あの後アフターグローのみんなが帰ったのだが、根本的な問題は解決していなかった。
まず、夜菜のことをどう説明するのかという話だ。
「ねえねえ、お父さん。遊ぼー」
「はいはい」
この子、僕らの子供らしいけど紗夜さんたちにも説明しづらい。
世間一般的に見ればこの子誰? 状態
この子のこと僕もイマイチ理解できてはいない。
(うーんどうしよう)
「あ」
「ん? 日菜どうしたの?」
日菜が突然一言発したのでこう返した
「お姉ちゃんと広平君、ここに来るって…………」
「は!?」
「今そうやって連絡来たの…………」
なんてことだ。こんな最悪のタイミングでかよ
広平いつも来ないのになんでだよ
(広平もうちょっとタイミング良くならねえのか?)
僕は心の中で文句を言っていた。
一方そのころ、広平たちは…………
「へっくち」
「大丈夫ですか? 広平さん」
くしゃみをしていた
「うん…………なんか噂されてるような」
「そうですか、まあ風邪じゃなければいいです」
「とりあえず輝夜の家に向かうか」
「そうですね」
広平と紗夜は輝夜の家に足を進めていた。
とりあえず、夜菜どう説明しよう……
「とりあえず日菜、夜菜、もう昼だし何か食べようか」
「うん♪」
「わかった」
とりあえず食べてから考えることにした。
僕は料理するのは好きなので、いつも料理している。
「ミネストローネでいいかな」
僕はポツンとそう言葉をもらす。
「夜菜、お手伝いするー」
「あたしもー」
どうやら日菜と夜菜が手伝ってくれるみたいだ。
「じゃあ、鍋とか材料用意できる?」
「「任せてよ!」」フフン
日菜と夜菜がどや顔してた。
(かわいいし、親子だな)
そんなことはさておき、僕はトマト缶を缶詰置き場から出して、じゃがいも、人参、玉ねぎ、キャベツ、ニンニクを刻んで鍋に入れる。
ちなみに夜菜が野菜を切りたいらしいので切り方を教えて、日菜には見て貰いながら切って一緒に鍋に入れる
水、トマト缶、コンソメ、塩、こしょうを入れて圧力鍋でよく煮る。
本当はパセリ入れるんだけど、僕が嫌いなので入れません。
後20分ちょっと煮込めば完成……
ピンポーン
あ、多分広平と紗夜さんだ。
(早くね?)
「ねえねえお父さん、夜菜早く食べたいよー」
「ねえ、日菜……これってさ、出ないとまずいよね」
「うん……」
詰んだな……いろんな過程を間違えたわ
食べてから考えるほど時間無かった。
「僕アホじゃん!」
「おーい輝夜ーいるだろー」
まあなんとかするか、しょうがないし
僕は2人を入れることにしました。
「とにかく理解しがたいですが、一応理解はしたつもりです。あとこれおいしいですね」
そう言いながら、にんじんを避けてる。
「ふぁず。ふぁなふぃふぁふぉみふぉふぇふぁい。ふぉふふぃふぃふぉふぇふふぇふぃふぉふふぇ、ふぁふぉふぉふぉふぃふぇふふぉふぉーふぇふぉふぉふふふぉふぃふふぇ(まず、話が飲み込めない。もう一度説明をくれ、あとこのミネストローネをもう少しくれ)」
「食うかしゃべるかどっちかにしたら?」
紗夜さんと広平に一緒に食事をしながら説明しましたが、まあそりゃ信じがたいことだよね
広平、なんか最近知能指数下がってない?
「…………っん。とりあえず、この子をどうにかしないとってことだな」
「うん。まあそういうこと」
「で、とりあえず、叔母さんには言っておけ。それと、後で唾液でのDNA検査してやるから」
そう言って鞄に入った特殊な機械を見せてきた。
「これで本当に親子かわかるだろ、本当は違う目的で持っていたんだが」
「広平さん、そんな物持ち歩いてたんですね」
どうやら紗夜さんも知らなかったみたいだ
「というか、その機械なんでそんなにコンパクトなんだよ。普通は巨大な機械使うだろ?」
「ん? この機械。俺が小型化したからな」
「あ、そうですか…………(こいつ、天才なの忘れてた)」
広平は昔から効率化を求めたりすることが好きだったから自分で何でも作っていた。僕の家のちょっとしたシステムもこいつがつくったものだ。
※輝夜の家のシステムはあまり使うことは無いのですが、研究室のような機械や、機材のほとんどが置いてあり、住んでいる人を守れる物があります。なんなら爆弾が仕掛けられていても自動で解除できたり、核などでも家は耐えることができます。(頭おかしい)
「「とりあえず、かぐ君(お父さん)おかわり!」」
そう言って日菜と夜菜はミネストローネが入っていた食器をこっちに渡してきた
「はいはい」
まあ、うまくできていたみたいでおいしく食べてくれたのはうれしいな
(日菜と似てるってことは親子には間違いなさそうですけどね)
紗夜さんは僕にそう耳打ちしてきた。
(そうですね…………可愛いものです)
僕はそう言葉を返して日菜と夜菜におかわりをあげました。
あのあと僕、日菜、夜菜の唾液を採取して検査してもらうとDNAは一致していたので親子だと確定することができました。
「そうだな…………うん」
広平は信じることが未だにできていなさそうだ。
「未来から人が来るなんて前代未聞なんだよな…………」
そこ?
「ねえねえ、広平おじちゃん」
「ぶっ……けっほけっほ」
「……何かな? 夜菜ちゃん」
あ、広平。おじちゃんって言われたの心に来てそう
「あそんでー」
「分かった」
「紗夜お姉さんもあそんでー」
「分かりました」
このあと夜菜は広平と紗夜さんに遊んでもらってます。
僕は知り合い全員に夜菜のことを教えて、僕たちが学校に行っている間は千尋さんが預かってくれることになった。
〈オマケ〉
千尋さんに電話で話していたときのこと
「貴方たちそんなにすすんでいたのね」
「いや、まだ子供作ってないって言ってるじゃん」
「ふふふ、照れちゃって。とりあえず。孫の顔を早く見たいわね」
「まあ、夜菜を連れていくよ」
「それよりも、日菜ちゃんとはどこまで進んだの?」
「それ……今聞きます?」
「え、だってピ──でピ──なことはしてるんでしょ」
「……放送禁止用語ならべないでほしい。というか叔母さんから下ネタ出てくるとは思わなかった」
「まあ、いいじゃない。それより、日菜ちゃんに代わってもらえる?」
「うん……いいけど」
僕は日菜に携帯を手渡した。
10分後、顔を赤らめた日菜が僕の携帯を返してきたが、恥ずかしがってそのまま布団に潜り込んでしまったのは言うまでも無い。
次は早めに投稿できるように努めます。
あと、感想くれた方ありがとうございました。