紫の星を紡ぐ銀糸   作:烊々

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マジェコンヌさんちょっとカッコよくしすぎましたかね? まぁいいや初投稿です。


09. 光る銀河、革新する(かわる)女神

「………『シェアリングフィールド』展開……!」

 

 その瞬間、高濃度のシェアエネルギーの粒子が、俺とジャッジを呑み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

「何よアレ……? 何か変なドームみたいなのができたけど……?」

「『シェアリングフィールド』……」

「ブラン? 知っているのですか?」

「名前だけよ。まさか本当に使える人がいるなんて……」

 

 

 

 

 

 

 

 『シェアリングフィールド』。自らのシェアエネルギーを空間を作り出せるほどの高濃度のものへと昇華させるシェアエネルギー操作の『真髄』。ゲイムギョウ界の長い歴史の中でもこれを使える女神様は片手で数えられる程度しか存在せず……いや、完全なシェアリングフィールドを展開できるのはただ一人しかいなかった。俺もそのお方、『天王星うずめ』様にコツを教えてもらい、その後も鍛錬を続け、ここ100年ぐらいの間でようやくできるようになった技だ。

 

 そういうわけで、俺はシェアリングフィールドを使えるんだが、あのお方が使うものは俺のものとは格が違う。俺は目の前のこいつをフィールド内に引きずり込めるぐらいの広さを展開するのが精一杯だが、あのお方ならこのズーネ地区を全て覆うほどの広さのフィールドを展開できるだろう。

 

(何だぁ……? 動けねえ……何も見えねえ……何も感じねえ……俺は今、何をされている……⁉︎)

 

 シェアリングフィールドの強みは、外界と遮断された特殊な空間を生成できることと、そこにいる者にフィールド内限定のルールを強いれることだ。このルールってのは使用者によって異なって、あのお方のルールは確か……敵の弱体化と、味方のシェアエネルギー使用量軽減と強化だったかな?

 

「……俺のフィールド内のルールは『フィールド内での戦闘力は、その者の女神様への想いの強さによって決まる』ことだ。女神様を嬲るような真似をするお前みたいな信仰心の微塵もない塵屑は、このフィールド内では動くことすらできないだろうし、おそらく五感すら機能していないんじゃねーかな」

 

(あの野郎……何しやがったんだ? 前はこんなことしてこなかったぞ……)

 

「俺のシェアリングフィールドのルールは女神様には一切効かないが、まぁ逆に女神様に一切効かないっていうデメリットが、自分で言うのもなんだけどチート級のルールで帳消しにされてる感じだろうな」

 

(動けええええ! ……何も感じなくても……身体さえ動きゃ何とかなるだろおおおお!)

 

「シェアエネルギーを使ってる間は俺の身体能力は半減されるんだが、無抵抗のお前を切り刻むのには充分だ。じゃあな、先に地獄で待ってろよ、いつか俺が死んだらまた会おうぜ。……ま、聞こえてねえか……『ギャラクティカエッジ』」

 

 

 

 

 

 

 

「……ネズミ、お前は役に立たんから下がっていろ。ジャッジのやつはもう終わりだ。私に出番が回ってくる」

「……チュ? あいつもう終わりっチュか?」

「おそらくな。……1つ、このゲイムギョウ界で長生きするための秘訣を教えてやろう。食らっていい攻撃とそうでない攻撃を見極められることだ。それができなければ実力はあっても、あそこに捕まってる女神共のようになる」

 

「……聞こえてるんだけど? 事実とはいえ、ムカつくわね……!」

「それより、ネプテューヌは……?」

「ボロボロにされたけど、この結界の中にいるよりは安全だと思う……今はギンガに賭けるしかないわ……」

「ギンガだけではなく、あなたがたの妹がいるではありませんか」

「ユニ? あの子はまだ私抜きで戦ったことすらないのよ?」

「ロムもラムもまだ私が守ってあげなければならない歳だわ……」

「それはあなたがたのエゴではなくて? あの子たちは確かに可愛らしい。私だっていつまでもそのままでいて欲しいと思いますわ。でも、そんな思いがあの子たちを変身できない可愛い妹のままでいさせているのかもしれない……そうは思いませんこと?」

「「……」」

 

「今、奴がやられてるのは後者の食らってはいけない方のものだ。おそらくあの変な空間が解除された時、私たちが最初に見るのは奴の死体だろうな」

「……ヂュっ⁉︎ そんなやばい技を使う相手なんて逃げるしかないっチュよ!」

「まぁ落ち着け、おそらくだがあんなもの乱発はできん。ネズミ、下がる前にこの地区にいるモンスターのほとんどをここに集めろ、私はジャッジと違って一対一の戦いに拘りはしない。確実に倒す手段を選ぶのさ」

「……前払い分の報酬は貰ったっチュけど、後払い分のはまだ貰ってないっチュからね。死ぬなっチュよ」

「ふん、死ぬのは私じゃなくて女神どもとあの男さ。……さて、そろそろあのフィールドが解除されるようだな」

 

 

 

 

 

 

 

 ……フィールドを解除し、ジャッジの残骸を踏み潰しながら、あの魔女みてえな女を睨みつける。

 

 ーーーーーー次はお前がこうなる番だ。

 

「行け……モンスターども!」

「……っ⁉︎」

 

 なるほど、おそらくジャッジは俺をタイマンで殺したかったからあえてモンスター共を散らせていたわけか。どうりでここまで辿り着くのが楽だったわけだ。で、あの女はそうじゃないから大量のモンスターを嗾けてくるわけだな。

 

 シェアリングフィールドは一度の戦闘で二度は使えない。身体のモードをシェアエネルギーを使用するモードから通常に切り替え、半減された身体能力と魔力を元に戻す。とはいえ、この数相手は流石に俺一人じゃしんどいな。ネプテューヌ様が俺の後ろでお休みになっているから絶対にモンスター共を近寄らせるわけにはいかねえ。……となると、アレを使うしかねえか。

 

 俺の戦闘における切り札は三枚。

 一枚は剣技の真髄『ギャラクティカエッジ』。……真髄って言ってもこれは剣技の基礎ができてりゃ誰でもできるようになる技だけどな。

 

 二枚目はシェアエネルギーの真髄『シェアリングフィールド』。

 

 そして、最後の一枚は『魔法』の真髄。これも真髄ってよりは…俺が使える中で一番強力な魔法って言い方が良いかな。対多数において一番効果を発揮する俺の最強魔法だ。これを使うのは久しぶりだ………

 

「血に飢えた死霊の宴を始めよう……『魔界粧・黒霊陣』!」

 

 その詠唱が終わった瞬間、自分の周りに歪な光の術式が展開される。

 

 今さっき言ったばっかだが、あえてまた言おう、宴の始まりだ。

 

 

 

 

 

 

 

「あははははは! 今の私は八十禍津日神よ! ドラゴニックレイズでフィールドごと敵を焼き尽くしてあげるわ!」

 

(意外と楽しいわねこれ、なんか私のステータス底上げされまくってて無双できるし)

 

「てやあ! これでトドメです!」

「きゃっ! そんな! 八十禍津日神であるこの私が負けるなんて!」

「ようやく勝てるようになってきたわね……でも変身できるようにはならないわね……」

「うん……だけどもっと倒したらできるようになるかな」

「もう1回よ! 今度こそ私のドラゴニックレイズで焼き尽くして……」

「ノリノリのところ申し訳ないけど……四女神が囚われたことはそろそろ世界中に広まるわ、それにもう師匠が言った作戦のフェーズ2開始の時間よ」

「四女神が囚われた……? これは大スクープ……モゴっ!」

「ケガしてるです、安静にしてるですよ」

「モゴモゴ!(ちょっ、包帯で口塞ぐのやめなさいよー!)」

「アイエフさん……! 行こう……みんな!」

「……⁉︎ 見て! お姉ちゃんたちの捕まってるところがなんか変な光り方してる!」

「お姉ちゃん……!」

「大丈夫、あれは……師匠の魔法よ」

「ギンガさんの?」

「ええ、今すぐ行ったら巻き込まれるかもしれないから、師匠があの魔法を使い終わったら出発しましょう!」

 

(師匠……アレを使ったんですね……)

 

 

『あいちゃん、何を書いているのですか?』

 

『えっ⁉︎ し、師匠⁉︎ こ……これは……その……』

 

『すみません、驚かせてしまいましたか? あと、言いづらいことなら言わなくても大丈夫ですよ』

 

(師匠になら……見せてもいいわよね? 笑ったりしないわよね?)

 

『その……設定集っていうか……自分の脳内設定を書き留めたノート……なんですけど……』

 

『なるほど! そのようにアイデアを書き留めておけば、新しい技や魔法を開発しやすくなる……流石です、あいちゃん。やはりあいちゃんは優秀ですね』

 

『あ、ありがとうございます!』

 

(嘘、褒められた! ちょっと嬉しい……)

 

『そうですか……あの、もしよかったらそのノートを見せてくれませんか?』

 

『ええ⁉︎』

 

『ダメですか……?』

 

『だ、大丈夫です!』

 

(その無駄にいい顔でしょんぼりするなんて卑怯よ!)

 

『ありがとうございます、あいちゃん……どれどれ……ほほう……』

 

(すごい真剣に読んでる! 嬉しさ半分恥ずかしさ半分ね……)

 

『……おっ! これは……! ……あいちゃん』

 

『な、なんですか⁉︎』

 

『この「魔界粧・黒霊陣」という名前……私が使ってもよろしいでしょうか?』

 

『え? 別にいいですけど……師匠、それみたいな魔法を使えるってことですか?』

 

『まぁ、似た技を使えます』

 

(それ設定では死霊の使役魔法よ……なんて魔法使えるのよ師匠は……)

 

 

 

 

 

 

 

 展開された術式から湧き出るのは……このゲイムギョウ界に眠る亡者の魂。『魔界粧・黒霊陣』はそれらを呼び出し、使役する魔法だ。

 

「亡者共、後ろにいるお方は俺の命より大事なお方だ。お前ら如きが触れるなよ。そして、あのアンチクリスタルの結界の中にいる女神様たちにも触れるな。まぁ、俺でもあの結界の破壊は難しいから、お前たち如きじゃ壊せないだろうがな。……それ以外の命は全て殺し尽くせ。……行け!」

「「「「「「グオオオオオオオッ!」」」」」

 

 俺の言葉を合図に、亡者共が咆哮を上げ、モンスターに襲いかかる。雑魚モンスター相手は充分だが、おそらくあの女には有効打にはならない。だが奴も亡者共とモンスター共の乱戦の中では、俺に対して有効打をあげることができないだろう。

 

「ええい、気色悪い! 近寄るなこのっ! ……おい!」

「あぁ⁉︎」

「死者に鞭打つとは……とんだ非情な魔法だなぁ! ええ⁉︎」

「非情……? 何言ってんだ? 死後も女神様のために戦えるんだぞ……? ゲイムギョウ界において、それはこれ以上ない幸福だろうが……!」

「……ちっ、狂信者が……っ!」

「ありがとう、最高の褒め言葉だ!」

 

 それに、魔界粧・黒霊陣では、死後も女神様のために戦う気のある亡者しか呼び出せないしな。皆、俺ほどじゃないが狂信者たちだ。アンチクリスタルの結界の近くで戦ってる亡者なんて捕まっている女神様に手を振ってるからな。……っておい、ちゃんと戦えよ。

 

 魔界粧・黒霊陣の展開はかなり体力を持っていかれる……リミテッドパープルの制限時間もあるし、早くこの場の雑魚モンスター共を殲滅してあの女を叩かねえと。

 

(……ちぃっ! このゾンビ共を楽に葬れるようなモンスターは先程女神共が全て倒してしまったからな……モンスターが全滅するのは時間の問題か……!)

 

 後10体!

 ……5体!

 ……1体!

 ……殲滅完了、術式展開終了……再び眠れ亡者共、ご過労だった。まだ、ズーネ地区にモンスターは少し残っているが、この場に集められなかったモンスターはまだ周囲の警備をさせてるんだろう。それらも纏めて殲滅したかったが、そこまで術式は伸ばせねえ。

 

「さぁ、後はお前だけだ」

「せっかく集めたモンスターを……女神より弱いくせに面倒な技ばかり使いおって」

 

(ネズミ……は生きてるな。まぁくたばったらくたばったで後払い分の報酬が浮くからいいか)

 

「……お前の名前だけ聞いておこう」

 

 こいつの名前なんか興味ないが、今回の事件はイストワールに記録しておいてもらわなきゃいけないから一応聞いておく。

 

「ふん、マジェコンヌだ……四人の小娘たちが支は「名前だけでいいっつってんだろ興味ねえよんなこと」

「……ムカつく小僧だ」

「多分お前より歳上だぞ? 敬えよ」

「誰が敬うか!」

「そうか、お喋りは終わりだ。ここで死ね」

「お前がな! ……これを女神以外に使うことになるとは思わなかったが! はぁっ!」

 

 そう言うとマジェコンヌとやらは、プロセッサユニットのような追加装備を身につけた。強いなこれ、プレッシャーがすげえ。制限時間が近いからリミテッドパープルの装備を解除して戦おうと思ったが、まだ無理みたいだな。まぁここで俺が負けてもまだ候補生の皆様がいる。モンスターの殲滅は済ませたし、俺は勝つことよりこいつの体力を削ることに専念すれば…………

 

 

 

 

 

 …………いや、そんな『守り』の考えは捨てろ。『攻め』ろ。じゃなきゃ死ぬ、それが命のやり取りだ。

 

 俺が全部終わらせる。マジェコンヌをぶっ殺し、女神様を助け出し、ネプテューヌ様を介抱し、後から来た候補生の皆様を俺が笑顔で出迎える。そのつもりでやってやろうじゃねえか!

 

 マジェコンヌとの最後の死闘が幕を開ける。相手の方がパワーもスピードも上、ステータスだけ見るならぶっちゃけ勝ち目はねえ。でも、負けねえよ。俺が今まで、誰に仕えてきたと思ってやがる。俺が今まで、誰と戦ってきたと思ってやがる!

 

 奴の翼型装備からビット兵器が射出される。形状的にガンダムシードデスティニーに出てくるストライクフリーダムのスーパードラグーンが近いかな。だが、問題ねえ。伊達に長年生きてねえんだ。その手の武装との戦い方はよくわかってる。オールレンジ攻撃と言えども、敵の視点は一つだからそっから敵が攻撃してきそうな場所とタイミングを見極めれば余裕で捌ける。

 

「……昔は女神の力を欲したこともあった。それを手に入れれば退屈な世界が変わるだろうと」

 

 あ? なんだ急に? お喋りタイムか? 要らねえよ、お前のことなんか興味ねえ。

 

「……しかし、手に入れたとしても、私の退屈は終わらなかった」

 

 興味ねえよ。

 

「……だから私はこの世界そのものを変えるのさ!」

 

 興味ねえっつってんだろうが。

 

「……『クロスコンビネーション』!」

 

 ……! これは、パープルハート様の技⁉︎ なるほど、こいつは他人の能力や技をパクれるのか。いいや、関係ねえ! 俺が今まで何回その技を見てきたと思ってやがる! 

 

「『レイシーズダンス』! 『テンツェリントロンペ』! 『レイニーラトナビュラ』!」

 

 技を変えても無駄だ。ノワール様の技も、ブラン様の技も、ベール様の技も、お前のしょーもねえ劣化コピーなんかじゃ何も怖くねえんだよ!

 

(ちっ、こいつには女神の技があまり通用しないか。ならば力で押し通す!)

 

 ……あぁ、わかった。さっきこいつが言ってたこと、興味ねえって言いながらも耳に入ってきたから、わかりたくなかったけどわかっちまった。こいつは『俺』だ。あの日あの時あの場所で、女神様と出会えなかった場合の『俺』なんだ。

 

 力を手に入れようが、他者から何かを奪おうが、自分の世界の見方が変わらないと、世界の色は変わらない。灰色のままだ。俺もあの時は、ただ生きることだけを考えることしかできなかった。俺も世界の色も灰色だったんだ。…けど俺は女神様に出会って、女神様が灰色だった俺の世界に彩りを与えてくれたんだ。そして、灰色だった俺は銀色になれたんだ。

 

 それに、お前の力からは何も感じない。グリーンハート様の「華麗さ」も、ホワイトハート様の「力強さ」も、ブラックハート様の「気高さ」も。

 

 そして、パープルハート様の「俺の語彙力じゃ表現できないような何かそのすごい物凄さ」もだ。

 

 けど、お前も変わればつまらなくなくなるんじゃねえか。奪うんじゃなくて、与えることを覚えれば。殺すんじゃなくて、生かすことを覚えれば。お前も世界も彩りを得られるんじゃねえかな。

 

(……⁉︎ 私が押されている……⁉︎ 何故だ⁉︎ 今の私は女神に匹敵するほどの力があるはず……! 何故女神より弱いこの男になど苦戦する……っ⁉︎ なんなんだこの男は……⁉︎)

 

 まぁ、考え直してみろよ、そこんとこ色々。

 

 ……………地獄でな‼︎‼︎‼︎

 

(……っ! 馬鹿な……⁉︎ 殺られる………っ!)

 

 敵の攻撃を捌ききって、体勢を崩させる。

 

 そして無防備になった敵を、俺の剣が貫く………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………………ことは無かった。

 

 想像を絶する激痛と、口から吐き出る血、外れて散らばる俺のプロセッサユニット。

 

 とっくに過ぎてたんだよな、リミテッドパープルの制限時間。時間が無いことを悟らせないように、焦っている様子なんて微塵も見せられなかったから。そして、普通にこのマジェコンヌが強かったから。

 

 調整されたものとはいえ、女神様用のプロセッサユニットなんて人が付けられるようにできてはいない。たとえ俺みたいな常人より身体が丈夫なやつだったとしても、制限時間を多く過ぎればこのザマだ。

 

 あぁ、クソ、負けちまった。女神様以外には誰にも負けたくなったのに。見ろよ、あのマジェコンヌの表情。まだ何が起こったか理解できてないぜアレ。

 

「……? ……ふ、ふはははは! なんだお前、限界だったんじゃないか! すっかり騙されてしまったよ!」

「……」

 

 身体が動かねえ…血が止まらねえ。

 

「お前の自滅みたいなものだが……まぁいい! 最後に立っていた方が……勝ちなのさ!」

 

 マジェコンヌの攻撃が振り下ろされる。当たったら死ぬなこれ。身体動かねえから避けらんねえし。

 

 ……避ける必要ねえけどな。

 

「 ……最後に、か。じゃあ、俺の、俺たちの勝ちだな」

 

 

 

 

 

 

「『スラッシュウェーブ』!」

「……っ⁉︎」

 

 突如現れた斬撃の波が、マジェコンヌの攻撃を弾いた。あーもう、女神様ってほんとかっこいいな。

 

「ギンガさん! 皆さん! お待たせしました!」

「ありがとうございますネプギア様、今のなかったら私死んでました」

「……死なないでくださいって言いましたよね? ボロボロじゃないですか!」

「はい、でも、死にませんよ。だってその前にネプギア様が来てくれましたし」

「もう……!」

「あっ! それどころではありません、私のことよりネプテューヌ様を……!」

「お姉ちゃんはアイエフさんとコンパさんが見ててくれています。酷い怪我ですけど……命に別状はないみたいです……でも、許せません!」

「許せない……? 許せないなら何だ⁉︎ 変身もできない女神の妹如きに何ができる⁉︎ いいだろう……そこの男は放っておいても死にそうだし、先に目の前でこの小娘を葬ってやろう! ……そこの女神どもも見ているがいい! 愚かな小娘が死ぬ瞬間をなぁ!」

 

「ネプギア……大丈夫なの……?」

「現時点では私たちはおろか……ギンガよりも弱いわよねあの子」

「……いいえ、大丈夫ですわよ。今のネプギアちゃんなら」

 

「ギンガさん……私、お姉ちゃんより強くなることを恐れてたんです。ずっとお姉ちゃんに憧れていたかったんです。だけどギンガさんに言われて気づきました。私はまだ、お姉ちゃんを超えるスタートラインにすら立ってないって。私はお姉ちゃんを、ギンガさんを、みんなを守るためなら、誰よりも強くなります! いつかあなたたちを超えてみせます!」

「ネプギア様……

 

 ネプギア様……怒りはあっても冷静さを失っていませんね。そしていい眼をしています。今ならきっと、いえ絶対にできますよ。

 

「だから……見ててください。私の……変身!」

 

 そう言ってネプギア様が光り、変身が開始されます。あぁ、美しい。涙が出そうです。

 

 ……変身完了。身体が動かないから平伏せられません。くそっ。

 

「引くわけにはいきません……全力で行きます!」

 

 ……さて。

 

 

 

「……祝え! プラネテューヌの民の信仰を受け、次元を超え、過去と未来を知ろしめす紫の女神! その名も『パープルシスター』様! 新たな歴史の幕が開きし瞬間である!」

 

 

 

(な、なんだこいついきなり…?)

 

「ギ、ギンガさん……? いえ、ありがとうギンガさん!」

「存分にお戦いください、パープルシスター様!」

「はい!」

 

 あ、やばいです。ただでさえ満身創痍なのに腹から声出したせいでもう意識を保ってられません。パープルシスター様の後ろからモンスターを蹴散らしながらユニ様、ロム様、ラム様がやってきています。おそらく、パープルシスター様だけではなく、彼女たちももう変身ができるでしょう。

 

 そして、絶対にお姉様たちを助けられるはずです。だから、私の出番はもう終わりです。

 

 あぁ、ユニ様とロム様とラム様の初変身も見たかったなぁ……そして戦っているところも見たかった…………

 

 ………少し、疲れました………おやすみなさ……い……

 

 

 

 

 

 

 

 

 




アニメのパープルシスター様の初変身シーン好きです。
どれぐらい好きかと言うと、仮面ライダービルド ジーニアスフォームの初変身シーンぐらい好きです。
ですが、回の引きで変身して活躍は次回ってのは、両方において好きじゃないです。

ギンガの戦闘力は今回でめっちゃ盛られてるように見えますが、対女神においては
『ギャラクティカエッジ』は威力が足りず、
『魔界粧・黒霊陣』は亡者が女神に攻撃せず、また体力の消費が多すぎるので発動するのは自殺行為で、
『シェアリングフィールド』はそもそも女神に効果がない、
という感じでバランスを取ったつもりです。
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