クトゥルフ系ライダーに転生した俺は掲示板のスレ民と愉快な仲間たちと世界を守る   作:響く黒雲

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やっとバルザイの新フォーム出せました!
更に、今回はオリジナルメギドも登場します!

何時も通りガバッています、受け入れられるか心配ですが後編どうぞ!


「星の旅路、憑くは邪神。」

「止めてくれ!皆とは戦えない!」

 

「だったらライドブックと聖剣を渡せ!」

 

「どうして言うことを聞いてくれないんですか!?やっぱり大いなる力に魅入られてしまったんですか!?」

 

皆がいきなり斬りかかって来る、訳が分からない。理由を聞いてもライドブックと聖剣を渡せの一点張り。仕舞いには俺が力を求めていることになっている。

 

「やっぱり……!上條さんの言った通り、組織の真の敵が……!」

 

「賢人君を斬った彼奴を信じるならお前も敵だァ!」

 

「組織に、そんな敵は居ませんッ!」

 

倫太郎と蓮が斬りかかって来た。火炎剣烈火はさっき大秦寺さんにはたき落とされた。防ぐ手はあるけど……仲間を傷付けるなんて、俺には出来ない!?

 

「く…あ…」

 

力が入らないなりに身構えると、剣がぶつかる金属音がする。そっと目を開くとそこにいたのは―――

 

「皆何やってるんだ!」

 

火炎剣烈火と星辰剣狂星で二人の聖剣を防いで俺を庇っているテリオさんの姿だった。

 

「―――飛羽真君!」

 

思考と意識が定まらない中で、呼び掛けられた声に咄嗟に反応して答える。

 

「俺は、俺は組織が信用出来ないんです!」

 

違う、そんなことが言いたかったんじゃない。このままだとテリオさんも裏切り者扱いになってしまう。それは駄目だ。……でも――――

 

「そこを退けぇ!」

 

「うわっ!?」

 

蓮に押し退けられてテリオさんは尾上さんと大秦寺さんの元まで弾かれる。武器が無いまま抵抗も出来ずに二人の攻撃を受け続けていた。

 

「どうして、信じてくれない……!」

 

どれだけ主張しても、違うと呼び掛けても、誰も話を聞いてもくれない。……これが、上條さんが味わった絶望なのか!?

 

「飛羽真君!」

 

そんな時、火炎剣烈火が俺の元まで飛んできた。

 

「……ッ!テリオさん!」

 

投げ渡してくれたのはテリオさんだった。火炎剣を受け取ると、斬撃で二人を退ける。でもダメージを受けすぎた。もう戦うのはキツイ……。

 

「弱すぎる!本気で戦えぇぇ!!」

 

怒りのままに蓮が手裏剣にした風双剣翠風で斬りかかる。体制的にも防御は間に合わない。

 

「もう止めて!」

 

そんな時、芽依ちゃんが俺を庇う様に立ち塞がった。蓮は飛び上がっていて動きを止められない。このままじゃ芽依ちゃんが斬られる!?―――だが。

 

「ふん……ハッ!」

 

「何!?うわっ!?」

 

乱入してきた、嘗てアヴァロンで出会った青年が手裏剣を受け止め、蓮を投げ飛ばす。

 

「聖剣は世界を守る為にある。今の状況は良くないな」

 

そうして彼は聖剣を使って仮面ライダーに変身!―――したんだけど……

 

「俺が剣で、剣こそが俺だ!」

 

誰も聖剣そのものになるだなんて思わないじゃん……

 

皆そんなシュールな光景に困惑を隠せない。滅多に表情を変えたり、感情を荒げないテリオさんですらも驚いている始末。

 

「光あれ!」

 

 

【最光発光!】

 

【GoodLuck】

 

 

でも、実力は本物だ。剣士として俺よりも経験がある四人を一切寄せ付けず、一瞬で撃破して変身を解除させてしまった。

 

「なんて力だ……!」

 

「潮時だな。一旦退くぞ」

 

「まだ負けてなぁぁぁい!!」

 

尾上さんたち年長の剣士が撤退を始めようとするけど、人一倍強さにこだわっている蓮がまた向かって来るが……

 

「蓮君、頭を冷やせ!」

 

「離せ!離せよォ!」

 

テリオさんが割り込んで蓮を押さえつけて引き剥がす。

 

「飛羽真君、また後で!」

 

 

【ネームレスシティ!】

 

 

テリオさんはこちらを向いてそう言った後、白いライドブックを起動させて、砂塵と供に四人と消えていった。

 

「あれが星の剣士か……」

 

聖剣から人間に戻った青年は、感心したように呟くとこちらを向いてにこやかに話した。

 

「また会ったな、神山飛羽真。今日は最高の日だ!」

 

「あの~貴方は誰?」

 

芽依ちゃんが恐る恐る聞いていた。俺もアヴァロンで会った時はまた会うとは思っていなかったから名前を聞くのは初めてだ。

 

「俺の名はユーリ。世界を守る剣だ」

 

それが彼、ユーリとの出逢い。色々な事が起こり過ぎてもうどうしたらいいか分からない……でも、信じてくれた人はちゃんといた。なら諦めない、諦めたくない。

 

「ねぇ、飛羽真。テリオさん大丈夫かな?」

 

「大丈夫……だといいんだけど」

 

「問題ない。彼は俺と同じで、自分の役割を分かっているらしい」

 

ユーリが意味深な事を言って去って行った。役割っていうのが何なのか、知りたいけど……今は信じて待とう。テリオさんも俺を信じてくれたんだから!

 

 

◆◆◆

 

 

四人を飛羽真君から引き離した俺は、近くのビルの屋上に到着する。押さえ付けていた蓮君を押し飛ばして聖剣で肩を叩きながら四人に尋ね始める。

 

「で?何でいきなり飛羽真君を襲った?」

 

「それは、彼が裏切ったから!」

 

「さっき聞いたよ。俺が聞きたいのは……」

 

「どうでもいい!何で止めたァ!」

 

まだ怒りの収まらない蓮君が突っかかって来るのを見てため息が自然と出てしまったのは許して欲しい。ただ、そろそろしつこい。

 

「はぁ……それっ」

 

「うおお!?ぐっ……!」

 

「蓮!」

 

突っかかって来た蓮君の足を払って前のめりに倒した後、襟首を掴んで聖剣を持っている手を後ろに固めて首に星辰剣狂星を添えた。

 

「くそっ!離せよ!」

 

「いい加減にしてよ。それとも―――本気で叩きのめされなきゃ分からないか?

 

俺がそう言うと、四人ともビクッとして固まった。威圧するとき目を目一杯見開いて声のトーンを一つ落とすと良いってどっかで見たけどホントみたいだ。

 

俺は蓮君を離してまた聖剣を肩に置き、いかにもイライラしてますという感じで足でトントンと地面を叩きながら話を続けていく。

 

「………俺が聞きたかったのはどうしていきなり実力行使になったのかって事だ。見たところ上條君みたく話してくれないみたいな雰囲気ではなかったように見えたけど?」

 

「彼奴が!賢人君を斬った上條を信じているから!」

 

あ~……こりゃ蓮君が先陣切って突っかかったって感じか。全く、賢人君が好きなのは分かるけどやりすぎだ。

 

「蓮君。戦う前に話位は聞けたよね?」

 

「でも!」

 

「でもじゃない。敵ならともかくあの時点じゃ飛羽真君はまだ味方だろうに……蓮君が先陣切っちゃったから飛羽真君が確信して組織を信じられなくなったかな」

 

せめてなんで上條君を信じたのか、その説明すらしなかった飛羽真君にも問題があるけど……あの状況だとしょうがないのかな……?

 

「組織にそんな人は居ません」

 

次は倫太郎君か。この子もこの子で組織は家族って考えの子だから、組織を信じられないって親を疑われる事を言われて頭に血が上っちゃった感じか。

 

「どうしてそう言える?上條君も賢人君のお父さんも、元はソードオブロゴスの人だよ?」

 

「それは!……きっと、大いなる力に魅入られて」

 

「だったら、組織に所属してる奴は皆候補じゃないか。ライドブックはその大いなる力の断片なんだから」

 

「……うぅ」

 

「少し頭を冷やしなさい」

 

「テリオさん、その辺に」

 

咎める様な俺に見兼ねたのか尾上君が止めてくる。大秦寺君もなんか泣きそうになってるけど、正直二人にも言いたい事はある。

 

「二人もさ、止められたよね?何一緒になって戦ってんの?」

 

「そ、それは……力に溺れた剣士になるぐらいなら、元の小説家に戻した方がいいと……」

 

「……上條さんの事もあった。話せるとは思えない」

 

……やっぱり上條君の事が後を引いているか。まあ、だとしても痛め付けて強引に、は感心しないな。

 

「上條君の事があったとしても、それを飛羽真君に当てはめるのは酷だよ……せめて見極める位は出来たんじゃない?」

 

「……すいません」

 

なんかショボくれた四人見てると申し訳ない気持ちになるな。どうしよ、この状態で何処までメギドの事を伝えようか。

 

「案外甘いですね。バルザイ」

 

あー……そういえばコイツが居たんだったな。今一番会いたくない奴、神代玲花。

 

「盗み聞きかい?それともタイミングを伺っていたのか」

 

「人聞きの悪いことを言わないで下さい。ソードオブロゴス全体の方針として今後剣士はサウザンベースに所属して貰います。バルザイ、貴方にも来て貰います」

 

強引な手を使ってきたな。コイツが居るなら今メギドの事を話すのは得策じゃないな。先ずは自由に動ける立場を得なければ。

 

「つきましては、貴方もセイバーのライドブックと火炎剣烈火を―――」

 

「断る」

 

「……自分が何を言っているのか分かっているの?」

 

いかにも理解不能、不愉快といった表情を浮かべる彼女だが、ここで引いたら何も得られず利用されるだけ。なら、最大限利用させて貰おうかな!

 

「ちょっ!?テリオさん!」

 

「分かっているんですか!?本当に組織を――」

 

「勘違いしないで倫太郎君。組織は抜けない、サウザンベースにも所属しよう、でも君の指示は受けない」

 

ますます困惑し始める周囲だが、まだ止めない。もっとこっちのペースに飲み込んでやる。

 

「そ、そんな我が儘が許されると……!」

 

「どうしても言うことを聞かせたかったらソフィアさんに命令させるんだな」

 

「なっ!?」

 

コイツの誤算は俺にソフィアさんの所在と思われる事を語った事だな。組織が保護していると言ったならともかくメギド側に囚われていると話していなければこうはならなかったのに。

 

「まぁ、でも無理でしょ?ソフィアさんメギドに捕まっているって君言ってたし」

 

「ソフィア様が!?」

 

「それは本当か!」

 

「………ええ、彼女はメギドに囚われています」

 

なんか物凄く忌々しそうに睨んでくるけど知ったことか、不可解な事や納得のいかない理不尽を許容出来るほどお人好しじゃないんでね。

 

「それに、全員で飛羽真君を追いかけてたら万が一メギドが現れた時対処が遅れる。一人位は遊撃がいたほうがいいよね」

 

「確かに今メギドが出たら不味いな」

 

「まさか組織がメギドそっちのけで飛羽真君を追いかけろ、なんて言わないよね?」

 

「……好きになさい」

 

本当に、ほんっとうに不本意という雰囲気を放ちながら彼女は消えていった。おそらくこれから俺をどうするか上と相談するんだろう。

 

「ふぅ……そういう訳だから、勝手だけど暫く単独で動くから、負担掛けるけどごめんね?」

 

「いや、それは良いですけど……」

 

「なにがなんだか……」

 

まだ皆困惑してるな。とりあえず飛羽真君の所に確認に行くとして、これからはメギドを倒しつつ飛羽真君の味方を増やしていかなきゃな。

 

あの聖剣になった男は多分味方かもしれないが、流石に二人じゃ何時か限界が来るだろうしね。

 

「蓮君、賢人君の事もあった。ムカつくのは分かる。でも君は聖剣に選ばれた剣士だ。怒りだけで戦っちゃいけないよ」

 

「まーた説教かよ……俺は強い!だから、早く賢人君の聖剣を!」

 

やっぱりこじらせてるな……何処まで聞いてくれるか分からないけど、言わないよりかマシだ。

 

「蓮君。君は確かに強い、でもどうして強さを求めたのか、その最初の想いを思い出せ。じゃないと、デザストの同類になるぞ」

 

デザストの同類、そう聞いて思い当たる事があるのか蓮はピクリとして黙った。一応は届いたみたい、なら倫太郎君だ。

 

「倫太郎君。組織を、親を疑いたくない気持ちは当然だ。誰だってある。でも、間違っているならそれを正すのも家族だ。疑っている奴が現に居るんだ、視野を狭めちゃ駄目だよ」

 

「それでも……僕は、組織を……」

 

倫太郎君の方はもう少し時間が掛かりそうだ。不安は残るし、肝心のメギドの事を話せなかったけど、もう行かなきゃ。最後に尾上君と大秦寺君と話す。

 

「大秦寺君、君は剣士であり鍛冶師だ。その視点で飛羽真君を見極めて欲しい。君にしか出来ないことだ」

 

「……出来るだけの事はやります」

 

「尾上君。そら君はそれとなくガードしておくから、心配しないで」

 

「昔から負担ばかりで、すみません」

 

「気にしないで。好きでやってるから」

 

手を振りながら四人を屋上に残して、飛羽真君の所に向かっていく。彼からもどうするか聞いておかないと、場合によってはそのまま組織を抜けないとな。

 

 

◆◆◆

 

 

飛羽真君を探してファンタジック本屋かみやまに足を運ぶと、なにやら物凄くごちゃごちゃして店内が荒れに荒れている。強盗か?

 

「何かあったのか?」

 

少々嫌な予感がしつつも、店内のドアを使ってノーザンベースへの道を開く。サウザンベースに剣士が集められたとあって誰も居なくて明かりも無く暗い。こんなに寂しい所だったかな?

 

「テリオさん!」

 

「無事かい?飛羽真君。なんか店が荒れてたけど強盗にでもあったのか?」

 

「あ~……それは」

 

「待っていたぞ。テリオ=カーター」

 

ノーザンベースには飛羽真君ともう一人、聖剣の姿に変身した男が居た。どうやら俺を待っていたらしい。

 

「君はさっきの。飛羽真君を助けてくれてありがとう」

 

「礼は要らない」

 

「彼はユーリ。光の聖剣を持っている千年前の剣士だそうです」

 

おぉ……マジか、剣士最年長記録越された……しかも千年かぁ、軽く俺の10倍近くあるな。

 

「今は俺こそが剣だ」

 

「そう、なんだ。それで俺を待っていたって言うのは?」

 

「単刀直入に聞く。君は今のソードオブロゴスについてどう思っている」

 

これは、試されてるのかな?飛羽真君もなんか真剣に俺の返答に耳を傾けてるし。素直に答えた方が良さそうだ。

 

「……まぁ、異常としか言えないよね。わざわざ北と南に分けている剣士を強引に集めようとしてたり、不自然な事が多すぎる」

 

「テリオさん……!」

 

「どうやら君は彼らに染まっていないようだ」

 

なんだか勝手に納得したみたいだけど、ユーリもソードオブロゴスに疑念があるのは確かみたいだ。

 

「俺からも聞かせて欲しいな。どうして今のタイミングで現れた?」

 

「神山飛羽真が力を手にしたからだ」

 

力……ドラゴニックナイトは以前に飛羽真君と賢人君がアヴァロンと言う場所で手に入れたブランクのライドブックから生まれたそうだけど、その事か?

 

「それに、状況は俺が聖剣と一体化する前より遥かに悪くなっている。それを打開するためにも俺が再び現世に戻り、戦う必要があると確信した」

 

「なるほどね。これからは飛羽真君と?」

 

「まだ分からない。彼次第だ」

 

俺とユーリの視線が飛羽真君に向かう。

 

「大丈夫です!これからも、本で不幸になる人を減らすために世界を守ります!」

 

「いや、それも大事だけど飛羽真君自身は……」

 

「それじゃ、原稿を仕上げるのでまた!」

 

そう言ってバタバタと飛羽真君はノーザンベースから出ていってしまった。

 

「あ、ちょっと!?」

 

「行ってしまったな」

 

「俺が聞きたかったのはそういう事じゃないのに」

 

う~ん、なんだか空回りしている様な気がするな。いきなり仲間に裏切り者扱いで狙われて平静でいられる訳が無いのに……

 

「心配だなぁ。もう少し話すべきか?」

 

「彼は聖剣に選ばれた剣士だ。問題ない」

 

「それは――」

 

あまりにも無責任じゃないのか?そうユーリに問い詰めようとして他ならぬユーリ自身に遮られた。

 

「まだ君に聞きたい事がある」

 

「な、なに」

 

「君は何者だ」

 

……………ハッ?!急過ぎてフリーズしたぞ!?そんないきなり核心に触れる、しかも俺も良く分かってないテリオさんの正体なんて知るわけないだろいい加減にしろ!

 

「……意図が分からないな」

 

「大いなる力を復活させる為には十一の聖剣と十九のワンダーライドブックが必要だ。―――だが、君の()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

思わず叫び出したくなるのを堪えて問答を続けていると知らない情報が飛び込んできた。……俺の聖剣とライドブックは含まれていない?

 

「もう一度聞くぞ、君は何者だ」

 

……いや、この際この情報はいい。この世界で生きると決めた以上、俺はもうテリオ=カーターなんだ。

 

「俺は星の剣士。仮面ライダーバルザイだ」

 

「そうか」

 

「えぇ!?」

 

かなりの決意を込めて言ったつもりだけど、なんか軽くスルーされた!?なんか漫画読んでるし!

 

「それだけ?他にこう……無いの?」

 

「キッパリと答えただろう。それに、いくら出自不明とはいえその聖剣は君を選んだ、最高じゃないか」

 

漫画を閉じて、こちらを見据えるとユーリは俺に手を差し出してきた。

 

「改めて、俺はユーリ。光の剣だ」

 

「テリオ=カーター。星の剣士だよ」

 

えらくマイペースな人だなぁ。それとも生真面目が極まって天然なだけなのか、俺はユーリの手を取り握手を交わす。

 

「共に世界を守ろう」

 

「ああ。ユーリ、君を見込んで俺の持つ情報を伝えておく」

 

まだ話すのは早いかもしれないけど、現状問題なく動けそうで動じなさそうなのがユーリしかいない。これ以上後手に回る訳にはいかない。

 

俺はユーリにストリウスと交わした取り引きの内容を話した。

 

「テリオ……君は中々に無茶苦茶だな」

 

「やっぱりライドブックを渡したのは不味かったかな」

 

「いや、現状ですら最悪なんだ。むしろ情報が手に入っただけ良かったといえる」

 

ユーリは考え込む様な仕草をする。―――正直責められても仕方ない事してるんだけどなぁ……ユーリって結構ドライなのかな?

 

「一度町に出よう。そんな最高のオモチャを手にいれた奴らがなにもしない等ありえない」

 

「だよねぇ……やっぱりストレイブラックキャットだけでも手元に置いとくべきだったかなぁ」

 

後悔先に立たずとは正にこの事。俺はユーリと共にメギドを探して町に出ることにした。

 

 

◆◆◆

 

 

536:星の剣士 ID:Q106FU0SAN

 というわけで、今最光さんと町に居まーす

 

537:一般転生者 ID:d/523EUZz

 草

 

538:一般転生者 ID:5ISExLSRa

 草

 

539:一般転生者 ID:WHik9TVez

 どういう事なの……?

 

540:一般転生者 ID:LVLxrq6YZ

 説明書ォ!

 

541:星の剣士 ID:Q106FU0SAN

 剣士四人にお説教

  ↓

 神代玲花をおちょくる

  ↓

 飛羽真君の様子を見に来る

  ↓

 最光さんに味方認定される

  ↓

 最光さんと町中デート←イマココ

 

 

542:一般転生者 ID:y4JJH9fnH

 草

 

543:一般転生者 ID:oqjS8DbzX

 おちょくるのいるか?www

 

544:一般転生者 ID:cSvIB71wN

 いる(アークの意思)

 

545:一般転生者 ID:ONEF3s4i0

 いる(鋼鉄のブルーウォーリアー)

 

546:一般転生者 ID:6+Vv4vBs8

 いる(ハイパームテキ!)

 

547:一般転生者 ID:5hXfgqvM0

 いりますねぇ!(究極の闇)

 

548:一般転生者 ID:yKv7Y54pM

 いるいる(地球外生命体)

 

549:一般転生者 ID:+Y0Guic0L

 ちょっとヤベーの沸いてんよー

 

550:一般転生者 ID:UVIAHOfdi

 おじいちゃん助けて!?

 

551:一般マスター ID:Kbm358o2

 いきなり町中散策してんの?

 

552:一般指揮官 ID:daiyatrini9090

 腐女子大歓喜案件

 

553:関西転生者 ID:hnshin334

 止めとき邪神ネキ見とるかもしれんやろ

 

554:一般転生者 ID:S9iOpXl+C

 そういえば最近見ませんね

 

555:一般転生者 ID:OARD6Oiyq

 どうせ悪巧みでしょ

 

556:あくせるがろ ID:burstlinkGARO

 堂々と悪巧み宣言してんすか、あの人

 

557:星の剣士 ID:Q106FU0SAN

 実はちょっと込み入った事情がありまして。

 話すと長くなるのですが……

 

558:一般転生者 ID:FPK9DscB7

 三行までなら許す

 

559:一般転生者 ID:FGqcl+fSu

 イッチの国語力が試される!

 

560:星の剣士 ID:Q106FU0SAN

 メギドとの交渉で黒いライドブックを失う。

 今相談出来る剣士が居ないので最光に相談。

 よし、町に探しに行こう!←イマココ

 

561:翻訳蒟蒻 ID:doradora0903

 とりあえずイッチがポカをやらかしたのは分かった

 

562:一般マスター ID:Kbm358o2

 なにしてんの…?

 

563:一般転生者 ID:zCVZo8N4h

 これはガバですねぇ!

 

564:一般転生者 ID:VTbecF2HJ

 再走?

 

565:星の剣士 ID:Q106FU0SAN

 しません。そもそもまだガバッて無いし!

 

566:一般転生者 ID:BGkwu9nWE

 認めろ、まごうことなきガバだ

 

567:あくせるがろ ID:burstlinkGARO

 戦えるんですか?

 

568:星の剣士 ID:Q106FU0SAN

 ユーリ居るし、前に作った奴は渡して無いから

 

569:クトゥルー博士 ID:iaiaFuguTn

 あれを使うんですか?

 

570:一般転生者 ID:urXO4y4sl

 大丈夫?発狂しない?

 

571:上位者狩人(幼年期) ID:keimou99

 怖がる事はない……私が狩りを教えてしんぜよう

 

572:一般転生者 ID:F/l/PXSJk

 狩人になる前提で話し進めるの止めてもろて

 

573:一般転生者 ID:PEamBjV1h

 フロム脳め……

 

574:一般指揮官 ID:daiyatrini9090

 さっきから言ってるユーリって誰?アイススケート?

 

575:一般転生者 ID:P2ER496We

 違う。光の聖剣と一体化した千年前の剣士。セイバーの世界で最初に聖剣を使った人だよ

 

576:一般マスター ID:Kbm358o2

 最初の聖剣の剣士ィ?オノレマスマスゥ!!!

 

577:一般転生者 ID:mFA3oYdvX

 発狂しないで

 

578:一般転生者 ID:NMI9Ax2+4

 そもそも何でライドブックをメギドに渡したのさ

 

579:星の剣士 ID:Q106FU0SAN

 夢で転生してくれた神様に会ってさ、ライドブックを情報と引き換えにするといいよって

 

580:一般転生者 ID:/sRfrKBL1

 ヤダこの子……純真……

 

581:関西転生者 ID:hnshin334

 それ信じちゃいけない類いのヤツ

 

582:上位者狩人(幼年期) ID:keimou99

 貴公……(憐れむ目)

 

583:一般転生者 ID:6b1aVOXQW

 お前、それでメギド造られる可能性考えなかったのか

 

584:クトゥルー博士 ID:iaiaFuguTn

 神話生物の能力持ったメギドとか最悪じゃないですか

 

585:星の剣士 ID:Q106FU0SAN

 >>583

 考えたよ。でも切り札あるし大丈夫かなーって

 

586:一般転生者 ID:+Qwmg+J66

 イッチはさぁ……

 

587:一般転生者 ID:fAzz/C6jz

 そういう奴から死んでくって何度も教えたでしょ!

 

588:一般転生者 ID:JUBIyr+uc

 なんで教えるの巧い癖に学習能力ないんすかねぇ?

 

589:一般転生者 ID:GnAJb4siY

 SAN値0だからでしょ(確信)

 

590:一般転生者 ID:j2t8DkTSQ

 あっ(察し)そっかぁ…

 

591:上位者狩人(幼年期) ID:keimou99

 貴公ヤーナムに来ないか?ビルゲンワースはイイゾ

 

592:一般転生者 ID:Hdiy+oSqO

 狩人ニキそれ触手でしょ?

 

593:一般転生者 ID:tVPGoCYt7

 イッチはもう使えるんだよなぁ

 

594:上位者狩人(幼年期) ID:keimou99

 (´・ω・)

 

 

【実況モードに移行します】

 

 

595:星の剣士 ID:Q106FU0SAN

 「ストリウス!」

 

 『遅かったですねぇバルザイ。貴方から譲り受けたライドブックは有効に使わせて貰ってますよ』

 

 

596:一般転生者 ID:r7N+mxgqU

 お?

 

597:一般転生者 ID:waPmgi0AV

 久々に実況モードだ

 

598:一般マスター ID:Kbm358o2

 最近事後報告だったからな

 

599:星の剣士 ID:Q106FU0SAN

 『成る程、ライドブックを反転させてメギドを造り出したか』

 

 『流石は光の聖剣、と言っておきましょう』

 

 

600:一般転生者 ID:iMHtAAwn4

 これストリウスドヤ顔してるけど絶対イッチのライドブック扱いきれなくて反転させただけだゾ

 

601:一般転生者 ID:vEt1aaVbM

 たかだかメギドの幹部が何かしたところでどうにかなる物じゃないんだよなぁ

 

602:一般転生者 ID:NbPaNern7

 ……でもさ、考えようによっては神話生物そのまま出てこない?

 

603:一般転生者 ID:Xk56SjcLX

 あっ……

 

604:一般転生者 ID:sA3+x9WHi

 イッチ死んだな

 

605:一般転生者 ID:A2PL92T8s

 クトゥルフ嘗めるから

 

606:一般転生者 ID:MhnviizKp

 成仏してクレメンス

 

607:あくせるがろ ID:burstlinkGARO

 ちょっ!?まだ死んでないっすよ!

 

608:一般指揮官 ID:daiyatrini9090

 ん~いまいち分からないんだけどどんぐらいヤバイの?

 

609:一般マスター ID:Kbm358o2

 セイレーンの大艦隊にベルちゃん単騎で挑む様なもの

 

610:一般指揮官 ID:daiyatrini9090

 イッチ死んだわ

 

611:一般マスター ID:Kbm358o2

 これどーすんだ?

 

612:星の剣士 ID:Q106FU0SAN

 『それに、ただ反転させただけではありません。三つの黒きライドブックを混合し、誕生させた新たな混合種のメギド。その名もミストレス!』

 

613:一般転生者 ID:VhkRiP8Si

 ファッ!?

 

614:翻訳蒟蒻 ID:doradora0903

 ちょっと不味くないですか?

 

615:一般転生者 ID:z+UPSWF2t

 なんて厄介な事を

 

616:関西転生者 ID:hnshin334

 なあ博士ニキ。ミストレスって確か……

 

617:クトゥルー博士 ID:iaiaFuguTn

 >>616

 ええ、クトゥルフTRPGに置ける這いよる混沌の化身ですね

 

618:一般転生者 ID:aKP79nlD+

 え?ヤバくない?

 

619:あくせるがろ ID:burstlinkGARO

 神話生物どころか邪神来てるんですけど!?

 

620:一般転生者 ID:s9ZlhlJnc

 誰かー!真尋さん呼べー!

 

621:クトゥルー博士 ID:iaiaFuguTn

 真尋さんなら今、セラエノに居ますよ

 

622:一般転生者 ID:Gy2rInkMl

 なんてこった!?

 

623:一般転生者 ID:LyVFd2NHx

 狩人ニキは?!

 

624:上位者狩人(幼年期) ID:keimou99

 標がないから無理だな

 

625:一般転生者 ID:gZmuG2iMw

 イッチマジで終わったんじゃ?

 

 

◆◆◆

 

ユーリと町を散策しながらメギドらしき存在が現れていないか確認に来ていたら、やはりストリウスが見たこともないメギドを伴って町を練り歩いていた。

 

「その名もミストレス!デザストよりも強力で従順な僕ですよ」

 

上機嫌に嫌みを含んだ笑いを上げるストリウス。その傍らでミストレスと呼ばれたメギドは静かに佇んでいるのみ。

 

「ライドブックからメギドって出来るのか」

 

「理論上はな。だが破損する可能性が高いリスクがある。大いなる力を求める奴らが使うとは思わなかったな」

 

「ええ、ええ。ですがバルザイ、貴方のライドブックはそれに含まれない紛い物でしょう?ですから有効利用させて戴きました」

 

紛い物ね……まぁ否定はしないな。転生特典で産み出された物らしいし。ただ、言い種が気にくわないな、コイツ。

 

『………』

 

そんな中でもやはり、ミストレスは静かに佇んでいる――――いや、俺をじっと見つめている?

 

緑の瞳以外何も無い漆黒の顔で見られていて不気味ではあるが、どこか気品がある。古代エジプトの様な装束が原因だろうか?

 

「ではミストレス。相手をしてやりなさい」

 

『………』

 

ミストレスは無言で赤黒い鎌を出現させて、俺たちに振るう。何とかそれをスレスレで避けるも直ぐにもう一撃やってくる。

 

「今の、完全に首狙いだったよね?!」

 

「それなりに本気のようだな」

 

そういうとユーリは聖剣を取り出して腰に巻き付ける。

 

 

【聖剣サイコウドライバー!】

 

【金の武器!銀の武器!】

 

 

「変身」

 

 

【Who is This?】

 

【最光二章!光から生まれし影!シャドー!】

 

 

ライドブックを装填して聖剣を引き抜くと、ユーリは光の粒子に変わり、聖剣に吸い込まれていく。そして光輝くと聖剣の影から剣士の影が現れてユーリを手に取って動き出す。

 

「ユーリ、そんなことも出来るの?!」

 

「フッ、見ていろ」

 

【最光シャドー】と呼ばれる影の剣士はミストレスに向かってツカツカと歩いていく。やっぱり、剣が本体だから動きが鈍い気がするな。

 

『……』

 

ミストレスは特に気にすること無くシャドーに斬りかかるが……

 

「甘いな」

 

『……!』

 

最光シャドーはあくまでも影である。故にその鎌の一振は空振りし、影を素通りしていく。そして出来た隙を歴戦の剣士たるユーリは見逃さない。

 

「フッ!ハァッ!」

 

『……!……!』

 

光の聖剣は邪なるモノに対して絶大な力を発揮する。メギドであるミストレスがいくら強力なメギドでもそれは痛手となる。

 

『……』

 

だがミストレスは何を思ったか、積極的に聖剣と打ち合いにいく。

 

『………』

 

「――コイツ」

 

シャドーのパンチを避け、再び聖剣と()()打ち合い続けるミストレスは遂に、シャドーの手からユーリを引き剥がした。

 

「悪くない手だが……光あれ!

 

『…………!!』

 

シャドーから引き剥がされた事で影は消えてしまったが、すかさずユーリは強力な光を放ちミストレスを吹き飛ばす。

 

「……ここまで厄介だとはな」

 

「どうしたのユーリ?」

 

「見ろ」

 

俺の手元に落ちてきたユーリが示すのは光に焼かれ、煙を上げるミストレス。―――変化は突然だった。

 

「うそ、でしょ?」

 

「奴は自分の能力を把握した上で俺と戦っていた」

 

時間が巻き戻る様に何事も無かったかのようなミストレスが立ち上がる。その肉体は無傷だった。

 

「フッ、ハハハハハハ!!素晴らしいですよミストレス。まさか時間を巻き戻せるとは」

 

『………』

 

ミストレスの瞳が緑から紅に変わる。どうやらユーリの攻撃が相当にお気に召さなかったようだ。なんだか怒っている様に感じる。

 

「さて、いつまでもミストレスと遊んでいて良いんですか?」

 

「なんだと?」

 

「貴方には前に説明しましたよね?それが始まるんですよ」

 

嘘だろ?もう始まっているのか!?―――いや、あんなにアッサリと話した時点でタネは出来ていたと考えておくべきだったかぁ~!

 

タイミングよく、俺のガトライクフォンに飛羽真君からメギドが現れたとメールが入る。

 

「最悪だな。メギドと一体化した人間を分離出来るのは俺だけだ」

 

「ユーリの足止めが目的……?」

 

「恐らくな。だが、奴が逃がしてくれるとは思えないな」

 

こちらをじっと見つめているミストレスは、鎌をクルクルと振り回して何時でも戦える様にしている。向かって来ないのは足止めだからか。

 

「ユーリなら人とメギドは分けられるんだよね」

 

「無論だ」

 

「なら飛羽真君の所に行って。アイツの相手は俺がする」

 

俺はユーリから手を離し、カオティックアウターキャットを取り出した。

 

「……そんなライドブックがあったのか」

 

「何が起こるか分からないから使いたく無かったんだけどね。そうも言ってられない」

 

カオティックアウターキャットのスイッチを押すと、起動音が流れ、ブックの上が開く。

 

 

【汝、窮極の門に至るなら、星辰を揃えるべし。】

 

 

開いたブックの上から白いライドブック三つを装填していくと起動音に変化が生じ、使用できる状態に変わりあらすじが読み上げられる。

 

 

【星辰の時、来たれり!】

 

【門を越えた先に現れるは、狂乱怒濤の邪神軍団。】

 

 

『させるとでも?』

 

悪趣味なピエロの様な姿に変化したストリウスが変身しようとする俺に剣を振りかざすが、こっちにはユーリが居るんだ。

 

「それはこちらの台詞だ!」

 

『ヌオッ!……邪魔ですよ光の剣!』

 

ユーリとストリウスが打ち合う中、俺はソードライバーにカオティックアウターキャットを装填してミストレスを見据える。

 

心なしかミストレスは俺が変身するのを待っているようにも見えた。瞳の色も戻っているし。

 

「なんでもいいか……変身」

 

 

【狂星抜刀!】

 

 

星辰剣狂星を引き抜いた瞬間、ライドブックは左右に開くがその中から更に上下にも開き、計四方向に開いたブックから膨大な狂気、悲鳴、怨嗟が響き渡り俺を包み込む。

 

 

Don't look away(目 を 背 け る な)

 

 

やがて包み込んだそれらが星辰剣狂星に纏わりつくと、星の聖剣の刀身はまるで宇宙の様に揺らめき輝く。それを振るって逆さ十字を切り、星の斬撃が仮面になると同時に剣士の鎧が完成する。

 

 

全にして一、一にして全なる彼方の者、(The All in One. The One in All. The Beyond One, )それが外なる神の真理!(The Truth of The Outer GODS.)カオティック(Chaotic)アウター(outer)キャット!(cat)

 

 

変身した姿は意外にも正統派の騎士然とした見た目だった。―――胸にくっついている巨大な単眼を除けばだが。

 

「これが……真理の力」

 

その上から更に漆黒の神官のローブの様な装飾のマントが肩と腰から下がり、背中には後光の様に六角形の石の台座が装着されていた。

 

 

【つまり、邪神降臨!】

 

 

【仮面ライダーバルザイ カオティックアウターキャット】誰もが追い求めた真理の一端を手にした姿だ。

 

『なんなんだ……その姿はァ!』

 

焦った様にストリウスが俺に飛び掛かる。……いや、焦ってると言うより、怯えているのか?

 

「フゥー………」

 

神経を集中する。怪しく光るストリウスの剣を、俺はそのまま掴み取った。

 

『なんだと……?』

 

「そんな恐怖でひきつった剣が俺に届くとでも?」

 

『私が、恐怖!?そんなバカな!?』

 

「とりあえず邪魔だ。吹っ飛べ」

 

 

【カオティックブースター!】

 

 

左腕に装備されている、飛羽真君のドラゴニックナイトと同系統の装備を起動してそのままストリウスを殴り付ける。

 

 

【ブレイカー!】

 

 

「ハァッ!」

 

『あ、ありえ―――――』

 

黒い炎を纏った隕石を殴った瞬間射出し、その勢いのまま彼方に飛んでいくストリウス。これで邪魔者は消えた。

 

「凄まじい力だな。剣であるはずの俺も僅かに震えるほどとは……最高だな!」

 

「ユーリ、飛羽真君の所に」

 

「任せろ。こっちは任せた」

 

「ああ」

 

そうしてユーリは飛羽真君の所に光の速さで去っていく。俺は主が居なくなったにも関わらず、未だ戦闘態勢のミストレスを見る。

 

「ストリウスは飛んでいったぞ?いいのか」

 

『………』

 

相変わらず何も話さない。ライドブックの影響なのか話す機能を持たされなかったのか……確かなのは、まだミストレスはやる気だってことか。

 

「さて、この姿で倒せるか……」

 

『………!』

 

ミストレスは鎌を振りかぶって俺に叩きつける。それを星辰剣で受け止める。一撃が重い!こんなのと斬り合っていたのかユーリは!

 

『!』

 

「何!?」

 

不意にミストレスが黒い霧に姿を変えて襲い掛かる。こいつユーリとは力をセーブしながら戦っていたのか!?

 

「この!」

 

 

【ブレイカー!】

 

 

カオティックブースターから隕石を再び放つが、霧になっているミストレスには意味がない。これでもダメか。

 

「なら、コイツの力を使ってみるか」

 

俺はカオティックアウターキャットの右側のページを三度叩く。

 

 

【来たれ、眷属よ】

 

 

地の底から響くようなガイダンスと共に背中の石の台座が外れ、空洞に宇宙が広がる。

 

「来てくれシャンタク鳥!」

 

甲高い鳴き声と共に台座から神話生物が飛び出す。シャンタク鳥、邪神の眷属の一体だという。確かにこの世の生物とは思えないなコイツ。

 

「おお?」

 

だがどうやら俺には懐いている様で、長い首をもたげて俺の仮面に擦りよると、再び鳴き声を一つ上げてミストレスの黒い霧を羽ばたきで吹き飛ばし始めた。

 

「うおお!?す、凄い風だ!」

 

というかここだけ嵐みたくなってるぞ!?でも流石に自分が拡散するのは嫌だったのか。ミストレスは霧になるのは止めて蝙蝠の羽を四枚広げ、シャンタク鳥に迫る。

 

「させるか!」

 

『………!?』

 

シャンタク鳥を踏み台にしてミストレスを斬り伏せる。想定外の攻撃を受けたミストレスだったが、シャンタク鳥かいる限りは霧にはなれない。

 

「そろそろ……ん?」

 

シャンタク鳥の背中に乗った俺は、カオティックブースターの持ち手に聖剣をリード出来る部分を見つける。

 

「まさか、出来るのか?」

 

 

【スペシャル!ふむふむふ~む!】

 

 

星辰剣狂星をかざすと読み込めた。ならこれで終わりにさせて貰うぞ!

 

【ポルタ・ヴェルム!】

 

 

【完全読破一閃!】

 

 

聖剣の刀身が再び宇宙の様に染め上がる。その斬撃をミストレスに目掛けて飛ばして斬りつける。

 

『……?』

 

「あれ?」

 

だが、斬撃はミストレスを通過しただけだった。……どういう事?まさか不発!?

 

『……』

 

なんだか呆れた様な雰囲気を醸し出すミストレスだったが、その背後で斬撃は残っていた――――そして。

 

『………!?』

 

「なんだ!?」

 

留まっていた斬撃は空間を切り裂き、どこかの異空間に繋げた。そこから目を光らせているのは虹色の様な不定形のナニか。

 

『……!……!』

 

空間から現れた触手がミストレスを捕え、引きずり込んでいく。相当に力が強いんだろうな……ミストレスが手も足も出ずに引きずり込まれていってる。

 

『………』

 

諦めたのかミストレスは俺に緑の瞳を向けている。怨めしいのか悔しいのか、喋らないから分からないけど。

 

『……アナタなら大丈夫だと、言ったでしょう?』

 

「―――え?」

 

今、喋ったか?しかもこの声……。

 

その声を確認する事なくミストレスは空間の裂け目に呑み込まれていった。なんだか、後味が悪いな。

 

「これでエンドマーク、だといいんだけど……」

 

色々考えがめぐる。でも当のミストレスもストリウスも居ない。飛羽真君やユーリがどうなったかも確認しないといけない。

 

そんな俺を他所に、シャンタク鳥は勝利の雄叫びを上げたのだった。

 

 

◆◆◆

 

 

626:一般転生者 ID:wW9+41+2y

 ファーwww

 

627:一般転生者 ID:lVk4wpiyK

 アッヒャホホッwww

 

628:一般転生者 ID:XC/+i6zfZ

 ヒェッヒェッヒェッヒェッww

 

629:一般転生者 ID:ciV0wBOBh

 おーい。出してくださいよー

 

630:一般転生者 ID:afz3kljos

 ふふ……S○X!!

 

631:一般転生者 ID:/9Tu9D++D

 止めないか!

 

632:一般指揮官 ID:daiyatrini9090

 うわーナニコレ?

 

633:一般マスター ID:Kbm358o2

 発狂者が続出してるな

 

634:上位者狩人(幼年期) ID:keimou99

 啓蒙が足りん、出直してこい

 

635:一般転生者 ID:Xicp4R1Z0

 狩人ニキみたいなバケモンと一緒にしないで

 

636:翻訳蒟蒻 ID:doradora0903

 こちとら純粋な人間なんだぞー

 

637:一般転生者 ID:V+5/aEMA1

 >>636

 ハーレム野郎がなんかいってら

 

638:一般転生者 ID:VelB4jm8a

 >>636

 ヒロインを食い物にするのは楽しいかー?

 

639:翻訳蒟蒻 ID:doradora0903

 だから違うって言ってるでしょおおおおお!!?

 

640:関西転生者 ID:hnshin334

 ま、発狂した奴らはそのうち戻ってくるやろ(適当)

 

641:クトゥルー博士 ID:iaiaFuguTn

 ミストレスといい、イッチの新しい姿といい相変わらず厄ネタには事欠きませんね

 

642:一般転生者 ID:oK/6QG9pn

 こんなに厄ネタまみれの転生者そうそう居ないぞ

 

643:一般転生者 ID:M/yDPv4Z4

 勝ったんだろうけど相手が相手だから勝った気しないな

 

644:上位者狩人(幼年期) ID:keimou99

 戻ってくるだろうよ、メギドなのだから

 

645:一般転生者 ID:glaQBaDBJ

 こういう時こそ邪神ネキ居て欲しいんすけどねー

 

646:関西転生者 ID:hnshin334

 今、イッチの事で手一杯なんやろ

 

647:一般転生者 ID:hcFqnfC7R

 そんなことよりカオティックアウターキャットについて語ろうぜ!

 

648:上位者狩人(幼年期) ID:keimou99

 上位者の力を使っている割には普通だったな

 

649:一般転生者 ID:O4CN1Zd5D

 騎士が神官の衣装を纏った姿っていうのがまた

 

650:一般転生者 ID:hB56SqmGK

 厨二心をくすぐる

 

651:一般転生者 ID:WYHeex8RA

 胸のど真ん中にでっかい目ン玉なければね

 

652:一般転生者 ID:ZRNAIXtOf

 ホントあれなければ普通にカッコいいで終わったのに

 

653:一般転生者 ID:clxXM73Cq

 余計狂気感増してるんだよなぁ

 

654:あくせるがろ ID:burstlinkGARO

 なんだか取り憑かれたみたいな感じっすね

 

655:一般転生者 ID:54nxN6eIR

 なんかストリウスが妙に怯えてたけどなんだったんだろう?

 

656:関西転生者 ID:hnshin334

 恐怖判定に失敗したんやろ(TRPG感)

 

657:一般転生者 ID:Adng30A1Q

 あっ、そっかぁ

 

658:一般転生者 ID:HbZwkbs3i

 じゃあしゃーなし

 

659:一般転生者 ID:ivOrBDA66

 ブースターあるのも戦力として使えて良いよね

 

660:一般指揮官 ID:daiyatrini9090

 宝の持ち腐れだけどな

 

661:一般転生者 ID:3Ib2wvAbs

 >>660

 なんで?

 

662:一般指揮官 ID:daiyatrini9090

 イッチ今変身に使うライドブックしか持って無いじゃん

 

663:一般転生者 ID:9HCDkpThN

 そーでした

 

664:一般転生者 ID:Ju4Sfbwro

 肝心な所でガバッてるのがイッチらしいというか

 

665:一般転生者 ID:Q+qVy7QQY

 だから見捨てられないのよね

 

666:一般転生者 ID:DNOS+emut

 それな

 

667:一般転生者 ID:5tpbANPcq

 わかる

 

668:関西転生者 ID:hnshin334

 わかるわ~、手のかかる子ほど可愛いっていうか面倒みてやらねばっていう使命感というか母性が爆発するっていうかry

 

669:一般転生者 ID:ylex2X8V/

 >>668

 オカン、ステイ!

 

670:一般転生者 ID:5P3rF7+S6

 止まらねーからこの話題振るの辞めようか

 

671:一般転生者 ID:tpdeZ5TSl

 見てて気づいたんだけどさ。ミストレスってニャルの化身のごった煮なんだな

 

672:一般転生者 ID:iyOxODNWT

 見た目とかバラバラなものが繋ぎ合わさっている感凄いよな

 

673:クトゥルー博士 ID:iaiaFuguTn

 黒い霧、蝙蝠の羽、歯車が合わさった腰布、古代エジプト風の風貌、黒いのっぺらぼう、二本の角、赤黒い鎌。ここまで揃うと壮観ですね

 

674:一般転生者 ID:mKV0O6yNV

 あれ多分まだ使ってない能力あるよな

 

675:一般転生者 ID:AsP8ktnqU

 肉体の時間逆行や霧化とかもあるのにまだあるとか

 

676:一般転生者 ID:xgQH/bP99

 流石トリックスター

 

677:クトゥルー博士 ID:iaiaFuguTn

 まあ一番の問題はイッチの能力なんですけどね

 

678:一般転生者 ID:7kZjBMdDc

 スレ民に発狂者が出た原因来たな

 

679:一般転生者 ID:UzF4XFrCh

 なにサラッとシャンタク鳥召喚してるんすかね

 

680:一般転生者 ID:HP6SIjCf9

 あの背中の邪魔くさそうな六角形、召喚台の役割だったのか

 

681:一般マスター ID:Kbm358o2

 神話生物を操れる様になったと言う事は邪神に近づいたって認識でいいのか?

 

682:一般転生者 ID:7BYDy/xdz

 邪神になりたいとか狂人じゃん……狂人だった

 

683:上位者狩人(幼年期) ID:keimou99

 フッフッフッ……ようこそ、男の世界へ

 

684:一般転生者 ID:fBsO1usl+

 ウキウキ狩人ニキで草

 

685:一般転生者 ID:2cRwX2BM0

 お前狩る側やろがい

 

686:一般転生者 ID:ulyHFdsXk

 何気に悲願叶ってて草

 

687:一般転生者 ID:REtyX8rD3

 >>683

 ちょっと待って?狩人ニキ今ナメクジじゃ……

 

688:上位者狩人(幼年期) ID:keimou99

 そうだった……

 

689:一般転生者 ID:O++bW8QPu

 悲願崩れてて草

 

690:一般転生者 ID:VAlS1OMt8

 根本的な事忘れるのは狂人の特権だから

 

691:一般転生者 ID:XlVarJv+H

 そんな特権いらない

 

692:一般転生者 ID:DoqV5vTmu

 翻訳ニキ最後の技なに?

 

693:翻訳蒟蒻 ID:doradora0903

 ポルタ・ヴェルム、日本語で真理の扉です

 

694:一般転生者 ID:6GZXkMJQm

 うわぁ……だからあの副王様出てきたんすね

 

695:一般転生者 ID:DduLMVJZ6

 空間斬って副王の場所に繋げるとか世界大丈夫?

 

696:あくせるがろ ID:burstlinkGARO

 副王様って?

  

697:クトゥルー博士 ID:iaiaFuguTn

 クトゥルフの邪神の中でも上から数えた方が速い権力を持った神性で這いよる混沌と同格と言われるポピュラーな神様です

 

698:一般転生者 ID:bfeJAb7Dx

 頑なに名前出さない辺りプロよね博士ニキ

 

699:一般転生者 ID:3jGXNfFBn

 名前言っただけでヤバイのもいるから

 

700:一般マスター ID:Kbm358o2

 がろくんに分かりやすく言えば色の王たちだな

 

701:あくせるがろ ID:burstlinkGARO

 そんなに凄いんっすね!

 

702:一般転生者 ID:7DTm336UX

 あぁ~がろくんが可愛いんじゃあ~

 

703:一般転生者 ID:g1WPXUofJ

 どうしてイッチはあれなのか

 

704:一般転生者 ID:e0rUbpY34

 そういやイッチ来ないな

 

705:一般指揮官 ID:daiyatrini9090

 最後なんか考え事してたみたいだったが

 

706:一般転生者 ID:wT+jN1Z0I

 飛羽真の所に行ってるんでしょ

 

707:一般転生者 ID:t/ByK2D+i

 移動中か

 

708:関西転生者 ID:hnshin334

 翻訳ニキイッチになんか頼まれたみたいやけどなんだったん?

 

709:翻訳蒟蒻 ID:doradora0903

 あれはイッチが技考えたいからラテン語教えて欲しいと言われて幾つかレクチャーしたんですよ

 

710:一般転生者 ID:YPdlrRYa5

 そっか、もう前のテリオさんの記憶に無い姿だもんね

 

711:一般転生者 ID:xlJqglEXP

 イッチのセンスかぁ……大丈夫か?

 

712:一般転生者 ID:SbJTGXkzI

 不安だ

 

713:一般指揮官 ID:daiyatrini9090

 とりあえず厨二病罹患者は悶え死ぬ準備しとけ

 

714:一般転生者 ID:Fy2xkUAgX

 ウッ…

 

715:一般転生者 ID:IUcUdEKdt

 ハウッ!?

 

716:一般転生者 ID:8L52FnTsv

 グッ…

 

717:上位者狩人(幼年期) ID:keimou99

 >>714

 >>715

 >>716

 ほう、匂いたつじゃないか……貴公ら、獣か?

 

718:一般転生者 ID:lNVaQwUA+

 獣の病じゃねーから!

 

719:一般転生者 ID:78GolBur1

 狩人ニキさぁ…

 

720:一般転生者 ID:APuyswrgB

 貴公、既に狂っているぞ

 

 

◆◆◆

 

『………』

 

「すごいかっこうだねぇ」

 

『……言わないで下さいお父様。この姿でテリオの前に出るのは結構勇気がいるのですよ?』

 

「ごめんごめん。それで?これからどうするの?」

 

『頃合いを見て、テリオの元に行きます。どうせ戻るなら手土産位は欲しいですから』

 

「そう……ならこれをもっていきなさい」

 

『これは?』

 

「ストーリーオブせいしんけんきょうせい。まえのかれのきおくのすべてがある」

 

『……確かに、これならテリオは剣士として更に進化しますね』

 

「あのライドブックをつかったことで、かれはにんげんでありながらわれわれにちかしいそんざいとなった……これからがたのしみだ」

 

『本当に気に入ってらっしゃるのですね』

 

「めずらしくきみがあいし、あいをかえすヒトだ。きにもするさ」

 

『えぇ、えぇ。夫が身内に気に入られるのは、悪い気分ではありません』

 

「それじゃあ、またひとねむりするよ」

 

『はい、お休みなさい。我らが父王よ』

 

 

◆◆◆

 

 

「どうやらユーリはテリオの事を認めたみたいだ。後は飛羽真だけど、大丈夫かなぁ~?」

 

ワンダーワールドの小屋で本の整理をするタッセル。その顔は懸念が一つ晴れたと同時に、まだ存在する課題に頭を悩ませている様子だ。

 

「テリオが手にした邪神の力、そして邪神の力を持つメギド、ミストレス。どちらにもまだ秘密がありそうだけど」

 

本の整理をあらかた終えたタッセルは、不安げな顔をしたまま天を見上げる。

 

「まだ剣士たちの絆は崩れたまま。ど~なっちゃうんだろう!?心配でたまらないよ!」

 

そんな彼の心を現す様に、本棚から一冊がコトンと落ちた。




ミストレス……一体何ネキなんだ……?

今回コテハンにあまり動きは無かったのでカオティックアウターキャットの能力の一部を紹介。

胸に憑いている巨大な単眼:カオティックアイズ。敵対者の恐怖心を煽り増幅させる。分かりやすく言えば恐怖判定の強制ファンブル。

背中の石の台座:カオティックサモナー。ライドブックから出力された神話生物の情報を読み解き、現実に現す為の召喚台座。盾にもなる。

ポルタ・ヴェルム:空間をも裂く一太刀。繋がる場所は副王様の玉座一択。開いた先と目が合えば引きずり込まれることが確定する。
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