。
「わんわんらんどと犬ではない何か」
http://scp-jp.wikidot.com/scp-070-jp
出典元を明示するDクラス職員の鏡
(追記)
タイトルにEDを入れ忘れていたので修正しました。
前回、子犬を金カムった(動詞)ところから再開です。
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村が騒がしい。
役に立たない新米使用人の姿も見当たらない。
――嫌な予感がする。
「姉様、スバル君がいません」
「何をやっているのよ、あいつ…」
妹を伴い、騒ぎの場所に駆け付ける。
たどり着いたのは村の外れ。村を囲む柵の前で、スバルが何かを見上げている。
巨大な魔獣だ。家のような大きさの魔獣がスバルを見下ろし、獰猛な牙をむき出し唸り声をあげている。
近くには小さな子供もいる。
「そんな、魔獣除けの結界があるのにどうして…!?」
「レム!村に被害が出る前に片づけるわよ!」
「はい、姉様!」
スバルは…女の子の手を引いて離れようとしている。役立たずだが、それくらいの判断力はあるようだ。
「レム!魔獣をあの二人から引きはがしなさい!」
妹がスカートからモーニングスターを取り出し、魔獣に向かって振り下ろす。
自分も杖を構える。
今のうちに、2人が離れてくれれば――
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はい、ここで子供を守る姿をアピールして二人の好感度を稼ぎましょう。特にレム(超重要)
あれ?大丈夫?レムちゃんと見てた?・・・まま、ええわ。
さて、姉妹から離れ、女の子と二人きりになったら先ほどの写メを見せましょう。
なんだぁこの写真はー?証拠物件として押収するからなぁー?(自前)
少女「ッ!?」
というわけでこいつらが2章の真ボス、『魔獣使い』メィリィと禿犬こと『ボスガルム』です。
ちなみにメィリィ自体に戦闘能力は無いので、勝利条件はボスガルムを含む全ての魔獣の殲滅です。ですが実は森に大量のウルガルムを潜ませているため、一筋縄にはいきません。広域魔法でもなければ殲滅しきれず、生き残った魔獣を探してモタモタしていると、4日経過してレムに殺されます(2敗)
そこで禿犬とツーショット写真を突き付けます。おとなしくしろ!バラまくぞこのやろう!
すると、最初こそ写真というオーバーテクノロジーに面食らっていますが、暫くすると「証拠隠滅しなきゃ(使命感)」と森に潜む魔獣を全て投入してくるので、これを片付ければクリアとなる訳です。
しかし、姉妹が今闘っているボスガルムと森から殺到するウルガルムに挟撃されるのは、いやーキツイっす。というわけで、森側はこちらで時間を稼ぎましょう。
村を囲む結界の穴は1か所だけなので、まずはそこに移動します。
はい、到着しました。この二本の木の間だけ結界が破られています。これが結界の穴ですね。
そしてウルガルムの群れが見えたら、この二本の木の間を体力が続く限り反復横跳びします。先行する5匹くらいに噛まれたら、もう棒立ちで大丈夫です。後続はスバル君とじゃれるウルガルムの当たり判定に引っかかって通れません。
ここで気を付けなければいけないのは、こちらから攻撃しないことです。というのも、こいつら凶悪な見た目に反して捕食手段が『噛んで呪術をかけ、翌日に精気を吸い取る(意味深)』というクッソ回りくどい方法なので、実はその場で食い殺されることはありません。どれだけ噛まれてもHPが1残ります。しかし、こちらから攻撃して下手にダメージを与えると、思考ルーチンが『捕食』から『排除』に替わり、噛み付きや引っ掻きで普通に殺されます。なので大人しく噛まれましょう。
後は鬼姉妹がボスガルムを片づけてこっちに来てくれれば、勝手に処理してくれます。
向こうは終わったようですね。血相変えて二人が走ってきます。おっ、ここまではかなりの好タイムです!鬼がかってますねぇ!(雑な原作台詞ねじ込み)RTAに協力的なNPCいいゾ~コレ
あっおい待てぃ!タゲ取りなんてしなくていいから。火力は火力の仕事してどうぞ。ホラホラもっと範囲使って範囲(指示厨)
…
……
………
はい、片付きましたね。タイムは…11分45秒14。
んにゃぴ…やっぱり、最後ちょっと失速しましたね。スバル君が足止めしている間に、群れの側面か奥から範囲攻撃で削っていってくれると早いんですが、今回はスバル君の周りの魔獣を優先してしまったようです。お陰で鬼姉妹にも少なからず被害が出てしまいました。まぁこればっかりはNPCのオート戦闘故仕方なしです。その分ボスガルムの撃破タイムは上々だったので、良しとしましょう。
それでは2章EDを見ながらお別れです。ご視聴ありがとうございました。
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「…何ですか、鬼がかってるって」
背中の上でボロ雑巾のようになっている少年に声をかける。返事はない。
当然だ。
治癒魔法で一命は取り留めたとはいえ、全身くまなく魔獣に噛みつかれていたのだ。
今も意識は戻らない。
大型魔獣を倒して結界を確認しに行くと、破られた結界の前で魔獣の群れに全身を噛まれながら、それでも穴を塞ぐように立ち続けるスバルを見つけた。彼から魔獣の群れを引きはがし、姉と二人で何とか処理して今に至る。
一緒にいたはずの少女は、どこにもいなかった。後で分かったことだが、村の子ではないらしい。
「何で一人で行ったんですか。無謀を通り越して自殺行為です。確かに挟撃は避けられましたが、自分が死んでは意味がないです」
「まったくね。バルスの自己犠牲で助かったなんて、不愉快だわ」
結局、森の中には100匹以上もの魔獣が潜んでいた。あれに背後を突かれていたら、きっと自分たちはやられ、村も全滅していただろう。
もちろん感謝の気持ちはある。だが――
「スバル君は聞こえていないでしょうが、レムは言いたいので勝手にいいます。一人で無茶をするのは止めてください。レムはスバル君を何とも思っていませんが、誰かがレムのために傷つくのはとても嫌な気分になります。誰かの犠牲で助けられ、残された者がどんな気持ちになるかをレムは知っています。だから例え何とも思っていないスバル君であっても、誰かが犠牲になるのをレムは我慢できません」
やはり返事はない。
弱弱しい呼吸音と、背中から伝わる体温だけが、彼がまだ生きている事を伝えてくる。
「それに、レムも姉様も、スバル君が傷つかなければいけないほど弱くありません。だから弱いスバル君は、レム達のために勝手に傷つかないでください」
「…?どうかしましたか姉様」
「いえ、貴女も人の事を言える立場ではないと思っただけよ、レム」
スバル程ではないが、二人ともボロボロだった。自ら魔獣の群れに身を投げ出し、スバルに群がる魔獣を蹴散らした。あれ以上スバルを傷つけさせないよう必死だった。
理由は自分でも分からない。
「…それは、姉様も同じだとレムは思います」
それから二人して、小さく笑った。
姉妹で笑い合うのは、ずいぶん久しぶりのような気がした。
「それに、元はといえば全てバルスが原因なのだから、ラム達が気に病む必要なんてないわ」
…そうだった。度を越した自己犠牲で忘れかけていたが、元はといえば厨房での彼の狼藉が原因ではないか。
最初から最後まで、この怪しい少年に振り回されていた事を改めて実感し、何となく腹が立ってきた。
「はぁ、荷物運びが荷物になるなんて、使用人失格ね」
結局、買い物は最低限しかできなかった。
荷物は姉が一人で抱えている。
「これは仕事の仕込み甲斐がありそうだわ」
「姉様、それはレムのセリフだとレムは思います」
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「いんやぁ、優秀過ぎるというのも困りものだぁね」
ロズワール・L・メイザースは自室で一人つぶやく。
仕込みを終えたのは昨日の夜だ。そして翌日、つまり今日の夕刻にはアーラム村の一件は片付いていた。いくら何でも早すぎる。
「これはこちらも前倒していく必要があるかぁな?」
手元にある黒い装丁の本を開く。
「やれやれ…あまり速く走られると、道を舗装する方も大変だぁよ」
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前半が1500字で後半3000字って完全に切る場所偏ってんじゃねぇかお前ん小説ぅ!!
という訳で今回はここまで。ご視聴ありがとうございました(2回目)