三度目の人生はTS転生で、俺は艦娘! ……待て、なんか髪が白くて狐耳と尻尾があるぞ?!   作:艦これが何時までも続きますように

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鳳翔と

「着任したのは、軽空母の鳳翔さんだ!」

 

今まで出なかった空母系に、テンションが高い武。

 

ドックから出てきて、最初の言葉がこれだったのだが。

 

鳳翔は武の一歩後ろに立っており、その表情は困惑している。

 

俺も軽空母の鳳翔が着任したのは嬉しいが、喜び過ぎじゃない? 武と鳳翔の温度差があるぞ。

 

ま、武の喜びようを見て、歓迎されるのは嬉しいようだが。

 

「提督、はしゃぐ気持ちは分かるが、落ち着け」

「ん、ああ、そうだな。それと加賀」

「え、加賀?」

 

武の言葉に鳳翔が驚きながら、俺の顔を確認して、あれ? と首を傾げる。武もどうかしたのか? と言葉が止まる。

 

「ごめんなさい、ちょっとイメージが……」

「ああ、なるほど。私は加賀です。よろしくお願いいたします。鳳翔さん」

「鳳翔です。呼び捨てで大丈夫ですよ。加賀さん」

 

お互いに軽く見つめ合い、どちらからともなく、クスッと笑い合う。

 

「では、鳳翔と呼ばせてもらいます」

「はい、加賀」

 

加賀であり加賀ではないが、まずは受け入れてもらえたようだ。

 

「じゃあ、鳳翔の鎮守府の案内は私がしよう」

「武?」

「提督みずからですか?」

「武、別に私でも問題ないぞ?」

 

何故かやる気の武がそこにはいた。

 

普段の鎮守府の案内は俺か手の空いてる娘にやらせるのに、と考えてふと俺は思い出した。

 

二度目の人生で出会った武が、彼女を作らなかった理由一つは武の女性の好みが、年上の包容力のある女性だということだ。

 

ちなみに過去に武が好きになった女性は、大抵彼氏がいるか、結婚してるので、全部玉砕してる。

 

「いや、たまには俺に案内させてくれ」

 

武のテンションに俺は内心溜め息をついた。

コイツ、また分かりやすい。

 

俺は別に問題ないと判断して「分かった」とだけ言って、俺はその場を後にする。

 

背後から普段よりも爽やかな声で「案内しよう」と武の声と「え、あ、はい」とちょっと引いた感じの鳳翔声がした。

 

イケメンでも下心あると笑顔は気持ち悪いぞ、武。

 

俺は二度目の人生で見た、童貞臭い笑みを思い出して、背筋がゾワゾワしたので、嫌悪感を振り払うように頭を横に振った。

 

 

 

 

廊下を歩いていくと後ろから、俺についてくる気配がした。

 

ーー誰だ? 俺以外に艦娘の気配はドック近くにはなかったはずだけど。

 

艦これのゲームみたいに、建造終了の正確な時間が分かるわけではない。分かるのは大雑把な時間だけだ。

これは、妖精さんも分からないこと。

 

今回艦娘で鳳翔の着任に立ち会えたのは、小まめに顔を出した俺だけだった。(合間は雑務をしていた)

 

武はドックで、細かい書類仕事をしながら待っていた。

 

俺は不思議に思いながらも、後ろを振り返るとダウナー系と言えば良いのかな。あまりやる気がない駆逐艦の初雪だった。

 

「初雪か、どうした?」

「加賀は提督の反応、なにも思わない……の?」

 

どういう意味だ? と小首傾げると、

 

「指揮官、鼻の下伸びてたよ」

「ああ、まあ、鳳翔は武の好みの女性だったからな。あの反応は仕方がないだろう」

「提督の好み……っ?!」

 

俺の言葉に普段は変わらない表情をガラリと変えて驚愕する初雪。

 

何もそこまで驚かなくても、まあ、イケメンでこの鎮守府の艦娘達に慕われてる武の女の好みをサラッと俺が言ったから、驚くか。あれ、でも初雪って恋愛の意味で武のこと好きだったか?

 

「む、初雪も武が好きだったか?」

「え……なんの話?」

「いや、初雪が武を恋愛の意味で好きかどうかの話だ」

「ないない」

 

呆れた表情で手を横に振る初雪。

とは言え、初雪のように全く恋愛的な好意がないのは少数だ。

と言うか、俺と初雪以外はいないかもしれない。

 

「加賀は指揮官と仲が良いから、指揮官が鼻の下を伸ばしているけど、平気なのかと思っただけ」

「平気もなにも、武の自由だろ?」

「……加賀は指揮官のこと好きじゃないの?」

「ん、ああ、友人として好きだな」

「ハッキリと言うね。ま、いいや」

 

初雪は俺との話を打ちきり、背を向けて歩きだす。

 

初雪とは比較的、艦隊を組むことがあるが、まだ初雪との距離感が分からない。

 

けど、初雪を見てふと思い付く。

うん、ここで人手が手に入るのはちょうど良かったな。

 

俺は早歩きで初雪の後を追い、初雪に手を伸ばして、グワシッと初雪の首根っこ掴んで、グイッと持ち上げて引き寄せる。

 

「えっ、えっ? えぇっ?!」

 

いきなり首根っこを捕まれて足が届かないくらいの持上げられて、かなり戸惑う初雪。必死にこちらを向いてなにごと!? と目で訴えかけてくる。

 

「ちょうど良いな、初雪、少し手伝え」

「えっ、今私、待機命令中……なんだけど?」

 

ま、そう言う反応だろ。けど、初雪ならこう言えば断らないだろう。

 

「実は鳳翔の為に、ささやかな歓迎のデザートを作ろうと思うのだけど」

「……味見は、まかせてっ」

「凝った物は作らない」

 

そう言って、俺は厨房へと向かった。

 

 

★★★★

 

 

「さて、鳳翔へのデザートの下拵えはこれで良いな」

「え、今作らないの?」

「今まで、デザートを出すときも直前だったろ? 折角だし出来立てを食べてもらいたいからな」

「今、食べたい」

「駄目、ーー後でこっそり多めに分けてやるから我慢しろ」

「……それなら」

 

初雪を納得させて、時間を確認するとそろそろ夕食の準備を始めないと

 

「初雪、次は夕食の準備だ」

「……え、当番じゃない」

「む、そう言えば」

 

食事準備は出撃回数が少ない俺がすることが多い。

 

後は、出撃のローテーションによってだな。

 

「仕方がない。今日は羽黒か」

「みたいだね、じゃあ、行くから」

「ああ、デザートは後で取りに来い」

 

コクッと頷き、初雪は厨房から出ていく。

献立は既に皆の意見を取り入れながら考えている。物価も値上がりしているしな。

 

それから、準備をしているとパタパタと小走りの音が聞こえてきた。

 

「すみません。加賀さん、遅れました」

「いや、遅れてない。私が早く準備をしていただけだ。時計を見ろ」

「え、あ、本当だ」

 

驚いている羽黒を見て、もしかしてと思い羽黒に問う。

 

「もしかして、初雪に会ったか?」

「はい、もう準備をはじめたと聞いて」

 

俺はなるほどね。と納得しながら、ちょっと申し訳ない気持ちになった。

 

「すまない、初雪が誤解させた」

「い、いいえ、大丈夫です。そ、それより、今日はオムライスですよね?」

「ああ、そろそろ、卵を使ってしまおう。ただ、鶏肉は量が足りないから、冷凍したままで、ブタの挽き肉を使おう」

「分かりました」

 

俺の言葉に、羽黒はうなづく。

肉は手に入れにくいから、冷凍して人数分集まったら料理に使うようにしておる。

 

二年間で各国はかなり被害を受けた。

 

艦娘達が現れて直ぐに被害が減り、今は急ピッチで復興中だ。

 

「えっと、今日のオムライスはチキンライスの方ではなく、チャーハン風ですね」

 

白いフリルの付いたエプロンを身に付け、手を洗う羽黒。

 

このフリルエプロンは俺が武のスマホから注文したものだ。

 

妖精さんの計らいで、エプロンと割烹着があったが、無地のやつだったので、武に「普段は戦いばかりだから、料理人とかで、女の子らしい可愛いエプロン付けさせてやれよ」と、言ったら直ぐに自腹で買ってくれた。

 

それと、艦娘も安いが給料はある。人権もあるからね。

 

「ああ、駆逐艦達もオムライスは鶏肉と野菜、トマトケチャップのチキンライスじゃないと嫌って訳ではないみたいだからな」

「私もチャーハン風も好きですよ」

「そう言ってもらえると助かる」

 

初めは料理の手順がぎこちなかった羽黒も今ではかなりスムーズ料理が作れるようになった。

 

最初は包丁を持つ手がプルプル震えていたのにな。

 

「じゃあ、始めようか」

「はい!」

 

手早く食材を切っていく、羽黒もコンソメスープに使う野菜を切る。

 

「もう一品は漁船護衛の報酬の魚をムニエルにするか?」

「そうですね。切り分けて冷凍してますし、直ぐに作れますね」

 

こうして、俺と羽黒は夕食を作っていく。

ああ、サラダを作りたいが、これ以上使うと明日の分がない。

 

鎮守府内の畑の作物が採れるようになればいいけど。

 

「あ、加賀さん」

「む、どうした?」

「あの」

 

人数分のチャーハン風を作っていると、厨房の入り口からこちらを見て「よっ!」と片手を挙げている天龍と興味深そうに俺と羽黒を見ている鳳翔がいた。

 

「おぅ、入っていいか?」

「ああ、大丈夫だが。ん、武はどうした?」

「さっき村雨達に連れてかれたよ」

 

俺の問いに苦笑いになる天龍。鳳翔も苦笑いだ。

連れてかれた。また、駆逐艦達を怒らせることを言ったのか?

 

「何があった?」

「提督のヤツ、鳳翔をデートに誘ったんだよ。それを帰還した村雨達に見られて、今は村雨達とお話し中だ。アイツ前にデートに連れてってと言われて、はいはいとながしてたからなぁ」

「何をしてるんだ、アイツは」

 

俺は小さく溜め息をつく。

駆逐艦は幼い外見だから、武は妹を可愛がる感じで接している。

駆逐艦達は、特に暁には「提督! 子供扱いしないで!」と文句を言われている。

 

艦娘は女の子なんだから、対応には気を付けろと言ったのに。

 

俺が呆れていると羽黒は何か悩んでいる様子だった。

 

「どうした、羽黒?」

「あ、いえ、その……やっぱり、提督はお姉さんっぽい人が好きなんですか?」

「あ? あー、どうだろうな」

 

羽黒の疑問に天龍は分からないと答え、視線を彷徨わせて、天龍は俺を見る。

 

「加賀、そこんとこどうなんだ?」

 

天龍の言葉に鳳翔と羽黒が俺をじっと見詰めてくるので、「私の知る限り、武提督は年上、それも包容力がある人が好みらしいな」と答えた。

 

艦娘になって分かったが、提督に好かれたいと思うのは艦娘にとって普通のことだ。

 

俺の場合は魂が男で、武とは親友だからその欲求が無く、冷静に分析出来た。

 

「包容力かぁ……」

 

俺の言葉に天龍がうーんと考えるように呟く。

 

「特に鳳翔のような、大人の女性雰囲気がある人が好みのようだ」

「やはり、詳しいですね」

 

羽黒の言葉に俺は、武とこの鎮守府での生活が始まった頃のことを思い出す。

 

「着任して直ぐ、武の部屋で武が持ってきた荷物整理をした時に、その手の本やDVDがあったからな」

 

「「「え?」」」

 

俺の言葉に天龍と羽黒、鳳翔の三人が驚く。

 

「驚いてやるな、健全な男なら持っていて当然だろう」

 

「え、あ、ああっ、そうだな! うん、健全、健全だぜ!!」

「あ、あわわわ」

「そ、そうですね。男の人なら当然ですね。ーーわ、私、どうしたら」

 

俺の言葉に動揺する三人。

 

三人とも頬を紅くし、動揺しているけど乙女な感じだ。

 

特に鳳翔は、デートに誘われてもいるので、武のことをかなり意識しているようだった。

 

「で、鳳翔は武とデートをするのか?」

「い、いえ! 答える前に村雨ちゃん達が提督を連れていったので」

「そうか、なら夕食の準備が終わったら、武を迎えにいった方が良さそうだな。返答はその時にでもしてやってくれ」

 

俺がそう言うと鳳翔は気恥ずかしそうに頷いた。

じゃあ、夕食の準備にと考えると、鳳翔がススッと俺に近づいてきて、

 

「あの良かったらお手伝いを」

「今日は鳳翔の歓迎会でもあるんだが」

 

鳳翔の提案にそう返すが、鳳翔は首を横に振る。

 

「ありがとうございます。けど、あまり時間をかけると提督が大変そうなので」

「はは、そうだな。今作るのは白身魚のムニエルだし、四人で作った方が速いか」

「あれ? 俺様も含まれてる?」

 

天龍が何か言ってるが無視だ。本当に嫌なら手伝わないタイプだし。

 

「では、ささっと作るぞ」

 

俺がそう言うと頷く三人。

 

さて、夕食を作り終えた時、武は無事だといいけど。

 

 

 

 

 

夕食の時間になった。

 

準備が終わり、俺が武の様子を見に行くと、武はぐったりした表情で、村雨達駆逐艦に取り囲まれながら、話をしていた。

 

俺の姿を見て、安堵して「そろそろ夕食だ」と言って、駆逐艦達と共に食堂へ移動。

 

武は今日の夕食は駆逐艦達と共に食べることになった。

 

 

流石に普段は妹のように接している駆逐艦の娘達でも、グイグイ背中やうでに胸を押し付けられると、男として嬉しかったようで、鼻の下が伸びはじめた武を見て、鳳翔が途中で「年下も提督は……」と心配そうに聞いてきたので、ロリコンではない。と一応、フォローしておいた。

 

 

後で、今のうちに武に、艦娘達との関係を話し合わないといけないな。この世界にあるか分からないが、ケッコンカッコカリのこともある。

 

親友が戦死ならまだしも、痴情の縺れで艦娘に後ろから刺されて死亡、なんてのは流石に避けたい。

 

「おいしかったです。加賀」

「鳳翔も手伝っただろう?」

 

俺の正面に座る鳳翔の言葉におれは照れてしまう。

 

「私は最後の方だけです。それに、加賀の料理は暖かみがありましたから、皆さんを大切に想ってる、と感じました」

 

反射的に顔を鳳翔の視線から逸らすと、「くくっ」とニヤニヤ笑う天龍の顔が視界に入り、反対に逸らすと羽黒がニコニコ笑っていた。

 

逃げ道がない。と思って俺は話題を変えることにした

 

「鳳翔」

「何かしら、加賀?」

「食後のデザートでもどうだ」

 

俺は席から立ち上がり、厨房へ入った。

 

★★★★★

 

 

鎮守府の敷地内には畑がある。

日本全体にダメージがあるので、鎮守府の外から食料を確保、維持するのはなかなか大変だ。

 

なので、妖精さん達と共に畑を作り、種や苗を植えた。

今回のデザートは、その畑に実を付けるのが比較的早い

 

「イチゴソースのプチ・パンケーキだ」

「まあ、とてもハイカラですね」

 

ニコニコと俺が作った手のひらサイズのプチパンケーキ(皿には六枚乗せている)を見ながら小さく拍手する。

 

ーーつか、ハイカラて。

 

まあ、艦娘は着任した直後は言葉が戦前の単語を使うことが多い。神通や羽黒も横文字の発音がちょっと怪しかったし、鳳翔もその内慣れるだろう。

 

「それと、ちょっと待ってろ。ーーメープルシロップとはちみつ、バター、マーガリン。それと鎮守府で採れたイチゴのソース。お好みで使ってくれ」

 

俺がメープルシロップなどを乗せたトレーを持ってくると、鳳翔は目を輝かせる。

 

「まあまあ! 洋菓子は馴染みがないですが、美味しそうですね!」

「生クリームも、とは思ったけど、値段以前に在庫がないらしくてな。まだ、手に入らないんだ」

 

乳製品は嗜好品よりも、粉ミルクなどの需要が高い物を優先で作られている。

 

値段は高いが購入出来ないほどではない。生産数が少ないので手に入らないだけだ。

 

「ありがとうございます。加賀」

「気にするな」

 

ちなみにこの後、甘い物に釣られた駆逐艦達が大騒ぎになったが、天龍が上手くメープルシロップなどをプチパンケーキにかけて周り、どうにか騒ぎは収まった。

 

俺? 俺はプチパンケーキを焼く係りだ。

 

じっくりでいて、時に大胆にパンケーキを焼いていく俺。

 

そんな俺を見ていた神通が「す、凄い、流石は加賀さん! パンケーキを焼く時も戦と同じ気迫で挑むなんて!」とか言っていたけど。

 

単純に焦がすと駆逐艦(一部)が泣くから、気を抜けないだけだ。

 

どうにか皆にプチパンケーキを焼いて、無事に鳳翔へのささやかな歓迎会は終わった。

 

でも、毎日思うけど、早く深海棲艦の支配海域を解放して、海を取り戻さないと物資不足でヤバイな。

 

 

「あ、武提督」

「ん、なんだ。加賀」

 

食堂を駆逐艦達と共に出て行こうとする武に声をかける。

 

「後で執務室へ行きます。報告したいことがあります」

「ん、分かった」

「では、また」

 

 

俺はそう言って、神通と共に食器を洗うことにした。

 

 

 




食事は当番制です。
出撃回数が多い駆逐艦は当番は少ないです。
でも、駆逐艦の娘達は時間があれば加賀を手伝ってくれます。

加賀の料理は数を作らないといけないので、基本手抜きもとい簡略して料理です。

食材も足りない時があるので、あら汁丼みたいなモノも出されます。

魚は釣りや許可を得た網などで手に入るので。

★★★★

それと今宵もサルーテを読んで、九年振りにお酒を飲みました。

今はリモンチェッロを飲みたい!

と言うか、艦これを始めたのがかなり遅かったので、海外艦の姿に馴染みがなかったのですが、みんな可愛いですね。

後は武と加賀の飲酒の話とか書きたいな。
武はまだ未成年(高校は卒業している)なので、中身が大人の加賀が酒の旨さを教えてやるみたいな。

★★★★

他の艦これ作品読んだのですが、重い話が多いので、ウチは日常を多めにしようかと思います。

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