紫の星を紡ぐ銀糸   作:烊々

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新作ネプ、ソフトが手に入ってもPS5が手に入らなさそうなので初投稿です。



14. プロジェクト・エディン

「いつまで寝てんのー⁉︎ 早く起きてー!」

「まだ眠いよ〜ねぷちゃん〜」

「だめだめー! 今日もパトロールに行くんだからー!」

「えぇ〜」

「こらー! 二度寝禁止だよ! とにかくさっさと起きてね! あ、おはようネプギア! 30分後に出発ね!」

「うん、わかったお姉ちゃん」

「む〜最近のねぷちゃん疲れる〜」

「そうですね……」

 

 ここ最近、朝っぱらから騒がしいですね。ネプテューヌ様がピーシェさんの件でピリピリしていて、そのせいで教会の雰囲気もピリピリしています。

 

「あ、ギンガ! 今の聞いてたでしょ?30分後に出発だからねー!」

「必要ないと思いますが、パトロールは昨日も朝から晩まで行いましたし……」

「行くったら行くの! これは女神命令!」

「必要のない仕事に人員のリソースを割くことはおススメしません」

「じゃあギンガは来なくていいよもう!」

「……かしこまりました」

 

 ネプテューヌ様は怒ってそのままネプギア様とプルルート様とパトロールへ行ってしまわれましたが、これに関しては私は間違ったことは言っていません。たしかにパトロールは必要ですが、ネプテューヌ様はパトロールというより、ひたすらピーシェさんを探しているは明らかです。あのような振る舞いをしていると、そのうちプルルート様あたりと喧嘩になってしまうかもしれませんよ。

 

 ですが、ネプテューヌ様はピーシェさんのいなくなった心の穴を埋めるために必死なのでしょう。この手のことに関しては、私はできることも掛ける言葉もないのでお手上げ状態です。人には向き不向きというものがあるので。

 

 ……はぁ、私も教会の雰囲気につられてピリピリしてしまっているようですね。ネプテューヌ様が帰ってきたら謝りましょう。久しぶりにネプテューヌ様のためにプリンでも作りましょうかね?いや、いくらネプテューヌ様の好物とはいえ、今この状況でプリンは良くなさそうです。『ねぷのプリン』を連想されてしまうかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

『え?じゃあネプギアもネプテューヌさんもいないの?』

「はい、このところ毎日、朝から晩までパトロールに出てるもんですから……」

『ええっ⁉︎ あのネプテューヌさんが⁉︎』

「まぁ……そう思いますよね」

 

 お掃除とお洗濯を終え部屋に戻ると、あいちゃんとコンパさんがユニ様と通話していました。

 ユニ様が私にもタメ口になってくれたら嬉しいのですがね。

 

 とりあえず、通話を邪魔をしないように、畳んだ洗濯物を棚にしまいながら、会話に聞き耳をたてるとしましょう。

 

「ところで、どうしてユニさんがルウィーにいるです?」

『えへっ、ちょっとロムとラムを手伝ってたの! 実はあたしたち……』

『人工衛星で突き止めちゃったー!』

『ピーシェちゃんがいるところ……』

「「ええ⁉︎」」

 

 ……全く、いくら女神様といえども、人工衛星をそのように使ってはいけませんよ。後でお説教ですね。ピーシェさんとの別れ方に納得しきれていない気持ちはわかりますけど。

 

「……お話に混ざってもよろしいでしょうか?」

『あ! ギンガさん!』

『ギンガさんこんにちは〜!』

『こんにちは……!』

「大人気ですね師匠」

「ピーシェさんのところへ行くのですね?私も同行します」

 

 

 

 

 

 

 

「ギンガってば、最近私に反抗的になっちゃって……許せないわ!」

「でも……お姉ちゃんはそういうギンガさんを少し望んでたんじゃないの?」

「それは……そうだけど……」

「ねえ〜ねぷちゃん〜? ここ三日前にも来たよ〜?」

「三日で状況が変わることもあるでしょう?」

「むぅ〜」

 

 

 

 

 

 

 

 さて、あいちゃんとコンパさんと共に、ユニ様から送られてきた衛星写真の場所あたりに着きました。とりあえずは三人が来るまで待機ですね。

 

「そういえば師匠、もう身体の方は大丈夫なんですか?」

「大丈夫です。元気100倍です」

「アンパンマンみたいです」

「私の顔を食べますか? ……あ、これセクハラみたいですね、無かったことにしてください」

「ギンガさんの顔を食べれば、ギンガさんみたいに強くてカッコよくなれそうです」

「確かに……師匠、ちょっとじっとしててください」

「え⁉︎ 二人とも顔が怖いですよ……? どうしてジリジリと寄ってくるのですか……⁉︎」

 

 ……みたいな、変な会話をしながら待っていると、変身した三人が空からやってきました。会話の流れ的に少し危なかったので助かりました。

 

「おまたせー!」

「お待ちしていました、ユニ様、ロム様、ラム様。会って早々ですが、まずはお説教からです」

「「「え?」」」

「たとえ女神様といえども、人工衛星をあのように使ってはいけませんよ。プライバシーというものがありますので」

「でも……」

「『でも』ではありません。皆様も、素性のわからない者に私生活が覗かれたら嫌でしょう?」

「それは……そうですね……ごめんなさい……」

「「ごめんなさい……」」

「その言葉は私ではなくピーシェさんのお母様に言うことです。一緒に謝りましょうね。あと、私たちは一度はピーシェさんを保護していた身として、引き取られた後のピーシェさんがちゃんと養育されているか確認する必要があります。つまりこれはお仕事なので、皆様も出来るだけそういう振る舞いをしてください」

「「「はい……」」」

「(やば、私もグッジョブユニ様とか思ってたし、お出かけ気分だったわ……私もまだまだね……)」

「(私もです……ピーシェちゃんのお母さんに謝るです……)」

 

 確かにピーシェさんのその後は気になりますし、先程言ったように経過観察をする必要がありますが、それはそれ、これはこれです。

 

「ピーシェちゃんのお家どこ……?」

「それが……送っていただいた衛星写真によれば……多分……」

 

 そう言ってあいちゃんが指をさした建物は、明らかに使われていなさそうなビルでした。外見だけで判断するのは良くありませんが、ピーシェさんは本当にちゃんと養育されているのでしょうか?とりあえず入ってみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

「こんにちはー! ……ここも無人みたい」

「じゃあ一番上ね!」

 

 ほぼ全てのフロアのドアをノックしたのですが、どこからも応答がありませんね。あとは最上階だけですか。

 

「でも良かったのかな? あたしたちだけで来ちゃって……ネプギアもネプテューヌさんもピーシェに会いたがってるでしょ?」

「はい、それは勿論」

「私たちがピーシェを教会に連れて行けばいいのよ!」

「ネプギアちゃんたち……帰って来たらびっくり……!」

「わぁ! サプライズですぅ!」

 

 いいえ、そうはならないでしょう。先程から会話に混ざらず、このビル内の気配を探知することに集中しているのですが、何も感じません。おそらくもうここにピーシェさんはいませんね。いえ、ピーシェさんどころか誰も人がいないでしょう。

 

 ……繋がってきました。ピーシェさんは引き取られたのではなく、攫われた可能性があります。ピーシェさんの母を名乗る人物は、常人と比べものにならないほど高いエネルギーを持つピーシェさんを何かに利用しようとしている……? しかし、なぜその人物はピーシェさんが高いエネルギーを持つことを知っているのでしょう?

 

「……で、ここがピーシェの家?」

「こんにちはー! ……返事ないよ」

「あれ?鍵が開いてる?」

「入っちゃえ! ……何ここ?」

「ピーシェちゃんは……?」

 

 そのフロアは、どうやら反女神の市民団体の事務所のようなものでした。部屋中に『女神反対』みたいなことを書かれたビラや看板が転がっています。人の気配はありません。

 

「何よこの看板…? 『女神にNo!』って失礼しちゃうわね!」

 

(師匠がこんなもの見たら……⁉︎ あれ? 師匠は?)

 

「さっきから何も言いませんが……どうしたんですギンガさん? 体調が悪いですか?」

「いえ、少し考えごとを……ん? 『女神いらない』……? この落ちているビラ……前にどこかで……」

「(……師匠、意外と落ち着いているわね……)ねえコンパこのビラ!」

「……あ! じゃあ、あの時のビラを配ってた人がピーシェちゃんのお母さんです?」

「どうかしらね。とにかくここには誰もいないみたい」

「ピーシェちゃん……」

 

 このビラや看板に書いてあることにイラついてる暇はありません。私たちの不在の時を狙ってプラネテューヌ教会にピーシェさんを攫いに来た、という頭の片隅にあった仮説に過ぎなかったものが現実味を帯びてきました。もしかすると、先日のバーチャフォレストのモンスター大量発生も、私を教会から外に出すための仕組まれたものだったのかもしれません。

 

 この反女神の団体とやらは…おそらく私たちの想像以上のことをしでかす予感がします。私たちは既にこの団体の計画の後手に回っているのかもしれません。高いエネルギーを持つピーシェさんを対女神様の兵士にでも育てようとしているのでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

「私は女神なんて嫌いなんです……女神なんていなくなるべきなんです……なのにどうしてこんなことに協力を……私、ただの市民運動家なのに……私、もう帰ります」

「あら、それはだめよ。あなた、もう共犯なんだから。攫ってきたのは他でもない……あなた、でしょ? わかったらそんなところで腐ってないで、あなたの仕事をして。この子もそろそろ仕上がるわ」

 

 

 

 

 

 

 

(お姉ちゃんの態度に耐えかねたプルルートさんが、変身してお姉ちゃんに襲いかかって……どうしよう……!)

 

「あたしぃ〜自分の気持ちに嘘をついてる人はぁ……無性にいじめたくなるのよ……ねぇ!」

「やめてぷるるん! 私、あなたと戦いたくなんか!」

「あらぁ、あたしだってそうよ! 素直にいじめられてくれれば戦う必要なんてないわ!」

 

(お姉ちゃん……プルルートさん……私はどうすれば……見てることしかできないよ……)

 

「あははは! ねぷちゃん! あなたこの程度なのぉ⁉︎」

「やめなさいぷるるん……! やめて……やめてよ……! やめてってば‼︎」

 

(お姉ちゃんの変身が……! でも……プルルートさんもさっきまでとは違って、もう戦う気はなさそうだし……)

 

「ぷるるんは……友達でいてよ……わたし、ぷるるんのためならなんでもするから!」

「まだ自分に嘘ついてる。何でもしてあげたい人は、他にいるんじゃないの…?」

「……っ! ピー子……!」

 

(お姉ちゃん……)

 

「もっと遊んであげればよかった……! ねぷのプリンをもっと食べさせてあげたかった……! 一緒にいようねってもっとちゃんと言ってあげれば……! ……うぅ……!」

「それでいいのよ……どうしようもない気持ちは、吐き出しちゃえばいいの……そういうねぷちゃんだってみんな大好きなんだよ?」

 

(プルルートさんも変身を解いてお姉ちゃんに寄り添ってあげてる…もう大丈夫そうかな……ん? 電話? いーすんさんからだ)

「はい、もしもし……? ……え⁉︎ お姉ちゃん! プルルートさん!」

「どうしたのーネプギアー?」

「今いーすんさんから…………新しい国ができたって!」

「……ええええええ‼︎⁇」

 

 

 

 

 

 

 

 色々と考えは纏まったものの、何も収穫がなかったため、その空きビルを後にしてプラネテューヌ教会に帰ろうとすると、いーすんから『新しい国ができた』と連絡が入りました。それを聞いて急いで教会に戻り、いーすんから詳しい話を聞いていますが、国が誕生したという以外ではあまり情報が入っていないようです。

 

「新しい国……って何なんですか?イストワール様」

「まだよくわからないんです……ただ、R-18アイランドに新たな国を作ったという通達がいきなり送られてきて……とにかく、ネプテューヌさんやネプギアさんが他国の女神の皆さんと交流して、調べてきてくれるそうです」

「……どうしてネプギアだけいつもR-18アイランドに行けるの⁉︎ ずるい!」

「わたしたちも女神なのに……」

「わたしたちも連れてってよー!」

「私は……ユニ様とロム様とラム様にはあんなところに行って欲しくないです……」

「え? ……じゃあ行かなくていいです」

「わたしも……」

「えー……まぁでもギンガさんが嫌なら行かなくて良いかなー」

 

(流石はギンガさん……三人をすぐに大人しくさせました)

 

 先の戦いで破損したリミテッドパープルがまだ修理中なので、今の私は飛行ができません。だからR-18アイランドに私は行くことができません。……良かった。

 

 あの島の砲台はただの遊具と報告されたはずだったのですが、遊具に偽装された兵器であった可能性が高そうですね。

 

 あの島で何が起ころうとしているのでしょうか?とりあえず、私はパープルシスター様の端末から送られてくる映像を見ています。電波が良くないので映像が映ったり映らなかったりですね、どれどれ……

 

 ……マジですか。

 

『ええと、名前はねー、イエローハートだよ!』

 

 新たな……女神様……⁉︎ 良いですねぇ〜……ではなく! 出来立てでシェアもクソもない国に女神様が誕生するなんて普通はあり得ません……! それにあのイエローハートという女神様の姿……あれはもしや⁉︎

 

「パープルシスター様!」

『どうしたんですかギンガさん!?』

「ダメです! その女神様と戦っては! 特にパープルハート様は‼︎」

『どうしてお姉ちゃんが? ……まさか!』

「おそらくはそのまさかなんです!」

 

 パープルシスター様への忠告は……間に合いそうにありません……! その間に戦闘になり、次々と女神様たちがイエローハートという女神様に技を叩き込んでしまっています……っ!

 

 戦闘のダメージか、それとも制限時間があってそれが切れたのか、変身が解除されて判明したイエローハートという女神様の正体は……私が思った通り……ピーシェさんでした。

 

『ピー子! なぜあなたがここにいるの⁉︎ まさか、あなたが……そんなわけないわよね」

『……あっち言って!』

『……っ!』

 

 どうやら今のピーシェさんはパープルハート様を完全に敵として認識しているようです。せっかく、プルルート様のおかげでネプテューヌ様が立ち直ってきたというのに……!

 

『遅ればせながら紹介するわ、この方こそ我が「エディン」の女神! イエローハートことピーシェ様よ!』

 

 新国家『エディン』……ですか。それになんですか、あの執政官を名乗るロボなのかオカマなのかわからないヘンテコな生命体? そして、後ろにもう一人女性がいますね。こいつらが首謀者ですか……! 計画の全貌が明らかになってきましたね。

 

『あ、それからここで、レイちゃんから重大発表がありまーす! ほら、レイちゃんアレ読んで』

『あ、はい……女神イエローハートが治めるエディンは国内で生産された成人向けコンテンツの制限のない流通を各国に求める! これを認めない場合は…我が国への宣戦布告と見なす‼︎』

 

 レイという女の宣言が終わると、島の奥から大量の兵隊が現れました。……なるほど、これがあなたたちの計画ですか。そうなればこのエディンという国、そしてピーシェさん……いえ女神様となったからもうピーシェ様か、ピーシェ様と戦争することになりますね。先程は戦ってはいけないと言うつもりでしたが、戦争となるなら話は別です。

 

「パープルシスター様、通信を切ります」

『え? あの、その、これってピーシェちゃんと戦争するってことになるんですか……?」

「はい。私は今からそのための準備をします」

『準備って……! ギンガさんはピーシェちゃんと戦うことになんとも思わないんですか⁉︎』

「はい。思うところが全くないといえば嘘になりますが、私はプラネテューヌの女神補佐官として、戦争となる場合、それに備える義務がありますので。それでは」

『あっ! 待ってくださ……』

 

 既に私たちは後手に回っています。これ以上後手に回ればプラネテューヌが滅びかねません。パープルハート様とパープルシスター様がまだ戦う覚悟を決めていなくても、私はこの国を守るためにもう覚悟を決めています。

 

「いーすん、いえ、イストワール」

「は、はい」

 

 

 

 

「全ての兵士たちに連絡を、ついに立ち上がるべき時が来たと」

 

 

 

 

 

 

 

 




ギンガは今の女神と比べて戦争の経験が段違いですから切り替えもクソ早いです。

そしてギンガは、女神様やイストワールとの関係はともかく、人間関係ではかなりドライな性格です。今はアイエフやコンパを溺愛レベルで可愛がっていても、別れが来たらあまり引きずることはない、そんな男です。
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