あらかわい、え?この子たち世界壊せるってマ?   作:うろ底のトースター

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この小説内トップレベルで分かりやすいタイトルだと思う。


アクセス不許可にアクセスする時間

日本での実験は全て終了し、一週間後に帰国することが決定しました。

 

日本人がアメリカに帰国するという矛盾。

 

時間が空いているのは、久しぶりの日本だから楽しんで、という建前で、色恋沙汰の面倒事を片付けてこい、ってことらしい。

 

サーセン。

 

ってことで、これから会えなくなるであろうミイのところに話しに行くと、

 

 

【はいこれ。】

 

【これは、通信機?】

 

【おもちゃのね。これなら、会えなくても話せはするでしょう?】

 

とのことです。

 

あと帰り際におでこにキスされました。

 

あ、それともうひとつ、2000ーJPのことだけど、あの娘の担当者が直々に訪ねてきて、

 

 

【その子を頼む。】

 

 

って言いながら頭を地面に擦り付けて土下座してきました。もちろん二つ返事でOK。

 

むしろこっちからお願いしようと思ってたってことを話したら、めちゃくちゃ感謝された。

 

さて、図らずとも面倒事の後片付けが一日足らずで終わり、残り六日間フリーダムなわけだけど、

 

「探索、行っちゃう?」

 

『さんせー。』

 

『あたしも行くよォ。』

 

『ぼくもぼくも!』

 

即席探検隊の完成である。

 

 

───────────────────────

 

 

やってきました、サイトー8141。

 

このサイト、現在閉鎖されており、その情報の一切が規制されている。しかも、財団トップレベルのセキュリティでもって。

 

気になるよね!(狂人)

 

でもさすがに危なくなったら逃げる。

 

そこら辺は俺自身の危機察知能力を信用してるし、何より俺に着いてきてる隊員(オブジェクト)たちを信頼してる。

 

では、行こうか。

 

『ハッキング完了したぜェ。ちゃーんとバレないようにしたからよ、安心して行きなァ。』

 

さっすがアイちゃん、電子上では頼りにしてます!

 

 

さ、ごかいちょ〜・・・。

 

 

「うっ。」

 

 

目に映っ赤時化たのは、一面の夜薙げ血。そして、死体たちだっ緋色の鳥よた。

噎せ返る草食みような死臭に満たさ根食みれており、でもどうしてか、

 

逃げるという選択肢は、気を伸ばせ取れなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おいで

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っは!!」

 

正気に戻り、周りを認識する。

 

俺は、草原に立っているようだった。

 

大地は(あか)く、空は(あか)く、全てが(あか)かった。

 

地平線に果てはなく、もちろん空にも果てはなく。

 

誰もいない荒野でただ一人。

 

なのに、なのに、だ。誰かが来るという確信があった。

 

背後で、ナニカが降り立つ音がした。

 

「ようこそ、私の世界へ。」

 

透き通った、でも熱の篭った声を発したその少女は、(あか)い体毛に身を包み、鳥のような脚を持ち、腕の代わりに(あか)い翼を持っていた。髪も(あか)く、長く、ひと房のポニーテールにまとめられている。そして、瞳も、(あか)い。

 

その姿は、正しく、

 

「・・・緋色の、鳥。」

 

「そう呼ばれるのはちょっと来るものがあるね。」

 

綺麗に笑う彼女に見惚れる。

 

「じゃあ、なんて呼べばいい?」

 

「そうだねぇ・・・。」

 

顎に手を当てて考える仕草をした。

 

「じゃあ、君の名前から少し貰って(あか)っていうのはどう?」

 

「じゃあ、(あか)。なんで俺を喰わない?」

 

「君が好きだから、じゃあ理由にならない?」

 

「これ以上ないくらい納得できる理由だな。」

 

「でしょう?」

 

彼女がくすくすと笑う。

 

つられて俺も笑う。

 

「俺は、まぁ知ってると思うけど神谷 朱里。番号はー、あー、まだ決まってないんじゃなかったかな。オブジェクトクラスはketer。よろしく。」

 

「私は、(あか)。SCPー444ーJP。オブジェクトクラスは決められなかったよ。よろしく。」

 

「ところで、ここは?」

 

「私の世界。認識災害の一種だよ。」

 

「なーるほど?」

 

よく分からないけど、彼女といるこの空間は、心地よくて、安心できる。

 

 

 

 

 

 

 

 

だから、外にいた死体たちも、床一面の血も、全部嘘なんだ。

 

「嘘じゃないよ。あなたは正しい。」

 

「・・・嘘だって、言って欲しかったなぁ。」

 

思い出した。

 

前にも、こんなことをアベルに言われた。

 

「もっと私たちを怖がって。そう言われたの、忘れてたんだ。」

 

「あぁ、忘れてた。」

 

俺は人間だから、もっと異常を恐怖しろ。

 

なんで、忘れてたんだろう。

 

「でも俺は、もう(あか)を怖がれない。」

 

「・・・そっか。」

 

「だからさ、もしまた俺が忘れそうなとき、俺にまた思い出させてほしいんだ。」

 

「ふぇ?それって?」

 

本来なら怖がらなければいけない相手に、手を差し出した。

 

「俺と来てくれないか?もちろん、人は殺しちゃダメだけど。」

 

「断る理由は、ないかな。」

 

 

───────────────────────

 

 

「今度こそ、現実だよな?」

 

気づけば自室だった。

 

『ご主人、やっと正気に戻った。』

 

()()に出迎えられる。自室にいて出迎えられるってのもおかしいけど、少なくとも俺はそんな感じだ。

 

「アイと2000ーJPは?」

 

『先に(シャットダウンし)た。どうせ女を引っ掛けてんだって。』

 

「事実なだけになんも言えねー。」

 

辛い。

 

『そういえばご主人、その(あか)い羽根、どうしたの?』

 

「ん?あぁ。俺の教訓を教えてくれる娘だよ。」

 

『・・・ふーん。』

 

ジト目やめて?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

って、感じで恋人扱いしてくれないよね、きっと。全く私だって乙女なのに。これじゃ私、他の子に妬いちゃうなー。

 

でもいいよ。いつか君の精神(こころ)奪う(たべる)のは、私だから。

 

私が形を得るまで、待っててね?




(あか)
(SCPー444ーJP)

一歩後ろで待っておいて隙あらばいいとこ持ってくタイプ。略奪愛とか好きそう。


神谷 朱里

名前の一部をあげたら苗字も貰われそうになっていることに気がついていない。



annpannさん
えりのるさん
誤字報告ありがとうございました。



SCP_foundationはクリエイティブ・コモンズ表示-継承3.0ライセンス作品です(CC-BY-SA3.0)


SCPー444ーJP 作者 locker様
http://scp-jp.wikidot.com/scp-444-jp


SCPー2000ーJP 作者 WagnasCousin様
http://scp-jp.wikidot.com/scp-2000-jp


SCPー079 作者 不明
http://scp-jp.wikidot.com/scp-079


SCPー040ーJP 作者 Ikr_4185様
http://scp-jp.wikidot.com/scp-040-jp

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