迷走した( ̄▽ ̄;)
『それで、君はどうしたいんだ?』
ナナホシにこの世界の事を軽く説明した後、僕は彼女に問い掛けた。
『地球に戻る事はできないの?』
『少なくとも僕はその方法を知らない。
龍神に聞いてみようか?』
『お願いできるかしら』
地球に戻る、か……。
僕は地球にはなんの未練もないけど、彼女は現役の女子高生だし色々とあの世界に未練があるのかもしれない。
「何か分かったか?」
「彼女の名前はナナホシ。
ニホンと言う文明の発達した異世界から来た異世界人で間違いない」
「……ニホン、知らない名だな。
六面世界の地名ではないか」
六面世界というのはこの『人の世界』を含む6つの世界の事で、古の時代に物凄い力を持った創造神が作った世界の事だ。
今となってはこの人の世界しか残ってないんだけど、滅ぼされた世界がどうなったかについては非常に興味がある。
もう存在すらしていないのか。
それとも何かしらの残骸があるのか。
もし仮に後者ならやり方次第じゃ世界を元に戻せたりもするんじゃないだろうか?
「彼女は元の世界に戻りたいって言ってるけど、異世界に送り返す手段はある?」
「神玉を使えば不可能ではない。
だが、知っての通り取れる手段ではない。
それを除いてとなると俺には思い付かんな」
「……なるほどね」
いつもの癖で意味深に頷いたが、神玉と言うのはなんだろうか?
名前的に神の力が篭った玉なんだろうけどさ。
龍神の神玉とか言うのがあるんだろうか?
うん、カッコイイな。
僕も『陰の秘宝』とか作ってみるか。
『なんって?』
『神の力でも使わなければ無理だってさ。
けど君一人の為に使える手段じゃない。
他に僕の思い付く限りだと、召喚魔術を無理やり反転させるとかか?』
『それは難しいの?』
『世界を滅ぼす方が簡単だな』
魔力を使って起きた現象なら、魔力を使って再現できない理由はない。
ただ、0から新しい魔術を作るとなると途方もしれない苦労になる。
端末を一切使わずに人力でSDカードからデータを読み込むようなもの。
異世界から何かを召喚する方法が分かったとしても、地球の位置情報を探る必要がある。
さらに辛うじて同じ宇宙に繋がったとしても、超広大な宇宙の中からピンポイントで地球を見つけ出す必要がある。
『そう……』
『ああ、諦めるのはまだ早い』
『どうにかなるの?』
『世界を滅ぼせそうな龍神が隣にいるからね。
手掛かりくらいは何とかなるかも?』
そう思ってオルステッドに聞くと、甲龍王ペルギウスがこの魔力災害の記録を取っている可能性があるとの事。
どのくらいの範囲で絞り込めるかは分からないけど、その記録があれば何とかなる可能性もほんの少しだけある。
『という事みたいだね』
『……なら、私はその魔術を完成させるわ』
『この世界に留まる気はないの?』
『ええ、元の世界には残してきた人がいるもの』
残してきた人か……。
異世界から召喚された人はどうしてか元の世界に戻りたいって傾向があるよな。
別にいいけど、少しつまらない。
「そうか。
ではシャドウ、手伝ってやれ」
「…………はい?」
「俺の願いに協力するのだろう?」
「……」
確かに協力するとは言ったけど、まさかこんな願いが飛び出すとは思わなかった。
空中城塞にでも乗り込めばいいのだろうか?
いや、これはオルステッドに任せよう。
なら僕がやる事はナナホシに言葉を教える事と、最低限の自衛が可能なように鍛える事か?
一応命の礼もあるし、このくらいなら頼まれても構わないかな?
「よし、分かった。
けど残念ながらペルギウスには面識がない」
「奴は気難しいからな……。
そこは俺が何とかしよう。
ああそうだ、これを持っておけ」
そう言ってオルステッドは懐から黒色の指輪を取り出した。
何かのマジックアイテムなのだろう。
受け取ろうとするが、全く体が動かない。
……内側から解除するのは無理だなこれ。
「ああ、すまん忘れていた。
どうだ? これで動けると思うが」
「神級の封印魔術か何か?」
「いや、違う。
瀕死の重症を負った者を1日だけ封印するという
オルステッドが懐から短剣を取り出してチラっと僕に見せる。
……かなりヤバいマジックアイテムだな。
僕が抵抗できないって相当だぞ。
ようやく動けるようになったのでオルステッドから指輪を受け取って調べてみると、彼の持っているもう一つのマジックアイテムと対になっているようだ。
この指輪はオルステッドの胸の辺りと魔力経路で繋がっている。
それなりに強力なマジックアイテムのようで、強固な結界の中とかじゃなければ世界のどこに居てもオルステッドに伝わるだろう。
「ペルギウスの所へ行く時や、俺に何か用がある時はその指輪に魔力を込めて知らせろ。
こちらもお前に何か用がある時はその指輪に魔力を送り込もう。
お前の実力ならば逆探知は容易かろう?」
「可能だとは思う。
ま、どこにいるかにもよるけどさ」
逆探知と言っても、方向が分かるだけだから距離に関しては自力で探る必要がある。
だがら例え僕でもせいぜい探せて1500キロメートルくらいだと思う。
世界の裏側で使われたりしても無理だ。
「しばらく強者と戦う予定はないが、どうしようも無い時は頼らせてもらうつもりだ」
いや、どんな相手だよ。
龍神が苦戦する程の相手となると七大列強の上位、技神、闘神、魔神あたりだと思う。
僕に頼らざるを得ないとなると第一位、世界最強らしい技神なのだろうか?
なら元から倒す予定だったし、好都合だな。
世界のどこにいるか分からない相手を見つけるのは骨が折れるし、願ったり叶ったりだ。
「……かの龍神が頼るような強者がいるとは思えないけど、その時は僕も手を貸そうか」
「面倒を言ってすまないな。
本当に助かる」
『ねえ、何を話しているの?』
「む? シャドウ、彼女は何と言っている」
そう言えばオルステッドでも知らない言語を使う相手とはコミュニケーションが取れないんだな。
龍神さえも意思疎通のマジックアイテムを持ってないとなると、この世界にはそう言った能力は存在しないのだろう。
言葉を覚えるのってめんどくさいんだよね。
シャドウガーデンにはそれなりに色んな種族の子が居たから、僕も一通りの言葉を覚える事になったんだけど全ての言葉を覚えるのには半年も掛かった。
それからも各部族のみに伝わるマイナーな言語とかをこっそり勉強してたんだけど、翻訳のマジックとかがあればこの問題は一瞬で解決される。
ある意味僕が一番欲しかったマジックアイテムだったんだけど、無いものは仕方がない。
探してたんだけど諦めるか。
『これからの事を少しね。
彼は言葉の分かる僕に面倒をみろって言ってるけど、ナナホシはそれでいいか?』
『一つ確認なのだけど……。
……あなたについていってもいきなり殺されたりしないわよね?』
『その気があるなら今すぐに殺して逃げるのが証拠って言えるかな?』
さっきまでは封印されていたお陰で何もできなかったが、今はそうじゃない。
殺そうと思えばいつでも殺せるし、龍神に関しても倒すのは無理でも逃げる事くらいはできる。
『……それもそうね。
これからよろしくお願いできるかしら?』
僕がそう言うと、彼女はあっさり僕についていく事を承諾した。
アダマンタイトメンタルかよ。
『…………僕が言うのも何だけど、よく自分を殺そうとした相手を信用できるね』
『そこは勘よ。
何となくだけど、あなたはそう簡単に私を裏切らないような気がするの。
それに、あなたに頼れないなら言葉の通じない彼に頼らざるを得ないもの』
ま、ナナホシが良いならそれでいいか。
そう言った彼女に僕は手を差し出す。
『ならとりあえず、君が言葉を喋れるようになるまでは僕の庇護下で保護しよう。
それで良ければこの手を取れ』
彼女は僕が差し出した手を受け取った。
たま1010様、
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これからも頑張ります。
ファンタン饅頭様、
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10万文字!
……なんですが、迷走したのを無理やり書いた結果こうなりました。
(−_−;)すまねぇ。
この作品をどこで見つけましたか?
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陰の実力者と検索したら出てきた。
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ランキングに乗っていた。
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知り合いに勧められて。
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Twitterで見つけた。
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その他