紫の星を紡ぐ銀糸   作:烊々

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 最終回……のつもりだったのですが、前編と後編に分けます。地の文担当だったギンガが死んだのでパープルハート様にやってもらうことにしました。

 タリの女神を本編より強くしすぎた感がありますけど、ラスボスは強くてナンボなので初投稿です。




FIN 1. 未来(あす)を懸けた戦い

 

「よく頑張ったけどとうとう終わりの時が来たようねクソババア」

「……はぁ……はぁ……クソ……」

「マジェコンヌっつったっけ 名前ぐらいは覚えておいてあげようかしらねぇ! ……っ⁉︎ この気配⁉︎ まさか……女神⁉︎」

 

(嘘でしょ⁉︎ もう変身する力なんて残ってないはず……ちぃっ! こんなやつと遊んでる場合じゃなかった!)

 

 どうやらタリの女神は変身した私のシェアエネルギーに反応し、マジェコンヌの前に私を先に仕留めにくるようね。

 

「……なるほどね、なんとなく理解したわ。あんたのその力……あの男殺して得たのねぇ…酷い女神様ね〜! 大事な部下を犠牲にするなんてぇ!」

「……」

「面倒だけど……まぁいいわ、力使い果たしたカスどもを嬲り殺しにするより、最後の力で変身! みたいな希望がある感じのところをぶっ殺す方が面白いしねぇ!」

 

 ……雑音よ。ギンガがいつも言ってたわ、どれだけ感情がかき乱されていても、戦いは冷静にって。

 

 彼の残したシェアクリスタルは、私の大好きな人の力だから最強……なんて都合のいいことはなく、変身して戦える最低限の力しかない。正直体力も限界、気力だけで立っているようなもの。女神としての華麗さなんてまるでない。

 

 それでも、私はタリの女神を倒す。女神として、力と想いを託された者として!

 

「だんまり? 面白くねえの……はっ! じゃあ、最後の殺し合いといこうじゃないの!」

「……」

「「はぁああああっ!」」

 

 私の剣とタリの女神の武器がぶつかり合い、最後の戦いの幕が上がる。

 

 

 

 

 

*

 

 

「戦闘の音……⁉︎ 向こうで何が起こっているの⁉︎ ネプ子……師匠…!」

「あいちゃん……待機命令はいつ解除されるんです?」

「何の連絡もないし……師匠に何かあったのかもしれないわ」

 

「……幼女女神が戦っているのに……私は……」

 

『確かに女神様は長く生きていても精神的には未熟なところもあるかもしれません、だからこそ私が……私だけではありません、あなたたちこの世界に生きる大人たちが導くのです。そうやってこの国や世界は、女神様と我々が一丸となって成長していくものなのですよ』

 

「……っ! 私は幼年幼女の味方……! 私がアブネスよ! ちゃああああああ‼︎」

 

「あ、アブネスさん⁉︎」

「え、ちょっと! どこ行くのよ! 待機命令はまだ解除されてないのよ! って走るの速⁉︎」

 

 

 

 

 

*

 

 

「最後の戦いが始まったか……」

「見た感じ互角っチュね、なんとかなりそうっチュ」

「いや、タリの女神の方が少し押している……このままでは……!」

「でもオイラたちにできることなんてもうないっチュよ?オバハンもボロボロなんだから休んでろっチュ」

「……せめてもう少しシェアがあれば……しかし、プラネテューヌの女神は既に国民からの分は使い切ってしまっている……新しいシェアでなければ……!」

 

「がら! がら! がらっ! 聞いたわよ! シェアがあればいいのね!」

 

「……なんだお前は? それに扉もないのになんだ今の効果音は」

「私はアブネス! 幼年幼女の味方よ!」

「その幼年幼女の味方がなんの用っチュか?」

「この戦闘を私のチャンネルで中継するのよ! 私のチャンネルの視聴者は幼女女神の反対派だらけ……けどその人たちに幼女女神を信じることを呼びかければ新しいシェアを生み出すことができるかもしれないわ!」

「それはそうだが……それをしたらお前に不利益が生じるんじゃないのか?」

「ここであの幼女女神が負けたら、幼年幼女ごとこの世界が滅びるんでしょ! だったら何だってしてやるわ!」

「……機材のセッティング手伝うっチュよ」

「ありがとう! さぁ、始めるわよ! ……アブネスチャンネルを見てるみんな! こんにちは、幼年幼女の味方! アブネスよ!」

 

 

 

 

 

*

 

 

「コンパ! この動画見て!」

 

『今日はみんなにお願いがあるの! みんなにはあそこで戦っているプラネテューヌの女神を応援してほしいの! 私のチャンネルを見てる人たちは……女神のことなんて好きじゃない人が多いと思うけど、この世界を守るために今だけはお願い!』

 

「これは……アブネスさんです!」

「あの人はこのために……みんな方法は違っても、この世界を守るために戦っているのね……コンパ!」

「どうしたです?」

「私も私のやるべきことをやるわ! 行ってくる! 師匠……命令違反を許してください!」

「私も……私も行くです!」

「そうね、一緒に行きましょう! ネプ子たちのところへ!」

 

 

 

 

 

*

 

 

「『しょーもないチャンネルだと思っていたけど感動しました、チャンネル登録します』ありがとう! チャンネル登録もだけど、今だけは幼女女神を信じるのも忘れずにね! 『私もアブネスさんと同じく幼女が女神をやるのに反対ですが、今だけは応援します!』ありがとう! 応援してあげて! 『これ、気持ちです ¥50000』トリックさん! いつもスパチャありがとう!」

「コメントを返してる場合か!」

「でもこういうことを怠るとユーザーからの支持は落ちるっチュよ」

「そういうものなのか……」

 

 

 

 

 

*

 

 

(こいつ……何で強くなってきてるのよ⁉︎ とっくに限界のはずでしょ⁉︎ まさかシェア……⁉︎ この期に及んで⁉︎)

 

 これは……シェアの力? 国民からの分はもう使い果たしたはず……それでも……ありがとう!

 

「まぁ、限界なのに変わりははないわよねぇ!」

「いいえ! 私に限界なんてないわ!」

「言ってろ!」

 

 

 

 

*

 

 

「ネプ子が戦ってる……! それにこれ……師匠のプロセッサユニット……」

「どうしてこんなところに落ちてるです……?」

「それは奴が己の身を犠牲にしたからだ」

「あんたは……マジェコンヌ! それに犠牲にしたってどういうこと!?」

「力を使い果たしたあの女神のために、自らの命をシェアクリスタルに変えたのさ」

「そんな……師匠が……」

「武器を向けるのはやめてほしいっチュ。あの女神が再び変身する時間を稼いだのはオイラたちっチュよ」

「お前は何もしていないだろうが……」

「ネズミさん、ありがとうございますです」

「コ、コンパちゃん……コンパちゃんマジ天使っチュ……!」

「これ以上戦っている女神たちに近づかない方がいい。巻き込まれるぞ」

 

「じゃあこれで中継は終わるわ! みんな本当にありがとう! ……こんなところかしらね。あーあ、せっかく集めた幼女女神反対の同志たちが、これじゃあみーんな女神信者になっちゃうわねー」

「……その割には嬉しそうだな」

「そうかしら? よし! これ以上は危険だから撤退よ!」

「逃げるっチュ!」

「おい、待て! ああもう! 女神よ、後は任せたぞ! さらばだ!」

 

「さようならです……ネズミさん、マジェコンヌさん、アブネスさん」

「なんか……いい奴らになってたわね」

「そうですね……っ! あいちゃん! あそこ! 女神さんたちが倒れてるです!」

「起きてるのはネプ子だけのようね……安全なところまで運ぶわよ!」

「はいです!」

 

 

 

 

 

*

 

 

 ……! あいちゃんとコンパがみんなを離れさせてさせてくれてる。いつもありがとうあいちゃん、コンパ。私はあなたたちに助けられてばかりよ。これで、やっと本格的に戦いに集中できるわ。

 

 満身創痍の状態でいつも以上に集中して戦っているからか、ようやく少し見えてきた。ギンガが言っていた疲れない身体の動かし方ってやつが。

 

 身体の動かし方だけじゃない。こんな時だからこそ改めて、あの人から教わったことを徹底する 。今だからわかる。あの人が教えてくれた戦いの基礎に全てが詰まっている。

 

(シェアだけじゃない、動きが変わった……⁉︎ 何よこいつ! 死にかけの女神ごときに私が⁉︎ ふざけんなふざけんなふざけんな!)

 

 あなたは私の方が強いと言うけれど、私はまだあなたを超えた気なんて全然していなかった。

 

 だからギンガ……私を導いて!

 

 

 

 

 

*

 

 

「……ぅ……あ、アイエフさん……?」

「目覚めたわね、ネプギア」

「お姉ちゃんは……?」

「戦っているわ。どうしてネプテューヌだけがまだ変身できるのかは知らないけど」

「ノワール様、それは……」

「……なるほどね。こんな事態なのにギンガの姿がないからなんか察したわ」

「どういうことですかノワールさん⁉︎」

「私から説明するわネプギア。師匠は死んだの、ネプ子に全ての力を託して」

「そう……ですか……悲しいけど、ギンガさんらしいな……」

「私たちに何かできることは……」

「ブラン……気持ちはわかりますけれど……私たちはもう力を使い果たしましたし……」

「今は信じましょう……ネプテューヌを」

 

「……⁉︎ 皆さん⁉︎ 急に光り出して……どうしたんですか⁉︎」

 

「え⁉︎ 私今光ってるの⁉︎」

「これは……まさか『共鳴』の光……?」

「ズーネ地区の時よりも規模は小さいですが……あの時のものよりも綺麗ですわ……」

「この光をどうにかしてネプテューヌに届けるわよ!」

 

 

 

 

 

*

 

 

「いい加減くたばりなさいよ!くたばれぇ!」

「きゃぁあっ! まだよ! まだ終わりじゃないわ!」

「……っ!何なのよあんたは! 何度も攻撃しても立ち上がって……鬱陶しいのよ! もう終わりなのよ! 奇跡なんて起こらない! ゲイムギョウ界は今日滅びるのよ! 私が滅ぼすんだよぉお!」

「……哀れな人」

「何ですってぇ……っ⁉︎」

「国民に……国に……そして世界に向き合うことを諦めた人が……諦めない私に勝てるはずないでしょう……!」

「はぁ……?」

「私は決して世界を諦めない……! それが女神よ!」

「黙れェ‼︎」

 

 タリの女神の攻撃が苛烈さを増す……ギンガの教えを徹底しても、今の私には捌ききれない。疲労と敵の攻撃で私の身体が軋んでいく感覚がする。痛い、苦しい。

 

 ……けれど絶対に倒れない……絶対に!

 

「……はんっ! もう剣を支えにしないと立っていられてないじゃない! 気持ちだけあったって無駄なのよ無駄無駄ァ!」

 

(こいつを殺して、残った女神どもを殺して……あれ? 他の女神どもはどこ? こいつの後ろに倒れてなかった? 目が覚めてこの場を離れたのかしら……)

 

(……いた! ……ちっ、もうあんなところまで離れてやがる。……あ? 何よあの光? ……あれはまさか『共鳴』の光⁉︎ クソ……っ!)

 

「死に損ないどもが! やらせるかよ!」

 

 ……? どこに行くつもり? あの方向……まさか狙いはノワールたち⁉︎ 止めなくちゃ! ダメっ、敵の方が速い!

 

「させないわ! 『ラ・デルフェス』!」

「ぐぁぁっ⁉︎」

 

 今のはあいちゃんの魔法……! 来てくれたのね!

 

「助かったわあいちゃん! って、それギンガのプロセッサユニットじゃない!」

「どうやら師匠は私にもこれを装備できるようにしてたみたい! ほんの少しの間だけ私がこいつを食い止めるわ! だからその隙にあの光を受け取って!」

「ありがとう……すぐに戻ってくるわ!」

 

 こんなことも想定してたってことかしら。ギンガってほんとに抜け目ないわね……! ていうかあの人、私よりあいちゃんの方が可愛がってたんじゃないの? 

 

 ……こほん、今はそんなこと思ってる場合じゃないわね。ノワールたちのところに急いで飛んで行くわ。

 

「ノワール! ベール! ブラン! ネプギア!」

「この共鳴の光……受け取りなさいネプテューヌ! 今回は全部あなたに譲るわ!」

「最後まで素直じゃないですわね……」

「ネプテューヌ……頼むわね……」

 

 ありがとう、みんな。

 

「お姉ちゃん……!」

「ネプギア…見ていてね。これがあなたのお姉ちゃんよ」

「……うん!」

 

 そうして受け取った共鳴の光を取り込んで私のシェアエネルギーに変える。女神の共鳴だけじゃない……世界中の人たちの想いも感じる。負けるわけにはいかない……いえ、負ける気がしないわ!

 

 

 

 

 

*

 

 

「人間ごときが邪魔すんじゃねえ! くたばれクソガキが!」

「きゃぁぁぁああ! ……うぅ……ぐっ……その……程度……?」

「何なのよ……っ! どいつもこいつも……っ! カスの分際で一丁前に足掻きやがって!」

 

 あいちゃんが何とか持ちこたえてくれていたわ。本当にありがとう。大好きよ、あいちゃん。

 

「おまたせ、あいちゃん」

「……ネプ子……早かったわね……! ネプ子が戻って来る前に私がこいつを倒しちゃおうと思ったんだけど」

「そんなボロボロの身体で何言ってるのよ。後は任せてちょうだい」

「ボロボロなのはお互い様でしょ。ネプ子……決めてきなさい!」

「ええ!」

 

「ああもう! うぜえうぜえうぜえうぜえうぜえええ‼︎ もう後のことなんてどうでもいい! お前だけは……お前らだけはここで確実に殺してやる!」

 

 そうやって怒り狂うタリの女神を中心にエネルギーが集まっていく。どうやら最大の技で決めに来るようね。

 

「(こいつ、まだこんな力が)……ネプ子!」

「大丈夫、私を信じていて」

 

「くたばれぇえええ! 『覇光の光芒』!」

 

 敵の最大の技……もし直撃したら私ごとプラネテューヌが消滅しそうなほど強大なエネルギーの奔流。だけど、今の私に恐怖はない。

 

「……『32式エクスブレイド』!」

 

 まずは、敵の技の強大なエネルギーの奔流に、私のシェアエネルギーで作り出した巨大な剣をぶつけて、互いの技のエネルギーを相殺させる。

 

「……何……だと……? 私の……最大の技が……!」

 

 そしてその奥にいるタリの女神に……必殺技を叩き込む……!

 

(技の反動が……! 避けられない! 防御もできない……! クソ、クソクソクソクソクソ!)

 

「やめろぉ! 来るなぁ!

 

 これで決めるわ……!

 

「『ネプテューンブレイク……

 

 いいえ、一緒に行きましょうギンガ。

 

「『ギャラクティカネプテューンブレイク』‼︎」

 

「ぐぁああああああああああああおおおおおおおおおおおおあああああぁぁ……ぁ……」

 

 私の技をまともに食らったタリの女神が断末魔をあげながら……ついに倒れる。

 

 今度こそこれで、私の……私たちゲイムギョウ界の勝ちよ。

 

 

 

 





 次こそラストです。今までありがとうございました。

 この作品を書き始めて気づいたことは、私の文章力はクソということです。やっぱ作品投稿なんて早かったかなぁと思いながらも気づいたことは、未完のまま投げ出すのはクソということです。
 同じクソなら後味の良い方を、私がこの作品を投稿し続けてきたのはそんな理由です。ぶっちゃけ作品作るのは楽しいですし。



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