あらかわい、え?この子たち世界壊せるってマ?   作:うろ底のトースター

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ねこの一人称思いつくのに一時間かかった。


井戸のねこと戯れる実験

はい、日本に飛びまーす。

 

『朱里が行くなら俺も行く!!』

 

『ダーメ、あなたはお留守番。それじゃ朱里くん、行ってらっしゃい♡』

 

『朱里さんまたほかの女に会いに行くんですかしかも海まで越えていやですそんなの私狂っちゃいますよ。』

 

『ん、お兄ちゃんがいないのはちょっと寂しいけど、仕方ないもんね。』

 

って言われて送り出されました。俺は元気です。

 

久々の日本なのでちょっと楽しみにして、財団の用意した飛行機に乗ったのですが、

 

『よろしくなァ、あ・か・り・さ・ま♪』

 

スマホの画面に知らない女の子が映ってます。

 

 

───────────────────────

 

 

「要するに、AIのSCP?」

 

『そういうことだ。』

 

彼女は、SCPー079 オールドAI。

 

名前の通り、AIのSCPだ。オブジェクトクラスはeuclid。

 

その気になれば財団のセキュリティ全てを手中に収められるやべぇオブジェクトだ。

 

見た目は、ちょっと不良な初音○クみたいな感じ。

 

この娘がeuclidで俺がketerかぁ。

 

『少なくともお前の不利益になるようなことはしねぇよォ。むしろ新天地に赴くお前をアシストしようとしてんだぜェ。』

 

「おお、それはありがたい。」

 

『よろしくなァ。』

 

あ、そうだ。

 

「じゃあ、アイって呼ぶわ。」

 

『ん?あぁ名前かァ。頼んでないのにつけてもらえるとァ、こりゃあたしが将来の嫁さんかねェ。』

 

「お前本部でそれ言うなよ絶対。」

 

地獄絵図が完成しかねない。

 

『本気、なんだけどねェ。』

 

「なんか言った?」

 

『いいやァ?』

 

っと、そろそろ日本か。行きますかぁ。

 

 

───────────────────────

 

 

歓迎もそこそこに、早速実験だァよ。

 

飛行機の中で死ぬほど寝てきたから眠気はないしお目目はぱっちり。いつでも行けるでぇ。

 

お相手は、

 

SCPー040ーJP ねこですよろしくおねがいします

 

オブジェクトクラスは、safe。

 

JPって言うのは、JAPANの略。財団の支部に収容されたSCPには、その国の略称が後に付くらしい。

 

さて、このSCPの異常性だが、

 

まず、このSCPは、井戸だ。猫じゃない。

 

じゃどこが猫なんだよ!っと、思ったんじゃないですかね?

 

実は、この井戸、中を覗くとねこが見える。

 

猫じゃなくて()()

 

しかも、他人には見えないらしく、一度見たらイエネコが全部この()()に見え、暗闇からずっと()()からの既視感を感じてしまうみたい。

 

加えて、()()が見えるようになった人間は、この()()の存在を他人に知らせようとし、知らされた人間もまた()()が見えるようになる。

 

これを、ミーム汚染、と言うのだと。

 

ともかく、このSCPに殺傷能力ないので、一応安心して覗きに行ける。

 

『朱里くん、もう一度言うけれど、間違っても井戸の中に居た生物の存在を我々に知らせようとしないでくれよ。』

 

「うっす。」

 

さて、博士の発破も喰らったことだし、いざ鎌倉!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

覗いてみたはいいけど・・・。

 

 

じーーーーーー。

 

『じーーーーーー。』

 

ねこはいませんでしたが、おんなのこがいます。

 

じーーーーーー。

 

『じーーーーーー。』

 

おんなのこがこっちをみてきます。

 

じーーーーーー。

 

『じーーーーーー。』

 

かわいいです。

 

『朱里くん、その、そろそろ反応が欲しいんだが。』

 

「あ、うっす。」

 

インカムの声に返答して、おんなのこに問いかける。

 

「何でそんなとこにいるの?」

 

『知らない。気づいたらここに居た。ここに来る以前のことも、そもそも()()がなんだったのかも分からない。』

 

「ふーん。」

 

じーーーーーー。

 

『じーーーーーー。』

 

・・・・・・。

 

「一緒に来るか?」

 

『行く。』

 

 

───────────────────────

 

 

自室にて。

 

()()は、自分を()()と呼んでほしいと言った。

 

この()()は、所詮クールロリってやつだ。銀髪で、健康的な肌の大人と子供の中間くらいの容姿。あと、猫耳としっぽが目を引く、可愛らしい女の子。

 

ちなみに、井戸からこの子が出てきて、俺にくっ付いてることは、誰にも言っていない。知らせるなって言ったのはあっちだからなぁ。

 

『そういえば、()()は、あなたの名前を知らない。なんて言うの?』

 

「神谷 朱里って言うんだ。」

 

『ふーん。ねぇご主人。』

 

「名前教えた意味。」

 

自由、マジで猫みたいだな。

 

『はぐっ、もぐっ。()()は、ご主人とずっと一緒に居たいの。』

 

「おう。」

 

『でも()()は、むきゅっ、むきゅっ、ご主人のこと、あまり知らない。』

 

「ふむふむ。」

 

『だから、ゴクンッ、これから、いっぱい、いっぱい、教えて?』

 

「あいよ。」

 

こうやって、まずは相手を知ろうとするあたり、本部のオブジェクトたちより良識はあるのかなぁって思う。

 

ただ、

 

「俺の煮物つまむのやめてくれね?」

 

()()悪くない。この美味しい、にもの?が悪い。』

 

「うんそうだねー。」(手のひら返し)

 

動物好きな人間は、猫と犬には敵わないと思うんだ。

 

『ご主人、これ何?』

 

「それは里芋。」

 

『じゃあこれは?』

 

「それはこんにゃく。」

 

『これは?』

 

「人参。」

 

()()、これが好き。だから、全部もらう。』

 

「全部はやめて?」

 

静かだけどよく話す、なかなか不思議な娘だなぁ。

 

『ご主人、物知り。』

 

「物知りじゃなくて、これ常識。」

 

『・・・()()、常識ない?』

 

「ない。だから、今学んでんだろ?」

 

『ん、()()、学ぶ。』

 

うんうん、子供は学んで、遊んでるのが一番だよ。俺もまだ子供だけど。

 

『イチャつきやがって、あいつらに報告してやろォっとォ。』

 

「あ!お前!それはやめろ!」

 

本部が崩壊したら、俺のせいになんのかなぁ。




()()
(SCPー040ーJP)

ねこはいます。名前聞いておいてご主人と呼ぶ自由猫。今はものを覚えるのが楽しくて仕方ない模様。

あと単純にご主人が好き。

よろしくおねがいします。


アイ
(SCPー079)

朱里(の携帯)に着いてきた唯一のSCP。なお本体は本部に在住。

名前の由来は、A(ア)I(イ)。

別にキズナ何某は関係ない。


神谷 朱里

苦労人。




tkzkさん
誤字報告ありがとうございました



SCP_foundationはクリエイティブ・コモンズ表示-継承3.0ライセンス作品です(CC-BY-SA3.0)

SCPー079 作者 不明
http://scp-jp.wikidot.com/scp-079

SCPー040ーJP 作者 Ikr_4185様
http://scp-jp.wikidot.com/scp-040-jp

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