紫の星を紡ぐ銀糸   作:烊々

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 これが最後の……最後の……初投稿です。



FIN 2. 私(きみ)の未来

 

 はい、皆さんどうもこんにちは、プラネテューヌの女神補佐官……いえ、元女神補佐官のギンガです。

 

 私は今おそらく死後の世界というところにいます。身体が消滅しましたからね、完全に『死』です。ですが、いい人生だったと思うので悔いはありませんけど。

 

 死後の世界というものは、暗くも明るくもなく、寒くも暑くもない……不思議な感覚です。前も後ろもわかりませんが、とりあえず今自分が向いている方向に進んでみましょう。

 

 ……ん? 前方に誰かいますね。あれですかね、閻魔大王ってやつ。私に地獄行きを告げに来たのでしょうか?

 

「誰が閻魔大王よ」

「その声……! その魂の輪郭……! ○○様!」

「久しぶりねギンガ」

「○○様……ずっと会いたかったです……」

「そうねギンガ、私もあなたに会いたかったわ」

「まさかあなたがお迎えに来てくれるとは……」

「違うわよ、追い返しに来たの」

「……え?」

「あなたはまだ死んでいない」

 

 

 

 

 

 

 

「なんてツラしてんのよ……あんたは勝ったのよ? 勝者は勝者らしくもっと喜べばいいじゃない」

「あなた……消えるの……?」

「力も何もかも完全に使い果たしたからね。あーあ、完全敗北よくそったれ」

「……あなたのことも救えたら……」

「それは傲慢ってもんよ、私は救われるつもりなんてないし。それにこんなクソみたいな世界じゃ生きてる方が幸せってわけでもないけどね」

「そんなことはない……このゲイムギョウ界に生きるみんなが幸せになれるように、私たちはこれからも力を尽くすわ」

「そ……ま、せいぜい頑張んなさいよ……じゃあね」

「さようなら……タリの女神、キセイジョウ・レイ」

「はぁ……それ好きじゃないって言ったのに……」

 

 そう言ってタリの女神は消えていった。あなたのことは許せないけど、あなたのことは忘れない。

 

「あいちゃん……あいちゃん?」

 

 話しかけても返事がないから振り向いて様子を見たら、疲れて寝てしまっていたわ。

 

「すぅ……すぅ……」

「もう、こんなところで寝ていたら風邪ひくわよ」

 

 どうやらあいちゃんだけじゃなくて、起きたはずのノワールたちもさっきの『共鳴』の光を生み出したからか、疲れて寝てしまっているわね。

 

 さて、これからどうしようかしら。まずはプラネテューヌの復興よね。こんなにめちゃくちゃになってしまったけれど、いーすんとギンガがいればすぐに復興できるわよね。

 

 ……ぁ…………ギンガはもう……

 

「ネプテューヌさーーーーん‼︎」

 

 ……! いーすんが凄い勢いで飛んで来たわ。ギンガが死んでしまったことを伝えなくちゃね…

 

「いーすん。聞いてほしいの」

「分かっています、ギンガさんはあれをやったんですよね」

「分かっているのね……だからギンガはもう」

「ネプテューヌさん、少し待ってくださいね。はぁっ!」

 

 その掛け声と共にいーすんが魔法陣を展開し、その魔法陣から出てきたのは……ギンガの身体?

 

「いーすん⁉︎ これは?」

「ギンガさんの新しい人工生命体の身体です。いつかこんな日が来ると思って作っておいたんです。これを作るのに数千年かかりましたが」

「そうなの……」

 

 正直今すぐにこの身体を思い切り抱きしめたいけれど、そんな場合じゃないわよね。つんつんとその身体をつつきながらいーすんに聞く。

 

「でも起きないわよ? 呼吸もしていないし」

「ただの身体だけなので当たり前です。今から起動して活動を開始させるので」

「じゃあ……やっぱり私たちのギンガはもう死んだってことじゃ……」

「いいえ、この身体に今から私がギンガさんとリンクした時に手に入れた記憶などの詳細なデータを入力し、さらにネプテューヌさんが今持っている共鳴で生じた膨大なシェアエネルギーを使い、ギンガさんを復元します!」

「そんなこと……できるの?」

「普通は不可能です。人間を人工生命体にする場合、これらに加えて本来人が生まれて来た時にその魂に宿るシェアエネルギーが必要で、それを人為的に作り出すことはできません」

「魂に宿るシェアエネルギー……でもギンガの持つシェアエネルギーは0……ってことは!」

「はい、その条件はギンガさんには関係ないのです」

「つまり……理論上は可能ってことね」

「成功する確率は低いですが……」

「0じゃないなら可能ってことよ。私は女神なのよ? 奇跡ぐらい起こしてみせるわ」

「そうですね、では開始します!」

 

 いーすんが展開した魔法陣に、私がシェアエネルギーを注入していく。

 

 ギンガ……あなたのことを絶対に取り戻してみせるんだから!

 

 

 

 

 

 

 

「死んでいないって言われましても……身体も消滅しましたし……」

「いいえ、あなたはまだ引き返せる」

「あ、そうなんですか? じゃあ帰ります」

「……随分とすんなり帰るのね」

「はい。もう死んでもいいと思っていたのですが、やはりどうしても会いたい方々がいますので、引き返せるんだったら帰ります」

「そう……あなたを帰らせるために説得とか必要だと思ってたんだけど……拍子抜けだわ」

「あなたとずっとここにいるのもいいと思ったんですけど……歓迎されてないようですし、私が本当に死んだらまた会いましょう」

「ええ、またねギンガ」

 

 そう言ってその場から引き返します。数千年ぶりの再会にしてはやけにあっさりなものとなってしまいました。もっと話したいことが色々あったのですが、それは私が完全に死んだ時にしましょう。

 

 とはいえ、引き返すって言いましても、どこに行けばいいのでしょう? それに、肉体が消滅したのに死んでいないっていうのは謎ですね。しかし、死んでいないのならばもう少し足掻いてみるとしましょうか。

 

 

 

「ギンガ……行っちゃったね」

「△△、あなたもギンガになんか言ってあげればよかったのに」

「お姉ちゃんとギンガの間には入っていけないかな……お姉ちゃん、振られちゃったね」

「あーあ、私が死ぬ前に振らずに『一生私だけを想っていろ』なんてこと言えばよかったかしら?」

「……本当はギンガに来て欲しかったんでしょ?」

「そうね、何回も喉まで出かけたわ『こっちでずっと一緒にいよう』って。今のプラネテューヌの女神が羨ましいわ。私よりギンガを夢中にするなんて、その子に会ってみたいわね」

 

 

 

 

 

 

 

 少し歩いていたら真っ暗な空間になりました。さっきは明るくも暗くもなかったというのに。さてどうしましょう。どこに進めば戻れるのでしょうかね?

 

 

\ ……! ……ガ! /

 

 

 何か聞こえます……これは……

 

 

\ お願い……戻ってきてギンガ! いや、戻ってきなさい! 女神命令よ! /

 

 

 ……声が聞こえます……パープルハート様の声が……

 

 昔、いーすんに『使命を果たせればいつでも死んでもいい』みたいなこと言ったんですけどね……やっぱりまだ死にたくないです。

 

 これからもずっと、ネプテューヌ様とネプギア様とイストワールと……それだけではありません、ノワール様、ブラン様、ベール様、ユニ様、ロム様、ラム様、あいちゃん、コンパさん……かけがえのない皆様と一緒に生きていたいです。

 

 だから……今戻ります……! パープルハート様! ネプテューヌ様!

 

 

「……ぅん……ぉ、おはようございます……パープルハート様、イストワール」

 

 目を覚まして、最初に目に入ったものは、私の手を握るパープルハート様と頭から煙が出ているイストワールでした。

 

 目覚めた瞬間は、なぜ消滅したはずの自分の身体が存在するのかわかりませんでしたが、半人半人工生命体だった自分の身体が完全な人工生命体となったという感覚と、頭から煙を出していたイストワールを見て、全てを把握しました。

 

「ありがとう……イストワール」

「おかえりなさいギンガさん…ぷしゅー……」

 

 まずは起き上がって、オーバーヒートして倒れ込んだイストワールを地面に寝かせるわけにもいかないのでとりあえず頭の上に乗せます。

 

「パープルハート様もありがとうございます」

「ギンガ……ギンガぁ!」

 

 パープルハート様に思い切り抱きしめられました。女神様の全力の抱擁の威力で、私の新しい身体のどこかの骨が砕けたような音がしましたが、そんなことはどうでもいいのです。パープルハート様を抱きしめ返します。

 

「パープルハート様……ごめんなさい。少し寂しい思いをさせてしまったようで……」

「少しどころじゃないわよ……! 女神にこんな思いさせて……許さないわよ……もう……!」

「許してくださいとは言いません」

「絶対に許さないわ。だからこれからはずっと一緒にいてちょうだい。私もあなたとずっと一緒ににいるから……いつか私が女神じゃなくなってもずっと一緒に……」

「パープルハート様、申し訳ありませんが最後の方を聞き取れなかったのですが、なんと………? 差し支えなければもう一度言っていただけると……」

「な、なんでもないわ! 忘れてちょうだい!」

 

(ぅぅん……どうしてそこで引いてしまうんですかネプテューヌさん……もう少し押せばギンガさんを落とせたかもしれないのに……)

 

 

 

 

 

 

 

 それから数ヶ月後、無事シェアも回復して、こうして今日新プラネタワーの完成式典を開けることとなりました。私とイストワールで守ったプラネタワーは、結局その後の戦いで消し飛んでしまったようなので。

 

 変身して式典用のドレスを身に纏った女神様たちが集まっています。前回の友好条約の式典とは違い、今度は女神候補生の皆様も変身してからドレスを着ています。ドレス姿の八人の女神様の並んだ光景……ここが理想郷ですか。嗚呼……女神様尊すぎます、生き返ってよかった……!

 

「あれからみんなのシェアも順調?」

「もちろんですわ」

「タリに奪われてただけで国民の心が離れてたわけじゃなかったんだもの」

「こっちも問題ない」

「よかった、じゃ式典をはじめましょう」

 

「お姉ちゃん」

「言わなきゃ……ダメ」

「……おいネプテューヌ…なんつーかあの時」

「私を攻撃してきたこと?」

「ごめんな……友好条約の裏をかかれた気がして頭に血が上っちまった」

「あなたと久しぶりに全力をぶつけあえて、正直ちょっと楽しかったわ。それでちょっと思いついたんだけど……

「……何だよ?」

「あとで言うわね」

「そうか。……もう一つ聞きたいことがあるんだけどよ」

「何?」

「あそこで車椅子に縛り付けられているお前んとこの女神補佐官は何なんだ?」

 

 ホワイトハート様がようやく突っ込んでくれました。そうです、私は今車椅子にガッチガチに縛り付けられています。まるで千年血戦篇の愛染です。他の女神様やあいちゃんやコンパさん、果てにはイストワールまで気まずそうに私から目を逸らしていましたからね……!

 

「あれ? 式典に来なかった前科があるからね。その戒めよ」

「せめて口ぐらいは自由にしてやれよ……」

「つい塞いじゃったけど……それもそうね」

 

 さて、ようやくこれで喋ることができそうです。

 

「ぷはぁ! パープルハート様! こんなもの無くても今回は欠席しませんよ!」

「どうかしらね? ギンガは私の前からすぐにいなくなってしまうから……あの時みたいに……」

「このタイミングでそれ言うのやめてください!」

「まぁ師匠、車椅子は私が押しますから……」

「ありがとうございますあいちゃん。けど、この鎖を解いてくれるともっとありがたいのですが……」

「ネプ子が怖いから無理です」

「そんな……」

「それにしても……力を入れられなくて身動き一つ取れないけれど身体の負担にはなりづらい絶妙な縛り方をしてるわね」

「感心してないで助けてくださいブラックハート様……」

「めんどくさいから嫌よ。それに、やりすぎだとは思うけどネプテューヌの気持ちは少しわかるし。ていうかネプテューヌよくこんな縛り方できるわね。あなたそんなに器用だったかしら?」

「コンパに教えてもらったのよ」

「何してるんですかコンパさん!」

「包帯を巻く要領と似ているのでねぷねぷに教えちゃったです。てへっ、です」

 

 ……可愛いから許します。今はこの運命を甘んじて受け入れましょう。動けないのはつらいですが、パープルハート様に縛られてる感じがしてそれはそれでたまらないんですよねげへへへへ。

 

 

 

 

 

 

 

 そんなこんなで式典が始まりました。

 

「皆さんの信じる心のおかげでこうして新しいプラネタワーが完成しました。プラネテューヌの街を日々復興しつつあります。この国の女神として皆さんに感謝します。本当にありがとう」

 

 パープルハート様はやはり美しいですねぇ〜。

 

「そしてもう一つこの場を借りて皆さんに宣言したいことがあります。それは……少し待って」

 

 そう言ってパープルハート様が変身を解除します。

 

「やっぱりこの姿じゃないとね! えっと、プラネテューヌ女神ネプテューヌは! 本日をもって友好条約を破棄します!」

 

 その宣言に周囲はざわつきますが、私はネプテューヌ様から事前に………

 

『そろそろみんな来るわね』

『パープルハート様……もう変身したのですか?』

『あなたにいち早くドレス姿を見せたくて』

『とても似合っていますが、私は何回も見ていますよ』

『それでもあなたに一番に見せたいのよ』

『そうですか、ありがとうございます』

『あのねギンガ。私、今日で友好条約を破棄しようと思ってるの』

『そうですか』

『……あまり驚いていないわね』

『パープルハート様のことなら何だってわかりますよ。だから、どんな意図で破棄するかなんてもう分かっています』

『何だって、ねぇ……私の一番わかってほしいことはわかってくれないのに』

『一番わかってほしいこと……ですか?』

『いいのよ、いつかちゃんと言うから。待っていて』

『かしこまりました』

『あと、ここに座ってちょうだい』

『車椅子……ですか? 私今どこも悪くないですよ?』

『いいから』

『は、はい……座り……ましたよ?』

『さてと、これをこうして……こうね』

『あの、パープルハート様……? 何ですかこの拘束具……? 鎖……?』

 

『ズーネ地区で私たちが捕まっていた時のと同じぐらい丈夫なものよ。よし、こんなとこかしらね』

 

『あの! すみません! これはどういうことなのでしょうか⁉︎』

 

『うるさいから口も塞いでおこうかしら』

 

『え⁉︎ ちょ、もごっ! ……んー! んー! んんー!』

 

 ……という感じで聞いていました。それにしても……一番わかって欲しいことって何なのでしょう? まぁ、いずれ教えてくれるらしいので今は気にしなくても良さそうですね。

 

「そんなのもう必要ないでしょ? わたしたちとっくにほんとの仲間なんだから! ね、ノワール! ベール! ブラン!」

 

 そうです、友好条約締結から様々な事を経て、本当の仲間になれたのですからね。

 

「……それもそうね」

「これからは正々堂々と競い合うということですかしら?」

「たまには気の利いたこと言うじゃねえか」

 

 ふふふ、そういうわけで、これからは思う存分私も他の国の女神様にも仕えられ……

 

(ダメだよ! ギンガは私のギンガなんだから! わたしとネプギア以外の女神にデレデレしちゃダメ!)

 

 ……これは、脳内に直接語りかけるという私が序盤数回使っただけで死に設定になりかけてたやつ……! まさかネプテューヌ様も習得するとは……ー

 

(表情で変なこと考えてたのバレバレなんだからね後でお説教だよー!)

 

 ネプテューヌ様のお説教……心が踊ります……!

 

(何言っても無駄かなこれ……)

 

「じゃあこれからエキシビションマッチでもどう?」

「いっちょやるか!」

「胸が高まりますわ!」

 

 そう言ってブラックハート様たちがいきなりドレスからプロセッサユニットに着替えます。それに……エキシビションマッチ……ですか?あの、今式典中なのですけど……?

 

 ブラックハート様が飛んでいってしまい、それに続いてグリーンハート様とホワイトハート様も飛んでいってしまいました……

 

「うわぁ! 待ってよー! 主人公は私だよー!」

 

 ちょ、パープルハート様⁉︎ あなたまでいなくなってしまったら式典はどうなるのですか!

 

「ユニちゃん! ロムちゃん! ラムちゃん!」

「私だって!」

「私たちがサイキョーなんだから!」

「うん、サイキョー……!」

 

 女神候補生の皆様も飛び去っていってしまいました……あーもう何もかもめちゃくちゃですよもう。イストワールも私の横で嘆いています。

 

「はぁ、また騒がしい日々が始まりそうですね」

「……とりあえずは、戦いながら飛んでいってしまった女神様に代わって式典を終わらせることからですね」

「皆さんったら……こんなにいい式典だったのに…最後の最後でめちゃくちゃにしてしまって……」

「本当ですよね……まぁでも、めちゃくちゃで良いんですよ。それでこそ女神様……それでこそゲイムギョウ界です」

「ふふ、そうですね」

 

 そう、めちゃくちゃでいいんです。未来がどうなるかなんて誰にもわかりません。

 

 ここで私たちの物語はおしまい。時には間違えながらも未来へと進んで行く、それが人生という名の冒険です。

 

 今はただ、女神様と、仲間たちと、そしてこのゲイムギョウ界に感謝を。

 

 

 

 

 

『紫の星を紡ぐ銀糸 第2部 爛然のビヴロスト編 -THE ABSOLUTE AMBITION-』 -完-

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ようやく始まる…オレの復讐が」

 

「待っていろ……ゲイムギョウ界」

 

「そして待っていてくれ……あの時……世界でただ一人オレの憎しみを肯定してくれたキミを……迎えに行くよ……ギンガ」

 

 

 

 




とりあえず…とりあえず完結です。

最後なんか出てきましたけど、まだその先を何も考えてないし、原作が変わるので、投稿する時は新作品として投稿するつもりです。

その前に1週間ぐらい前に投稿した別のやつを進めるのでそっち終わってからですね。

楽しかったです。ここまで読んでくれた方へ、ありがとうございました。

気が向いたら活動報告辺りでこの作品についてなんか書き残そうかなと思います。



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