時雨の緊急任務 ~リベンジ~   作:雷電Ⅱ

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いよいよ冬イベ
資源もたまっているので大丈夫のはず!


第70話 別れと出会い

 硫黄島

 

 硫黄島では浦田残党が建てた基地を軍が管理している。元々は集落と小さな海軍基地があったが、深海棲艦が出現した事により基地は放棄され、島民達は疎開された。しかし、浦田重工業が密かに造った事により建物は以前よりも立派になっていた。

 

 正史だと激戦となり小笠原諸島は連合国軍の占領下となったが、1967年で日本に返還された

 

 しかし、この世界ではそんな事は起こっていない。どちらかと言うと、浦田重工業に火事場泥棒をされ、悪用されてしまった事である

 

 今度はこちらが利用する番だ。田村1尉が居る平行世界の日本とコンタクトを取るため派遣した。万が一のことを考えて武装はしているが、結果的に使われなかった。コンタクトを取ると、早速交渉を行った。幸い、向こうの世界でも一般人はいないためスムーズに行われた

 

 そして数日後、提督と時雨達は磁気ワームホールを通して帰ってきた。磁気ワームホールは博士が作り上げたワームホールと違うものらしい。技術的な違いがあるのか、それともニコラ・テスラが生み出した技術が革新的だったのか? 

 

 それは分からない。ニコラ・テスラ本人も今では消息不明である。しかし、田村1尉と接触して帰ってきたのは事実だ

 

 元の世界に帰る時は、自衛官達が盛んに手を振って見送っていた。ワームホールが消えるまで彼らの姿が見えた。田村1尉は結局、この世界に来なかった

 

「済まない。行ってみたいのは確かだが、家族を残していく事は出来ない」

 

「分かりました。しかし、今では何時でも会えますから」

 

「緊急事態か隠密かのどちらかにしてくれ。平行世界の事を説明するのは大変だったぞ」

 

 田村1尉は苦笑した。しかし、実は田村1尉は説明するのに時間は意外にもかからなかった。多次元宇宙論は論理物理学による論説だが、平行世界については創作で幾度も使われたものである。そのため、スムーズに行われ理解出来たと言っていい。艦娘についても「向こうの世界の特有の自然法則」という無茶な論点で言ったらしい

 

 博士も同伴したら一時間も説明され田村1尉だけでなく他の自衛官達も困惑するだろうが、幸いにも彼は元帥と一緒に戦後処理を行っている

 

 話を戻すと、田村1尉には家族がいるため、やむを得なかった。しかし、彼も提督や時雨達に何かしら支援をした。パソコンもデータをアップデートしてくれたため役立つだろう

 

 ワームホールが消えるまで田村1尉達は歓声を挙げており、待機していた軍も艦娘も手を振っていた

 

 機械の動力が止まったことによりワームホールが消え、霧がかかっていた硫黄島は晴れた

 

「そう言えば提督。向こうの世界の食事は美味しかったですか?」

 

「大淀、旅行に行った訳じゃないんだぞ」

 

 大淀の質問に提督は苦笑した

 

「また、会えるかな?」

 

「今度は時間さえあれば何時でも会えるさ。色々あったが、あの磁気ワームホールは使えそうだ」

 

 提督は硫黄島にある奇妙な機械に目をやった。元々は、超兵器である駆逐艦エルドリッジの技術だ。オカルトというより超技術との事だ。柳田教授の説明によると提督の父親である博士とは違うワームホールで稼働しているらしい

 

「F-14は返した。1機は記念として飾るとして……後は柳田親子だな」

 

「別の世界で深海棲艦と艦娘が生まれた次元……柳田教授も送る気?」

 

 時雨は力なく言った。深海棲艦との戦い人類を守るのが艦娘の使命なのだが、奇妙な出来事が立て続けに起こっている。感覚が麻痺しているため、何があっても驚かないだろう

 

 ……そう言えば、ニューヨーク決戦でハウニブの写真を見たアイオワとサラトガは「宇宙人も参戦したの!?」と狂喜していたらしい

 

「成り行きでそうなったが、柳田優子2等海尉も帰還させないと。誰か2尉を呼んできてくれ」

 

「分かりました」

 

 榛名はそう言い建物の方へ向かった

 

「そういえば、向こうの世界で観光出来たの?」

 

「数時間だけね。田村1尉と彼の妻が用意してくれた服で外出は出来た」

 

 鈴谷は聞いたが、外出したことにより皆は興味津々だった。ほとんどの者は待機だったため、仕方ないことである

 

「ど、何処?」

 

「ああ、流石に向こうではネット社会?だから繫華街は禁止されたよ。代わりに『船の科学館』という所に行ったよ」

 

 皆は期待していたが、『船の科学館』という場所を言われてもピンと来ない

 

「船の博物館だったわよね」

 

「もっと他の所に行きたかった」

 

 龍田と天龍は愚痴を言ったが、長門はなぜか神妙な顔つきだった

 

「長門、どうしました?」

 

「いや、あの南極観測船……どこかで見たような気がするが……ウーン」

 

 大和に聞かれた長門は悩んだが、どうやら長門は南極観測船が気になっていた。一応、パンフレットは貰ったが、太平洋戦争を経験したとしか記載されていなかったため詳しいことは分からない。現地の人ならその場でスマートフォンを使ってネットで調べられるのだが、残念ながら一同は持っていない。田村1尉は空自出身という事もあって護衛艦以外の事はあまり詳しく知らなかった

 

「宗谷……だよね。一応、説明では特務艦と言っていたけど」

 

「形は似ていますけど、姉妹艦ではないですか?」

 

 時雨とそばに寄ってパンフレットを覗くように見ている雪風も宗谷の写真を見ていたが、首を捻っていた。記憶と違うのか、それとも……

 

「いいから待機しておけ。お土産もあるから」

 

「「「「やったー!」」」」」

 

 お土産は沢山買って来たため、艦娘達は喜んだ。繫華街に行かなくても入間基地の中には店はあったし、要望があれば田村1尉が買って持ってきてくれた

 

「そう言えば別れる前に提督は田村1尉と何を話していたの?」

 

 不意に時雨が質問した。田村1尉と遠くから見ていたが、何か深刻そうだった

 

 少し心配していたが、提督はにこりと返してきた

 

「心配するな。ただの世間話だ」

 

 提督はそう答えたが、実際は違った。あの時、田村1尉とある会話していた

 

 

 

 数十分前

 

「データはバックアップしたからこれで何とかなるだろ。というか、よく長持ち出来たな」

 

 田村1尉はパソコンをアップグレードしておいた。それはF-14返還したお礼に情報と技術的なノウハウを貰った。浦田結衣によってこっぴどくやられたからだ。復興しないといけないと同時に深海棲艦との戦いに備えないといけない。浦田残党が消えたからと言って深海棲艦が消えた訳ではないからだ。それに元々は浦田社長を陥れるためのパソコンだ。高高度核爆発で一時期は使えなくなったが、柳田教授とターズが修復したお陰で使えるようになった

 

「あんたのお陰で助かっているさ。生物化学兵器のことまで記載していなかったら、俺も時雨達も今頃はあの世だ」

 

 実は提督は生物化学兵器について、田村1尉のパソコンから学んでいた。核や生物化学兵器は切っても切れない関係である。予習はしていたが、まさか知識が役に立つとは思わなかったからだ

 

「しかし、防御方法だけだったから専門知識までは無理だったよ。エボラウイルスを使うとは思いもしなかった」

 

「柳田教授か……確かに彼の言っているようにこちらでは、お手上げ状態だったな」

 

 田村1尉は顔をしかめながら言った。もし、大和たちがこの世界に来ても隔離され、ここまで歓迎はされなかっただろう。仮に陰性だったとしても柳田教授のように治療手段はほとんどない

 

「聞いている限りだと性格は兎も角、人材としては欲しいぐらいだ」

 

「止めてください。処遇に頭を悩ませていますから」

 

「そんな事より、この後はどうするつもりだ?」

 

 提督は何気なく答えたが、彼は深刻な表情で答えた

 

「もうあなた方の過去は俺達が知っている過去ではない。どうなるか見当もつかない。艦娘達がどうなるかはよりも視野を広げる必要があるな」

 

「どういう事です?」

 

 提督は聞いた。彼は何が言いたいのだろうか? 

 

「簡単な事だ。例えば、俺たち自衛隊は、一部の集団からは「自衛隊は人殺しの職業だ」と言われることもある。道路に立ち塞がるデモ隊に頭を下げる始末だ」

 

「酷い話ですね。国を守る組織を悪く言うなんて」

 

「そうじゃないんだ、提督」

 

 田村1尉は首を振った

 

「あれは何も分かっていないだけの話だ。放っておけばいい。世の中は綺麗事で終わるとは限らないという事だ」

 

「つまり?」

 

「これは俺の個人的な考えだ。聞き流しても構わない。戦争も争いも人間の本質なので絶対になくならない。犯罪が一切起こらない社会なんて無理なことを理解しているのに戦争のない社会は実現できると思っている人がいる」

 

 田村1尉の言葉に提督はある二人組の刑事を思い出した。が、提督は首を振った。彼らは警察官だ。軍人ではないため安全保障関連については理解は出来ないだろう

 

「今の日本は平和だ。だが、その平和が成り立っているのは憲法でも願いでも何でもない。日米安保条約と核の傘、そして自衛隊の存在で成り立っている。しかし、人は目に見えるものでしか評価はしない。もしくは、現実逃避しているだけかもな」

 

 田村1尉は提督と面と向かった

 

「深海棲艦とやらの戦いが終わったら人類同士の戦いは無くなると思うか? 時雨だけでなく、他の艦娘も争いを見て失望するかも知れない。それに俺や同期のような良い人ばかりではない」

 

 提督は何も言わなかった。いや、分かっていた。もうずっと前に

 

 もし、超兵器とやらが大活躍して深海棲艦を一掃したら矛先が艦娘に向けられていた可能性があった。浦田結衣も元々は人間だ。勝った方が最大の敵に立ちふさがっていただろう

 

 今では深海棲艦だが、これが続くとは限らない。戦艦水鬼改がもし、自分の意志で浦田と手を組んだらどうなっていたか……

 

「分かっている。悲しいことに人類同士の戦いは起こっている。ナチスドイツもソ連も今は無くなっているが、紛争は未だにある」

 

 そう言われた提督は中東情勢を思い浮かべた。今では、あそこがホットだ。田村1尉がいる世界でも東欧で紛争が起こっているらしい。あまり詳しく知らないが、ウクライナという国にロシア軍が進軍しているとか

 

「それで、どうするつもりだ?」

 

「何とかしていくさ」

 

 提督はそう答えた

 

「時雨達に人類を守って良かったという社会を築くしかない。あんた達の自衛隊も創設時の時は反感があったが、今でも廃止されていない。大多数の国民から認められたんだ。自衛隊に出来るなら、俺達もできるはずさ」

 

「そうか。それなら、安心だな。あんたなら上手いことやっていける。正直言って、時雨の上官がどうしようもない人でなくて良かった」

 

「俺がどうしようもない上官ならとっくに全員殺されているよ。今回の戦争も艦娘だけの力ではない。色んな人から支援したお陰で戦えただけだ」

 

 これは正直な意見だった。もし、ダメな上官だったら浦田結衣との戦いはあっという間に決着が付いていただろう。指揮能力やバックアップのお陰で勝てたのだ。もし、それらが無いと確実に負けており、浦田重工業が天下を取るだけだ

 

「そうか。女の子が戦場に出て戦う事には驚いたが、しっかりしているなら、あんただけでなく、艦娘も俺が予想もしない答えを出せるかもしれない」

 

 田村1尉はそう言った

 

「もうお別れの時間だ。心配するな。ワームホールを閉じてしまえば、この世界の国々は何もできないさ。例え、世界最強のアメリカだろうがな」

 

 提督は頷いた。もう話すことは無いかも知れない。下手にワームホールをつないでしまったら、自分たちの世界だけでなく、田村1尉の世界も混乱するだろう。今は機密扱いにしているが、時と場合によって世間に明るみに出るかもしれない

 

 しかし、それはこの世界の問題だろう

 

「ちょっと話過ぎたか。……お別れだ。これだけは言っておきたい。全員、死ぬんじゃないぞ」

 

 

 

 現在

 

(死ぬんじゃないぞ……か。確かに戦争はそんなものか。もう感覚もマヒしてしまったか)

 

 提督は今までの事を思い出した。田村1尉については時雨から聞いたのと、短期間で電話越しと話し合ったぐらいだ

 

 しかし、彼の素性までは詳しくなかった。色々と助けてくれたが、その前に彼は日本国を守る自衛官の内の1人だ。国の命令があれば、実行はするだろう

 

「提督、どうしたの?」

 

 不意に時雨に聞かれたため、慌ててニコリとした

 

「何でもない」

 

「本当? まさかあっちの世界に住もうとは思わないよね?」

 

 時雨は呆れていたが、提督は田村1尉の話が聞かれていない事に安堵していた

 

(F-14のパイロットもスパイも始末した事は艦娘にはいう必要はないな)

 

 提督は心の中で呟いた。時雨達に配慮していることもあるが、別に知らせる必要もなかった。既に「空自のF-15と空中戦した挙句、撃墜され死亡した」と説明されている。世の中には知らなくていいこともある。彼女たちは関係ないことだし、あの出来事は向こう側の問題だからだ

 

 

 

 時雨や他の艦娘は次の出来事を待っていた。今度は単純だった。送り出すのは1人である

 

「せっかく会えたのに別れるなんて、お姉さん……寂しいわ!」

 

「むっちゃん……泣かなくていいのに」

 

 別れを惜しむように泣く陸奥を優子は慰めた。彼女も元いた世界に帰るためだ。田村1尉とは違う世界だが、優子は移住するために来たわけではない

 

 しかし、やはり別れるのは惜しいようだ。いつも仲良くしていた長門も今では残ってくれ、とせがむ始末である

 

「皆の事、忘れないよ。異世界の人達の事も」

 

「リリの残骸……また起動して暴走したりしないよね?」

 

 時雨は優子が持っているアタッシュケースを恐る恐る見た。それは神通が千切りにしたリリの残骸と浦田結衣の遺体から摘出した機械部品が入っていた

 

 優子の上司である吉村海将は、リリの残骸を持ってくるよう言われたからだ。陸奥たちはその要求を飲む代わりに浦田結衣との戦い参戦して欲しいと頼んだのだ。父親である柳田教授の説得もあるだろうが

 

「大丈夫よ。もうガラクタだから。パパの親友は信用できるから」

 

「悪かったな」

 

 優子は意味ありげな言葉を言ったため、柳田教授は不機嫌そうに言った。尤も、ワザとであるのは見抜いているらしく盛大にため息をしていたが

 

「優子さん、これプレゼントです! アルバムを作ってきました!」

 

 秋雲が何処から持ってきたのか、紙包みを渡して来た

 

「見ていい?」

 

「見てもいいよ」

 

 秋雲は答えたが、なぜか朝霜と共にニヤニヤしている。優子は紙包みを破り、アルバムの表紙を見た瞬間、噴き出した

 

「ちょ! これって!」

 

「朝霜が育てているトリケラトプスだな。しかし……なぜ、紹介が陸奥改二なんだ?」

 

 優子だけでなく、父親である教授も笑っている。皆も興味があり見てみたが、絵を見た瞬間、笑い転げた。だが、一人だけ違った

 

「あ、あんた達!」

 

 陸奥は顔を真っ赤にして朝霜と秋雲を追いかけた。なぜ、アルバムの表紙を見て皆が笑ったか? 

 

 それは秋雲が描いたトリケラトプスだが、なぜか角の部分が陸奥の艤装……頭に付けている信号桁が生えており、髪もついている。その髪型は陸奥にそっくりだ。極めつけは紹介欄に『陸奥改二』と記している。明らかにトリケラトプスを陸奥仕様にしたらしい。吹き出しもあって、そこには『あらあら』と描かれてある

 

「これって朝霜が育てているトリケラトプスっぽい」

 

「秋雲って変な漫画を描くだけではなかったんだ……」

 

 夕立も時雨も秋雲の逃走劇を見ながら呆れていた。夜遅くまで何か作業をしているかと思ったら……。全力でネタになるような絵を描くのも得意なのだろう

 

「そんな事より柳田怜人。あんたはどうする?」

 

 提督は爆笑劇に呆れながらも柳田教授に聞いた。柳田教授がどうであれ、本人の意志は尊重すべきだろう

 

 だが、彼は予想外の事を言った

 

「僕は残る。ちょっとこの世界でやりたいことがあってね」

 

「ええ!?」

 

 時雨は驚いたが、意外にも提督は驚いていなかった。事前に話し合ったのだろうか? 

 

「元に戻ってもやる事なんて知れている。聞いたところによると三浦会社はもう潰れたし、自衛隊のオブザーバーも長谷川がいるんだろ? 僕の助けなくてもやっていけるさ。それに優子はもう子供じゃない」

 

「そうね。パパも何時でも戻れるからね。吉川海将には上手く説明するから、むっちゃんや他の艦娘に迷惑かけないで」

 

 優子は頷いた。彼女も分かっていたらしい

 

「バイバイ、みんな。こっちの世界にも遊びに来て!」

 

 優子はみんなに別れの挨拶を済ませると、磁気ワームホールへ足を運ぶ。皆は手を振った。残念ながら彼女の世界には行けない。優子が居た世界の交流はほとんどないからだ。優子の仕事も極秘任務に近かった

 

 皆は手を振っていたが、ある艦娘だけは違った

 

「待って! アルバムの表紙だけは捨てて!」

 

「いいじゃないか。いい思い出にもなったし」

 

 優子を止めようと突進しようとする陸奥を武蔵が笑いをこらえるように必死になって抑えていた

 

 だが、磁気ワームホールは永続的に続くわけは無かった。優子が潜ると穴は何も無かったかのように消えた

 

『えーっと、陸奥さん。ドンマイです』

 

「余計なお世話よ!」

 

 がっくりと膝に地面を付けて落ち込んでいる陸奥にターズが肩を叩いて励ましたが、どうやら逆効果だった

 

「そう言えば、柳田教授はこれからどうするつもりなの?」

 

「ん? 新たな挑戦をしようと思っただけだ。まだ、誰も行っていないからな」

 

 柳田教授はそう答えたが、何をするのだろうか? 

 

 その疑問は鎮守府に帰ってから明らかになる

 

 余談だが、鎮守府に帰った時にある事件が起こった。いや、特に深刻な問題は起こっていない

 

 だが、ある意味事件かも知れない。それは戦いに備え新艦娘を建造ユニットで建造しようとしたところ、予想外の艦娘が現れたのだ

 

「特務艦、宗谷です。提督、お逢いできて光栄です。戦闘艦ではありませんが、精一杯働きます!」

 

「えっと……まさか宗谷ですか?」

 

「何処かで聞いた船と思ったら、あの特務艦」

 

 雪風と長門は驚き、他の皆はあんぐりと口を開いた。特務艦が出現するとは思わなかったからだ

 

「まさか、僕たちが田村1尉の世界に行ったから?」

 

「それはないだろ。船に乗った記憶は……ん? まさか」

 

 時雨の疑問に提督は否定したが、まさかと思い、カバンからあるパンフレットを出した

 

 それは向こうの世界のある博物館で貰ったパンフレットである

 

「あ、それです。私はあの博物館から目覚めました*1

 

「「「「えー!」」」」

 

 予想外の出来事で新艦娘が出現したが、彼女が早速、ある出来事で活躍することになる

 

 

*1
宗谷は正確には『船の科学館』の前に係留され保存展示されている




陸奥「捕まえた!さて、どうお仕置きしようかしら?」
朝霜・秋雲「あわわわ……」
提督「取り敢えず演習で必殺技を食らわせれば」
朝霜「提督、何言っているんだよ!」
秋雲「提督、あたしらを見殺す気か?」
陸奥「あんなの必殺技じゃないわ。あれは特殊攻撃といって【長門、いい? いくわよ! 主砲一斉射ッ!】だし……」
提督「違う。トリケラトプス拳をお見舞いしればいいだけだ」
陸奥「絶対に放ちません!」
秋雲「絵に描いてみた!」
陸奥「止めなさい!」
朝霜「早くポーズを!攻撃を受けて撃沈されても本望です!」
陸奥「やらないわよ!」
時雨「陸奥さん……一体、どれだけ強いんですか?」
夕立「今の陸奥さん、Tレックスの好敵手と言わせるほどの迫力っぽい」
陸奥「時雨ちゃんも夕立ちゃんも止めなさい!」


田村1尉と別れ、更に柳田優子2尉も元の世界に帰ったそうです
お土産を渡して
尚、艦娘である宗谷については迷った挙句、登場させる事にしました。折角ですからね。宗谷については早速、次話である仕事に就くことになります

次話は鎮守府では、ある行事をすべく……

余談ですが、ビッグセブンの特殊攻撃。もっといい技名で砲撃して欲しい所
この作品では折角、トリケラトプスの赤ちゃんを育てているのですから、それを活かした技を放った方がいいですね


この惑星史上、最強の突進力に学ぶ
その名も陸奥拳

長門「悪くないかも?」
陸奥「止めなさい!」
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