あらかわい、え?この子たち世界壊せるってマ?   作:うろ底のトースター

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他国籍のSCPは物語の都合上後回しにさせていただきます。




あーダメですダメですお客様!受験生のくせにそろそろ性癖爆発させた番外編書こうとするのはやめてくださいあー困りますお客様ぁーー!


深海で認識災害と戯れる実験

ごばごぼぼ(またかいな)

 

なんか、妙に現実味のある夢。3回目ともなると、少しずつ勝手が分かってくる。

 

先日のハービンジャー、そしてレンの件を鑑みるに、この夢が現実に何らかの影響を及ぼしている、もしくは、未来に応じて夢を形成してるというのは確実。

 

ま、それしか分かんないんですけどね。

 

それはさておき。

 

そろそろ目の前のこれを考えようか。というのも、この夢、3回目にして急に変貌したのである。

 

前回、前々回、ともに施設内であったのに、今回はまさかの海中、それも光の届かない深海である。

 

ごばばがぼば(いやなんでさ)

 

とんでもねぇアップデートだ。おかげで口の中がしょっぺえよ。

 

ただ不思議なことに、息ができないのに苦しくない。そういうあたり、しっかり夢のなかなんだろう。

 

で、だ。先例に習うなら、またオブジェクトに関連するなにかに触れたら目覚めるんだろうけど、そもそも移動もままならないから流れに任せるしかない。

 

任せるしかないんだけど。

 

ごばっ(うわっ)!!」

 

まただ。また海流が急に変わった。

 

あんま詳しくないけど、深海で海流が頻繁に変わることなんてあるのか?

 

こんな、まるで巨大生物が動いてるみたいに不規則で高頻度の海流変化なんて・・・あぁ、巨大生物か、そりゃ、収容しないといけないよなぁ。

 

それがきっかけだったようで、目論見通り、俺の意識が遠のいていった。

 

 

───────────────────────

 

 

SCPー3000 アナンタシェーシャ

 

人を喰う、巨大なドクウツボ。

 

未だに治療方法の見つかっていないクラスⅧ認識災害を伴う実体であり、対象の一定範囲内に侵入するとパニックやら恐怖感やらが湧いてくる上、記憶の喪失や改変などが発症するらしい。

 

そしてこの一定の範囲、不明である。

 

さて、そんな当オブジェクトのクラスは、THAUMIEL。財団の切り札である。これは、捕食時に肌から記憶処理化合物の材料を排出するというその特性に起因している。

 

人を喰わせてこれを得ているあたり、財団の闇が垣間見えるなぁ。

 

「何かあったら言ってくれ、すぐに引き上げる」

 

「分かりました」

 

ダイバースーツに着替え、財団保有の無人潜水艦内にある倉庫に入り込んだ。

 

「君の無事を祈っている」

 

博士の言葉を背に、潜水艦は出航した。

 

ガンジス海底まで、およそ20分の旅路である。

 

さて、どうして俺がこの危険なオブジェクトに会いに行かなければならないかと言うと、誰でもないアナンタシェーシャ自身の要望らしい。

 

なんでも、暴露した財団職員を通じて、断片的にメッセージを送ってきたのだとか。

 

さて、ここで問題です。何故、当オブジェクトは俺のことを認知していたんでしょうか。

 

これには、裏で暗躍?する【首飾りの博士】なる人物が関わっています。この首飾りの博士は、どうやら俺について詳しく教えたDクラス職員をアナンタシェーシャの観測を目的とした潜水艦に送り込み、わざと暴露させたそうです。

 

ま、多分そういうことよね。

 

これを知ったいつもの博士はブチ切れた。あの怒りようは今後しばらくは見れないだろう。

 

「一体誰なんだ、首飾りの博士って」

 

 

 

「うーん、教えてあげたいところだけど僕も分かんなくてさ」

 

艦内に、1人分の気配が増えた。

 

「へ?」

 

声の主は1人の少女だった。さらりとしたセミロングの髪をポニーテールに纏めている。色はライトブラウン。

 

血色と肉付きがよく、活発さが見て取れる。

 

なのに、深海みたいな色の瞳が大人しい印象を与えてくる。

 

こう、なんというか、爽やかな風の吹く麦わら畑が似合いそうな娘だなと思った。

 

黄金色の海に立っていたら、それはもう絵になっただろう。

 

いや、まぁ、稀に見る美少女であることは確かだ。けど問題はそこじゃない。突然現れたこの娘が誰かってことだ。

 

予想は、ついてるけども。

 

この娘は、あれだ。確かにそこにいるのに実際はいない、みたいな。ある種の認識災害、そんな気がする。

 

世界の裏側を知ってからもう半年を過ぎて、現在。1度会ったことのあるオブジェクトなら、気配を感じ取れるようになった俺である。

 

そして、この娘とは、

 

「初めまして、アナンタシェーシャ」

 

夢の中で会っている。

 

「うん、正解!」

 

差し出された手を握って握手する。彼女の手は、ぬるりと湿っていて、冷たかった。

 

 

───────────────────────

 

 

「───つまり、身体と魂が別?」

 

「多分ねぇー。しかもあれ、首飾りの中にいるんじゃないかなー」

 

「それって分かるものなの?」

 

「記憶を探る過程で見つけた時、なんとなーくそんな気がしたんだ」

 

対象のオブジェクトと接触した旨を博士に伝え、無人艦が停止してから10分。

 

話題は例の【首飾りの博士】のこと。どうやら何度か俺のクロステストを仕組んだことがあるらしい。ジガーちゃんを起こしたのもあの人だとか。それはナイス。

 

「ま、あのタイプの人間が物事を眺めて終わり!なんてことはないだろうから、いつか会えるんじゃない?」

 

「どんな人なんだろう」

 

「僕に君のことを教えてくれたんだ、きっといい人だよ!」

 

「そうだね」

 

財団の博士は大半が変人奇人の類であることを知っているので、笑う彼女に苦笑いを返すことになった。

 

 

 

 

「さてと、雑談はこのくらいにして、そろそろ本題に入ろうか」

 

そう言うと、朗らかな笑顔が真面目な顔に切り替わった。本題、つまりは、どうして俺を呼んだか、かな。

 

「君さ、気になったりしない?」

 

「何を?」

 

()()()()()()()()()()()()

 

「!?」

 

「まさか、そういう体質だ、って納得したわけはないよね?」

 

彼女の言う通りだ、俺の異常性に疑問がないかと言えば、ある。それは確か。とはいえ何も分からないのだから調べる術もなく、結局、頭の隅に追いやることとなったが。

 

「調べられるの?」

 

「多分」

 

一応言ってはおくが、俺がオブジェクトとして登録される際に、身体検査と精神鑑定は済ませている。いずれも、異常なしだった。

 

「身体と精神に異常がない。でも記憶は見れてないだろう?」

 

「記憶、か・・・」

 

「そ、記憶。君の記憶を調べるために、僕はこうやって君に幻覚を見せているんだから」

 

忘れている部分に異常性の原因があるかもしれない、だから調べる、と。

 

なるほど、盲点だったかもしれない。

 

「これでも精神汚染認識災害記憶改竄のスペシャリストだからねぇ、調べられるぞ〜?」

 

「それじゃあ、お願いしよっかな」

 

「毎度あり!んじゃ、おでこを拝借」

 

「へ?」

 

冷たい手が前髪を上げ、額同士を触れ合わせた。予想外の行動に本日2度目の素っ頓狂な声が出る。

 

「こ、これってなんの意味が?」

 

「僕のやる気が倍増する」

 

「そっかぁ」

 

・・・・・・。

 

しっかし、綺麗な娘だなぁ。今は耐性ができあがっているけど、ここに来る前の俺なら、どうだったか。じっと目を閉じて考えてみる。

 

ふむ、目が会う度に顔真っ赤にしてそうだ。なんだお前、異性に対してあまりに弱すぎるだろう。妙にリアルな想像に我ながら泣けてくる。

 

いやでもそんくらいかわい「あ、あのさ」

 

「どうしたの?」

 

目を開くと、そこには顔が真っ赤な美少女がいた。

 

「その、頭のなかで褒めるのやめて、ね?そのー、伝わってくる、から、さ」

 

「あ、あ〜」

 

う〜わ、あの想像見られたのか。はっずかしいー。

 

いやでも、この娘は褒められると恥ずかしいと。なるほどなるほど。いやはやいやはや、素晴らしい戦果だ。

 

「かわいい」

 

「む〜!!!!」

 

こういうことができるわけでしょ?最高。

 

「む〜〜!!む〜〜!!」

 

「あーもうぽかぽか叩かないで痛い痛い」

 

あと顔を胸板に押し付けるのもやめてほしい。くすぐったい。

 

「はい、記憶に異常なし!終わり!」

 

「うん、ありがとう」

 

「どういたしまして」

 

・・・・・・。

 

「うん、どうしたの?」

 

「どうしたのって?」

 

「いや、ずっとくっついてくるなーって」

 

「ダメ?」

 

その上目遣いは犯罪級ですわ。なんでも許しちゃう。

 

「ダメじゃ、ない、です」

 

「ん」

 

そう小さく返事をして、

 

「よし、このまま記憶を改竄してっと」

 

「ストップストップ」

 

聞き捨てならないセリフが聞こえたんですが。

 

「えー別にいいじゃんか。ちょっと許嫁になるだけだよ?」

 

「とっても危ない地雷原じゃん」

 

「お姉ちゃんでも可!」

 

「斜め上にぶっ飛んだね」

 

「ダメ?」

 

「その上目遣いでもダメです」

 

非常に心苦しいけども。

 

「頑張った僕にはご褒美が必要です!」

 

「ご褒美で世界が終わりそうなんですけど」

 

俺がちょっと苦労する程度ならいいんだけど、さすがにそれは代償が大きすぎる。

 

「他になんかないの?」

 

「んー・・・」

 

そして首を捻るアナンタシェーシャ。

 

「幼馴染っていう手も」

 

「諦めなって」

 

「冗談だよ」

 

無理矢理な手段を取られたら為す術もないから、本当に心臓に悪い。

 

「・・・名前、ちょうだい?」

 

「名前かー」

 

「いやー、記憶見てたらちょっと羨ましくなって、ね?」

 

へー、羨ましくなったんだー、へー。

 

「あー、かわいい」

 

「だーかーらー!」

 

「ごめん、ごめんって」

 

殴らないで、痛い。

 

さてと、ちゃんと考えないと。

 

アナンタシェーシャ、ガンジス、インド、うつぼ・・・。

 

「ナターシャ」

 

「おお、珍しくちょっと捻ったね」

 

()()シェ()()()で、ナターシャ。

 

多少捻ってロシアっぽくしてみた。いい名前かは別として。

 

「僕は今日からナターシャだ。よろしくね」

 

「うん、よろしく」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え?俺の部屋に住むの?」

 

「そうだよ」

 

「Oh・・・」

 

みんなになんて言い訳しようか。

 




神谷朱里

なかなか苦労人ではある。


ナターシャ

信じられるか?コイツの本体超ビックなウツボ娘なんだぜ。



mirusennさん
誤字報告ありがとうございました。




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