紫の星を紡ぐ銀糸   作:烊々

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初投稿です。


10. 私たちのゴール

 いやぁ良かったです!

 

 私がぶっ倒れたあと、アンチクリスタルの結界に囚われた女神様に、変身した候補生の皆様の思いが届き、シェアエネルギーの共鳴が発生! それにより爆発的に増えたシェアエネルギーが結界のアンチエネルギーを相殺し、囚われの女神様は解放されたようです! その共鳴によりパワーアップした候補生の皆様が見事マジェコンヌを撃破! 多人数の女神様で行われた共鳴を見ることができなかったのが悔やまれますねえ! そして、今回の件で国民からのシェアは、女神候補生が変身可能になったということであまり下がらなかったようです! あの塵屑野郎にボロボロにされてしまったネプテューヌ様もシェアによって傷が直ぐに治りました! いやぁ良かった良かった、ハッピーエンドです!

 

「…………『ハッピーエンドです!』じゃありませんギンガさん! 確かに女神様たちは問題ありませんが、ギンガさんはあの後即病院に搬送され、搬送される間にもネプギアさん、ロムさん、ラムさんが回復魔法をかけ続け、コンパさんの決死の介抱があったから今生きているんですよ!」

 

 ひえ〜! いーすんが怒っています〜!

 

 ……さて冗談はここまでにし、私は今プラネテューヌの病院にいます。最初はリーンボックスの病院に運ばれたようなんですが、人と人口生命体のハイブリットである私はリーンボックスより製造元のプラネテューヌで治療した方がいいという判断で、容態が安定してからプラネテューヌの病院に運ばれたようです。

 

 戦闘のダメージとリミテッドパープルの制限時間オーバーによる負担で、私の身体は今、中も外もボロッボロらしいです。候補生の皆様の大活躍と女神様の共鳴の話を聞いて、気分はめっちゃ良いんですけどね。ハイテンションです、

 

 ……話を戻すと、目覚めてから身体を起こせるようになって最初に目に入ったのが、怒っているイストワールでした。確かに心配をかけて申し訳ないですが、緊急事態だったからしょうがないじゃないですか。それに、たとえ死ぬ寸前だったとしても、皆様が助けてくれるから絶対に死なないと信じていましたし。

 

「ギンガさん、私がなぜ怒っているか、わかりますか?」

「……そういう無駄な質問は好きじゃありませーん。『なぜ怒っているか』と『どうしたら許してくれるか』を簡潔に教えてくださーい」

「なっ、何ですかその言い方は⁉︎ 私はギンガさんを心配して……!」

「いーすんとは付き合いが長いので甘ったれたこと言っちゃいまーす! 許していーすん。てへぺろ」

 

 血を流し過ぎたか、ハイテンションだからか、頭と言動が少しおかしくなってますね私。イストワールがキレるか落ち着くか……7:3といったところでしょうか。

 

「このぉ……! こほん……まぁいいです。ギンガさんには私より先に、お仕事をサボってそのベッドの中に隠れているネプテューヌさんに言うべきことがあると思うので」

「え? ネプテューヌ様?」

「……もしかして気づいてなかったんですか?」

 

 なんかやけに暖かくて、掛け布団が少し膨れ上がっていると思ったんですが、まさか、ネプテューヌ様が潜んでいたとは……。療養中ゆえ、気配を察知するのを怠っていたようです。

 

「バレちゃったらしょうがない! 女神ネプテューヌ参上!」

「……くだらないことしてないで、お二人でちゃんと話すべきことを話し合ってくださいね。私は仕事に戻ります。ネプテューヌさんもお話が終わったらすぐにお仕事してくださいね。では私はこれで……あと、どさくさに紛れていーすんって呼ばないでくださいギンガさん!」

 

 そう言うとイストワールは病室から出ていきました。ギリギリ3の方を引きましたね。

 

 ……ありがとう、心配かけてごめん、イストワール。

 

 ハイテンションでおかしかった頭が落ち着いてきたので、ネプテューヌ様に言わなきゃいけないことを言いましょう。

 

「ネプテューヌ様……」

「なーに、ギンガー?」

「言いたいことが二つあります。一つは謝罪です。私がアンチクリスタルの存在を失念したこと、昔あのジャッジというモンスターを仕留め損なったこと。そのせいでネプテューヌ様……いえネプテューヌ様だけではなく全ての女神様の危機となりました」

「……それはもういいよ、油断したわたしたちも悪いんだし! それに、今回のことでネプギアたちが変身できるようになったんだから結果オーライ、だよ!」

「それに、なぜあの時ネプテューヌ様が私に怒ったのか、ようやくわかったんです」

「それはネプギアとユニちゃんに言われて反省したんでしょ? ネプギアが言ってたよ。……わたしの方こそごめんね……これで仲直り! ね?」

「……はい。仲直り、ですね」

 

 ネプテューヌ様と仲直りができました、良かったです。

 

 ……でも、仲直りも重要ですが、本題は次なのです……!

 

「では、一つ目の『謝罪』は終わりで、次は二つ目です」

「よしきた! どーんと来い! なんてねー」

「……ええと……その……」

「あ、これふざけちゃいけない感じだった? ……言いづらいことなら無理して言わなくてもいいよ」

 

 ……言葉が出てきません。……正直これは言いたくないです……けど、言わなくては……!

 

 ここで勇気を出せず言えなかったら……また私は同じことを繰り返してしまう、そんな気がします。だから言え! ギンガ!

 

「……私は……私はネプテューヌ様と長い間一緒に暮らしてきて、一つだけ後悔していることがあります」

「……!」

「私は……ネプテューヌ様を叱ったことが一度もありませんでしたよね。イストワールのように、もっとちゃんと叱っておくべきでした。自分の勇気のなさが情けないです。正直……ずっと……どうすればいいか分からなかったんです。女神補佐官として、女神様にどう接していいのか、どこまで踏み込んでいいのか。だけど……今回の件で、自分を見つめ直した今だからこそ勇気を出すチャンスかもしれません。だから……叱らせてもらいます」

「ギンガ……うん、叱って」

「……ネプテューヌ様…私『油断しないように』って言いましたよね? 確かにアンチクリスタルは女神様の最大の弱点とも言える物質です。ですが、油断しなければ、今回のように四人とも捕まってしまうようなことにはならなかったはずです。常に油断しないで生きろなんて言いませんし、隙だらけなところがネプテューヌ様の魅力でもありますが、しちゃいけない油断をやらかす女神様なんて……国にとって駄目な女神様、略して駄女神様になっちゃいますよ!」

「……うん」

 

 い、言えましたぁ。緊張しすぎて、最後ちょっと変なこと言っちゃってた気がします。ネプテューヌ様はどんな顔してるのでしょう……? あれ? 笑っている?

 

「な、何で笑ってるんですか! 私今叱ってるんですよ!」

「えー? だってさー、ギンガが始めて叱ってくれたんだよー? 何か嬉しくってさー! なるほどねー、ギンガがわたしに怒られてる時少し嬉しそうにしてる理由がわかっちゃったよ!」

「う……」

 

 ……そうですか、私いつもネプテューヌ様に怒られてる時こんな感じだったんですね……

 

「先程言った通り、今回の件で私は自分を見つめ直すことができました。だから、改めてこれからもよろしくお願いします、ネプテューヌ様!」

「……うん! これからもよろしくねギンガ! ……ギンガぁっ!」

 

 ……おっと! いきなり、私にネプテューヌ様が飛びかかって抱きついてきました。ああ、なんという幸せ……!

 

 ……幸せ、ではあるんですけど……

 

 …………痛いです! 私は怪我の治りが常人より早いとはいえ、身体の中も外もボロッボロだったからまだ怪我が治りきってないんです! そんな時に、こんなふうに抱きしめられたら全身が痛くてたまりません! ですが、こんなに嬉しそうなネプテューヌ様に離せなんて言えませんし…せめて緩めて、緩めてくださ……⁉︎ 何で変身までするんですか⁉︎ 痛い痛い痛い痛い! 変身後の女神様の力でそんな強く抱きしめられたら怪我してなくても痛いですよ! あー逝く! 痛みで逝く! 女神様に殺されるなら本望ですけど、こんな死に方は嫌ですーーーー! 誰か助けてください! 誰かーーーーーーーー! あっ、意識が…………

 

「やっとお見舞いに来れました、ギンガさ……⁉︎ お、お姉ちゃんが変身してギンガさんにトドメ刺してるーーーー⁉︎」

「ギンガ……あなたが死ななくて良かった……仲直りできて良かった……!」

「ちょ、お姉ちゃん! 離してあげないとギンガさんが死んじゃうよ! 泡吹いてるもん!」

「ギンガ……あなたにこうやって甘えるのなんていつぶりかしら……」

「抱きつくのに夢中で聞いてない⁉︎ そして力が強くて離せないよ! こうなったら私も変身しなきゃ……!」

 

 ……入院が伸びました。

 

 

 

 

 

 

 

「暇ですね……」

 

 ネプテューヌ様からの寵愛によって私の入院が伸びることになった騒動から数日後、私は病室で暇を持て余していました。暇すぎます。暇の山の如しです。

 

「携帯ゲーム機でもイストワールに持ってきて貰うんでした……でもなんかそれパシッてるみたいで嫌なんですよねえ」

 

 誰に言ってるわけでもない独り言を呟きます。

 

 ネプテューヌ様とネプギア様は、一日に一回は必ず病室に会いにきてくれるんですが、お仕事もありますしそんなに長くはいられないんですよね。いいえ、ネプテューヌ様が見舞いを大義名分としてお仕事をサボりに来るので、一日一回って決めたんでしたね。そういえば私が入院してる間、迷子? 捨て子? ……をプラネテューヌ教会で保護したようです。ネプテューヌ様曰く「ネタバレ厳禁!」らしいので、名前は退院してその子に直接会ってから聞くことになりました。

 

「退屈過ぎますね……退屈死します」

 

 ん? 部屋の外に気配? 看護師さんですかね……ということはコンパさんでしょう。……おっ、あいちゃんもいます。

 

『この部屋だったわよね?』

『そうですよ』

『師匠起きてるかしら?』

『わからないです…でも寝ていたら寝ていたでギンガさんの寝顔を見てみたくはないですか?あいちゃん』

『……それもそうね』

 

 ……起きてますけどね。寝てた方が良かったのでしょうか。コンパさんにはここ最近ずっとお世話になってるんですが、そういえばあいちゃんが見舞いに来てくれたのは今日が最初ですね。

 

「師匠、こんにちは!」

「こんにちはです、ギンガさん」

「こんにちは、あいちゃん、コンパさん」

「すみません師匠……来るのが遅くなってしまって」

「はい、あいちゃんが来ないのが寂しくて心細かったです」

「えっ……」

「ギンガさん、あいちゃんをからかっちゃダメですよ! あいちゃんは可愛いからからかいたくなるのはわかるですけど」

「ちょ、コンパ」

「すみませんコンパさん。あいちゃんもからかってごめんなさい。……あいちゃん、どうですか……その後」

 

 さて、冗談はこのくらいにして、あいちゃんに最も聞きたかったことを聞きます。奴らがどうなったかを。

 

「……マジェコンヌという女も、あのワレチューというネズミも見つかっていません」

「やはりですか。死体が残らないほど徹底的に殺る、なんてことを女神様はしないと思いますし……逃げられましたね…」

「はい、おそらく」

「とはいえ、もう一度あの量のモンスターとアンチクリスタルを仕入れるのは容易ではないでしょうし、同じことをしてももう女神様には通用しないのは奴らもわかっていると思います。ですが、警戒を怠らず、対策を練っておきましょう」

「はい!」

「私にもできることがあったら何でも言ってくださいです!」

「……コンパが悪い女になれたら、あのネズミは懐柔できそうだけどね……」

「「……?」」

 

 最後あいちゃんがよくわからないこと言っていましたけど、その話が終わってから、少し他愛もない話をして、あいちゃんは諜報員の仕事に向かい、コンパさんは私に看護師としての仕事をした後、別の現場に向かいました。

 

 そしてそれから更に数日後、先程言った通り、私は女神様ほどではありませんが回復が早いので、ほぼ怪我も治り、退院することになりました。

退院にはあいちゃんとコンパさんが付き添ってくれました。ネプテューヌ様とネプギア様は、ラステイションで起こった事件の捜査の協力のため忙しかったそうですが、逆に良かったです。女神様を付き添わせるなんて烏滸がまし……おっと、これからはそういうことをあまり言わないようにするんでしたね。

 

 ……夕焼けが綺麗ですね。綺麗なんですけど、あの夕焼けに……何かが起こる前触れのようなものを感じます。

 

 ……まぁ、考え過ぎでしょう。さて、今回の件において、激しい戦いを生き抜いた私達には、日常に戻るという一番大切な仕事が残っています!

 

 私たちの日常はこれからです!

 

『紫の星を紡ぐ銀糸 1部 眩耀のクリスタル編 -SISTERS GENERATION HEROINES- 』 -完-

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あたしは『プルルート』って言うの〜」

「プラネテューヌの〜女神だよ〜」

 

\ ええーーーーーー⁉︎ /

 

 

 

 

 

 

 

 

 




あ、終わりませんよ。



おじさんがソウゴに叱るシーン、ジオウで1番好き。
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