【完結】 劇場版 鬼滅の刃 千駄ヶ谷将棋所編 作:rairaibou(風)
「あ~あ」
我妻善逸は机に伏していた。
「千駄ヶ谷といえばさあ……舞台屋敷もあれば、新宿御苑もある……俺たちのような若い男が楽しめる穴場はいくらでもあるというのに……」
彼は指先で将棋の駒を弄くりながら続ける。
「どうして俺たちは将棋道場なんかにいるんだ……男しかいねえ……」
彼らが千駄ヶ谷に潜入してからすでに一週間ほどが経っていた。
行方不明者が出たわけでもなく、鬼の気配があるわけでもない。
ただただ千駄ヶ谷をぐるぐると巡回し、情報交換と真剣師の監視のために将棋道場に通う日々。
善逸は将棋が全くわからないわけではないが、その日々はひどく退屈であった。
まず、炭治郎と伊之助の二人は将棋を全く知らない。それこそ駒というものを始めて見たと言う段階だ。
「まあまあ」と、炭治郎が善逸を励ます。
「俺もようやく駒の動かし方を覚えたし、そろそろやってみようよ」
「俺もようやく三段に積めるようになってきたところだぜ!」
将棋の指南書を片手にニコニコ笑う炭治郎と、将棋の駒をピラミッドのように高く積み上げてご満悦な伊之助に、善逸は大きくため息を付いた。
ちなみに伊之助は流石に怪しまれるとのことでイノシシの被り物と腰蓑は拠点に残し、素顔に上半身をはだけた浴衣という出で立ちであったが、将棋道場では上半身をはだける存在はそこまで珍しいものではなかったので遊郭に潜入したときほどのストレスはなかった。
「早速やってみよう。えーっとまずは
「
善逸は呆れながらも、まあ命の取り合いをするよりかはましか、と思いながら炭治郎の対面に座り直す。
千駄ヶ谷の将棋道場は、座る場所もないというほど繁盛しているわけではなかったが、かと言って新参の少年を相手にしなければならないほど人に困っているという風でも無かった。
つまり、大して強くもないどころかそもそも将棋の基本を全く理解していない三人組など、誰も相手にしなかったのである。最も、三人にとってそれが抜群に都合が悪いというわけではなかったが。
「えーっと、じゃあまずは、はい」
炭治郎が玉を一つ前に出す。
「それに何の意味が……」
呆れる善逸が歩を手に取ろうとした時、不意に、将棋道場がざわついた。
まさか善逸が歩を持ったことにざわついたわけではあるまい。
将棋指し達の視線は、入り口に立つ若い男に向けられていた。
「やあ、今日も楽しくやってるかい?」
その男を見た瞬間、三人は異様な違和感を覚えた。
年の頃は二十代だろうか、丸メガネに洋装のその男は、表情は柔和でほほ笑みを浮かべている。体は痩せ気味で、よく見れば、歩く時に左足を引きずるようにしている。とてもではないが『何かができる』ようには見えない。
それであるのに、道場の将棋指し達は、誰しもがその男に圧倒されていた。あるものは羨望を、またあるものは恐怖を、またあるものは強烈な嫉妬を抱いている。
「誰なんです?」
男が他の将棋指しとの会話に夢中になっている時に、炭治郎はたまたま隣にいた初老の男に問うた。
その男は炭治郎の質問に小さくため息を付いた、その男について知らぬことが信じられないようであったが、この道場の常連である彼は、炭治郎たちが将棋のことを何も知らぬのにここに通う変人であることを知っていた。
「あの人は土井先生さ」
「先生?」
「ああ、将棋の先生だよ」
「将棋にも先生ってのがあるのか?」
突如割って入ってきた伊之助に驚くこと無く続ける。
「そうだよ、あの人は
「つええのか?」
定式会、というわけの分からぬ単語を、伊之助は一旦無視したようだった。
「強いさ、土井先生は」
そう言ったきり、初老の男は自らの盤面に夢中になり始めた。炭治郎等と話している間に指された一手で形勢が悪くなったのかもしれない。
代わりに、土井が足を引きずりながら炭治郎らに近づいてくる。
その表情はやたらにニコニコしており、それぞれ三人の表情を覗き込むようにしてから言う。
「はじめまして、見ない顔だね」
「はい、一週間ほど前からここに」
「なるほど、ちょうど私が定式会で開けていた時だね」
土井はそのまま炭治郎と善逸の盤面を眺め、伊之助の積み木も眺める。急かされているように感じた善逸は慌てて歩を突いた。
「君たち、将棋の心得は?」
「いえ……それが……まったく」
炭治郎は気まずそうに顔を伏せながらそう言った。責任者にして自分たちに好意的な土井を前にして、炭治郎はようやく自らが将棋を知らぬことを恥ずかしく思い始めていた。
「心得がないのに道場に来たのかい?」
土井は意外そうだった。
「はい……」
その返答に、土井は更に嬉しげに破顔した。
「素晴らしいことだ! 君たちは数ある遊技の中から将棋を選んでくれたんだね!」
大声の反動か、土井は少し咳き込んでから続ける。
「早速指導してあげよう!」
どかりと土井が隣に腰掛けたものだから、なんだかめんどくさいことになったなと善逸は思った。
反面、炭治郎と伊之助は満更でもないといった様子だ。特に炭治郎は、将棋に無知な自分を受け入れてくれた土井の熱意にすでに飲み込まれ始めている。
だが、一つの声がそれに割って入った。
「何もわからね―奴に教えたって意味ないだろうよ」
柄の悪さが空気を伝わるような声だった。
彼らがその方を見ると、一人の中年がつかつかと土井に近づいてくる。
その男の手には数枚の紙幣が握られていた。
「先生よお、こいつらは駒の動かし方すら知らねえんだぜ」
更に男は伊之助を指差す。
「こいつに至っては字が読めねえから指南書だってわからねーんだ」
伊之助はある事情から山奥で獣に育てられた過去を持つ。数日前に彼が「字が読めねーから本なんかわからねーよ!」と言っていたのを男は聞いていたのだろう。
「字が読めなくて何が悪いってんだ!!!」
バカにされた事を肌で感じ、カッとした伊之助を炭治郎が制した。
男はそれに動揺することもなく続ける。
「将棋も知らなきゃ金もない奉公人のガキに将棋を教えて何になる? カモにもならねえ」
道場の人々は皆が真剣師に賛成するわけではなかったが、それでも彼の理屈をすべて否定すると言う考え方ではなかった。
事実、炭治郎ら三人は将棋の心得がなく、教える教えない以前の問題の棋力であるように思えた。
だが、土井は笑みを崩さずニコニコ笑ったままにそれに答える。
「あなたにも、将棋の駒の動かし方がわからなかった時はあったはずだ。生まれついて将棋のすべてを知っている人間などいやしない。将棋の楽しさを知る私がその楽しさを知らぬものにそれを教える、何の不思議もない道理だ」
更に彼は続ける。
「今から将棋の楽しさを知ることに無駄はない。あなたは彼らを子供だと言ったが、子供だからこそ、覚えれば早い。私は未だに子供たちの一手に心躍ることがある」
土井の中ではその話が終わったのだろう、彼は男の手を指差して続ける。
「そんなことより、君はこの道場で真剣をやったのかい?」
真剣とは、将棋の勝敗に金銭をかけることである。
炭治郎はすぐさまにその男が先程まで座っていた席の対面を確認する。一人の若い男がうつむいている。
男はそれに悪びれる素振り無く答える。
「ちゃんと事前に合意はとったぜ」
「そういう問題ではない。この道場で真剣はご法度だというのは知っているはずだね?」
「先生よお」と、男はため息をつく。
「真剣こそが将棋の醍醐味だろう? 先生は将棋がつええのにそんなこともわからないのかい?」
論点がずれている、と、炭治郎らは感じ取った。
真剣がご法度である道場で真剣をやったという事実は消えないから、それをごまかそうとしている。
「それは間違いだ」と、土井は答える。
「賭博というものは、椀の中に賽を降るだけの遊戯ですら人を熱中させる。それはその遊戯が高等であるからではなく、賭博をしているという事実が人を興奮させているだけに過ぎない。将棋は高等な遊戯だ、真剣などせずとも、十分に楽しむことができる」
「埒が明かねえなあ」
男は無精髭にまみれた顎を掻いて続ける。
「なあ先生、それなら俺と一勝負しようや。先生が勝てばこの金は返す、逆に先生が負ければ、この道場での真剣を認めてくれや」
駄目だ、それは違う。と、炭治郎は声を上げる。
「土井さん、そんな勝負をする必要ありません。あなたはこの道場の責任者だという話だし、そのあなたが真剣の禁止を明言しているならこの話はあなたに一方的に分があるはずです。今更そんな勝負をしなくとも――」
「ガキは黙ってろ!!!」
男の大声に道場の人々はもちろん土井も少し体をビクつかせたが、炭治郎ら三人は今更そのようなことで驚きはしない。くぐってきた死線の数が違う。
男は炭治郎がたじろがないことを少し不思議に思いながら、にやけて続ける。
「別にやらなくてもいいぜ、その代わり俺はあんたが勝負から逃げたと言いふらすだけさ」
なんと卑劣な男だと炭治郎は憤った。だが、そのような空気を察知したのか、土井は一度炭治郎に微笑んだ後に続ける。
「いいよ、その勝負を受けよう。だが、私が勝っても金を返す必要はない。真剣を受けた側にも多少の非がある、それよりも、もし私が勝ったら二度とこの道場で真剣を行わないことを誓ってもらおう」
男はそれに一瞬口黙った。だがこれは男が言いだしたこと、もう引けぬ。
「ああ、良いぜ、やったろうじゃねえか」
☆
「ぐっ……ぐっ……」
盤面を覗き込みながら、真剣師の男は唸り声を上げていた。
対照的に、その対面に座る土井はニコニコと楽しげに盤面を眺めている。
それらを見学していた将棋指し達、そして、炭治郎たちはその光景に釘付けになっていた。
最も、将棋指し達と炭治郎達とではその将棋を見る視点が全く違うだろう。
将棋指し達は、その真剣師が素行はともかく将棋の実力は確かであることを知っていた。だが、その男が僅か四十手という短手数で不利に、否、すでに追い詰められていると言っても過言ではない。
男の玉はすでに逃げ道がほとんど無く、土井の王は安全。今更唸り声を上げて悩んだところで盤面がどうにかなるわけではない。
炭治郎達はそのような将棋の攻防がわかるわけではない。男の雰囲気から彼の形勢が悪いのだろうということは理解できるが、何が良く何が悪かったのかなどわかるはずがない。
だがそれでも感じることのできる格の差というものはわかる。対局中、真剣師の男が常に汗を流して必死であったのに、土井の方はまるで逆、涼しげに時折笑みを浮かべながら駒を手にとっていた。
この人、強いんだ。と、炭治郎らは理解した。余裕と結果、底知れなさ、命のやり取りにも通づる人間の格の違いが明らかだった。
「これだ……これ」
男は玉を掴んで端へと移動させた。限られた数少ない逃げ道の中から、彼はをそこがより安全であろうと判断したのである。
だが、それに対する土井の返しは素早い。
高い駒音を響かせ、彼は次を指す。
「ぐっ……」
男は更に混乱した。
それは予想だにしてない一手だった。
だが、その手を深く読めば、自身の敗北が決定的だということがわかる。
こちらに相手を攻める手はなく、かと言って相手の攻めをいなせる手もない。
もう指す手がない。
将棋というものは、どちらかが負けを認めなければ終わらない。
だが男は負けを認めない。
「俺は認めねえぞ!!!」
男は盤面に手を伸ばして勢いよく駒を払い避けた。
「あーあ」と、伊之助は呆れ返ったように呟き。炭治郎は、なんて男だ、と憤り。善逸は、まあ、これが真剣師ってもんだよなあ、と侮蔑の視線を持つ。違うことを考えながらも、三人はぞれぞれ同じ感覚を共有している。
負け方があまりにも見苦しい。
道場内のざわめきとともに炭治郎がその男に意見しようとした時、土井の声が響く。
「あなたは将棋を侮辱するつもりか!」
本人の中では大声だったのかもしれないが、その声は覇気に欠けた。しかし、普段絶対に大声を出すことなど出来ないであろう土井のその声に周りは圧倒される。
「自分の代わりに戦った盤駒に当たるなど言語道断!」
「知るか、もう盤面なんかありゃしないんだ」
「盤面など私が一手目から覚えているものを再現すればいい。だが、あなたのこの行為を許すことは出来ない!」
土井は少しふらつきながら立ち上がった。
「否、もう対局などする必要もない! 盤駒に手を掛けた時点であなたの負けだ!」
「なんだと! 詰んでもいねえのになぜそう言える!」
「詰んでいようが詰ませていようが関係ない! あなたは戦いを放棄した! それとも、真剣ではこれが通用するというのか!? ならば私はなおさら真剣を認めない! 将棋においてこんな事はあってはならない!!!」
土井の剣幕に、真剣師は並べることのできる屁理屈を失っていた。すでにこの将棋道場は土井の意見で支配されている。
男は立ち上がり、右の拳を振り上げようとした。理屈では分が悪い、ムリを通して道理を引っ込めるほかない。土井は将棋こそ強いが左足の不自由な優男だ、暴力で支配することなど容易だろう。
だが、その右腕が上がらなかった。
見れば、先程字が読めないと罵った子供が、自身の手首を強く握っている。それを振り払えない。とんでもない力で跡が付きそうだ。
もう一人、肩を掴む力強い手があった。見れば、その子供の取り巻きであった妙な髪色の子供が「もうやめなよ」と、肩を掴んでいる。
男はただならぬものを感じた。その子供たちは明らかに普通ではなかった。これまで自分がくぐってきた死線以上のものを感じる。
男は拳を振り上げるのをやめ、それによって緩められた子供たちの手を払ってから言う。
「二度とこねえよこんな所! お前らは精々金もかけねえ子供遊びでもやってろ」
誰もその意見に同調はしないだろう。その男の負けっぷりはあまりにも無様だった。
☆
「助かったよ。そして、恥ずかしいところを見せてしまったね」
男が去ってから少し時間が経って、ようやく日常に戻りつつあった将棋道場の中で、土井は興奮と気恥ずかしさからか少し顔を赤くしたままにそういった。
土井は頭の悪い男ではない、彼は男の暴力の雰囲気を感じていたし、伊之助と善逸がそれを止めたこともわかっている。
「いや、渡辺が恥ずかしがることはねえ、ありゃあ向こうが弱味噌すぎる」
まだ興奮冷めやらぬのだろう。伊之助は怒りの表情のままに土井に言った。おそらく道場にいるすべての人間がその意見に同意だろう。
だが、土井はそれに首を振った。
「私も熱くなってしまったが、あまり彼を悪くは言わないでくれ」
「は?」と、善逸はその言葉に呆気にとられる。
「なんで? あいつは負けを反故にした上にあなたの暴力を振るおうと……それにあいつは真剣師でしょうが」
「盤面を汚したことと暴力を振るおうとしたことは擁護できないけど。彼は前に対局したときよりも強くなっていた……彼なりに努力していたはず……私はね、真剣は嫌いだが真剣師は嫌いではないんだよ」
「なんでだ? さっぱり意味がわからんぞ」
善逸も伊之助と同じように首をひねっていた。真剣が嫌いで真剣師が嫌いではないという意味がわからない。
「真剣師はね、将棋が好きなんだ。だから好きな将棋だけをして生きていきたいと思っている。将棋が嫌いならば、将棋で食おうとはしないだろう?」
う~ん? と二人共首をひねったままだ。
「私も将棋が好きで、彼らも将棋が好きだ。本質的には同じなんだよ。ただ、それに金をかけるかどうかと言うところに差があり、それが彼らに負けを認めさせず、あのようなことになる。悪いのは賭博であり、将棋でも人でもない」
そこまで聞いて、善逸はようやく土井に対して抱いている違和感の正体に気がついた。この男は本質的な部分が、あの男に少し似ているのだ。
「これで、全部だと思います」
ひょっこりと現れたあの男こと炭治郎は、両手に駒を持っていた。それを静かに盤面に戻す。
「ごめんね、本当は私がやらないといけないことなのにね」
「いえ、構いません、土井さんは足が悪いようですし」
炭治郎は真剣師が跳ね飛ばした将棋の駒をすべて拾っていた。
土井はそれらをもう一度見覚えのある盤面に並べ直したが「おや」と一言。
「歩が一枚足りないな……まあいい、予備があるだろう」
彼は一先ず手持ちの少額硬貨を端の歩の代わりとして続ける。
「この局面だとこうすれば相手は詰むんだけど、こちらの玉は詰まない。だからどうあがいても私の勝ちだね……私が勝負から逃げない限りは」
そう説明されても、三人はキョトンとするばかりだった。
ようやくそれに気づいて、土井は苦笑する。
「そうか、君たちは心得がないんだったね。ごめんね、ちょっとまだ落ち着いていないようだ」
更に彼は伊之助に目を向けた。
「君は字を読めないんだって?」
「ああ、俺は山の王だからな」
「なるほど、少し待っててね」
山の王に対して何がなるほどなのか、善逸にはさっぱりわからなかったが、土井は立ち上がり、やはり左足を引きずりながら道場の奥に消えた。
「はい、これ」
戻ってきた土井は、やや不格好に束ねられた本を伊之助に手渡した。
「なんだこれ?」
「それは江戸に作られた、字が読めなくとも将棋の遊び方がわかるように作られた指南書だよ、写しだけどね」
「そんな物があるのか!?」
三人はその存在に驚き、それを覗き込む。一瞬で全てを理解できるわけではないが、たしかに駒の動きは矢印で表現されているようだった。
「字が読めないことは珍しいことじゃないよ。私の師匠の時代には字が読めない将棋指しは沢山いたと言うしね」
「うおおお!!! 森内! わかる、これならわかるぞ!!!」
「念のために写しを持っておいてよかったよ」
「なるほど! 将棋ってのは王をぶっ潰せばいいんだな!!!」
「そこからかよ」
ひとしきり感動して飛車をスイスイと動かす伊之助を眺めながら土井が続ける。
「また遊び方を覚えたら道場に来なさい、指導してあげよう」
彼らはそれに頷く、ようやくこの千駄ヶ谷で信頼に値する一般人と出会うことが出来た。
将棋コソコソ噂話
読み書きができない将棋指しの存在を表すものとして、持ち時間が多く日をまたいで勝負をする2日制の将棋で採用される『封じ手』の存在があります。
『封じ手』とは、一日目終了時に手番を握っていたほうが次に指す手を用紙に記入し、責任者に預かってもらうというものです。お互いに持ち時間が決まっているのに、手番を持っている側が一夜かけて手を考えることができるのは不公平ですから、これは良いシステムです。元々はチェスで採用されたものでした。
この『封じ手』は、記録員が用紙に移した盤面に画像のように記入します。動かす駒に丸をつけ、動かす場所に矢印を記入するわけですね。
【挿絵表示】
元々は『5五銀』のように棋譜を記入していた封じ手ですが、書き損じなどの問題もあり安定していませんでした。
さらに、ある将棋指しの存在が矢印方式の採用を後押しします。
その将棋指しの名前は阪田三吉。
将棋マニアの中では知らぬ人は殆どいない名棋士ですが、実はこの人、文字をほとんど書くことが出来ませんでした。
1937年に行われた持ち時間30時間の7日制(!?)の対局において、文字を書けない彼のために矢印方式が採用されました。
わかりやすいということもあり、現代でもこの方式が取られているらしいですよ。
感想、評価、批評、お気軽にどうぞ、質問等も出来る限り答えようと思っています。
特に鬼滅の刃二次は初めて書くので評価やアドバイスもよろしくおねがいします!