時雨の緊急任務 ~リベンジ~   作:雷電Ⅱ

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もう正月は過ぎましたが、あけましておめでとうございます

初詣・某神社
時雨「艦これアニメ二期が成功しますように」
吹雪「私も登場しますように!」
時雨「……」


第64話 深海棲艦の拠点

「まったく司令官さんは人使いが荒いんだから」

 

「いいんじゃない? 別に敵基地を攻撃する訳じゃないんだから」

 

 ある海域で吹雪がブツブツと不満そうに言い、時雨は慰めていた。しかし、吹雪はわざとらしく言っているため、何時もの事だろう。なんだかんだと言いながら出撃や遠征にいっているのだから

 

「急な出撃や遠征でも艤装を装備して海に出る私達って……慣れって恐ろしいよ」

 

 吹雪はため息をしながら言ったが、この事には時雨も同感だった。

 

 睦月も如月と楽しく話ながら航行し、村雨はやれやれと言った感じである

 

 編成は時雨と吹雪、睦月と如月と村雨、そして大鷹である

 

「無事に戻ってこれたと思ったらこんな出撃するよういわれるし」

 

 村雨も不満そう言っていたが、時雨は気になっていたことを質問した

 

「村雨、吹雪ちゃんも如月ちゃんも聞きたいことがあるけど……沈んだ後の記憶はないの?」

 

 時雨が恐る恐る聞いた。吹雪3人が沈むならまだしも、蘇って深海化した時期があった。恐らく、浦田結衣の能力の影響かもしれない

 

 身体では問題なく、明石を初め博士も教授も問題ないと言ったのだから、そこは心配しなくて言いかもしれない

 

 しかし、時雨が生死を彷徨っている時に沈んだ吹雪達と会った。狂犬病はほぼ100%死ぬ病だ。もしかするもあの世で吹雪如月村雨があの世に行くのを阻止し、亡霊である浦田社長が時雨を引きずるのを必死に食い止めようとした

 

 もし、覚えていたら礼はしたい

 

 しかし……

 

「ごめん。私、悪魔の殺人光線を受けてからの記憶はないの」

 

「深海化した記憶もないし」

 

「それよりも村雨は見たかったな。時雨と大和が覚醒した艤装」

 

 吹雪も如月も村雨も時雨が臨死体験した事は覚えていない。深海化した時でもだ

 

「写真や映像はあるから何時でも見れるよ」

 

 実は呉戦争の時の写真や映像は残っている。映像は教授の機材だが、写真は青葉が撮っていた

 

 そのため、戦闘映像まるで映画のような迫力であり、グロテスクや電磁パルスの影響で一時期的なブラックアウト所は兎も角、大和や時雨がパワーアップして倒す場面は皆が興奮したらしい

 

 電磁パルスでほとんどの機材は破壊したが、時雨大和の未来艤装であるカメラやターズが電磁パルスに耐性を持っていたこともあり、戦闘の最後まで残っている

 

 扶桑山城がイージス艦仕様の時雨の写真を自室で額縁に飾っていたのを見て何とも言えなかった

 

(提督も本気で僕の名前が入った神社を建てようと考えていて参ったよ)

 

 反対はしないが、あまり気が進まない

 

 青葉も記者ではなく、映画監督を目指しているのではないか? と言われるくらいだ

 

(でも提督の話を聞いた時には驚いたよ)

 

 時雨は出撃する前のブリーフィングの時を思い出した

 

「深海棲艦は停戦協定を逆手に経済攻撃している。恐らく、狙いは紙幣価値を下げる事だ。戦時中に敵国の紙幣を偽造し敵国にバラまかれると、敵国の紙幣自体の信用はガタ落ちし、経済が停止する。現状のままだと国家崩壊もされかねない。偽札を使った経済攻撃は過去にもあった*1が、敵はそれを倣ったようだ」

 

 経済についてはあまりピンと来ないが、提督の話だと現在使われている紙幣がただの紙切れになる可能性があるという事だ。そうなると、外出で買い物も出来ないどころか、電気や水道などのライフラインも停止する可能性も高い。正史であった世界大恐慌が来る可能性も高い

 

「戦艦水鬼改が考えた作戦なのかな?」

 

 深海棲艦は頭が回る奴だ。それなら、奴らがやっている事を止めないと

 

 

 

 某無人島

 

「ここか……」

 

 ある島を見つけた時には既に日は暮れていた。日本からそう遠くは無いが、地図にのっていない島を見つけたのだ。なぜ地図に載っていない島があるのか不明だが、大久野島のようなものではないのは確かだろう

 

 提督が事実確認したからである。現在では生物化学兵器に携わっていた関係者は憲兵と警察が合同で捜査しているため、ここが極秘裏に作られた研究施設ということはまず無いだろう

 

「不気味です」

 

 睦月は呟いた。その島は木や草むらが生えて自然に溢れていたが、鳥の鳴き声すらしない。夕暮れで辺りが暗くなっている事もあり、地獄の島に訪れた気持ちになる

 

「目的は情報収集だから交戦は避けようね」

 

 時雨は指示を出し皆は頷いた。深海棲艦の拠点は不気味なのは何時もの事である。何も知らない人は「アトランティスかムー大陸の住人の生き残りだ」などと冗談で言っているが、そんなことはない

 

 深海棲艦が何を考えているかわからない。生態が不明であり、柳田教授や陸奥の証言も今や役に立たない。独自の文明を持っているらしく、交渉も応じず、どの国にもつくことはない

 

 浦田結衣の力は凄まじいためボスである戦艦水棲改は隠れがちだが、彼女も手を招いていない訳ではない。知性もあり、拠点も転々としている

 

「建物がある」

 

 吹雪は指を指した。見た目が軍事建物ではあるが、奇妙な形をしており、色も黒一色である

 

 一同はこっそりと近づいた。そして物陰から見て驚いた

 

 建物からは大量の札束が吐き出されていた。その札束を集積地棲姫を中心に深海棲艦がせっせと袋に積めて空母ヲ級や軽母ヌ級に渡していた

 

 その中に混じって戦艦レ級もいた

 

「キシシシ。コンナ紙ヲ適当二バラ蒔ケバ国モ軍隊モハ勝手ニ倒レル」

 

 遠くに離れていても戦艦レ級の笑い声がこちらに聞こえてきた

 

「サッサト行ッテクレ。ドサクサ二紛レテ機械ヲ手二入レタノハイイガ、対抗サレタラ効果ハ無クナル」

 

 集積地棲姫は面倒くさそうに言っていたが、別に嫌がって居なかった

 

 時雨達は離れると周辺を探った。しかし、各国の軍隊が行っているような警備兵はいない。そう簡単に島に入れないと油断しているのか? それとも、侵入者が居ても捕まえる自信があるのか? 

 

 それでも敵はいる事には変わり無いので建物に接近し窓を覗いていた

 

 電気が通っているのか、中は電灯がついていたため、比較的明るかった。しかし、中は深海棲艦は居ないものの印刷機械が沢山並んでいて大量の紙幣を刷っていた。印刷機械は深海棲艦仕様なのだろうか? それにしては人の手で作られたものだ

 

「どうする?」

 

「取り敢えずは写真撮ろう」

 

 皆は相談して中に入り撮り始めた。機械に印字されている札や番号まで

 

 シャッター音も機械の駆動音で気づかないはずだ。よって慌てずレンズに指が入らないようフィルムを使い切るまで撮りまくった

 

「よし、出よう」

 

 後は逃げるだけ。交戦は考えていないのと最低限の武装しかないため見つかると終わりだ

 

 建物から出て海に向かおうとした時、怨念染みた声が時雨達の耳に入ってきた

 

「コンナ所デ何ヲシテイル? 時雨、泥棒二転職デモシタノカ?」

 

 皆が振り向き武器を構えたが、待ち伏せしていたのか既に囲まれていた。戦艦ル級と重巡リ級二十体が砲を向けている。その中に戦艦水鬼改が居た

 

(バレた!)

 

 皆は一瞬固まったが、直ぐに艤装を展開して構えた。潜入してバレない訳がない。深海棲艦だってバカじゃない

 

「……浦田結衣との戦いで傷を負ったはずじゃないの?」

 

「モウ治ッタヨ。シカシ、停戦協定デ攻撃ハ出来ナイカラ別ノ手段ヲヤッテイルダケ」

 

 戦艦水鬼改は言ったが、時雨はそれどころではなかった。現在、戦艦水鬼改を倒せる武器は無い

 

「何で偽札を作ってばら蒔いているの?」

 

「私達ヲ倒ス超兵器ガ邪魔ナダケダ。ダガ、停戦協定ガアルカラ手ヲ出スコトハ無理ダ。ダカラ、ハイパーインフレヲ起コスコトニシタ。集積地棲姫ガ捕マッテイタ時、奴等カラ話ヲ聞イテイタカラナ」

 

 戦艦水鬼改はニヤリとした。深海棲艦はやっぱり意図的に偽札をばら蒔いていた。経済戦争を起こしている

 

「オット撃ツノカ? 撃ッタト同時二停戦協定ハ無クナル事二ナルゾ」

 

 時雨は引き金に指をかけたが、戦艦水鬼改は挑発した。深海棲艦は敵だ。しかし、今回やっているのは鎮守府攻撃ではなく、日本経済だ

 

「舐めないで貰える? 僕と君は敵対する関係。だから、協定を守る事なんてしない」

 

 時雨は言ったと同時に爆音が聞こえた。大鷹の天山(九三空)と九六式艦戦改がこちらに猛スピードで向かってくる音だ。大鷹は夜間でも艦載機を発着艦出来る能力があるため遠くから見守っていたからだ。恐らく、包囲されているのを見て攻撃したのだろう

 

 九三空仕様の天山は対艦攻撃の他に対潜哨戒の能力もあり、大鷹もだから、遠征でも活躍している。その天山が接近すると固まっている深海棲艦の軍団に爆弾を投下し始めた

 

 戦艦水鬼改も驚いた。空母を連れてきて爆撃されるとは思いもしなかったからだ

 

「逃げて!」

 

 時雨は指示を出すと全員はスモーク弾を発射した。暗闇にスモーク弾は無意味かも知れないが、敵は探照灯を持っている事もあるため、それを警戒していたのである。深海棲艦は攻撃をしていたが、大鷹の航空支援によって妨害され捕らえる事が出来なかった。時雨達は見向きもせず走り、海に向かった。建物が海岸に作られたこともあり、直ぐに海に出た

 

「早くこちらに!」

 

 大鷹は沖合に待っていた。艦載機の収容を済ませていた

 

「早く撤退しよう」

 

「全員無事!? そんなことより敵さん、空母を持っていないなんて」

 

 時雨は撤退を指示したが、村雨の言葉に違和感はあった。確かに深海棲艦に空母は居なかった。油断していたのか? 

 

 だが、敵は甘くなかった。居なかったんじゃない。合流するのを見計らって攻撃していたらしい

 

 その証拠に電探に多数の機影が映っていた

 

「深海棲艦の艦載機が多数来た!」

 

「いいから逃げるよ! 対空砲火を撃ちあげながら!」

 

 深海棲艦の艦載機がこちらに向かっている。大鷹さんの艦載機だけでは防ぎきれない

 

 そんな中、深海棲艦の怨念とも言える声が辺りを響かせた

 

「何度デモ水底ニ沈メ! 俗物! 逃ガサン!」

 

「飛行場姫がいた!?」

 

 時雨は愕然とした。大鷹の偵察ではいなかったのに? 

 

 

 

 某島

 

「折角、集メタ機械ガ燃エテシマウ」

 

 集積地棲姫は建物が爆撃で燃えるのを見て涙を流した。深海棲艦が必死に消火活動をしているが、全焼は免れないだろう

 

「ナゼ、接近ヲ許シタ!?」

 

「飛行場姫ガ補給ノタメ一時的ニ後退シタカラダ」

 

 戦艦水鬼改はやれやれといった感じで答えた。深海棲艦の航空支援が来なかったのはそれである。まさか、艦娘がその隙をついて接近するとは思わなかったからだ

 

 偶然か、それとも……

 

「フッ……コレモ奴ガ持ツ幸運カ?」

 

「戦艦水鬼改?」

 

「マア、イイ。アノ機械ハ元々、奪ッタ物ダカラ別二痛クモ痒クモナイ。ソレニ、モウ紙切レヲ刷ッテ人類ヲ十分ニ混乱サセタ。戦艦レ級ガヤッテクレタラ、コレデ終ワリダ」

 

 戦艦水鬼改は建物が破壊されても悲観せず笑っている

 

「休戦協定ハ破棄シヨウ。別ニ守ル必要性ハ無イカラナ」

 

 戦艦水鬼改にとって提督との休戦協定はどうでも良かった。ただ、鎮守府よりも超兵器を持つ人類の軍団の方が脅威であると考えたのだ

 

 そこである場所から奪った機械を使って経済を混乱させた。如何に深海棲艦が強くても超兵器があってはこちらにも被害が出る。そのため、経済攻撃を行った。紙幣の信用がガタ落ちし経済の機能を停止することが目的だ。ほとんどの国の軍隊は血税で成り立っているため、影響はすぐに出るだろう

 

 艦娘がいる鎮守府には効果は無いかも知れないが、深海棲艦をやっつける事が出来る軍隊ならこの効果は絶大だ

 

「人類ハ金ノ亡者ダカラナ。邪魔ハ片付ケナイト」

 

 戦艦水鬼改は次の指示をした。戦艦水鬼改も傍観してはいない。厄介な超兵器の弱点を探り倒すのが先決だ

 

 戦艦水鬼改は無線で飛行場姫と連絡したが、意外な返答が来た

 

「見失ッタ? ……欺瞞紙ト煙幕デ?」

 

 戦艦水鬼改は飛行場姫に追撃を命じた。不利と感じて撤退だろうが、逃がさないつもりである

 

 飛行場姫も了解していた。こちらにもプライドというものはある。舐められないためにも攻撃の手を緩めない

 

 仮にこちらが停戦協定が破ろうとも……

 

 

*1
国家ぐるみの偽札工作は過去にも行われている。代表例はアメリカの独立戦争時にイギリスは大量の偽札を製造した。そのため当時のアメリカの紙幣の信用がガタ落ちしただの紙切れとなった。他にもあるが、それは次話で




飛行場姫(CV:???)「何度デモ水底ニ沈メ!俗物!行ケ、ファンネル!」
吹雪「本気になっていない、あの飛行場姫!?」
時雨「もしかしてアニメ版の飛行場姫を連れてきた?」
村雨「別世界のあの人が乗り移ったかも!?」

飛行場姫(?)「煙幕にチャフ……!?アノ艦娘、強化人間カ……!?」
吹雪「完全にあの人になりきっているよ!」
時雨「あの時はどうやって倒したの?」
吹雪「時雨ちゃんもいたでしょ!風呂場にいたし(1話)、赤城さんの山盛りカレーに隠れたり(2話)!」
時雨(えー……)

偽札は時には国家転覆をしかねるとんでもない武器にもなります。過去には偽札による工作もあったようで……
まあ、詳しい話は次話で
時雨達はハマーン・カーンが乗り移った飛行場姫に追いかけられているみたいです
無事に逃げられるか?
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