時雨の緊急任務 ~リベンジ~   作:雷電Ⅱ

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イベント後段が出てきましたが、急に……というか何時ものように難易度が難しくなりました
ただ涼波が攻略中に出てきたのは嬉しかったですね

話が逸れました。この章は『一筋の希望の光』。後で追加します
時系列では28話から29話辺りです


第5章 一筋の希望の光
第33話 坊ノ岬組、平行世界へ旅立つ


 浦田結衣や浦田残党が連合軍相手に喧嘩を売っている間、呉鎮守府は何があったのか? 

 

 少し時間を戻してみよう

 

 結衣がアメリカや他国に挑発している時、地下室では生物兵器に感染していない艦娘達が集まっていた

 

 大和、矢矧、雪風、浜風、磯風、霞、朝霜、そして涼月である

 

 運良く感染から免れ別部屋に隔離出来た艦娘たちである

 

「ワームホール発生装置は完成したけど、何処へ繋がっているか分からない」

 

 夕張は息絶えながら説明した。夕張だけ防護服を着ている

 

「暑そうなら外したら?」

 

「私はいいの! 浦田重工業が所有していたワームホールと同じ……平行世界に行けたらいいけど、さすがにどこに繋がっているか分からない。座標諸とも廃棄されたから」

 

 夕張は悲しげにいった。ワームホールなどの技術は人類には早すぎた技術だ。だから、数年前の平行世界の住民を送り返した後は廃棄された。そのため、今ではロストテクノロジーとなっている

 

「どんな世界……いえ、もしかすると人が住めない世界に行くかも」

 

「でもこのままだと全滅してしまいます!」

 

 

 

 浜風は金切り声を上げた。既に生物兵器を犯された艦娘達は虫の息だ。夕張が危惧した通り、苦しみのあまり発狂して艤装を外そうとする艦娘が出始めた

 

 その度に妖精と防護服を着た夕張が駆けつけ一悶着する事態になっている。しかし、治療方法も無いまま重症患者をそのままにしておく訳には行かない

 

 無線連絡で軍医が免疫で回復する子が出るはずだ、と答えたが、未だに回復する者はいない

 

 そして、問題の提督だ。今では41℃の高熱を発し咳をする度に口から吐血している。今では妖精が何とかしているが、もし彼が死んだら……

 

「分かったわ。でも、聞いて。私は工作艦ではないから、完成度は低い。タイムスリップは無理だし、どの世界から分からない。だけど、これは代わりにこれが出来た」

 

 夕張はあるものを全員に渡した。それは、腕時計のようなものだ。ゼンマイ仕掛けの時計にも見えるが、違う点は時計の針ではなく緯度経度や日付などが書いてある

 

「これはナビゲーションシステムと簡易型ワームホール発生装置。全員を無事ワームホールに潜らせるもの。使い方はこうするの」

 

 夕張は丁寧に教えた。使い方はそこまで難しくない

 

「小型ワームホールを作れるなんて」

 

「まあ、博士と一緒に居たからね。独学よ」

 

 夕張は答えたが、顔は暗い

 

「夕張さん。どう言うことか教えてくれます。なぜ小型ワームホールが必要なのかを」

 

 大和は質問した。確かに平行世界いくだけなら、こんな腕時計入らないはずだ。ということは小型化は何を犠牲にして作られた? 

 

「開発資材を特殊な技術を使ってワームホールを精製するのはそんなに難しくない。と言っても、それなりの知識はいるけど。問題は平行世界の場所。世界と別世界は動きあっている。少しでも座標を間違えるととんでもない所に行ってしまう。下手すると……宇宙や他の惑星に行き着く可能性もある」

 

「え? それって大丈夫なのか?」

 

 磯風はゾッとした。流石の艦娘でも宇宙空間や他の惑星には住めない。実証したことは勿論ないが、艦娘が生命体である以上、空気が無ければ生きていけない。逆に木星や土星といった大型ガス惑星についたら、極寒の寒さと地球の倍の重力で死んでしまうだろう

 

「だから、ある程度は絞り込めたわ。と言っても、人が生きていける環境なんだけど、行き着く世界が目的の世界ではないと分かるとまたワームホールを作ってジャンプする。つまり、平行世界を渡りながら行くって事。この世界がA。行きたい世界をBとするけど、ワームホールはランダムだから違うCの世界に着く。違うと思うならワームホールを使って別世界Dに行く。こうして繰り返して行くと、いずれは目的の世界にたどり着けるかもしれない」

 

 夕張は黒板で書いたが、大和たちはそれどころではない。ランダムという事は必ず行けないという事だ

 

「ワームホールが発生する回数は?」

 

「理論上は10回。ただ、連続して作れないから気をつけて」

 

「平行世界の数は?」

 

「分からない。博士も把握していない世界もあるかもって」

 

 大和は目眩を覚えた。こんなに状況が悪くなるとは思わなかった

 

「それってかなりのギャンブルじゃない!」

 

 霞は非難がましく言った。どれくらいの数の世界があるのか分からないが、ランダムでジャンプして目的地にたどり着く。しかも、行き着けるかどうか不明だ

 

「大和、これは無謀すぎる」

 

 矢矧は顔を真っ青にしながら言った。もしかすると自分たちが帰って来れないかも知れない。しかし、大和の覚悟は決まっていた

 

「いいえ。決行します。このままいても解決出来ません。何とか田村1尉の世界に行けば解決出来るかも知れません」

 

 大和はきっぱり言った。大和の言う田村1尉の世界とは平行世界の、半世紀以上の未来の日本である。浦田重工業は偶然にもワームホールを手に入れ、未来技術をせっせと運び入れた。勿論、向こうではほぼ違法行為であるため、反発する人達もいた。田村1尉もその内の1人だ

 

「未来の世界なら病原体の正体と治療薬が分かるかも知れません。それに私たちが生きていけるのは時雨のお陰です。折角、命を張って救ったのです。時雨の行いが無駄になる!」

 

「そうね。呉鎮守府は立ち入り禁止され、病原体の正体も不明。軍医は見たこともないウイルスと言った。何もしないよりかはマシだわ。確かに時雨が行ったタイムスリップは何だったのか、になるわ」

 

 大和の決意に矢矧は頷いた。このままでは何も解決出来ない

 

「大丈夫です。時雨ちゃんはタイムスリップをしたのです。雪風たちも上手く行きます! それに、この編成も何かの縁があるかも知れません」

 

 雪風は無邪気に言った。確かにメンバーは偶然とはいえ、知っている。『艦だった頃の世界』では天一号作戦に参加した日本海軍最後の艦隊である

 

「お冬さんがいないのが残念ですが」

 

「偶然って恐ろしいわ」

 

 感染を免れたとはいえ、坊ノ岬沖組が編成されるとは思いもしなかった。そして、今まさに呉鎮守府は危機的状況に陥っている。夕張は大和たちの決意を感じ頷いた

 

「分かったわ。このケースは血液採取や写真などのウイルスの情報が入っている。医学に詳しい人なら分かるはずよ」

 

「よっしゃーいったろー! 青葉からカメラを借りてきたぜ!」

 

 朝霜はにやりとした。朝霜にとっては別世界に行けるのが嬉しいらしい。そのためか、青葉のカメラとフィルムを無断で持って来た

 

 大和たちが操作すると、白く輝く球体が現れた。まるで光るボールのようだ

 

「ワームホールって球体なの?」

 

「そうよ? 穴と思った?」

 

 矢矧は質問したが、夕張はなぜその質問をしたのか理解出来ないようだ。そのため、矢矧は聞こうとせず大和に指示を求めた

 

「大和、指示を」

 

「分かった。皆、艤装最終チェックして。これから先は補給も修理も出来ない。作戦決行!」

 

 大和の号令に皆は光る球体に突進した。本来は勢いなんて入らないが、繋がっている先の世界は不明であるため、身構えないといけない

 

 もしかすると、恐ろしい世界にたどり着く可能性だってある

 

 

 

「行ったわね」

 

 夕張は大和たちが行き、ワームホールが消えるのを見届けるとその場に倒れた。夕張も感染していた。昨日、防護服を脱いだ時に破れを確認した。何時、破れたかは知らないが、感染区域に入る前は破れていなかった。自分は感染したとわかるや否や独断で実行に移した

 

 倒れながら我慢していた咳をし、咳をする度に吐血していた

 

「頼んだ……わよ」

 

 もう無事な艦娘はいない。夕立は原因不明の病に倒れた時雨を看病していたが、付きっきりという事もあり、数日前に力尽きて倒れてしまった。また、本人は大和たちと一緒に行くのを拒んだ。夕立は時雨からタイムスリップなどを聞かされたが、ワームホール自体が得たいの知れないものだったため抵抗感があった。また、時雨を放っては置けない。夕立は時雨の近くで寝込んでいた

 

呉鎮守府は事実上壊滅した

 

 

 

 502部隊陣地

 

「隊長殿、計器に反応があります。重力波を検知しました」

 

「重力波だと? 中将の言う通り、本当にワームホールを作った!」

 

 神州丸の報告で曹長は驚いた。実は電話越しでだれかがワームホールを作るのではないか? と指摘されたのだ。念のため、無線で連絡はしたが、無視する可能性はある

 

 曹長は急いで電話で博士を呼び出した。博士は予想はしていたものの、測定値に驚いている

 

『本当にその数値か?』

 

「はい、言われた通り」

 

『不味いことになった……」

 

 博士の声は低かった。何か良からぬ事が起きているのか? 

 

「何が不味いのです? まさか、別次元の世界にも病原体による影響が?」

 

『流石にそこは憂慮しておると思う。そうではなくてだな……数年前にワームホールを作った時に重力波*1が発生した。非常に難しい事じゃが、ワームホールに発生する一種の時空の歪みと思ってもらいたい。じゃが、今の報告は過去のものと比べて重力波が異常に低い*2。つまり、別世界の位置を正確に掴めていない証拠じゃ』

 

 曹長は博士の説明にはさっぱりだが、最後の説明だけは分かった。正確に掴めていない?? 

 

「それって……浦田重工業が未来技術を手に入れた別次元の世界に繋がっていない?」

 

『しかも、反応が一度だけ。今も反応していないということはコンパクトに作ったじゃろう。じゃが、小さなワームホールは不安定な代物じゃ。数分で消滅する。それに平行世界に行くこと自体、困難なものじゃ。二度と戻れない可能性もある』

 

「え? つまり、誰が行ったのか分からないが、ワームホールを潜り抜けた艦娘は……」

 

 受話器を握りしめたまま何も言えない

 

「どうすれば……」

 

『どうする事も出来ん。こちらは従来の事をするまでだ。ウイルスの特効薬を作らねば』

 

 曹長は茫然自失のまま受話器を置いた。研究機関や登戸研究所などに呉鎮守府の病原体のデータを送ったが、どれも空振りだ

 

「気持ちは分かる。しかし、これが日本の医学の限界だ」

 

 出血熱という事もあって研究するのも限られる。軍医は必死になって突き止めようとしているが……

 

(別世界で解決案を持ってきてくれよ。こちらはもう何も出来ない)

 

 もし、艦娘の誰かが死んでしまったら間違いなく検視の為に解剖されるだろう。艦娘はタフだが、無敵ではない。病死だけは避けなくては

 

 

 

 ワームホールを潜った大和たちは、強烈な光と音で驚いていた。ワームホール自体、潜ったのは初めてである。果てしない白く輝く空間に四方八方にから見えない力が艦娘たちを襲い、浜風と磯風は悲鳴を上げた

 

「時雨はこの空間を通ったのか?」

 

 矢矧は戸惑った。周りから襲う見えない力はそんなに強くないが、圧迫感は感じる。夕張は重力を感じるかも知れないと言っていたが、これの事か? 

 

 しかし、作戦を中止することは出来ない。何故なら、ワームホールを潜っている世界は高次元の世界である。三次元の世界とは全く違うのである。艦娘たちは見えない流れに身を任せるしかない

 

 どれくらい経ったのか、分からない。1時間かもしれないし一瞬だったかも知れない

 

 不意に外に出た

 

「ワームホールを潜り抜けた。警戒して」

 

 矢矧はワームホールを潜り抜けるや否や指示を出した。この世界がどんなものなのか、分からない。もしかすると、文明が発達せず野獣ばかり溢れた土地かも知れない。大和たちは直ちに警戒体勢を取ったが、誰もいない。それどころか静かだ。夜なのか、ワームホールが消えると辺りは真っ暗だ

 

「異常……ないよな」

 

 朝霜はキョロキョロしながら言ったが、雪風は仕切りに電探を弄っている

 

「矢矧さん、電探の様子がおかしいです!」

 

「私のところも。妨害? それとも乱反射?」

 

 電探のスコープは霧がかかったかのようにあちこち反応している。故障ではない。しかし、こんなおかしな反応は初めてだ。海上ではないとはいえ、こんな反応はしないはずだ

 

「不気味ですね」

 

 浜風は呟いた。周りは山と草原だけで人工物は無く、人気もいない

 

「大和さん、矢矧さん、あれを見てください」

 

 不意に雪風は叫んだ。大和たちが見てみると遠くに駅がある

 

「あそこまで歩いてみましょう」

 

 矢矧は言った。それしか無い

 

 

 

「駅員も客も居ない……この駅はどうなっているのよ? おかしいわ」

 

 霞は苛立たし気に言った。歩いて駅に着いたのはいいが、何もなかった。それどころか時刻表もない。改札口はあるのだが、どうみても長い間使われていないように見える。

 

「駅名もなんて真ん中の文字がかすれて何て書いてあるか読めないぜ。き……らぎ駅? 聞いたこと無いな」

 

 朝霜は首を捻った。確かに聞いたことがない駅だ。朝霜は駅名や周りをカメラで写真を撮っていた。記録として残すらしい。尤も、この編成が全滅したら、誰がこのフィルムを見るのだろうか? 

 

「なぁ、太鼓のようなものが聞こえないか?」

 

 磯風は辺りを見渡したが、他の艦娘も聞こえていた。しかし、何処から鳴っているのか見当もつかない。また、太鼓の音色も不気味に感じた

 

「大和さん、この世界は違う気がします……何だかあの世みたいな気がします」

 

 雪風は進言したが、雪風は何か恐れている。雪風の言う通り、まるであの世みたいである

 

「そうね……無線では電波1つ拾っていない。何処か分からないけど、目的地ではないのは確かね」

 

 矢矧はこの世界が何処かおかしいと思った。というのも、位置を正確に探ろうと夜空の星の天体観測をしたが、どうもおかしい。星座どころか北極星すら見当たらない。しかも、星の並びが綺麗すぎる。まるで、適当に配置したように見える

 

 こんなのはあり得ない

 

「大和さん」

 

「分かりました。ワームホールを発生させます」

 

 大和も頷いた。少なくとも、目的の世界では無い

 

 白く輝くワームホールを発生させると彼女たちは潜り抜けた

 

 

 

 高次元の空間を潜り抜けた大和たちの目に入って来たのは眩しい太陽光と海である

 

 艤装を纏っているため、溺れる事はなかった

 

「今度は何の世界?」

 

「さぁ……でも、何か蒸し暑くない?」

 

 涼月は立ち上がりながら聞いたが、霞は違った。よく分からないが、何だか蒸し暑い。近くに陸地があるが、草木で生い茂っていた。しかし、そこに生えている植物は見たことがない

 

「東南アジアに飛ばされたかな?」

 

「だとしても、人工物が全く無い。無線機から電波を拾っていない」

 

 浜風は何気なく言ったが、矢矧は否定だった。こんなことあるのか? 

 

 そんな中、雪風は海の中に異音が聞こえると言ってきた

 

「何の音?」

 

「分かりません。生き物かも知れませんが、浮上してきます!」

 

「皆、警戒して! 浮上してきたら攻げ──」

 

 雪風の報告で大和は攻撃体勢を取った時、海面から何かが現れた。その生き物は大きく、首が長い。口には魚を咥えている

 

「攻撃……待って」

 

 大和は攻撃しないよう手で制したが、他の艦娘は唖然として固まっていた

 

「き、恐竜? そんな事って」

 

 矢矧もこれは予想外だったらしく、茫然自失していた。艦娘が唖然としている中、首長竜は呑気に魚を食べている。人と出会っていないため、警戒はしていないようだ

 

 

「妖精の話だと、あれは首長竜というらしいです。種類は分かりませんが」

 

 浜風は興奮しながら言った。一同は陸地に上がり、状況把握をしていた

 

 変な駅から抜け出したと思ったら恐竜時代にたどり着いた? 

 

「時代は何時なの?」

 

「恐竜の事は詳しくないですが、3本角の草食恐竜や甲羅状の鎧のような草食恐竜がいましたから、中生代辺りかと」

 

 浜風と磯風と朝霜は付近を偵察したが、どれも目を見張るものばかりだ

 

 何せ、水辺には草食恐竜たちがたくさん居たからだ。考古学者や提督の父親である博士が見たら大喜びしているだろう

 

 朝霜は夢中になって写真を撮りまくり、入っていたフィルムは使いきったくらいだ。まだフィルムはあるので問題無いが

 

 余談ではあるが、艦娘は知らないが彼女たちが見た恐竜はトリケラトプスとアンキロサウルス。初めに見た首長竜はフタバスズキリュウ*3である。どれも白亜紀に生息していた生物である

 

「中生代って何時の時代よ!」

 

「えっと……大昔です! 約1億年前の*4!」

 

 霞は金切り声を上げたため、浜風は慌てて言った。それもそのはず。まさか、人類誕生すらしていない恐竜時代に飛ばされるとは思いもしなかったからだ

 

「恐竜って……また外れ」

 

 大和は落ち込んでいた。何もなく観光目的であれば話は違っていただろうが、今はそんな気分にもなれない。朝霜が恐竜の卵を鞄に隠し持っていた事が発覚し一悶着していたが、大和は考え事をしていた

 

(このままでは何も変わらない)

 

 大和が考え事をしていたため、後ろから冷酷なハンター達が近づいてくるのに気がつかなかった

 

「大和さん、大丈夫ですか?」

 

 涼月は大和が落ち込んでいる事に気づいたため、朝霜の卵騒動から離れ駆け寄った

 

「ええ。大丈夫よ。涼月は?」

 

「大和さん、心配しないでください。皆、必ず帰ってき──」

 

 涼月が言い終えようとしたその時だ。大和の後ろの草むらから何かが物凄い勢いで飛び出してきた。明らかに大和を狙っている。が、冬月の艤装である連装砲ちゃんの対応が早かった。10cm高角砲が火を吹き、飛び上がった何かに命中。弾の勢いで大和に飛びかかる軌道から逸れて地面に落ち、そのまま絶命した

 

 砲声で一悶着していた朝霜たちは、口論をやめ駆け寄った

 

「何があったの!?」

 

「あれが大和さんを襲いかかりました!」

 

 涼月は地面に転がっている生き物を指差したが、その姿に矢矧は驚いた

 

 身体は小柄ではあるものの鋭い歯に足には深く曲がった大きな鉤爪を備えている。どうみても肉食恐竜だ

 

 矢矧は知らないが、大和を襲おうとした恐竜は、ヴェロキラプトルである

 

 それに草むらからは何か不自然な動きをしている。一匹だけではない! 

 

 大和たちは草むらを警戒していたが、涼月が別方角から何かに突然襲われた

 

「あああ! 離れて!」

 

 その肉食恐竜は涼月の腕に噛みつき、涼月は悲鳴を上げた。艦娘の艤装は戦闘用に作られている。深海棲艦の攻撃には耐えられる。しかし、動物におそわれるという事態に想定して作られていないため、野獣の歯や牙は通ってしまう。精々、サメ避け対策ぐらいだ。数ヶ月前、平和党や武田が隠れ家をしていたところを急襲した時、時雨と夕立は浦田残党が放った犬にかまれたのもそのためである

 

「雪風、涼月をお願い! 残りは砲撃開始!」

 

 大和の号令で艦娘たちは一斉に射撃を開始した。ヴェロキラプトルの群れは飛び出して艦娘に襲いかかろうとしたが、砲声と機銃音と爆発音で怯み、涼月に噛みついていたヴェロキラプトルも聞いたことが無いバカデカイ音に驚き逃げてしまった

 

 何しろ、46cm主砲の威力は凄く肉食恐竜数匹を肉片にしたため、流石のヴェロキラプトルも怯んだ

 

「涼月! しっかりして!」

 

「ごめんなさい! 大和のせいです!」

 

「申し訳ありません。私が……油断していました」

 

 脅威が去ると皆は慌てて涼月を治療していた。簡易型高速修復剤を持っていたため止血はできたが、涼月の服には血がついていた

 

 このままでは他の肉食恐竜が彼女の血の臭いを嗅ぎ付けて来るかも知れない

 

 戦いでは勝つ自信はあるだろうが、弾薬には限りがあるため無闇に撃てない

 

「ワームホールの準備を!」

 

「今、チャージ中! 後、3分ぐらい!」

 

 涼月は雪風と霞が支える形になったが、ワームホール発生の準備が整っていない

 

「皆、警戒を!」

 

 大和が指示を出そうとした時、砲撃で滅茶苦茶になった草木から何か大きな恐竜が現れた

 

 その恐竜は彼女たちを見つけると睨み付けていた

 

 恐らく、涼月の血の臭いを嗅ぎ付けたのだろうが、見慣れない姿であったため悩んでいるらしい

 

「あれはティラノサウルス。図鑑で見たことある」

 

「早く! 朝霜、カメラ撮るのはいいから!」

 

 彼女たちは身動きとらず、かつ、ティラノサウルスに砲をむけながらワームホール発生まで待っていた

 

 もし、逃げたらティラノサウルスは追跡するだろう

 

 ティラノサウルスが注意深くゆっくり歩いて来た時、ワームホールが発生した

 

「出来た! 皆は行って!」

 

 大和が他の艦娘たちにワームホールへ行くよう伝えると大和はティラノサウルスに向けて走り始めた

 

「や、大和! 貴方、何を!」

 

 矢矧は叫んだが、既に遅かった。ティラノサウルスはこちらに来るエサに向けて吠え、大きな口を開き大和を食べようとした。だが、大和は砲を発射せず、なんとティラノサウルスを殴ったのだ。艤装を纏った上に本気で殴ったのだろう。下顎を殴ったため、約9トンものの肉食恐竜が一瞬宙に浮き、地響きをたてながら倒れた

 

 大和の行動に全員は唖然とし、大和が帰ってきても熱心に写真を撮っている朝霜以外は微動だにしなかった

 

「殴ったときに恐竜の歯が落ちていた。朝霜にあげる」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

 朝霜は喜んだが、他は違う。ティラノサウルスを一発でノックアウトした! しかも素手で!? 

 

「と、兎に角、急ぎましょう」

 

 矢矧は我を帰ると皆をワームホールに入るよう急がせた

 

 

「今度は……何?」

 

 ワームホールから抜け出し、辺りを見渡した矢矧は顔をしかめた。地形から見て山林らしいが、見慣れた植物であるため、少なくとも現代だろう。早速、付近を偵察するため雪風と浜風と磯風は偵察に向かった。偵察機はあるが、燃料が限られているため今回は使わない

 

「また、変なところだったりして」

 

「やめて、そういうのは!」

 

 朝霜の冗談に霞は噛みついたが、霞は涼月を支えていたためあまり強気にはなれない。そんな時、偵察に行っていた雪風は何かを見つけたらしく駆けつけてきた

 

「大和さん、矢矧さん、きてください!」

 

「雪風、どうしたの。って手を引っ張らないで!」

 

 雪風の慌てる姿に矢矧は戸惑った。何を見せて欲しいのだろうか? 

 

 雪風の急かしに大和たちは言われるがまま歩いた。森林ばかりではあるが、数メートル先に人工物を見つけた。公園らしく、そこには浜風も磯風もいた。無人ではあるが

 

 しかし、浜風も磯風も公園の遊具には触れておらず、ある方向に目を向けて微動だにしていなかった

 

「磯風、浜風、何か見つ……け!?」

 

 矢矧が声をかけようとしたが、矢矧は浜風磯風が見ていた光景を圧倒されていた

 

 丁度、ここは麓を見下ろせる場所だろう。そこには町が広がっていたが、その町の様子に驚いた

 

 少なくとも普通の町ではなかった。何か古風な街の風景である。しかし、古風とはいってもどこかひどくちぐはぐで、違和感を感じさせる奇妙な景色だった

 

 まるでイギリスの産業革命時代の町並みと日本の江戸時代の町並みをミックスしたようなもので、そこに住んでいるであろう人達の服装も様々だ。シルクハットの紳士を着こんだ人が居たと思えば、刀を携え侍みたいな格好をした人もいる

 

「これは……何?」

 

「少なくとも私たちが知る過去の世界では無いですね」

 

 矢矧は呆然としていたが、大和は冷静だった。彼女は既に状況を把握していた

 

「どうしますか?」

 

「直ぐに立ち去りましょう。少なくとも、現地の人達とコミュニケーション出きるかどうか分かりません」

 

 雪風の問いに大和はテキパキと答えた

 

「どうして?」

 

「無線機からラジオらしき電波を拾ったけど聞いたことがない言語。日本語はおろか、英語、ドイツ語、フランス語、ロシア語ではないのは確か」

 

 大和は艤装に装備されている無線機からラジオを流したが、確かに聞いたことがない

 

「中国語でも無いです」

 

 雪風は首を傾げながら言った。海外の艦娘の交流があったため、ある程度の言語は何なのか分かる。雪風は『艦だった頃の世界』において戦時賠償で中華民国に引き渡された事がある。そのため、雪風は中国語はある程度は理解出来る。だが、ラジオから流れる言語はどれも当てはまらない

 

「少なくとも私たちが目指している世界ではないでない。現地の人と接触するのは不味いです」

 

「分かりました。皆、ワームホールを発生させて。朝霜、何時まで写真を撮ってるの」

 

 朝霜が夢中になって目の前に広がる町並みを撮っていたため、矢矧が咎めた

 

 幸い、公園に来る人はおらず、ワームホールは無事に展開し艦娘たちはワームホールを潜り抜けた

 

 

 

 ワームホールから出た大和たちは、困惑した。何しろ、出た場所が店のような所だったからだ

 

 店のような、というのは本棚や家具やらが並んでいたからだ。照明も付いているらしく、とても明るい

 

「店? なら、誰がいるはず!」

 

 大和たちは喜んだが、それは直ぐに焦燥に変わった。この店はとても変である。というのも、いくら歩いても出口らしきものは見当たらない

 

 大和は零式水上観測機を飛ばしたが、妖精の報告をは信じられないものだった

 

「まるで店が無限大に広がっているようにみえる」

 

 勿論、誰も信じられなかったため、雪風たちは本棚によじ登り辺りを見渡したが、確かに妖精の言う通りだった。店の出入り口どころか従業員も客もいない。零式水上観測機は高度を上げたが、高度5000メートル上がっても天井らしきものは見つからなかった

 

「まさか、店そのものが異世界?」

 

 予想外過ぎて困惑する大和たち。どうしようか悩んでいると、雪風はあるものを見つけた

 

「大和さん、レストランがあります!」

 

「レストラン?」

 

 雪風の報告に大和は困惑したが、確かに本棚と家具が並んでいる通路の脇にレストランがある

 

 しかも、バイキング方式で調理した食事が並んでおり、食器やナイフフォークなどがある。しかし、従業員はいないどころか、値段すら書いていない。英語表記があるだけだ

 

 大和たちは悩んだが、既に空腹であるためレストランの所で食事を開始した。食事は肉料理が主だったが、味はそんなに悪くはない。間宮さんの腕が良かったかも知れないが

 

「毒が入っているかも知れない」

 

 矢矧は警戒したが、誰かが食事を食べた形跡はあったため、その線は薄い

 

「だけど、ここは何処なんだ? 無線すら繋がらないぜ」

 

 朝霜はあちこち写真を撮ったが、誰も答えない。答えられない、が正解だろう

 

 なので、ワームホールで再び行くことにした。ワームホールを

発生させるためにチャージする必要があるため、設定していたが、突然照明が消えた

 

 何が起こったのか分からないが、持っていた単照灯を照らすと正体不明の怪物が何処から現れたのか突然、艦娘に襲ってきた

 

 ソイツは人のようなものだ。ようなものというのは、体が2メートルもあり顔のない化け物である。腕はとてもゴツくスイカでも片手で割れる力も持っていそうだ

 

「当──閉店し──ります、建──退出して──さい」

 

 何処から声を発しているのか分からないが、敵である以上は応戦しないと行けない。それに砲声や機関銃音のせいでよく聞き取れない。皆は無我夢中で攻撃した。対空機関砲から46cm主砲まで。特に46cm主砲は本棚や家具を丸ごと木っ端微塵になったが、襲撃者は攻撃の手を止めない。相手は簡単に倒せるが、彼らは恐怖を感じないのか死体を掻き分けてこちらに突進していく

 

 しかも、まるで無限のように湧き出ている。分身しているのか!? 

 

「このままだと弾切れしてしまいます!」

 

「早く、早くワームホールを!」

 

「あー、もうしつこい!」

 

 皆は砲を撃ちながら叫びまくったが、状況が分からない

 

 今はまだ大丈夫だが、この調子で撃ちまくったら弾切れになってしまう! 

 

 そう思っていたところ、雪風が報告してきた

 

「ワームホール、出来ました!」

 

「よし、大和が3式弾を撃ち込みます! それを合図にワームホールへ!」

 

 ワームホールで脱出するのはいいが、ワームホールまで追ってこれたら意味がない

 

 大和が3式弾を撃ち込み、辺り一面を破壊した後、ワームホールに逃げ込んだ

 

 人型をした怪物はワームホールまで追跡しなかった

 

 

 

 その後もいろんなパラレルワールドへ向かったが、一向にたどり着けない

 

今度は「月の宮」という謎の駅に着いたが、駅から見える街の風景は超高層ビルが摩天楼のように立ち並び、歩いているの人も2メートルを超えているのではないか?という世界。ピラミッドなどが立ち並び明らかに古代文明の世界といった世界などほぼ関係ない、もしくは的はずれな世界でしかなかった

 

 特に酷かったのが中世ヨーロッパ風の世界に迷い込んだ事だ。風というのは、見たこともない生物がいたからである。街を見つけたため寄ったが、そこには人はおらず、居たのは奇怪な化け物や西洋のおとぎ話として出てくるドラゴンのような生き物や剣を持った怪しげな人などのよく分からない軍団がおり、艦娘の姿を見るや否や一斉に襲いかかったため、やむ無く応戦。初めから殲滅戦で挑んだ。何しろ、恐竜やら謎の怪人やらに襲われたのだからこちらも本気を出さないと行けない。手を抜くと相手は調子に乗る

 

 弾薬が尽きる直前に敵は撤退した。戦闘もほぼ一方的で敵は火器類は持っておらず弓矢と変な光を放つ程度であったため、ほとんど遠距離射撃で敵を一掃した。敵が占拠した街は完全に破壊されたが、今はそれを気遣う余裕もないし、街の建物も中世ヨーロッパみたいに小柄であるため仕方ない。また、敵のほとんどが人間ではないため手加減する必要が無い。空からはドラゴンに乗った騎士の集団が襲ってきたが、防空艦娘である涼月が全て撃ち落とした。深海棲艦の艦載機や結衣が所持し鹵獲したF5U戦闘機に比べてば、楽なものである。たまに銃撃を掻い潜り襲う者もいたが、格闘戦でねじ伏せた。特に大和の46cm主砲の威力はすさまじく、岩の姿をした巨人の集団が大和の46cm主砲一斉射撃によって全て粉砕されるとフードを被った集団は一目散で逃げ出した。また、敵の将軍らしきものが訳の分からない言葉を発してきた。内容は分からなかったが、録な事を言ってはいないだろう。余りにも鬱陶しかったので矢矧が15.2連装砲改を問答無用で叩き込んだところ、敵の将軍は爆砕し、敵の軍勢はようやく撤退したのだ

 

 襲ってきた相手の目的は不明だが、どうみても録な事ではないだろう。明らかにこちらを捕まえようとしている。事実、縄や鎖を持って駆逐艦娘を狙ってきたため、大和は三式弾で辺りを無差別の爆撃。敵はワメきながら逃げ出した

 

 なので、これは正当防衛だ

 

戦闘が終わるとワームホールを起動。目的の世界に行く

 

 

 

 そして、遂に……

 

 

 

「大和……もう起動しない。ワームホールは作れない」

 

 矢矧は泣きながら言った。今いる世界は薄暗い。上は奇妙な光が照らしていたため、お互いの顔は分かるが、この空間は無限に広がっているようだ

 

 この空間は何もない。植物も動物も人も人工物も何も

 

 あるのは冷たい大理石のような地面が永遠に広がっている空間だけ

 

 大和は周りを見た。皆は酷く落ち込んでいた。あれほど異世界の光景に興奮していた朝霜も今では項垂れていた

 

「ごめん……なさい。私が……大和がこんなことをいわな……かったら」

 

「大和のせいではないです!」

 

 矢矧は必死になっていたが、矢矧自身も分かっていた。目的の世界にたどり着けず、弾薬も自己防衛のためにほとんど使いきってしまった。涼月も肉食恐竜(ヴェロキラプトル)に咬まれた痕から病原体に犯されたのか、高熱を出して倒れている。訳の分からない軍団との戦闘で悪化したのだろう

 

「もう戻れない! 戻ったとしても生死を彷徨っている仲間や提督に何て言えばいいの! 治療薬を入手出来ませんでした、なんて言える!?」

 

 大和は泣きながら言った。既に心が折れそうだ。生物兵器を治す方法すら分からず、イタズラに変な世界を渡り歩いただけだ。しかも、命の危機が幾度とあった

 

「私たち……ここで死ぬのね」

 

「司令、時雨ちゃん……サヨウナラ」

 

 霞と雪風は消えるような声で言った。既に皆は諦めていた。救助は期待していない。『艦だった頃の世界』でも天一号作戦で沖縄に出向いたが、結局は空振りした。雪風は幸運にも生き残ったが、今回は生存出来そうにもない

 

 啜り声が聞こえる中、大和は地面に腰を下ろして座った。もう帰れそうにもない。餓死して死ぬことだろう。大和は時雨や提督を思い出しながら目をつぶっていたが、誰かが大和の肩を揺らしている

 

 顔をあげると、矢矧が涙を流しながら大和の肩を揺すっている

 

「大和! あれ見て!」

 

 矢矧は指を指して叫んでいる

 

 大和は目を向けた。暗くて分からなかったが、確かに誰がいた

 

 こちらに向かっている

 

 しかし、こちらは弾薬は尽きた。格闘戦は負けないが、相手が艦娘と同じくらいの身体能力を持っていたらお手上げだ

 

「足音からして数は2人」

 

 大和は呟いたが、相手の顔を見た大和は驚いた

 

 直接会ったわけではない。しかし、話は聞いたことがある。秋雲がある艦娘の証言のもとに描いたらしいが、それに似ている

 

「貴方は……」

 

 大和は慎重に口を開いた。本人なのか?

 

*1
一般相対性理論によると重力とは物を引っ張る力ではなく空間の歪みである。空間の歪みを別の例えで表すと柔らかい座布団の上にリンゴを置くと座布団の表面が凹む、というのが重力である。超新星爆発などで生じる重力が波のように伝わる事を重力波という

*2
重力波の観測は巨大な装置が必要であり、また1940年代には重力波を観測する機器はない。今作品は博士が作った独自で開発した観測機器という設定である

*3
厳密にいうと首長竜は恐竜に当たらない

*4
大和たちが着いた世界は白亜紀。年代は約1億4500万年前から6600万年前である




大和に会った人物は……?
因みに大和たちが行った異世界の元ネタは

1,きさらぎ駅(都市伝説)
2,白亜紀後期の恐竜世界
3,311東北震災にまつわる不思議な話 (都市伝説)
4,SCP3008
5,月の宮駅(都市伝説)
6,エジプト文明
7,ありふれたファンタジー世界(ネット小説など)
etc

不本意とは言え、色んな世界を旅しましたね。悪影響にならないのを願うばかりです

大和たちが訪れた世界の後日談()
①艦娘が訪れた恐竜世界から暫くして……
テレビ『速報です!某国から発掘されたヴェルキラプトルの化石から銃弾のようなものが多数発見されました!これを受けて考古学者は──』
タイムパトロール「誰だ!タイムマシンを使って恐竜狩りを行った不届き者は!」
ドラえもん&セワシ「「ギクッ!」」
恐竜ハンター「俺たちじゃ……ないよな……」

②SCP3008の入り口を警備していた武装職員
武装職員A「何か中から音が聞こえなかったか?」
武装職員B「聞こえたぞ。大砲の音みたいな音だ。スタッフ相手に大砲をぶちかました人がいたんだな」
武装職員A「大砲なんて商品にあったっけ?」
武装職員B「さぁ?探せばあるんじゃない?」
誰も気にしなかった

③ファンタジー世界
とある勇者「ある村が魔王軍に占拠されたと聞いて出向いたら魔王軍は既に壊滅していて魔王は既に倒されていた!何があったんだ!?負傷していた敵の将軍から聞くと変な格好をした少女数名が現れたため奴隷として捕えようとしたが、少女たちは妙な爆発魔法を使ったらしい。威力も高く魔王軍はたちまち全滅されたという。精鋭部隊でも手こずった魔王軍を少女数名で倒した!?しかも、そのうちの背の高い傘を持った女性がゴーレムやオークを素手で殴り飛ばしたらしい。余りにも意味不明の事を言っていたため牢屋にぶちこんでやった。しかし……魔王軍は兎も角、命からがら逃げた奴隷たち捕虜たちも同じことを言っていたため本当だろう。ってそんなことはどーでもいい!仕事が無くなったじゃないか!折角、英雄になって優雅な生活が送れると考えていたのに!今では滅茶苦茶になった街を復興を優先のためか依頼は労働者募集しかない!街の人たちは魔王軍が来るのを察知して早めに逃げたため死者出なかったのは良いけど!誰だ、魔王を簡単に倒した奴は※!」
勇者、活躍せず!

※矢矧が魔王を15.2cm連装砲で簡単に倒したため、それを見た魔王軍は逃げ出したいうのが真相

訂正。悪影響はなかった

余談ですが、重力波については厳密には理解するのは難しいので、取り敢えずは「そういうものがあるんだなぁ」程度でいいです
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