三度目の人生はTS転生で、俺は艦娘! ……待て、なんか髪が白くて狐耳と尻尾があるぞ?!   作:艦これが何時までも続きますように

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妖精さん、提督と艦娘に害を与える輩を追い払うアグレッシブさを持ちます。




二話

前回のあらすじだ。

 

 

 

俺、鋼次郎は転生者だ。

 

二度目の人生はチートはないが前世の経験から、途中までは上手くいっていた。

 

 

 

だが、二度目の転生先は普通の地球ではなく、前世で人気のゲーム。艦隊これくしょんに酷似した世界だった。

 

 

 

結果、俺は深海棲艦の空爆に巻き込まれて死んだ。

 

 

 

だが悔いはあまりなかった。最初の人生に比べて、恵まれた人生だったし、ボッチの俺に今回は親友が出来た。前世なら、一人で寂しく死ぬところだが。

 

 

 

幼馴染みで親友(イケメンだが、良い奴)に看取られ、意識を手放したのだが。

 

 

 

 

 

 

 

何故か、俺は次は艦娘として生まれ変わる。

 

 

 

航空母艦加賀なのだが、容姿がアズールレーンだった。

 

 

 

俺が遊んでいたアズレンのデータの影響なのか、建造されたばかりでもかなりの強さを持ち、武装もアズレンで装備をさせていた物が引き継がれた。

 

 

 

チートじゃん! 強くてニューゲームだ! と思ったが。弱点はあった。それは燃費の悪さだった。

 

 

 

後に俺は特殊加賀さん、と呼ばれ。

 

燃費は通常の加賀の二倍以上だと分かった。

 

 

 

 

 

艦載機ばかりに目がいってしまったが、本当に酷いな。

 

ゲームならある程度資材を溜めれば解決できるかもしれないが。リアル世界では致命的だ。

 

 

 

 

 

それにまだ、鎮守府は出来たばかり、所属艦も少なく、駆逐艦の子達には負担が掛かるな。

 

 

 

 

 

ああ、本当に悩ましい。

 

 

 

 

 

 

 

★★

 

 

 

 

 

 

 

 

 

建造が終わるまで、俺は鎮守府を見て回ることにした。

 

 

 

武はドックで待機。

 

 

 

と言うか、はじめて提督と顔をあわせる時は二人きりの方が良いだろうという判断だ。

 

 

 

ま、武も一緒に見て回りたそうだったが、「俺の時みたいになったら大変だろ」と言うと大人しくドックに留まった。

 

 

 

本当に溺れ死ぬかと思ったよ。アレは。

 

 

 

鎮守府の施設を見学しながら、鎮守府の入り口にいくと、予想外の光景が見えてきた。

 

 

 

それは、

 

 

 

「あ、人です! アレが艦娘でしょうか!?」

 

「○○新聞です! 是非インタビューを!」

 

「○○○です!」

 

「お話を聞かせてくださいー!」

 

 

 

正門前には、多数の武装した妖精さん達と報道陣が詰めかけていた。

 

 

 

「え、何これ……」

 

 

 

鎮守府の正門前は厳重に封鎖されており、入り口の外のアスファルトで舗装された道路には、チョークかな? で、簡易的線が引かれていた。

 

 

 

報道陣はその線から一歩も出てこない。いや、出ようとすると、武装した妖精さんがジャキと音を武器を構える。

 

 

 

音が聞こえるとビグッと報道がざわめく。

 

 

 

そして、警備の妖精さんが線の内側、正確にはアスファルトの舗装された道路の外側に激しく威嚇射撃行った。

 

 

 

妖精さんの持つ銃器は小さい。

 

 

 

弾丸も恐らく、針の先のような小さな弾丸なのに、地面を抉る威力が拳銃並みで、かなりの深さで地面を耕していく、

 

 

 

妖精さんの謎の技術に驚いてしまう。

 

 

 

当然、そんな目には見えない破壊が行われれば、報道陣は悲鳴を上げて逃げ出す。

 

 

 

なんかぎゃーっ、ぎゃーっ、騒ぐが妖精さんが『黙れ』と言う表情で、作業的に更に銃器を乱射。

 

 

 

見えない弾丸と銃器の乱射音が聞こえて、報道陣は蜘蛛の子を散らすように逃げていった。

 

 

 

「……妖精さん、アグレッシブ過ぎないか?」

 

 

 

冷や汗をかきながらも、俺がここにいてもしょうがないので、取り敢えずドックへ戻ることにした。

 

 

 

 

 

★★★★★

 

 

 

ドックに近づくと、話声が聞こえた。妖精さんの声ではないので、建造が終わったようだ。

 

 

 

「提督、新しい艦が着任したか?」

 

「こうじ、いや加賀か、そうだよ」

 

 

 

俺がドックへ入ると駆逐艦の叢雲。駆逐艦の村雨が武と話していた。

 

 

 

二人がこちらを見て少し驚いた表情をした。

 

 

 

ふむ、こっちから、先に自己紹介することにした。

 

 

 

「航空母艦の加賀だ。よろしく頼む」

 

「む、叢雲よ。よろしく」

 

「村雨だよ~、よろしくね!」

 

 

 

二人と握手をして、事前に武と話し合った通り、鎮守府内を案内して、午後から二人には遠征……ゲームではないが。出撃することになった。

 

 

 

 

 

と言うわけで、四人と妖精さん達で食堂に移動。

 

 

 

厨房で皆で昼食を作ってると、叢雲がすっと此方に来て俺に質問してきた。

 

 

 

「あの、本当に航空母艦の加賀なのよね」

 

「そうだが? 妖精さん達も認めてくれたが」

 

「うーん、おかしいわね」

 

「どうした?」

 

「その、何故か私の勝手なイメージだけど、加賀って、黒髪だったような気がしたから」

 

 

 

叢雲の言葉に内心笑ってしまう。それが正解だからだ。

 

 

 

「そうか、だが、私は加賀だ」

 

「うん、そうね。ごめんなさい。変なことを言ったわ」

 

「気にするな。違和感を覚えることは戦いでは重要なことだ。それで生死に関わる」

 

「……意外と戦闘狂?」

 

「否定はしない」

 

 

 

妖精さんが漁をして手に入れた魚などを使ったあら汁や焼き魚は好評だった。

 

 

 

「提督をするのは良いけど。食料が問題だな」

 

「米が少ないのは困るな。他にも問題だらけだが」

 

 

 

武と俺の言葉にまだ良く理解していない叢雲と村雨。

 

 

 

料理を作ってる時から、嫌な予感はしていた。

 

これは、しっかりと武に話を聞かないと。

 

 

 

「美味しい! この煮付け美味しいですよ加賀さん」

 

「ありがとう」

 

「ふん、まあまあね。てか、魚と米しかないじゃない! どうなってるのよ」

 

「それが今後の課題だな」

 

 

 

俺の言葉に軽く頭を振って、考えを巡らせる武。

 

そして、昼食後に二人は武の命令で資源回収に向かった。

 

 

 

「武、聞きたいことがある」

 

「ああ、分かってる」

 

「日本政府は妖精さん、提督と艦娘の関係はどういう関係か」

 

「実はな」

 

 

 

俺の言葉に、武は深い、本当に深いため息と共に、語ってくれた。

 

 

 

 

 

まず、妖精さん。提督。艦娘。

 

 

 

この三者を日本政府も世界各国もまだ公式には認めていない。

 

 

 

「日本政府的には、どういう感じなんだ?」

 

「勝手に土地に建物を建てて、土地を不法占拠している武装勢力だ」

 

 

 

武の言葉を聞いて、何となくそんな感じだろうな。とは思っていた。

 

 

 

「世界各地の提督達が、妖精さんや艦娘が深海棲艦を倒す為に、この星、地球から送られた守護者というような動画を多数発表している。その証拠に既に深海棲艦と戦い。勝利した動画をあげている提督は多い」

 

「なるほど」

 

「ただ、妖精さん達が俺達の予想よりアグレッシブで、手を焼いている」

 

「威嚇射撃か?」

 

「え、ああ、俺がドックで建造が終わるのを待っている時に何かあったか?」

 

「正門前で線を越えた報道陣に威嚇射撃していた」

 

 

 

俺の言葉を聞いて、武は天を仰いだ。

 

 

 

「どうやら、妖精さんはかなり、人の好き嫌いが激しくて。警察などが、提督や艦娘を拘束しようとすると全力で応戦してくるんだ」

 

「……妖精さんによる死亡者は?」

 

「無しだ。けど重傷者は多数だ」

 

「この土地は許可を取って建てたの?」

 

「いや、政府の土地らしい」

 

「だから、提督達へ政府が必死にネットで呼び掛けている」

 

「政府だけ?」

 

「後は、ネットの提督コミュニティだな」

 

 

 

なるほどね。兎に角今俺達がしないといけないことが増えたな。

 

 

 

「政府の人との話し合いだな」

 

「ああ、出来るだけ早めが良いけど」

 

「それと妖精さんの説得だな」

 

 

 

俺達は放送で妖精さん達にブリーフィングルームへ集合するように放送をした。

 

 

 

 

 

★★★★

 

 

 

妖精さん達との話し合いはアッサリ終わった。

 

 

 

妖精さんの提督と艦娘のサポートだ。

 

 

 

なので、「スムーズな鎮守府の運営と深海棲艦の艦隊を撃破する為に力を貸して欲しい」と言われると妖精さん達はアッサリと第三者をこの鎮守府に呼ぶことを許可してくれた。

 

 

 

と言うわけで日本政府と県と市に話し合いがしたいから。と武がメールを送ると、アッサリと向こうから会いに行くと言われた。

 

 

 

深海棲艦の襲撃があるかもしれないので、鎮守府の防衛戦力を増やしてから、会おうと提案したが。

 

 

 

向こうは今すぐにでも、とかなりヤル気だった。

 

 

 

 

 

★★★★★

 

 

 

ーー三日後、

 

 

 

「では、日本政府は提督と艦娘を支援するのですね」

 

「はい、現在我々日本政府は法案を纏めている最中であります。提督側からの強い希望もありまして、少々複雑にはなりますが、艦娘にも人権が与えられます」

 

「そうですか。それは良かった」

 

 

 

応接室、部屋の中に居るのは俺と武。日本政府から派遣された深海棲艦特別対策課の下原さんと倉田さんだ。

 

 

 

二人とも官僚っぽく真面目な雰囲気があり、正門前で二人を迎えに行った時は、俺の姿を見てかなり驚いていた。

 

 

 

下原さんは四十代の眼鏡をかけた男性。

 

倉田さんは三十代のちょっと遊んでそうな男性だ。

 

 

 

 

 

 

 

武がソファに座り、机を挟んで向かい合って、三人は話し合っている。

 

 

 

俺? 俺は武の左後ろで、秘書艦として控えている。

 

 

 

「ただ、彼女達は兵器という側面もあります。休暇または公務で街へ外出する場合は監視兼護衛が付きます」

 

「それは……」

 

「当然でしょう」

 

 

 

武が難色を示したので、俺が口を挟む。

 

武が振り返り、何か言いたげだが。俺は手で制して続ける。

 

 

 

「艦娘から装備を外せますが、艤装は外せない。仕舞うことはできますが、なにぶん元が戦闘艦。一般人と馬力が違い。揉め事が起これば不慮の事故で死人が出る可能性が高い。政府側から監視兼護衛が付くのなら、寧ろありがたい」

 

 

 

俺の言葉にホッとする下原さんと倉田さん。

 

 

 

「ただ……」

 

「ただ?」

 

「監視兼護衛には女性を必ずいれて欲しいですね。我々も女ですから、男性には見られたくない買い物もありますので」

 

「え、そんな買い物なんてあるの?」

 

 

 

武がデリカシーの欠片もない発言をしたので、頭を素早く、それでいて加減しながら、ーースパンッ! と良い音をたてながらぶっ叩く。

 

 

 

「いったーっ! 首があぁーっ!!」

 

「それと監視兼護衛はナンパや酔っぱらいなどが艦娘に近づいた時に素早く介入してくれると不測の事態を防げるのでありがたいです」

 

 

 

悶える武を無視して、俺は続けると下原さんは思いきりひきつった笑みを浮かべながら「上に伝えてます」と答えた。

 

 

 

それと、俺は気になっていたことを質問した。

 

 

 

「ここは政府の土地ですが、その辺はどうなっていますか?」

 

「はい、書類上は、日本政府から妖精へ鎮守府を作るように依頼した形になります」

 

「他の個人の私有地の鎮守府も?」

 

「私有地は政府が土地を買い上げ、そのようになりますね」

 

「そうですか」

 

 

 

色々と問題はあるが、そうするしかないか。

 

 

 

この話し合いの後、最初の鎮守府が完成してから、一ヶ月後、公式に世界は妖精、提督、艦娘のことを発表した。

 

 

 

通常兵器では倒すことが難しい、人類に敵対的な生物。

 

 

 

深海棲艦を倒せる存在。

 

 

 

先進国でも大きな被害が出始めていた為に、人類の大半は艦娘を受け入れた。

 

 

 

特に日本や日本のサブカルチャーに触れたことのある海外の若者は熱狂したらしい。

 

 

 

 

 

こうして、水面下で概ね。政府と提督&艦娘は連携を取ることが可能になった。

 

 

 

 

 

★★★★

 

 

 

 

 

「特殊公務員ね」

 

「ま、日本にしては珍しく特例だらけで、手続きしたな」

 

 

 

俺と叢雲は政府から貰った農具の一つ、鍬で地面を耕す。

 

 

 

「で、政府はどうすると思う?」

 

「下手なことはしないと思うが、警戒は必要だろう。まあ、どこぞの国のように艦娘を解剖しようとは、しないだろうな」

 

「アレは私も度肝を抜かれたわ」

 

 

 

とある発展途上国の馬鹿が、提督を人質にして、艦娘を解剖しようとした。

 

 

 

結果、艦娘達と提督達が大暴れして、人質の提督を奪還した後は、提督達と艦娘達が集団で国から逃げ出す事件が起きている。

 

 

 

他にも艦娘と一般人とのトラブルがあるが。そこまで、深刻なものはない。

 

 

 

「ところで、加賀?」

 

「なんだ? 叢雲」

 

「何で私達は畑を耕してるのかしら?」

 

「自給自足の為だ」

 

「……必要だろうとは思うけど。なんか、こう思っていた艦娘の仕事とは違うわ」

 

「言うな、私は一度しか出撃出来なかったんだからな。……ずっと家事ばかりで、たまに自分が艦娘だということを忘れそうだ」

 

「それ、洒落にならないわよ。……確かに駆逐艦だから、スタミナも力も問題ないけど。ずっと草を抜いて、ザルに土を入れて、砂利を取り除いて、また鍬で地面を耕す。……ずっとしているとこれは気が狂いそうね」

 

「……まあ、今日は二人増える。多少楽になる筈だ」

 

「ああ、そう言えば増えるらしいわね」

 

 

 

それからしばらく、俺と叢雲は無言で鍬を畑の地面を耕していく。

 

 

 

「私はまだまだ、鎮守府で待機だがな」

 

 

 

俺の呟きに叢雲は少し同情的な目で俺を見た。

 

 

 

「正規空母も大変ね」

 

「言うな、切なくなる」

 

「でも、その代わりに提督の側に居られるわ」

 

「あー、すまん」

 

「ううん、大丈夫。というか、加賀って提督のこと……何でもない」

 

 

 

叢雲と村雨は武に好意を持っている。恋愛か親愛かはまだ微妙だが。

 

 

 

そして、叢雲に少し勘違いされてる。違うからね、親友だけど。そう言うのは無いから。アーッ!とか俺は望んでないからね。

 

 

 

 

 

 

 

そして、武にこれだけは言いたい。

 

 

 

イケメン! 爆発しろぉっ!!

 

 

 

未来で艦娘ときゃっきゃっ、うふふをしている武が想像出来てしまい。

 

 

 

嫉妬心を押さえるために、俺は無心で鍬を振り続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー俺のちょっと荒れてる姿、その姿をどこか羨ましそうに見ている叢雲には俺は気づかなかった。

 

 

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