そんな中、先日には阿蘇山が噴火
天変地異の前触れか??
「誘導は順調! 敵に気づかれる様子はない!」
『よし、別部隊は待機しておけ。戦艦水鬼改も参加するからそのまま!』
赤城は彩雲からの敵を観察し提督に報告した。イントレピッドのE2Cホークアイも存在しているが、高出力レーザーで今は遠くにいるためレーダーで見ている。目視も重要だ。赤城や加賀の艦載機は全て高出力レーザーで撃ち落とされたが、偵察機は何故か無事で逐次報告していた。敵は落とす必要とないと考えているのか分からないが、今はそれしか出来ない
「上手く行けばいいけど……」
敵を動かさなくするためには機雷や魚雷が使われる事にはなっているが、本当に効果あるかわからない
それもそのはず。ニューヨーク防衛戦では連合軍もワシントン達は魚雷や機雷は使われていないため効果は不明である。敵は光線兵器でたるレーザー兵器を積んでいるため、重い魚雷を使うのは無理と考えたのだろう。ホーネットはB-25双発爆撃機だけを使い、イントレピッドは艦攻であるTBFアヴェンジャーは全機撃ち落とされたからだ
魚雷は酸素魚雷が使われる予定である。それも一点集中による側面攻撃。しかも酸素魚雷は雷跡は見えないため、ソナーで音は拾う事は出来ても何処から来るのか分からないはずだ
また魚雷は海面の下を航行するためレーザー兵器で容易に破壊できないはずだ。光の屈折により狙いにくいからだ。しかし、敵は当然、ハイテク兵器を保有している。前回は誘導魚雷はかわされたため、無誘導でやるしかない
魚雷を発射する潜水艦もひっそりと海底に隠れており、雷巡は遠くでスタンバイしている。旧史の味方への誤爆がなければの話だが
「本当に上手くいくっぽい?」
「今は成功するのを祈るしかない」
夕立は主砲を発射しながら不安そうに聞いていたため、時雨は安心するように言った
今はそれしかないからだ
時雨も夕立に続いて結衣に挑んだ
鎮守府
「天然痘?」
提督は柳田教授から電話での経緯を聞いていた。どうやら、武田は天然痘である生物兵器を持っているらしい
「教授、あんたはまさかこれを予期していたのか?」
「いや、この時代は天然痘はまだ撲滅していないから全員にワクチン接種しただけだ。別に生物兵器に備えてではない」
提督は聞いたが、柳田は否定した。本当に違うらしい。本人の気まぐれというものか……
「天然痘ってヤバイ病気でしょ? 罹ったら……私達は死にます……イタタ……」
提督と教授が話しているのを瑞鶴は聞いたのだろう。先程の戦闘で大破して負傷し包帯だらけになっている。敵は最大出力で照射したのか、遠くにいる空母娘にレーザー兵器を照射した。レーザーは瑞鶴の身体を貫通した。幸いなことに腹部を貫通しただけと迅速な処置を行ったため無事に生きていた。他の空母娘は無事だ。艦載機は片っ端らから撃ち落とされているため艦載機の補充が追い付いていない
「さっさと寝ておけ。医者の言うことを聞かないと麻酔無しで手術するぞ」
「本当にしたら……爆撃するから……覚悟なさい」
「冗談は兎も角、奴等が今さら天然痘を持ち出しても意味はない。潜伏期間は7~17日間。感染しても4日以内にワクチン接種すれば防げる。インカ帝国時代のような昔なら兎も角、今の状況で使うなんて嫌がらせしか使えないはず。それでも感染力や症状*1は脅威だが」
柳田教授は瑞鶴を無視して自問自答していた。天然痘に限らず大半の病原菌は即効性は無いからである。炭疽菌ですら潜伏期は1~7日程度。そのため、柳田教授は次に使う生物兵器は炭疽菌辺りだろうと考えていた。というより、生物兵器はテロか国の経済を破壊するなどにしか効果はない。また、病原菌というのは無計画にばら蒔いても効果を得られない事もある。よく核兵器と比較されるが、核とは違う脅威であるためそれでも天然痘の猛威は凄まじいため安心は出来ないのだが
「嫌がらせってどういうものだ?」
「あー、天然痘はエボラウイルスと同じく非常に危険な感染症*2……致死率はエボラウイルスに比べて低いが……それでも感染したら患者は地獄のような苦しみを味わう。また、治っても身体や顔にひどい
「生き残っても無事じゃ済まないじゃない! 道理で加賀さんがワクチンを打つよう言ったはずだわ!」
提督の質問に対して柳田教授は答えたが、柳田の説明に瑞鶴は金切り声を上げた。痘痕になると女性は美を損ねると言われたのを瑞鶴は思い出したらしい
「安心しろ。それくらいは何とかなるし、化粧で隠せるだろ*3。天然痘対策は僕がやるから、君は寝るんだ」
「嫌よ! 翔鶴姉が心配で──」
瑞鶴は柳田教授に引きずられるように連れていかれた。瑞鶴は抗議したが、柳田は医者としての対応をしてるだけだ
「……天然痘か。確か失明する事もあるんだったな」
提督は昔、ある本で読んでいたのを思い出した。ある戦国武将は幼い頃に天然痘に罹ったため失明した*4とか
そんな時、無線機からこちらを呼び掛ける声が聞こえてきた。提督は直ぐにマイクを取った
海上では砲弾が飛び交い、時には強力な光線が空を切った。そのたびに空中で幾つもの爆発の花火が起こった。高出力レーザーが飛翔する砲弾や戦闘機が命中し、爆発したものだ
「これ以上の戦闘は無理! 早く何か手を打たないと!」
アイオワは絶叫した。アイオワ自身も砲撃していたが、砲塔である16inch三連装砲 Mk.7の1つがレーザーを貫通して破壊され使用不能になった。残り二つの砲塔はあるが、何時潰されるかわからない。コミックが好きなアイオワにとっては敵が高度な知能を持った異星人の軍艦に見えた
「頑張って! 後は潜水艦が何とかしてくれる!」
「正直、ミーはエネミーが核やジェット機は効かないのに大量の魚雷が効くとは思えないけど……」
時雨の励ましにアイオワは愚痴を漏らしたが、実際にジャーヴィスが衝角攻撃で傷を負わせたのだ
なら、やってみる価値はある
しかし、敵は動き回っているため魚雷は悉く回避されている。それに一発や二発だけでは効果はない。実際に時雨はどさくさに紛れて雷撃し命中させたが、不発だったのか不明だが、効果はなかった
そんな中、無線から微かに無線が聞こえてきた
『……こえるか? こちらは日本海軍のイージス駆逐艦『あいづ』。君達の戦いを見ている。今から地上部隊と連携して援護射撃をする』
「え? これって……」
時雨は驚いた。まさか海軍の援軍がくるとは思わなかった。こちらを見ているということは遠くにはいないはずだ。辺りを見渡すと沖合いに二隻の駆逐艦クラスの軍艦があった。それも形は見覚えがある。雪風から双眼鏡を借りて覗いてみたが、間違いない。イージス艦だ。今度は旭日旗がはためいているため、敵ではない。敵ならこちらを攻撃しているだろう
無線で大和は慌てて戦線から下がった。無線に答えるためだ。今は陸奥とコロラドが結衣とガチンコ勝負しているため、今は加わる必要はない
「こちら旗艦大和。直ぐに攻撃して下さい!」
『ミサイル攻撃を実施するが、敵味方の識別が出来ない。目標がどれなのかマークして欲しい』
『あいづ』からの要請で時雨は直ぐに動いた。混戦しているが、敵はモンタナ級を元にしているため、艤装は大和武蔵よりも大きい
「レーザー照準するから誘導は出来る?」
『可能だ』
レーザー照準による誘導は、アイオワから教わった。そのため、無線で聞いたが、どうやら鹵獲とはいえ可能らしい。時雨は直ぐにレーザー照準器を結衣に向けた。時雨の艤装と海軍の『あいづ』とリンクはしていないため、目印をつける必要がある
緑色のレーザー光を結衣に当てた。結衣のような高出力レーザーではないため、今で言うとレーザーポインタのようなものだ。しかし、それが不味かった
敵もレーザー光を探知する能力を持っているのか、時雨がやろうとしている事に気づいた結衣はコロラドを強引に投げ飛ばすと全砲門がこちらを向いた
「コソコソと何をしているんだ、時雨とアイオワ?」
「バレた!」
時雨と大和、アイオワは高出力レーザーから間一髪逃げたが、これでは目印が出来ない
「どうすれば……」
時雨は慌てた。回避したのでは照射することも出来ない。周りが時雨達を狙っている事に気づいた艦娘達は援護したが、かすり傷さえつけないどころか反撃する始末だ
そんな時だ
『ハープーンの誘導はこちらもやる! 射つなら早く!』
『分かった。感謝する』
優子2尉が無線で聞いたのだろう。ヘリで誘導させるらしい
現場海域から数キロ離れた所。イージス駆逐艦『あいづ』
数十分前
海軍から派遣されたイージス駆逐艦『あいづ』と『あこう』は戦いの様子を眺めていた。途中で戦艦水鬼改と遭遇したが、相手は戦わなかったため弾薬を消耗しただけで損害は無かった。東京襲撃されたときは引き換えそうと考えたが、元帥からは支援するよう言われたのだ
しかし、どこで戦おうとしても光線兵器を持った相手では対処しようがない。初めは浦田重工業から押収したイージス艦を手に入れた艦長達は喜んだが、敵である浦田結衣や浦田残党はぶっ飛んだ能力を手に入れたのだ
生物化学兵器は兎も角、レーザー兵器を防ぐ能力はこのイージス艦はない。というより、どう立ち向かえばいいのか分からないといった所である
しかし、艦長は刺し違えてでも挑む覚悟はあった。だが、無闇に戦いを挑んでも無駄だろう。無駄死しては意味がない
どうすればいいのか悩んだ所、オープンチャンネルで提督の演説を聞き、更には艦娘達が必死になって戦っているのを呉鎮守府には何か策があるのかと考えた
流石に無線で作戦内容を聞くことは出来ないが、艦長は艦娘が敵を誘導しようとしている事に気づいた
「艦長、地上部隊が対艦攻撃の準備が出来たと連絡がありました。どうします?」
副艦長から連絡があったが、艦長の腹は決まっていた。こちらも黙ってただ観戦する訳にもいかない。総攻撃派と呼ばれるタカ派からは艦娘達は叩かれたが、艦娘は一致団結している。それどころか海外の艦までも戦っているのだ。これを見て「何もしない」という選択肢はない
「接近して地上から総攻撃を仕掛ける。ハープーンミサイルならピンポイントで攻撃出来るはずだ」
艦長は指示を出した
「この時を待っていたんですね。攻撃指示を出さなかったのも」
「艦娘との共闘だ。政治の事は知らん」
艦長は副長の言葉を受け流していた。総攻撃派の事は艦長自身も興味なかった。元帥は兎も角、現場の苦労を知らない上の連中なんて知ったことではない
味方同士、いがみ合っていても何の得もない
そして現在
『ハープーンの誘導はこちらもやる! 射つなら早く!』
「分かった。感謝する」
艦長は直ちに砲雷長に伝えた。浦田重工業から鹵獲したものだからリンク出来るはずだ
「全部隊、攻撃準備完了!」
「攻撃開始!」
艦長は直ぐに命じた。この期を逃してはならない。ミサイルが発射する音を聞きながら敵を仕留められるよう祈った。東京で多数の人の命を奪った報いだ!
イージス駆逐艦『あいづ』『あこう』に搭載されているハープーンランチャーからハープーンが発射された。それと同時に地上部隊からも攻撃をしてきた。浦田重工業から鹵獲した地対艦ミサイルが発射された。計13発の対艦ミサイルがSH-60とターズ、そして時雨のレーザー照準によって誘導した
既に大和が退避するよう他の艦娘に命じたため一斉に下がった
結衣が艦娘が下がったのを不審に思って手を止めたのか分からないが、対艦ミサイルは迎撃されることなく艦娘の間をぬって正確に敵に全弾、命中した
対深海棲艦の兵器であるため効果はあるはずだ
「やった?」
時雨は一瞬喜んだが、それは直ぐに掻き消された
相変わらず無傷だ。それどころか、敵はイージス艦に向かいながら航行。アーセナルシップに変形するとミサイルを発射した
「不味い。攻撃されてしまう!」
時雨は慌てた。こちらを援護してくれた味方がやられてしまう!
時雨が無線で警告したが、既に遅かった。結衣が放った艦対地ミサイルは少し離れた所で陣取っていた地上部隊を襲った。攻撃に使用した自走ロケットランチャーだけでなく、輸送トラックや装甲車をミサイルが襲い全て破壊された。大爆発が起こり、兵士達は爆風で飛ばされてしまった
2個中隊を引き連れてきた中隊長は奇跡的に無事だったが、目に映るのは破壊された戦闘車両と避難したり救助したりする兵士達の姿だった
「何て事だ!」
中隊長は絶叫した。せっかく、援護しに来たのに! 一矢報いるどころか、もう戦えないじゃないか!
一方、イージス駆逐艦の二隻も無事ではなかった。結衣は再び戦艦に変形すると高出力レーザーでイージス駆逐艦『あこう』を狙った。高出力レーザーが『あこう』を貫通。重油か弾薬に引火したのか大爆発を起こし炎上してしまった。艦橋は吹っ飛び、そこにいた士官達は絶命してしまった。VLSは格納されたミサイルが誘爆したため吹っ飛び単装速射砲は宙へ舞い、そのまま『あいづ』の飛行甲板に激突してしまった
イージス駆逐艦『あいづ』
「僚艦『あこう』大破! 我が艦も被弾しました!」
「見れば分かる!」
艦が何かとぶつかり揺れる中、報告してきた部下に艦長はどなり返した。CICにいるため、外の様子は分からないが、艦橋にいかなくても想像はつく。数分で2個中隊の地上部隊や僚艦『あこう』を葬ったのか? 道理でニューヨーク戦で連合軍は負け、東京は火の海になるはずだ!
そんな中、艦橋から報告が来た
「敵がこちらを狙っています!」
「クソ!」
艦長は歯軋りした。この兵器は素晴らしいが、レーザー兵器を防ぐ能力なんて無い
『回避して! 敵は狙っています!』
SH-60から悲痛な無線連絡が来たが、艦長は慌てなかった。寧ろ冴えていた
命じていないのに127mm速射砲の砲声が聞こえたが、敵にとっては豆鉄砲なのだろう
「最早、ここまでか……」
艦長は呟いた
結衣がイージス艦『あいづ』に照準を合わせていた。イージス艦は防空艦としては恐るべき能力を発揮するが、光であるレーザー兵器には対処出来ない。127mm速射砲が狂ったように撃っているが、結衣は無視してチャージを行っていた
そんな時だった。武田が連絡してきたのだ
『結衣、あのイージス艦は我々の物だ! 出来れば奪還して欲しい!』
「考えておく」
結衣はそう答えたが、彼女もそうするつもりだった
しかし、水兵を全て降ろすなんて無理に決まっている。そのため、退艦勧告ということはせず、沈まない程度まで攻撃するつもりだった。どんな水兵だろうが、戦闘不能と航行不能にしてしまえば、音を上げるはず
戦いが終わったらリリから貰った能力で修復すればいいだけだ
チャージしている最中、結衣の後ろを静かに近づいている者がいた
神通と川内だ
(夜で無くても殺れる覚悟はある!)
(油断している。今なら!)
神通と川内が同時に斬りかかった。
刀は結衣の背中を貫通し、短剣は結衣の頭部に当たったが、敵は血を流しても平然としていた
「効かない!?」
「これはこれは、あの時のくの一とお仲間か」
敵は後ろを向いたまま短剣や刀を手刀で刃物を折るどころか、急に振り向きチャージし終えたレーザー砲から高出力レーザーを照射した
レーザーは装甲を貫通し弾薬に引火して誘爆。神通も川内も瞬時に大破した
「そんな……バカな……」
「この私に暗殺なんて出来ない。何を企んでいるか大体は分かるが、お前達の無駄な足掻きを見るのも飽きないな」
結衣の嘲笑いに川内は倒れながらも結衣の冷たい言葉を聞いてゾッとした。
大体は分かる!? 今回の作戦はどこも漏らしていない! スパイは紛れていないはずだ! ハッタリなのか? それとも、提督の作戦を読んでいたのか?
「な、何を言って……」
「キルゾーンまで誘導してタコ殴りか。今度はどんな手品を見せてくれるんだ。飽きたら今まで攻撃してきた分の痛みと絶望的を与えるぞ」
「ヒッ!」
川内は結衣の殺気に身体が震えた。五年前の恐怖は克服したはずだ。それなのに……手が震えて身体が動けない。神通の方を見たが、妹は気を失っている
それに、なぜ敵はこちらの作戦を知っているんだ? ハッタリではない!? そうなると……全て無意味じゃないか!
「策士、策に溺れるとはこの事だ。まあ、ビジョンと多少異なるが、大体は合っていたな。しかし、相変わらず安定した未来を見せてこないものだ。もうそろそろだな」
結衣は正二十面体を取り出し睨んでいた。川内の事は眼中にないらしい
川内は逃げるように神通を引きずりながら一目散に逃げた。恥を晒しているようなものだが、今はそれどころではない!
伝えないと!
「川内さん、無事ですか?」
時雨は逃げてきた川内を迎えてきた。二人のやっている事は自殺行為だ。当然、相手の返り討ちで大破したが、奇跡的に逃げることが出来たらしい
結衣は何故か川内と神通を逃がした
「川内、よくやった。お陰で敵はキルゾーンまで誘導出来た! 後は──」
「違う! あいつは五年前のあいつではない! 私達の遊びに付き合っているだけ! 全員逃げて! 早く!」
中破でボロボロになりながらも長門は艦娘達に命じたが、川内は泣き叫ぶように長門に問い詰めていた
川内がここまで取り乱しているのは初めて見た。那珂は落ち着くように長門から引き離したが、それでも彼女は暴れた
「川内さん、どうしたんでしょう?」
「わからない。鎮守府で教授か博士に見て貰うしかないな。陸奥はどう思う? ──陸奥?」
長門は陸奥に聞いたが、陸奥は返事がない。いや、陸奥は結衣を凝視していた
「何で……何であれが……あいつが持っているの……何で……」
陸奥はうわ言のように呟いていた。陸奥は何を見たのか?結衣の方を凝視しているが……。しかし、今は問いただす訳にはいかない。もうすぐ潜水艦からの雷撃攻撃が始まるからだ
「派手にやってますね。酸素魚雷でお見舞いしましょう」
伊8を旗艦に潜水艦娘達は配置に着いた。瀬戸内海の海中で身を潜み、ずっと待っていた。彼女達の任務は持てる酸素魚雷全てで結衣を攻撃する事だ
敵は対潜能力はない。それは五年前と同じだ。どうも敵は対潜を操った駆逐ナ級か軽巡ツ級に任せているらしい
伊号潜水艦を舐めているようだが、今回はろーちゃんである呂500やルイージ・トレッリまでいる
敵との距離は取れた。後は雷撃をするだけだ!
そう思った時、海面から何かが落ちた。爆雷かと思い全員身構えた
「あれは……錨?」
伊26は気づいた。日が差してこないため、海中は薄暗かったが、音からして明らかに錨だ。鎖の音も聞こえる
敵は錨をおろした?
しかし、直ぐにこれはただの錨では無いことに気づいた
何と錨がまるで生き物かのようにこちらに向かっている! しかも速い!
「嘘! 錨がこちらに向かっている!?」
突拍子もない事に潜水艦娘は大混乱した。こんな事は見たことも聞いたこともない。深海棲艦でも理不尽に爆雷を落とし悩まされたが、こんなえげつない事は生まれて初めてだ
慌てて逃げようとしたが、はっちゃんが捕まってしまった。鎖は蛇のようにはっちゃんの身体を縛ると、物凄いスピードでそのまま海面に釣り上げられてしまった。他の潜水艦娘は取り返そうとしたが、敵の動きが素早かった
「そんな! あり得ない!」
「冗談にしてはキツイっぽい!」
時雨も近くにいた夕立も愕然とした。敵は鎖付きの錨を使って潜水艦娘を釣り上げた???
まさかの展開に艦娘達は思考状態に陥った
「時雨、大和、アイオワ! 攻撃してみるならしてみやがれ!」
「卑怯者め!」
時雨は悪態をついたが、どうすることも出来ない。敵ははっちゃんを人質に取った。これでは攻撃は無理だ!はっちゃんがやられてしまう!
呉鎮守府から十数キロメートル離れた所
呉市にはいる道路は警察が封鎖していた。避難民もいて時折、衝突はしていたが、遠くから聞こえる戦闘音に皆は動揺していた
そんな中、一台のパトカーがやってきた
「検問してますね」
「ですね。取り敢えず、県警に連絡しましょう」
鶴川巡査長と杉田警部は車から降りると先についていた板倉刑事に駆け寄った
「ここから先は立ち入り禁止だ。戦争では俺達は無力だ。援護に駆けつけた陸軍の地上部隊は壊滅的だ」
板倉は簡易テントに指を指した。そこは軍の医療班だったらしく兵士達もいたが、大半は負傷兵だらけだった。明らかに戦闘が行われた証拠だ
「ですが、彼等の手助けは出来ます。少なくとも浦田結衣をサポートしている浦田残党を我々でも手に追えるはずです」
杉田警部の意外な返事に板倉刑事は眉を釣り上げた
「天然痘を持っている戦闘集団だぞ? 502部隊は反撃しているが、相手は生物兵器だけでなくロケットランチャーや迫撃砲を持ってる。そう簡単に手出しは──」
「その辺りは大丈夫ですよ。それよりもこちらに考えがあります」
「考えね……まあ、軍よりも早く武田副社長を逮捕できるのならそれでいい。それで、どうするんだ?」
杉田警部はにこりとした。浦田残党を投降させる手段を用意したのだ
後は通用するかどうか……
ネタ1
イージス艦あいづ「ふざけるなよ。あんな化け物に勝てる訳ないだろ!どうして熱線を吐く化け物と対峙しないといけないんだ!不憫だ!特に白目の怪獣王とか白目の怪獣王とか白目の怪獣王とか!」
ネタ2
浦田結衣「潜水艦娘を鎖で縛って人質を取ったぞ!攻撃するならしてみろ!」
伊8(はっちゃん)「助けてー!」
夕立「ねぇ……あの縛り方って確か亀甲縛りだったっぽい」
時雨「夕立……どこでそんな言葉を覚えたんだ?」
武蔵(誰かさんのR-18の雑誌か何かを持っているのを読んだな……)
??「ハクション!」
戦艦レ級「ソノ手ガアッタカ!」
武蔵「アイツの真似をするなよ」
はっちゃん、鎖で緊縛され強制浮上!
人質に取られてしまったが……
対潜攻撃能力はないが、捕獲は出来るようで()