実際に自分もやってみると、小説を書いている方々のスキルの高さを思い知ります……
というわけで初投稿です
ゲイムギョウ界において、女神様への非礼は死をもって償うほどの重罪。そしてその重罪の中でも最も重いもの、それは『女神様の変身の妨害』だと私は考えています。なぜ今このタイミングでそのようなことを言うかといいますと、目の前でそれが起こっていたからですね。
状況を説明しますと、一人でトゥルーネ洞窟に向かわれたノワール様、いえ、変身したからブラックハート様ですね。……いやでも変身をもう解いているのでノワール様か。まぁ、とりあえず……ノワール様がエンシェントドラゴンに苦戦をしていたところにネプテューヌ様が駆けつけたのです。私もネプテューヌ様と共に洞窟まで来たのですが、ノワール様にかっこいいところを見せたいからと、私は物陰に待機しているように言われました。それにしてもおかしいですね、相手がエンシェントドラゴンとはいえノワール様が変身を解除させられるほど追い詰められることになるはずはないのですが……目の前でそうなっている以上は考えても仕方がないですね。
そしてネプテューヌ様がついに変身する……! というところで横から現れた『2体目』のエンシェントドラゴンがネプテューヌ様に攻撃し、変身を妨害したところから話は始まります。
「ちょっと! 変身中の攻撃は御法度だよ!気を取り直して、刮も……うわっ! 思いっきり変身邪魔して来るんだけど⁉︎ ていうか原作だとここ1体じゃなかったっけ⁉︎ 私ハードモード選んだ覚えないよ!?」
「ネプテューヌ! こんな時にメタなこと言ってふざけてる場合じゃ…」
「うーん、こんなはずじゃなかったんだけどなぁ……」
変身の妨害を一度ならぬ二度までも…っ!この愚行を許すわけにはいきません…‼︎ ……ネプテューヌ様、お許しを。
「塵屑が‼︎‼︎ 女神様の変身の邪魔をするなど烏滸がましいにも程がある‼︎‼︎ 下がれ‼︎‼︎‼︎」
私はエンシェントドラゴンの尻尾を掴み、それをもう一体のエンシェントドラゴンに投げつけました。もう何撃か加えてやりたかったのですが、これ以上出しゃばるわけにもいきませんので。
(え? ちょっと何今の? 怖……)
「ギ……ギンガ……?」
「申し訳ありませんネプテューヌ様。下がっていろと言われたのに出過ぎた真似をしたどころか見苦しいところをお見せしました…今のうちに変身を」
「う、うん、わかった! よーし、刮目せよ!」
ついにネプテューヌ様の変身です。瞬きや呼吸も忘れて見入ってしまいます。嗚呼美しい……何度見ても美しい……涙すら出てきます……パープルハート様尊い……好き……
「女神の力、見せてあげるわ!」
ちなみにパープルハート様に後ろから小型のモンスターが飛びかかろうとしていたのですが、それは引き千切ってその辺に捨てておきました。なるほど、ノワール様はおそらくこれの不意打ちのせいで追い込まれたというわけですか。
「どうかした? ギンガ」
「いえ、なにも」
「そう、私が変身した時には平伏すんじゃなくて隣に立つ。その約束をちゃんと守ってくれて嬉しいわ」
「私としては平伏したいのですが」
「ダメよ、私が隣に立っていて欲しいの」
「身に余る光栄です」
「一体、任せてもいいかしら?」
「私がやってもよろしいので? ノワール様にいいところを見せたかったのでは?」
「……それはもう失敗してしまったし、久しぶりにあなたの剣技が見たいのよ。さっきは途中から銃を使っていたから」
「わかりました、お任せを」
パープルハート様の活躍の場を私如きが奪うなど心が痛みますが、任されたからには参ります。
……おいそこの塵屑、お前がさっきパープルハート様の変身の邪魔をしたのを俺はまだ許してないからな、覚悟しろよ。
「『クロスコンビネーション』!」
(ふぅ、こんなものね。ギンガの剣技を見逃したくないし、こっちは速攻でカタをつけてやったわ)
……先程の怒りとパープルハート様の尊さで情緒不安定になり少し素が出てしまいました。私もまだまだ未熟ですね。どれだけ感情が掻き乱されていても戦いでは冷静に、ですね。パープルハート様はもうエンシェントドラゴンを仕留めたご様子。余りにも早すぎて決着の瞬間を見逃してしまったのが悔やまれます。さて、パープルハート様とノワール様の前で無様な戦いは見せられませんし、それに何度も言いますが先程の怒りもあるので、私も必殺技を使わせていただきましょう。
「……『ギャラクティカエッジ』!」
エンシェントドラゴンに必殺技を叩き込み、胴体を切り裂き、消滅させました。女神様の変身を妨害した罪を地獄で償うといいでしょう。
『ギャラクティカエッジ』というのは、歴代のプラネテューヌの女神様の使う技の中で私が一番好きな『クリティカルエッジ』をお借りし、自分に合う形に仕上げた技です。何百年、何千年と使い続けている技ですので、予備動作無しで技を出すことができます。
(……出たわね『ギャラクティカエッジ』。変身した私やネプテューヌの技より威力は劣るものの、私たち女神を差し置いてゲイムギョウ界で最も美しい技と言われるほどの剣技……)
「流石ねギンガ、何度見てもその技は私にも真似できそうにないわ……」
「お褒めいただき光栄ですが、パープルハート様が私の真似事などする必要はありませんよ。それにパープルハート様の技より威力も劣っていますし」
「……そういうことじゃないのよ」
「?」
「なんでもないわ」
(ふーん、ギンガと同じ技が使いたいなんてネプテューヌにも可愛いところあるじゃない)
パープルハート様は何故か私の『ギャラクティカエッジ』を習得したがるのですけれど、パープルハート様が先程やった『クロスコンビネーション』の方が威力が高いので必要ないと思いますが。それに、私の技など剣技の基礎ができている者ならば誰にでも使えるようになるものです。ということはおそらく、基礎を疎かにしないというパープルハート様の意識の表れなのでしょう。女神様であっても傲ることはない、素晴らしき心がけです。
さて、これで洞窟の中のモンスターも殲滅が完了したのでネプギア様のところまで戻るとしましょう。
「助けてもらわなくても一人でできたわよ!」
「でしょうね、でも、助け合うのが仲間だわ」
「別に仲間だなんて……」
「どうして今日はこの辺りを選んだの?」
「それは早く帰って欲しくて……」
「私が活躍すれば、噂はプラネテューヌに国境越しに伝わる」
「……」
「そうなれば、私はシェアを回復できる。ありがとう、ノワール」
パープルハート様が変身を解除します。名残惜しいですが戦闘が終わったのでこれ以上変身している必要もないですしね。名残惜しいですが。いや、いつものネプテューヌ様よりパープルハート様が良いなんて一言も言ってないですよ? ですが、ネプテューヌ様は他の女神様と比べてあまり変身を乱用しないタイプですので、たまにしかパープルハート様のお姿を見ることができないんですよ。わかってください。
「でもー! やられそうになってた女神のこともバッチリ報告しなきゃね!」
「それは黙ってて! ていうかやられそうになってたのはあなたもじゃない!」
「てへっ」
「『てへっ』じゃないわよ!」
「まぁまぁここはお互い黙っておくということでー! ギンガも言っちゃダメだからね!」
「はい」
「あ、ノワール」
「何よ」
「先に戻っててー、私はギンガと少し話してから戻るから」
「はぁ、わかったけど……モンスターがまだいるかもしれないから気をつけなさいよ」
「わかってるってー」
ネプテューヌ様が私にお話⁉︎ 私か不愉快な思いをさせてしまったのでしょうか? 心当たりがありすぎてわかりません……
「ねえギンガ」
「はい」
「ギンガはさ、私のことを信じていない国民は嫌いなのかもしれないけど、私は私のことを信じてない国民のことも好きだからさ」
「……」
「ギンガにも好きになれー! なんて言わないけど、粛清とか虐殺とか言わないでもうちょっと優しくなってほしいかなーって」
「……プラネテューヌの国民の意識を改革すべきだという私の意思は変わりません、ですがネプテューヌ様の命令ならばそうなりましょう。もう少し見守ってみることにします」
「そっかー、うん、まぁいいや。ギンガは私の嫌がることはしないってわかってるし。たまに無意識でやることはあるけど」
「私が……ネプテューヌ様の……嫌がることを……? 今すぐ直しますのでどのようなことかお聞かせください!」
「まぁ直さなくてもいいよ! そこ含めてギンガだからさー!」
(私の大好きな、ね)
「そんな……無意識にネプテューヌ様の嫌がることをしていたなど……私の存在意義が……俺は……僕は……私は……!」
(そういうとこなんだよなー)
そうして私とネプテューヌ様は洞窟から出てネプギア様たちの元に戻ったのですが、洞窟内での戦闘の様子が少し間違った伝わり方をしていたようで。
\ブラックハート様とパープルハート様がハイパー合体魔法でモンスターを倒してくださったわ!/
\バンザーイ! バンザーイ!/
「……なんか話作られてね?」
「いいじゃないですかハイパー合体魔法。ロム様とラム様の連携魔法『ろむちゃんらむちゃん』のように『ねぷちゃんのわちゃん』と名付けるのはどうでしょう?」
「うーん、悪くないけどどうせならもうちょっとかっこいい名前がいいかなー」
*
こうしてラステイションでの件を終え、プラネテューヌ教会に戻ってきた私たちをイストワールが出迎えてくれました。イストワールはプラネテューヌのシェアが回復したからかとても機嫌が良さそうでした。
「流石ノワールさん!」
「ねぷぅ⁉︎ そこは流石私でしょ?」
「ネプテューヌさんの功績かどうかは私まだ疑ってます」
「いーすん何気にひどーい!」
「実際どうなんですかギンガさん?」
「いや、ネプテューヌ様は獅子奮迅の活躍をされていましたよ、迫り来るモンスターたちを千切っては投げ……千切っては投げ……」
「うーん、ギンガさんはネプテューヌさんにとても甘いからあまり信憑性ないですね」
逆にイストワールはネプテューヌ様に対して厳しすぎやしませんかね?まぁ……それがイストワールなりのネプテューヌ様への愛情なのでしょう。
「……なんで国民宛のメルマガの中身がギンガさんの写真ばっかりなんだろう?」
「でもそれで女性ユーザーからの支持がすごく増えてるらしいわよ」
「どの写真もカッコいいです」
「師匠は戦い方が綺麗だから映えるのよね、コメントを見てみるわ。えーと、『この教会員さんカッコいい』『ギンガさんステキ!』『ギンガ様に粛清されたい』」
「ギンガさん大人気です」
「もしかして今回のシェアの回復ってお姉ちゃんと私じゃなくて…」
「……あり得るわね」 「……あり得るですね」
「みんなどうしたのー? あれー? なんで国民宛のメルマガの中身がギンガの写真ばっかなのー?」
「そのくだりたった今やったわよネプ子」
「あ! もしかして私宛のメアドと間違えて送っちゃったんだ!」
「……ふーん、師匠の写真をそんなにたくさん、ねぇ……?」
「あ、あいちゃん! 何ニヤニヤしてるのさ! もう! からかわないでよぅ!」
「いつもの仕返しよ」
「あいちゃんめー! このー!」
イストワールのところからネプテューヌ様たちがいる部屋に戻るとあいちゃんがネプテューヌ様に追いかけられていました。いつもは逆なんですが珍しいこともあるものです。ん?あいちゃんのコートのポケットから何かビラが落ちました。拾ってあげましょう。
「あいちゃん、何か落ちましたよ……『女神いらない』……?」
「すみません師しょ……はっ、しまったぁぁあ!」
(まずいわまずいわまずいわ! そういえばポケットにしまい込んだままであの紙を処分するのを忘れてたわ! どどどどうしよう…あんなものを見てしまった師匠がなにをしでかすか……血の大粛清? 冥界送り? ……ごめんなさいネプ子、ネプギア 、コンパ、イストワール様! 私のせいでプラネテューヌが…… !)
「……ネプテューヌ様の良さがわからないとは、哀れでなりませんね…そう思いませんか?あいちゃん」
「そ、そそ、そ、そうですね!」
(あれ?あまり怒ってないわ…)
「まぁ、こういった方々もいずれ思い知ることになるでしょう、ネプテューヌ様の偉大さを」
「あいちゃん捕まーえた!」
「なっ! 師匠と話してる時に捕まえるのは反則よ!」
「反則なんてないんだなーこれが!」
「ちょっと! どこ触ってんのよ!」
「ふへへへ、いいお尻してるね〜あいちゃ〜ん」
「やめなさい!」
正直、内心ブチギレてますけれど、もう少し寛容さを持つというネプテューヌ様との約束がありますのでね。流石にこのビラを配ってる現場に遭遇したら殺……注意しますけど。
そういえば、先程はとりあえず納得したのですが、ノワール様が追い詰められていた理由は本当にただモンスターに苦戦したからだったのでしょうか?
何か嫌な予感がします……このゲイムギョウ界に悪意が渦巻いている……そんな嫌な予感が。……私の思い過ごしならいいのですが。
そんなことを考えていたら急にネプテューヌ様に腕を掴まれてゲームの前まで引っ張られてしまいました。
「ギンガ! お仕事頑張ったしー! 一緒に今日の夜から明日の夜までーゲームしようよー!」
「確かに今日はよくお仕事をしてくださったのでそれぐらいは遊んでもよろしいですが、夜はちゃんと寝たほうがいいですよ」
「いやいや、睡眠時間を削ってやるゲームは最高に楽しいんだよー!」
「それは寝不足で頭が変になってしまっているだけでは……?」
「女神命令だから拒否権はないよー!」
「マジですか……」
そうですね、たとえ私の悪い予感が当たったとしても、何が起ころうが私はネプテューヌ様とネプギア様のために戦います。この命を賭してでも、あなた達の笑顔を守るために。そして、あなた達の思いを……未来へと紡ぐために。それが私の生きている意味です。
とりあえず本編1話の分は終わりました。
ギンガの使った『ギャラクティカエッジ』って技の理屈はアレです、初代ウルトラマンの『スペシウム光線』みたいな感じです。
『スペシウム光線』は光の国のウルトラマンなら誰でもできる基本技ですが、初代ウルトラマンはそれを必殺技の威力まで練り上げている、それのパク…リスペクトです。