絶対守護 ヒーロー嫌いのヒーローアカデミア   作:ひよっこ召喚士

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緑谷視点です。主人公の山稜と心操と原作主人公の緑谷以外の視点はあまり書かないと思う。この後に入れる予定になってる先生方の会議などでオールマイトを使おうかなぐらい。

ちなみに、緑谷もかなり強化する予定です。
とりあえずは本編を見てくれ。


12 USJ襲撃⑤

緑谷視点

 

 

 

 

 山稜さんの個性のおかげで、バラバラになった全員が集まれたのは良かったけど、そのまま相澤先生の指示の下で本物のヴィランとの戦闘が始まった。的確な状況判断の下で出される指示は動きやすく、先生の個性によってヴィランの方は自由に個性は使えない。順調にヴィランの数が減って行ったその時だった。

 

 

「このままで終われるか、黒霧あいつらの後ろ側にアレを出せ」

 

 

 様々な個性の応酬で騒々しいこの戦いの場で嫌によく聞き取れる声だった。敵のブラフであって、僕たちの意識を逸らせるためじゃないかとも思ったが、すぐに違うと思い知らされた。

 

「『個性を消せる個性』素敵だけどなんてことは無いね、圧倒的な力の前ではただの『無個性』だもの」

 

 嘘だと目の前の現実を否定しようにも、気付いたときには既に相澤先生は倒れていた。先生が、プロヒーローがやられたという事で、僕たちは動きを止めてしまった。しかし、ヴィラン達も新戦力の投入とその結果に目を見張っており、動きを止めていたのでやられる事は無かった。

 

(どうする。微かに聞こえたのは対オールマイト用という言葉から察するに、あれはオールマイトと殴り合う事を考えられている?そんな攻撃がこちらに向いたらどうすれば良いんだ。そもそも、速度が違いすぎる。かっちゃんや轟君が外から削る?いや、捕まってくれるとは思えないし、あの巨体だ。どれだけダメージが通るか分かってない状態でそれをやるべきじゃない。でも、救援がいつ来るかも分からない状態で、僕は……僕は)

 

 

「応援が来るまで持たせる。心操、轟はこっちを手伝ってくれ。他のみんなは残ったヴィランとの戦闘を、いちいち指示を仰ぐ必要は無いけど、お互いの邪魔にならない様に立ち位置に気を付けて、既に応援は呼んである。それまで持たせること、生き残る事を考えて」

 

 

 不安に包まれた戦場に全員に届けられた声はでいつもと変わらない調子で、それでいて的確な指示だった。なんでこんなに自信を持って行動が出来るのか、何故冷静でいられるのか、僕は不思議でたまらなかった。だけどそれ以上に安心出来た。

 

 

「このデカブツ、とっとと倒しちゃおうか」

 

 

 助けが来るまで持たせることを考えようと僕たちには伝えておきながら、怪物としか言いようのない敵に真正面から立ち向かう事を宣言する山稜さんの姿は間違いなく

 

『ヒーロー』だった。

 

 

「守らせてもらうよ。私の為にも」

 

 

 山稜さんの指示を聞き届けた僕らは少しずつ、戦闘を再開させていった。先ほどまで沈黙していたヴィラン達も、相澤先生がやられたのを見てか先ほどより勢いを増して向かってくる。相澤先生の指示がない事も不安だが、轟君と心操君が抜けてしまった事で一人当たりが対応するヴィランの数がグンと増えてしまった。山稜さんの言葉を思い返しながら、僕も戦闘の場に急ぐ。

 

「くっ、やはり数の差というのは大きいのか」

「飯田君、ごめん話して良い?」

「緑谷君か、なんだ?!」

 

 戦っている傍に入るのは、お互いに危険ではあるけど数が多い向こうの方が再び戦いに入るのに手間が掛かる。まだ、向こうの準備が完璧でない内にこちらも準備を整えるべきだと考えて、緊急時に指示を出す役割を任せられる飯田君の所へ来たのだ。

 

「山稜さんが言ってた立ち位置に気を付けてって指示、このままだとどうしても難しいから、チームを組んで協力しながら戦った方が良いと思うんだ」

「なるほど。敵が数で来るならこちらも連携を重視するべきか、だが組み合わせを考えている暇はないぞ」

「戦闘訓練に使ったチームを流用しようと思うんだけど、3人か抜けてるのと、かっちゃんが向こうで黒い霧のヴィランの相手をしてるから、その4人を除いた16人で4チーム作りたい」

 

 あのヴィラン自体に攻撃は通らないが、あの黒い霧をかっちゃんは爆発によって生じる爆風で吹き飛ばして対応している。やっぱり、かっちゃんは天才だと思う。すぐに敵の特性を見抜いて、的確に相手の邪魔をしているんだから。

 

 

 それはともかくオールマイトの授業で行われた戦闘訓練のチーム分けはこうだった。

 

Aチーム 山稜、葉隠

Bチーム 轟、障子

Cチーム 峰田、瀬呂

Dチーム 緑谷、切島

Eチーム 蛙水、常闇

Fチーム 八百万、尾白

Gチーム 耳郎、心操

Hチーム 爆豪、飯田

Iチーム 麗日、芦戸

Jチーム 上鳴、青山

 

 

 しかし、今は山稜さん、轟君、心操君が抜けてて、かっちゃんも除くと。

 

 

Aチーム 葉隠

Bチーム 障子

Cチーム 峰田、瀬呂

Dチーム 緑谷、切島

Eチーム 蛙水、常闇

Fチーム 八百万、尾白

Gチーム 耳郎

Hチーム 飯田

Iチーム 麗日、芦戸

Jチーム 上鳴、青山

 

 こうなる。初めは戦ったメンバー同士ならお互いの個性もより理解できるかと思ったけど、あの時の対戦表をそのまま流用すると。

 

 

麗日、芦戸、葉隠

障子、耳郎

峰田、瀬呂、八百万、尾白

蛙水、常闇、上鳴、青山

緑谷、切島、飯田

 

 4人揃っていない所同士を組み合わせてチームを作る必要があるが、元々チームとして出来上がっている所にも言えることなのだが、相性やバランスなどを考えている時間は無い。それに、バラバラに配置すると集まる際に混乱を生んでしまうので、とにかく順にチームを作っていく。

 

 

Aチーム 葉隠

Bチーム 障子

Cチーム 峰田、瀬呂

 

 

Dチーム 緑谷、切島

Eチーム 蛙水、常闇

 

 

Fチーム 八百万、尾白

Gチーム 耳郎

Hチーム 飯田

 

 

Iチーム 麗日、芦戸

Jチーム 上鳴、青山

 

 これならペアの抜けた所はしょうがないとして、一応分かりやすくチームを作ることが出来るんじゃないだろうか。

 

 

「此処に来るまでに考えておいたんだけど、どうかな?」

「ふむ、新しく考えてる余裕もない状況でそこまで考えてくれてるなら十分だろう。いまならそこまで混戦もしていないし、お互いの距離も離れていない。すぐに伝えよう」

 

 

「緑谷君の提案を受けヴィランの数に対抗するためにこちらも簡易チームを組む事にした。異論が無ければ、戦闘訓練の一番左からA、B、Cチーム、次がD、Eチーム、その次がF、G、Hチーム、反対側をI、Jチームで組んで対応に当たってくれ、それと爆豪君はそのままワープ個性のヴィランの対応を頼む」

 

 堂々とした声が広場に響いた。授業からそこまで時間が経っている訳では無いので全員が自分のチームを覚えているようで、お互い確認しながらチームを組んでいく。かっちゃんから「うるせぇ!!テメェに言われなくとも分かっとるわ!クソ眼鏡!!」と元気な返事が返ってきていた。

 

 とりあえず、僕も急いで自分の担当する場所に向かったのだが、個性を制御できていない僕ではなかなかヴィランの対応は難しく、既に指を何本か壊している。

 

(このままじゃ、足手まといになる。力を制御しないと)

 

 ようやく、腕を壊さないと駄目だった所を指にまで抑えられたところだというのに、これ以上の調整というのは今の僕には不可能に近い。

 

(あれ、よくよく考えるとおかしいぞ。腕全体を壊す力を指に押し込めたら、指が吹き飛んでてもおかしくない。それなのに、そうなってないって事は流す力を死なない様に、自分の知らない所で調整できてるんじゃないか?負担個所を抑えて、流す力を弱めて打っているのが今の状態なら、負担する場所を制限するのでなく体全体、腕だけじゃなくて全身にする。うん、これならいける!!)

 

 押さえつけるのではなくて、全身に力を満たすようにイメージして、後は動いてみればいい。

 

「うわぁ!?」

「けろっ!?」

「緑谷、大丈夫か?!」

[吹っ飛ばされたみたいに突っ込んだぜ!!]

「……負傷さえなければ、取り戻せるはずだ」

 

 力を調整する感覚がまだわかっていない事とイメージが足りていない影響だろう。思っていた以上に力が入り、体が結構、いやかなり痛む。しかし、骨もバキバキに折れてはいないし、筋肉もダメージはあるだろうがそれだけだ。それにしても力が全身を流れているのを感じ取れる。

 

(そうか、力をスイッチではなく水道みたいに流す物と考えて、流す量を調整していけば)

 

 多く流れている力を少しずつ細くするイメージで調整する。一度多すぎる力を経験したからか、思っていたよりも多い力も制御できるみたいだ。技名はどうしようかな。

 

「よし、『フルカウル』20%!!」

 

 初めは半分位の力が流れていた。それでも100%で使うよりは痛みも弱いので耐えることが出来たが、そのまま使い続ければ骨にひびが入り続けるのはまず間違いないだろう。そんな状態で体を動かしていたので、それと比べればこれ位なら制御できる気がした。先ほどは砲弾の様な勢いでヴィランを巻き込んで地面を転がってしまったが、今の僕なら。

 

「はっ、どれだけ威力があろうと制御できてなきゃ、過ぎた玩具だな。ガキ」

 

更に向こうへ(プルスウルトラ)、スマッシュ!!」

 

「な、グハッ、グオォ、ガッ」

 

 完璧に制御できた訳では無いし、体中が悲鳴を上げているが、まだまだ戦える。このまま20%でやっても良いけど、慣れてない状態で無理をすればどうなるか分からない。半分の10%ぐらいにまで落として、戦いに復帰する。

 

「ごめん、いきなり吹っ飛んで」

「無事なら、それでいいぜ。オラァ!!」

「けろ、緑谷ちゃん。なんか光ってない?」

「ふっ、戦場にて新たな力に目覚めるか、流石は我が仲間」

 

 力の制御が出来る事で何とか戦闘でも役に立てるようになったが、やはり戦闘技術だけをみれば僕は強くない。ごり押しに近い状態だ。それでも、この状況下では大きな助けとなり、次々とヴィランを倒していった。

 

「ああ、なんで未熟なガキ一人も殺せねぇんだ。役立たずが」

 

 怒りだけでなく、こちらを確実に殺そうとする視線が突き刺さってくる。情報によると五本の指で触られた場所が崩壊する個性だったはずだ。近づかれたら不味い、そう考えた瞬間に山稜さんのプリズムが彼を覆った。

 

「チートワープ女の個性か、どんな個性による物だろうと俺の個性の前には無力なんだよ」

 

 邪魔をされたことにより、苛立ちを強めて展開された個性に対して触れる。だが、一向に崩壊する様子はない。『崩壊』の個性が山稜さんの『プリズム』には効果が無かったのだろうかと思ったが、どうやら違うらしい。

 

「あああああああ、何だよこれは。チマチマしたバリアを重ねやがったな。これじゃ五本で触れねぇ。ちくしょうがぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 どうやら遠くからは一つのバリアに見えるあれは小さいバリアの集合体のようだ。五本で触られれば崩れてしまうのなら、五本で触れない様にすればいい。単純だけど、正確な個性の操作が出来なければ不可能な凄い技だ。それを片手間にやってしまうのだから、山稜さんも凄すぎる。

 

 どんどん倒されるヴィランの集団と抑えられている首謀者に僕たちは余裕を持って叩けるようになっていた。しかし、後ろの方の様子がおかしい事に梅雨ちゃんが気づいた。

 

「山稜ちゃん!?」

「山稜がどうしたって、倒れてんのかあれ?!」

 

 山稜さんが倒れこんでおり、それを轟君が支えている光景が見えた。轟君が何やら氷を作り出して山稜さんの近くを冷やしているのも確認できた。その更に奥で心操君が必死に何かを叫び続けている。たぶん、あの中に脳無と呼ばれた敵が居るのだろう。そして、遂に……

 

「檻が消えたなぁ……ははははは、お友達が1人倒れこんでるようだが、死んだのかな?だが、それよりも脳無をそのまま、抑えられる訳にはいかねえなぁ!?」

 

 山稜さんが倒れている近くに向かわせる訳にもいかない。心操君と轟君が何かしている。それの邪魔を指せるわけにはいかない。全身が壊れても構わない、向こうに活かせるわけにはいかないんだ!!

 

 

「行かせない。フルカウル()()()、スマッシュ!!」

 

 全く制御できてない状態で50%の力をそれも、スマッシュを放つ。そんなことをすればどうなるかは分かっていたが、死柄木と呼ばれている男を吹き飛ばせたのを確認できたから、それでいい。

 

(たぶん、全身の骨が折れた。それに筋肉もズタズタかな?)

 

「やってくれたな。人の邪魔しか出来ねぇのか、手前らは!!」

「死柄木!!脳無を確保されました。寄せ集めとは言え味方も全滅に近いです。撤退しますよ」

「ああ、だが動けないこいつを殺してからだ!!」

 

「「「「緑谷ッ!!」」」

 

 最悪な事に攻撃を放った衝撃で僕とみんなの距離は離れていた。この距離だと助けは期待できないかな。ああ、駄目だ。僕も……意識が……

 

 

 

ドォン!!

 

 

「ガァ、ああ、手が、ちくしょう。容赦なく撃ちやがったな」

 

「よく頑張った、少年少女」

「遅くなってしまったが……後の事は我々に任せてもらおうか」

 

 先ほど響いた音は救援に駆け付けた先生たちの中にいたスナイプ先生が死柄木の手を撃ち抜いた音のようだ。プロヒーローの先生方が何人もが取り囲んでいる。校長先生曰く、動ける先生を片っ端から集めたらしい。流石にもう分が悪い……どころじゃなく、逆転の目がないと悟ったのか、死柄木と黒霧の2名は退却を図り……しかし、続けざまにスナイプ先生が銃弾で両手両足を撃ち抜いた。

 

「緑谷少年。友を守ろうと、自分の限界を振り切った君の姿は間違いなく

『ヒーロー』だった。後は我々に任せて休みなさい」

 

 憧れであり、師匠でもあるオールマイトの言葉、既に意識も朦朧としている中で聞こえたそれは夢の様に思えたが、確かに僕の心に刻まれ、嬉しさと安心感の中、僕の意識は完全に途絶えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後は先生方によってヴィランの確保が行われた。残念な事に負傷しながらも隙をついて首謀者の二人は逃げ出したそうだ。負傷した生徒と相澤先生はすぐにリカバリーガールに見てもらったようだが、意識が無く体力の切れていた山稜さんと僕はすぐさま病院に運ばれたそうだ。

 

 その後、不思議な夢を少し見た後で僕は目覚めた。そのことについてはお見舞いに来てくれたオールマイトにもう伝えた。体力が回復したらリカバリーガールの個性での治療が出来たので、どうにか学校再開までに復帰できた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 襲撃から1週間がたった今でも山稜さんは目が覚めていないそうだ。

 

 




緑谷の決意から強化までの一連の流れ。

山稜の姿に『ヒーロー』を見る。
自分もどうにかしなくてはと考える。
頼れる相手が居ない状況下で覚醒。
(主人公だし、デク君は厳しい環境に置かれる事で進化するタイプだと作者は思っている)
覚醒した考察により『フルカウル』習得。
%というか、威力のインフレは一応理由がある。

まず最初にマスコミの襲撃からUSJの授業までの間に、心操の個性を利用した訓練をしないかという話になり、時間がある面々は例外(爆豪)を除き、全員参加する。それに緑谷も参加しており、限界上に力を出す下地が出来ていた。それに加えて授業や訓練を通して多少ではあるが自力も上がっている。

次に話の中にも書いたが、イメージが出来ていない状態で無理に使ったので、まだ耐えれないレベルの威力を体験した。そのことにより、圧倒的に難しいレベルを知っているので、これくらいなら出来るかもという思い込みが発生。(ゲームとかで先に『とても難しい』をやると『難しい』が簡単に思えてくる現象ありませんか?)既に指や腕を軽く壊しており、痛みで感覚が麻痺し始めていたので、気合で使えてしまった。

使った後になんとなく制御していた力のイメージの仕方を覚え、更に制御を着々と覚えていく。それにより、これ位なら死にはしないだろうと言った自己犠牲よりの調整の仕方をマスターする。死なないなら、助けられるならこれで良いと、50%使用。無事死亡。という流れでございます。


みんな、どんどん強くなるね。
これって、敵も強くしたり、増やしていって、調整するのとみんなが強くなって原作を突き放して、どんどん勝利していくのとどっちが良いのかな。

強さのインフレ化を敵にも適用するか。
それとも若干無双気味にするか。
どちらが良いんでしょうか。
やってみたかったのでアンケート設定してみよう。
良かったら投票してください。


この後は前書きにも書きましたが、先生方の会議とヴィラン連合側の様子。それとクラスメイトの様子を順々に書いて行き。山稜と心操のはなしを挟んで、山稜復活。USJ完璧に終了。


その後で、みんなの訓練、修行を書いてから、思いつきそうなら小話を入れて、ようやく体育祭かな。

うーん、先が長い。
チマチマやっていくんで待っててくれ。
というより、投稿してないだけで他にもネタがあるのでそっちも書きたいので、USJの部分完全に終わったら、一度他の話書くのに時間使うかも。まあ、あくまで予定だけど、場合によっては更新遅くなるぐらいに考えてください。

読んでくれている方々に多大なる感謝を。

今後の展開はどっちが良い?

  • 敵も強くしてバランスを取る方が良い
  • 若干無双の方が良い

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