怖いのか怖くないのかわからない話です
気が向いたら書きます、気が向いたら

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浮かぶ足音

それは、とある子供に起きた出来事だった

 

 

ある所にある家族が住んでいた

父と母、そして二人の子供

貧しいが平凡で、確かに幸福な一つの家庭

その家族は、アパートの一室に住んでいた

 

その家では、両親の寝室と、子供たちの寝室

寝室を二つの部屋に区切っていた

両親は布団で横並び、子供たちは二段ベッドで縦並び

上の子供が上で眠り、下の子供は下に眠る

それがその家族にとっての当たり前だった

 

そんなある日、上の子供がこう言った

 

一人部屋が欲しい、と

 

両親は考えた、住んでいるアパートは小さい

部屋の数もそこまで多くはない、割り当てる余裕はない

だが子供は、欲しい欲しいとせがんでくる

一人に馴れさせるいい機会かもしれない

両親はそうして二人の子供を別々の部屋にした

 

その晩、下の子供はふと、夜中に目を覚ました

なにか、聞こえるのだ

ひたり、ひたりと、まるで裸足で歩くような音がするのだ

子供はそれに気づき、横を見た、だが誰もいない

気のせいか、それとも上の子供がいない寂しさで幻聴でも聞いたのか

その日はそこで音の主の捜索をやめ、眠りについた

 

翌日、なんとなしに、聞いてみた

誰か、自分の所に夜中に来たか、と

両親は一度、様子を見ただけでそれ以降はいっていない、と

両親が来たタイミングは子供も知っている

一人になったこちらを心配してこっそり覗いていた

だがそれは、就寝直後の事、足音の時とは時間が違う

どうかしたのか、そう聞かれなんとなく、なんでもない、と

その場は濁し、聞き間違いか何かだろうと、思うことにした

 

その晩、また、例の音がした

ひたり、ひたり

裸足で歩くような音

どうやら聞き間違いではないらしい、そう考えた子供は捜索を始めた

まずは横を見る、だがそこには何もいない

なら、部屋の外か、確認したが、誰もいない

皆、寝静まっている

はて、ならこの音はどこからきているのか

そもそも、どうして今になって聞こえてきたのか

二人で寝ている時はこんな音、してはいなかった

響いていたのは上の子供のいびきだけ、それ以外に音はなかった

考えて、ある可能性に気が付いた

上の子供のいびきは上から聞こえていた

そして足音は、同じように聞こえる

子供は部屋に戻り天井を見た

だが一足遅かったのか、足音はなく、主はそこにはいなかった

 

翌日、もう一度家族に、誰も来ていなかったことを確認し

また、眠りにつく

そして三度、聞こえてくる

ひたり、ひたり

裸足で歩く音

はっきりと、聞こえてくる

目を開ける、すぐに天井が目に入る

そこには、主がいた

 

白く光る、不気味な足

それが、天井から突き出ていたのだ

ふくらはぎから先だけが、歩いていた

何もない空間を、ひたり、ひたりと

まるで何かを目指すように、うつろに歩いていたのだ

 

その家族が住んでいた所は昔、山になっていたところで

丁度、地面を切り崩した地域だったのだろう

それで、そこで死んだ人なのか、当時の地面を歩いていたのかもしれない

その足が進む先には、墓があった、きっと、向かっていたのはそこだったのだろう

 

翌日、子供はこの現象について家族にこう言った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「幽霊って、すね毛生えてるんだな」

「「「は?」」」

 

 


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