あらかわい、え?この子たち世界壊せるってマ? 作:うろ底のトースター
後書きに重要なこと書いてあります。特にリクエストをしていただいた方に読んでほしいです。
久々にアイリスさんから連絡が来た。酒呑みたいから付き合ってほしいとのこと。最近もまたいろいろとあったらしく、ストレスを発散したいのだとか。
もちろん俺はまだ未成年なのでお酒は呑めない。というかこのまま20歳になったとして呑むかと言われればきっとノーだ。だってほら、酔ったら怖いじゃん何するか分かんないから。だからアベル、呑まないよ俺は。その一升瓶しまいなさい。てかなんで平然と出てきてるのさ。あとアイ、ウィスキーボンボンの作り方を他のオブジェクトたちに送るのやめなさい、割とマジで。
とまあそんな感じで今日行くことになったわけですが。空気を読んだ博士が相当良い(らしい)ワインと数本の炭酸飲料をくれた。ありがたい。
で、1時間くらい呑みまして。大分できあがったアイリスさんからとんでもない爆弾発言が飛び出したんだ。
「アベルってウェディングドレスめっちゃ似合いそうじゃない?」
博士の胃に穴があく音が聞こえた気がした。ちなみに壁にはしっかりと穴があいた。
どっからかゼ○シィを持ってきたアベル、そんなアベルをケタケタ笑いながら指さすアイリスさん、頭を抱える俺という三竦みの構図が完成してしまった。
アイリスさんは壁に穴があいたことも目の前にオブジェクトクラスketerが現れたことも特に気にしてない、というかそれも肴にしようとしているようで、三本目の瓶に手をつけようとしていた。
「ってまだ呑むんですか!?」
「あったりまえでしょ〜?まだ飲み足りないよわたしは〜っヒック」
「いやさすがに・・・」
「呑ませてあげましょう、おもしろ、うん、楽しそうだから」
「おもしろいって出かけたよな今」
・・・はぁ、まぁいいか。俺がここにいる以上アベルも下手に暴れないだろうし、満足するまでいさせよう。
酒もまだまだあることだし、ついでにということでグラスをもう一つ運んでワインを注いだ。
「そういえばさ、ジャパンにはシロムクっていうウェディングドレスがあるんでしょ?」
「ウェディングドレスっていうか、着物ですかね。最近はあまり見ないですけど」
「そうなの?私好きなんだよねぇ、卵みたいで」
「仕立て屋さんが聞いたら卒倒しそうな例え」
「ねぇ、白無垢ってなぁに?」
「知らないんすか?」
「お姉さん、君の故郷にちょっと疎くて」
「シロムクはねぇこんなんだよこんなん」
「なんで写真あるんですか」
「あ、確かに卵みたい、頭のところが。潰しやすそう・・・」
「戦闘狂が出てるんよ」
「朱里くんはシロムクとドレスどっちが好き?」
「また争いが起きそうな話題を出して」
「まぁまぁいいじゃない。お姉さんも気になるなぁ」
「えぇ・・・いや、相手に似合うならどちらでも」
「ふーん、じゃあさ、アベルならどっちが似合うと思うよ」
「さっきから地雷原爆走してません?なんなら転がり回ってません?」
「ねぇねぇどっちが似合う?吐いちまえよ楽になるぞぉ?」
「性格変わってませんかアイリスさん?」
「そうね、これは早急に答えてもらいたい質問だわ」
「アベルさん、いつになく真剣な顔でこっちを見ないでくれません?」
まずい、本当にまずいことになった。いや何となく予想はしてたけどいざってなると対処できない。これは答えるしかないか。あとさっきから外野がうるさい。「吐〜け、吐〜け」じゃないんだよそれ以上飲んだらそっちが吐いちまうぞ。
いやでも実際どっちが合うんだろ。アベルの肌は、純粋に焼けたり遺伝だったりのレベルを超えるくらいの褐色、いっそ黒褐色と言ってもいいくらいだ。そんな暗い色だからこそ白がよく映える。要はどっちも似合うってことだ。
で、スタイルが抜群にいい。このスタイルの良さを活かすならウェディングドレスだろうな。身長も高いし、レッドカーペットを歩く姿はきっと絵になる。
けど白無垢も捨て難い。普段の印象を一気に払拭する清楚な白無垢。そのギャップで心中どストライクだ。何より顔の良さを全面に押し出せる。
どっちもアベルの強みを存分に活かせてしまう。だから迷うんだよなぁ。う〜ん・・・。
「・・・ウェディングドレスで」
「あら」
「ほほぉ、理由は?やっぱりスタイル?」
「それもあるんですけど、白無垢だと顔に影ができるので、ちょっと暗い印象になると思うんですよね」
「明るいカドデに暗さは似合わないもんね」
「どっから日本語覚えてくるんです?」
「そっか、ウェディングドレス・・・お姉さん考えておくね」
「何を?」
「どんなドレスが着たいかだけど?」
「わざと危ない橋渡ってるよねさっきから」
「ところで、例えばルイちゃんならどっちが似合うの?」
「違うな危ない橋作ってるんだわ」
「俺も気になる」
「来ちゃったよルイ」
増えた壁の穴、頬を赤らめるルイ、爆笑するアイリスさん、楽しそうなアベル、酒で全てを忘れたい俺。ここまで来るともう諦めがつくというもの。もういっそ吐いて楽になるとしよう。
ルイの体型はスレンダーの部類。肌は白いが深緑色の鱗があるという唯一無二の特徴がある。問題はこの鱗を活かすか殺すかだ。活かすなら自然に露出度を増やせるウェディングドレスだし、殺すなら肌を隠せる白無垢だ。
俺としてはルイの鱗は好きだから、ウェディングドレスを推したい。けど、けどさぁ、白無垢の裾からチラって鱗が覗くのもいいなって思ったんですよね。こう、嫁いできた美人さんが実は人ならざる存在だったみたいな?そんな妖艶さがありそうだなって。しかも顔に影がかかるから、余計に怪しさが増すんですよ。いいよね。
対してウェディングドレスは、鱗が全面に押し出される上、健康的な肌も同時にさらされるのでハツラツで可愛らしい印象を与えてくれる。
元気な可愛さか怪しい妖艶さか。うーん・・・。
「白無垢、かな」
ギャップ萌えには敵わなかった。
「白無垢か、ふふっ」
「随分と嬉しそうね」
「朱里が俺のために悩んでくれてたんだ、当たり前だろ」
「当たり前よね」
ね~、と普段喧嘩ばかりのふたりが仲良くしているのを見てとりあえず一安心。・・・けど、あれだな、この光景普通に精神的にくるな。めっちゃ怖い。一歩間違えば世界終わっちゃう。いつも通りとか言わないで。
ん?通知?
『あたしはァ?』
アイか。うん、考えるか。別に現実逃避じゃない。
アイは背丈もプロポーションも平均的。ただし特徴的なのはそのご尊顔だ。こう、なんと言うか、意地悪な顔と言うべきか。牙を剥いた悪魔みたいな、そんな笑顔が良く似合う顔立ちをしている。
加えると、彼女のデータの存在。服装も髪型も彼女の自由だ。気分によってころころと変えるため、印象に残っている彼女の姿は実に多彩だ。つまり、イメージがしやすい。特に髪型のデータは重要。
白無垢は、顔の上半分が隠されてあの嗜虐的な笑みが強調されるという点では魅力的だが、隠れる部分があまりに多すぎるので今回は除外だ。
そしてウェディングドレス。こちらは汎用性が高い、高すぎる。ツインテールにすれば可愛さが強調できるし、まとめずに整えて垂らしたりポニーテールにすれば美しさを強調できる。またショートなどの短い髪型にすれば後ろ姿で魅せることもできる。
てことでウェディングドレスだね。
『そっかァ。探しとく』
君も?
しかしまぁ、こうして考えてみると、ホントにみんなかわいいよなぁ。一人一人が超危険で異常な存在だなんて考えられないくらいだ。
・・・もし、もし仮に、彼女たちがただ人として生まれていたら、どんな人生を歩んでいたんだろう。
もし仮に、俺が普通の人間だったなら、彼女たちに会っていなければ、彼女たちは───
「ところでさ朱里くん!実際のところ朱里くんの本命って」
「アベルさん」
「は〜い」
間延びした声とは裏腹に、目にも止まらない速さでスパンッとアイリスさんのこめかみが弾かれる。
「アイリスちゃんはお酒の飲みすぎて眠っちゃいました。そうよね?」
「異議なし」
「同じく」
・・・まぁなんというか、俺と過ごした影響なのか、博士曰く以前より多少常識的になっている彼女たち。マジに世界が終わりそうな火種に対しては非常に協力的である。
まぁ、前の俺ならこんな暴力で解決なんてしなかった。変わったのはあっちなのかこっちなのか、はたまた両方なのか。
そんなことを考えつつ、
まず、今回もリクエストの話でなくて申し訳ないです。というのも、現在リクエストを何話か同時に進行しているのですが、そのどれもが展開に行き詰まって執筆が止まっています。
そこで、私自身がもう書けないとしたリクエストに関しては、非常に心苦しいですが、省かせていただきます。大変申し訳ございません。
元々更新の遅い作品ではありますが、これからも頑張っていくつもりですよで、よろしくお願いします。
以上、重要なお知らせでした。
Othuyegさん
einsatz fsさん
誤字報告ありがとうございました