三度目の人生はTS転生で、俺は艦娘! ……待て、なんか髪が白くて狐耳と尻尾があるぞ?! 作:艦これが何時までも続きますように
出る時は出るのですがね。
ーー武提督の執務室
「報告は聞いたが、ボーキサイトがごっそり削れたな」
「すまない」
「いや、あれは誰も予想していなかったよ。今回漁船を襲ってきた深海棲艦の出現地点は、現在攻略中の敵支配海域で、前日も相当数の深海棲艦が艦娘によって撃破されている。更に敵の空母も撃破と今までの出現数から残りはヌ級が少数だろうと予測されていた。そんな支配海域から、空母ヲ級が六隻、ル級四隻、ヌ級八隻の他にも巡洋艦と駆逐艦クラスがわんさか出てきたんだ。制空権を取り戻した後はヲ級二隻、ル級一隻、ヌ級は三隻沈めたみたいだな。ボーキサイト分はしっかり働いたよ。状況から黒字でもある」
執務室に置かれてる執務室机に合わせた質の良い皮張りの椅子に座りながら、武は気にするな。と言うが、俺の加賀としてチート染みた能力面を考えると、もっと戦果は上げられた筈だ。
「漁船には損傷なし。怪我人も居ない」
「うん、アレは護衛の艦娘達の功績だな。俺の艦載機が戦闘海域に着いた時は、かなり危ない距離まで近づかれていたけど、護衛の艦娘達が必死に戦っていたから、俺は制空権を確保に動いた。確保した後は、押され気味だった軽空母達が反撃開始となったので、俺も攻撃に参加して、どうにか撃退したわけだが」
「ヲ級三隻、ル級二隻、ヌ級は四隻と他もそれなりに撤退か」
「ホ級とヘ級、リ級が邪魔だったからな。他の鎮守府からの増援は途中で邪魔が入って少し遅れたな。それとやはり海戦で壁役の戦艦は一隻は欲しいな。火力と防御力は今後必要になる」
人の形のメリットだ。文字通り、咄嗟に仲間の壁になれる。
実際、漁船の護衛をしていた別の鎮守府の艦娘、中破の電を妙高が身を呈して守っていた。
「中々開発資材が手に入らないのと、建造で空母と戦艦が出ないからなぁ」
ゲームなら、毎日それなりに出てくる。だが、この世界では、二日に一つくらいのペースでしか手に入らない。希に海のパワースポットで何故か手に入るが。
「軽空母一隻居てくれれば、大分違うんだけどな。どうする? ボーキサイトが減ったが、今日の空母建造は延期するか?」
「いや、建造用は別に残しているし、防空用の九六式と零戦二一のボーキサイトはあるから、大丈夫だ」
「全力で戦えば三回くらいで使いきるぞ? まあ、敵空母の数次第だが」
「そのへんは大丈夫だ。話は付いてるから」
「……まあ、いいけど」
他の鎮守府に防空の援軍要請を出したのか?
助け合わないと生き残れない世界ではあるが、あまり貸しを作らない方がいいけれど。
ま、武は意外と腹黒だしな、その辺は平気か。
「じゃあ、空母を建造しにいくか」
「ああ、分かった」
今度こそ、空母が来ますように、と俺は祈りそうになって、慌てて心を無にする。
物欲センサーはこの世界でも、提督達に猛威を振るっている。
無心、無心だ!無心の心で建造だっ!!
「今日こそは絶対に空母でてほしいな! 頼むぞ! 妖精さん!!」
ドックに着いて、開口一番にそう叫んだ武のケツに、俺は瞬時にタイキックをお見舞いした。