まあ、来年は冬季北京オリンピックがありますが
それはそうと投稿が少し遅れました
「それで話って何?」
皆が会議室から出ていった後、時雨は教授質問した。いや、他の人もいる。提督も提督の父親である博士もいる。何と大和と武蔵までも残っているのだ
「狂犬病の件は嘘だ。本題に入りたい」
扉が閉まっているを確認した柳田教授の言葉に皆は驚いた。狂犬病は嘘?
「なら、なぜ提督だけでなく、私も呼んだのです?」
大和は不満そうに言った。どう言われて呼んだのか分からないが、嘘と分かれば不機嫌になるのも無理はない
「実はあの会議で僕が話したのは半分だ」
柳田の言葉に皆は驚いた。話したのは半分だけ?
「言いたいことは分かる。なぜ全て言わなかったのか。……僕は自衛隊の顧問として働いていたのを知ってるな」
「ああ、それがどうした?」
「幹部自衛官と話してる内に機密関連……自衛隊だと特定秘密といっていたが……それらも関わったこともあるから、どんな情報をこの場で言っていいのか、大体は分かる」
柳田は今にも抗議しようとしている提督に淡々と語る
「つまり、あの場でも言えない事なのじゃな?」
「そうだ。大和と武蔵と時雨は独断で連れてきたが、無関係ではない」
博士は軍の経験からか察しがついた。軍に機密はつきものだ。恐らく、あの場で言えない何かに気づいたのだろう
「まずは浦田結衣について。艦娘の最上がコンバート改装してアーセナルシップになった、と言っていたのを聞いて嫌な予感がしたんだ」
「嫌な予感って?」
時雨は固唾を飲んだ。何か気がついたのだろうか
「軍は最悪の状況を想定するのが常だ。軍事関連はそんなに得意ではないが、これは僕の予想だ。アイツは──」
柳田は自分自身の考えを述べた。柳田の仮説を聞いた時雨を初め他の3人は驚愕した
「バカな! アイツがあれを持っていたら躊躇いもなくやってるはずだ! 幾らなんでも!」
武蔵は声を荒げた。それは許されない行為だが、結衣のやり方に矛盾が生じる
しかし、時雨は違った
「武蔵さん、アイツならやりかねない!」
「時雨! アイツがあれを持っていたらとっくに使っているはずだ! 奴は強いが、イカれ野郎だ! 時雨も結衣に何をされたか分かっているだろ!」
武蔵は否定した。本当にあれを持っていたら普通は使ってるはずである
「分かってるよ! 拷問を何回も受けたし、一周目では全員酷い目にあったからこそだよ! ……それに5年前はリリはいなかった」
「提督はどう思っているのですか?」
大和は迷い提督に意見を求めた。上官である提督は何か分かるだろうか?
「……奴は原子力空母という強大な力を選ばず、わざわざ魔改造した戦艦を選んだ。一周目の世界の記録も含め自分自身の艦載機で攻撃した、という話も無かった。あったとしても過去に赤城加賀が艦載機を発着艦を出来ないようにする程度だ。奴は強いが、深海棲艦やボスである戦艦水鬼改とは違って軍事作戦を行った形跡はない。奴の軍事作戦が滅茶苦茶だ」
「しかし、提督も艦娘もそんな人に負けたのだろ? 単純だが、バカではない」
「悔しいが、事実だ」
提督は指摘されて何も言えなくなる。強大な力を持っていたとはいえ、一隻の戦艦に翻弄されている
「奴はサイコキラー……知能的だが精神異常がある殺人者の事だが……それに未来ロボットであるリリの能力がある。何らかの防御策があるにしろ核を耐えたのだから正攻法で勝つのは難しい。だから、勝てる手段であろう可能性を授ける」
「可能性?」
「そうだ。勝てる可能性だ。可能性。少し昔話をしよう。僕の世界では不本意とはいえ、リリによって誕生した深海棲艦をアメリカはある爆弾を投下して消し飛ばした。ブラックホール爆弾と呼ばれるものだ」
柳田は自分の世界で起こった事を話した。内容は『向こうではアメリカが敵を消し飛ばす兵器を開発したので深海棲艦を消し飛ばした。しかし、深海棲艦は高次元の世界に飛ばされただけで隕石の衝撃によって発生したワームホールによってこの世界に現れた』との事だ
「ブラックホール?」
「この世界でアインシュタインが生きていたら驚くだろうが。専門用語が多いから簡潔明瞭に説明する。ブラックホールというのは質量がとても大きい天体の事だ。星が死を迎える時に、ある条件が揃えば発生する。ブラックホールは重力がとても強く光ですら飲み込んでしまう」
柳田はブラックホールの事を説明した。尤も一般の人に分かりやすく説明していた。実際、この時代においてブラックホールは理論上の存在だからだ*1
「G元素は物理法則に反する存在だ。君達が呼んでいる開発資材もそうだ。作ってる奴らは表面上にしか分からない。艦娘も深海棲艦自身も。無能者が兵器の名前は覚えても兵器の仕組みや種類を表面上にしか理解出来ないのと同じだ」
「まあ、事実じゃろう。ワシの先祖ですら悩ませたものだからのお」
博士は頷いた。時雨も博士からよく聞かされていたからだ
「僕の世界でアメリカは兵器化した。……ああ、待ってくれ。作るのは流石に無理だ。大型である粒子加速器もない時代で作れる訳がない。僕でも不可能だ」
柳田は提督が何をいおうもしたのを察したのか制した
「それとどう関係が?」
「仮に半径1センチのブラックホールが地上に出現したら地球は壊滅的になる。ブラックホールに吸い込まれたいかなる物体は凄まじい重力によってスパゲティのように引き伸ばされ粉々になる*2。僕はあの時に死ぬはずだった」
「しかし、娘さんの話は深海棲艦にいた島を吹き飛ばしただけ、と言っておった……まさかG元素から作り出されたブラックホールそのもの自体が物理法則に反しておるのか?」
周りはさっぱりだが、博士はあることに気づいた
「……そうだ。古代の人達はそれに気付き暗殺用か何かに使ったのだろう。リンフォンのような。だが、それだけでは解決しない。結局は別の世界に飛ばすだけでそこで暴れたら意味がない。下手をすれば君たちの親友である田村1尉のいる世界に浦田結衣を送ってしまう」
「それは不味いよ」
時雨はハッとした。消し飛ばしただけでは解決しない。大和達が平行世界に何度も飛ばされたのは聞いていたが、どれも結衣に倒せそうな力を持った世界ではない
「ブラックホールは使えないのなら話しても意味ないのでは?」
「落ち着け。話はまだある。ブラックホールに吸い込まれる前に僕は観測器を身に付けていた。ブラックホールの中心……特異点と呼ばれる存在に。特異点は僕がいた世界でも解明出来ず物理法則も通用しない。自然界には存在しない」
提督の指摘に柳田は説明したが、特異点が何なのかピンと来ない。しかし、特異点は物理法則が通用しない存在らしい
ん? 物理法則が通用しない?
「物理法則が通用しないって……その特異点で何かをしようというのが教授の考えなの?」
「そうだ。艦娘は開発資材を形成している元素に特異点を利用し形成した特殊な開発資材を使う。君たちに対して」
時雨は気がついた。艦娘にパワーを与える手段についてらしい
「どんな力なんだ?」
「時間だ」
武蔵は食いついた。力に興味を持ったが、柳田の返事に戸惑った
「時間?」
「そうだ。時を瞬間的に加速させる。通常なら老化が早くなったり鉄が錆びて朽ち果てるが、それは心配いらない。こちらで調整出来る。1940年代の兵器を一気に進化させる。その時の艦娘も進化するだろう」
柳田の説明に皆は驚いた。これなら科学技術無しでそんな事は可能なのか?
「時を瞬間的に早めるって……」
「重力は時間を含む全ての次元を超えることが出来る。一般相対性理論という難しい理論になるが、これは省略する」
時雨はピンと来なかった。魔法みたいたが、どうも違うもの……らしい
「しかし、今の艦娘が未来兵器搭載した艤装に大改装出来るのか?」
「アイオワさんは出来た」
「アイオワは例外だ。『艦だった頃の世界』では第二次世界大戦後も使われていたからだ」
時雨は指摘したが、逆に提督に指摘されて何も言えなくなってしまった
「いや、これは『もしも』の世界線になる。未来は決まってはいない。数千……いや、数万通りもある。うまく行けば『もしも今の艦娘が進化し浦田結衣よりも強い力を持っていれば』にたどり着く」
柳田の説明に提督はまだ納得していなかった
「それはかなりのギャンブルだ。失敗したら? お前の手によって大改装した艦娘はどうなる?」
「浦田結衣よりも弱かったらそれで終わりだ。しかし、大改装が失敗すると……簡単に言えば死ぬことになる。特異点の力を諸に受けるんだ。局地的な重力と時間の力によって死体も艤装も原子レベルにバラバラになるだろうな」
「……論外だ」
柳田の話を聞いた提督は呟き、時雨も真っ青になった。しかし、前にもこんな事はあった。感覚は麻痺していたかも知れない。自分でも何を言っているかわからない
「ギャンブル……いいよ。僕も受ける!」
「え?」
「待て、時雨。何を言ってるのか分かっているのか?」
大和と武蔵は驚愕した。こんなにあっさりと認めるとは思わなかったからだ。武蔵は固まったが、今度は柳田に問い詰めた
「おい、別の艦娘ではダメなのか?」
「他ならいいのか?」
「そういう意味じゃない! 時雨は少し前に狂犬病で死にかけていたんだ! それを──」
「偶然は実力の1つだ」
柳田は淡々と答えた
「そこの提督から時雨がタイムスリップによる過去の改変やタイムパラドックスによる消滅と魂の帰還なども聞いた。恐らくタイムスリップの際に4次元の力……何らかの力の一部を取り入れていたのだろう」
「そうなのか?」
「狂犬病は発症したら100%死亡する。あの治療薬の劇薬の効果は3日なのに1日も経たずに、しかも後遺症も起こらずに回復した。偶然ならそれでいい。しかし、偶然を引き起こす力も取り入れたのなら──」
「いや、それでもダメだ! 艦娘は実験動物でも無いんだ! 時雨に何でも押し付けるな!」
武蔵は吠えた。確かに浦田結衣に勝つ手段はあるかも知れないが、リスクがある
「……そうか。この話は無かったことにしよう。ターズ、行くぞ」
「待て」
柳田は頷くと立ち去ろうとした。だが、柳田が動く前に提督は声をかけた
「ギャンブルと言ったな。上手く行ったら勝てるのか?」
「僕はアイディアと力を提供するだけ。戦いはプロである君と艦娘次第だ」
「分かった。時雨はどうする?」
提督は柳田の回答を聞くと時雨に聞いた。時雨は驚いたが、既に決まっていた
「やるよ。断る理由はない」
「時雨、ちょっと待って。考え直せ──」
武蔵は必死に説得したが、時雨はハッキリと言った
「浦田結衣は分断や仲間割れを狙っている。僕たちまで仲間割れをしたら思う壺だ。僕が先陣を切って戦うことで1つにする」
「いや……しかし……」
武蔵は驚いた。そんな覚悟があったのか?
「やることは1つだ。それで勝てるなら文句はない」
「……感謝するよ」
柳田は頷いた。これで良い
「それで、その特殊な大改装は僕だけではないよね?」
今度は時雨が柳田に質問した。提督と博士は柳田に目をやり、大和武蔵は戸惑った
柳田の意図がよくやく分かり出した
「……出来るのですか? 私たちも」
「理論上はな」
大和は信じられなかった。まさか大和たちも可能なのか?
「まず言っておくが、特殊な開発資材は誰でも使えるわけではない。莫大なエネルギーが流れるため、死ぬリスクがある。しかし、エネルギー消費量が多い艦娘なら死亡するリスクは減る」
「嫌みに聞こえますよ。……でも、失敗しても貴方はそれを使って私達を死者蘇生出来るんじゃ?」
『いいえ。死者蘇生どころか、これは治療も殺人も関係ないです』
大和は気にしている事にムッとしたが、気になったことを口にした。だが、答えたのはなんとターズだ
『この特殊な開発資材には再構築、再生、修復しか能力はありません。教授の補足説明すると、『あり得たかもしれない未来兵器を装備した艦娘』に変換するものです。それ以外の事は出来ません。病を治す等の力は無いです』
「つまり、なにかを作ったり破壊したりするのではなくて物質を変換するというのじゃな?」
『そうです。しかし、この能力の効果は未知数です。また、無事に大改装によって強力な力を手に出来たとしても従来の大改装と違い永続的に続くものではありません。数時間もすれば効果は切れ元に戻ります。本来、特異点は自然界に存在しませんから』
ターズはレンズから光を当てた。ホログラムというものだろう。そこにはポッカリと黒い球体に光のモヤのようなものが回っている。皆は分からないが、説明文が書いてあった。『ブラックホール』と
「提督、村雨と吹雪と如月はアイツに殺された。これ以上の犠牲者は出したくない」
時雨は決意して提督に言った。これ以上の議論はするつもりはない。提督に反対されてもやるだろう
「……分かった。柳田教授、やってくれ」
「分かった。因みに僕が出来るのはここまでだ。後は軍医か工作艦明石のような役割しか出来ない。娘が死ぬのだけは避けなくてはな」
柳田はそう言ったが、誰も噛みつかなかった。彼は軍人ではないから仕方ない
「よし、ところで教授。その特殊な大改装とやらは後何人分あるのか?」
「後1人、うまく行って可能なら2人だ。しかし、慎重に選ばないと」
柳田教授の答えに皆は困惑した。大和武蔵と時雨の他に誰にやるべきか
硫黄島
「ゴトランド……済まない。現実だよな、これは……夢だったら」
「現実よ。黙って」
サウスダコタはうわ言のように話している。しかし、ゴトランドは気が気でなかった。ボロボロになったサウスダコタを連れていっている。しかし、足は骨折しているためサウスダコタを背負うようにして搬送している。艦娘であるため力の心配はいらないものの、長いこと背負うのも難しい
だが、今はそれどころではない。正門の警備兵に異常を察知したのか、基地が慌ただしくなった
「敵が侵入しただと? どうやって侵入した? 海は深海棲艦がいるし、空はレーダーが見張っている」
「分かりません。奇想天外なやり方で侵入したとしか」
「クソ、大部分の戦闘員は日本本土に行ったから、人数が少ないというのに」
物陰から様子を伺い情報を集めていたが、兵士たちの話によると今は戦闘員はそんなに居ないらしい
「行きましょう」
出口は封鎖されているので出る場所を考えないといけない。だが、建物は迷路になっており、しかも引っ切り無しに武装した兵士が巡回しているため建物の奥に移動するしかなかった
「あそこの研究室は窓がある。窓から飛び降りて脱出よ」
「いやいや、無理ですって! ここは三階ですよ!」
ガンビアベイは慌てたが、イントレピッドは本気だ。今はそれどころではない
研究室は人気がなく、研究員はいない。……いや、数人はいた
「ゴトランド、サウスダコタは面倒を見るから研究員を眠らせて」
「待て、置いていくな……私を1人にしないでくれ」
「わ、私もいますから落ち着いてください」
サウスダコタは錯乱してるのか精神が不安定だ。ガンビアベイは落ち着かせようとしたが、サウスダコタは目が見えない
そのためこれが現実か夢か分からないのだろう
一方、ゴトランドは研究員の後ろからゆっくりと近づき接近すると催眠術をかけた
研究員は糸が切れた操り人形のように倒れるように眠った
「よし、今のうちに。サウスダコタさん、立って」
サウスダコタはゴトランドとガンビアベイを引きずるように引っ張り窓の方へ向かった。破壊されたとは言え、艤装で着地の衝撃は和らげるはずだ
やったことがないため分からない
皆は窓の方へ向かおうとしたが、イントレピッドは止まった。ガンビアベイの浮き輪さんがしきりに研究室にある電算機の操作パネルとノートに指を指していた
「何してるの? 早っ……ん?」
イントレピッドは浮き輪さんを掴んで行こうとしたが、イントレピッドは研究員が書いたであろうノートに目が入った
ノートは英語で書いてある。内容は難しいが、ある単語に引っかかった
「何々……テスラコイル……フィラデルフィア計画……超兵器、駆逐艦エルドリッジ……電磁力ワームホール……並行世界の通り穴の生成……座標の割り当て……」
このノートに書き込みがしてあることからある場所から盗まれたものらしい
『結衣の手土産もうちの科学技術部門の人は喜んでいました。こちらにも奇跡が起こるかもしれません』
通信室で聞いていた内容はもしかして……
(都市伝説は事実だったことは驚きはしないけど、まさかこの研究は! ここで手を止めないと!)
ここで何をしてるかは大体は予想はしている。と言ってもイントレピッドは研究員ではないため操作方法は分からない
取りあえずは巨大なテスラコイルと磁場発生装置の試作品は外にあるらしい
「マニュアルは英語と日本語……えっと……ここをこうして」
「イントレピッドさん、早く!」
ガンビアベイは急かしていたが、イントレピッドは違った
狂気か神のお告げかも知れない。下手したら都市伝説のように消し炭になったり、艤装の金属と一部一体化になるかもしれない
「結衣も出来たのだから私たちも!」
イントレピッドは手探りで操作したが、実行と書かれた赤いボタンを押すとアラームが鳴り響いた
「何をしたのです!?」
「F-14のところに走って!」
「そ、それって……操縦なんて出来ませんよ!」
「大丈夫、信じて!」
イントレピッドは急かすように言った。兵士たちの怒号と足音が聞こえるが、今は口論してる場合ではない!
長門「あれ?私は?」
清霜「戦艦になる世界線はないの?」
陸奥「後、2人って誰よ」
ガリバルディ「(口笛)~♪」
???????「もしかして私?」
おや、大和と武蔵と時雨に変化が??
まあ、どんな改装になるのでしょうかね
ん、最後のあるイタリア艦娘が口笛吹いてるけど気にしない