絶対守護 ヒーロー嫌いのヒーローアカデミア   作:ひよっこ召喚士

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少し執筆の方が遅れました。

コロナの所為で授業数が足りないとかで全授業数×2の課題が出やがりましてね。それとは別にスクーリングで土曜日も学校に行く羽目になりましてね。さらには就活もあるし、ああもうちくしょう(発狂)

と、一通り関係の無い愚痴を吐き出したところで、投稿です。
多少の変更はあるのですが、とりあえずは読んでください。
詳しくはいつも通り後書きに書きます。



14 挫けない心

緑谷視点

 

 

 久しぶりに目にする教室の大きな扉の前で僕は少し足が止まってしまっている。USJ襲撃により、一週間の休みを1-Aは与えられていた。予想だにしていない状況に陥った僕らは自分たちが思っている以上に肉体的にも精神的にも疲労が溜まっているはずだから、と言う雄英高校の配慮だ。

 

 僕は最後の攻撃で全身がボロボロになっていたのでそのまま入院だった。リカバリーガールに治してもらってはいたのだが、体力も残って無かったので治療も遅れて、ようやく昨日退院できたところなので、今日の登校にはギリギリ間に合ったと言える。

 

 クラスのみんなとは(一部を除き)連絡先を交換していたが休みの間に誰かと連絡を取る気にはなれなかった。たぶん、それは他のみんなも同じだったのだろう。普段はお喋りな人たちからも一切連絡が無かったくらいだ。入院中にはどうしても襲撃の事が思い浮かぶので、その際に使われていた個性について考える事で余計な事を考えない様にして暇を潰していた。

 

 この扉の向こうにはみんなが居ると思うと嬉しい気持ちもあるが、少し怖い気持ちがあった。あの事件をどう思ったのか、休みの間は如何していたのか、聞きたい事は色々とある。それに山稜さんがどうなったのか、知りたかった。勇気を出して扉を開こうと思って、手を伸ばす。

 

「さっきから何やってんだ。緑谷」

「うわぁぁ!?」

「うおぉ!!どうした?!」

「あ、いや、そのごめん。開けようとしたら開いたからびっくりして」

「ああ、なるほど。そりゃ悪かったな」

 

 とその前に扉が開いた。開けようとした瞬間に開いた扉と目の前にいた切島君に驚いて少し悲鳴を上げてしまい、その悲鳴を間近で聞いた切島君を驚かせてしまったようなので、すぐに謝った。そのやり取りが面白かったのかクラスの方を見ると笑ってる人が数人居た。

 

「おはよう、緑谷君。休みの間に身体は治ったみたいで良かった」

「おはよう、飯田君。すぐには治せなかったけど、一日休んでリカバリーガールに治してもらってを繰り返してどうにか昨日退院できたよ」

「うわぁ、ギリギリだね。まあ緑谷ボロボロだったししょうがないのかな?」

「という事は緑谷君、そこまで休めてないんじゃない?」

「まあ、耳郎さんの言う通り怪我が酷かった分だから、無理をした僕の自業自得かな。心配ありがとうね麗日さん」

 

 そのまま、何人かと会話をしながら自分の席まで向かう。既に僕と山稜さんを除いて全員が居たようで、かっちゃん以外の人とは一言ずつ話している。かっちゃんにもおはようとは言ったんだけど完全に無視をされている。というより物凄く機嫌が悪そう……え、あの、その、僕何かしたっけ??!!

 

「あ、あのかっちゃん」

「アアァッ!?」

「……何でも無いです」

 

 その後、何人かと話をしていると。襲撃の時の話になり、襲撃の話題になればどうしても山稜さんについての話題も出てくる。まだ、来ていない山稜さんについては物凄く気になるのだが、誰も聞けずにいる。その理由は一番事情を知ってそうな心操君の様子を見れば分かる。

 

 

「『臨兵闘者皆陣列前行、臨兵闘者皆陣烈在前、臨兵闘者皆陣裂在前、臨兵闘者皆陣裂在斬』

 

『仏説摩訶般若波羅蜜多心経観自在菩薩行深般若波羅蜜多時照見五蘊皆空度一切苦厄舎利子色不異空空不異色色即是空空即是色受想行識亦復如是舎利子是諸法空相不生不滅不垢不浄不増不減是故空中無色無受想行識無眼耳鼻舌身意、無色声香味触法無眼界乃至無意識界無無明亦無無明尽乃至無老死亦無老死尽無苦集滅道無智亦無得以無所得故菩提薩埵依般若波羅蜜多故心無罣礙無罣礙故無有恐怖遠離一切顛倒夢想究竟涅槃三世諸仏依般若波羅蜜多故得阿耨多羅三藐三菩提故知般若波羅蜜多是大神呪是大明呪是無上呪是無等等呪能除一切苦真実不虚故説般若波羅蜜多呪即説呪曰羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提薩婆訶般若心経 』」

 

 

「ケロ、朝からずっとあの調子よ」

「個性使ってまで精神統一って」

「むしろ、不安定なのではありませんか?」

「それだけ心配なんだろう」

 

 僕は入院していた際にリカバリーガールから少しだけ話を聞いていたので、命に別状がない事は知っている。それと心操君が毎日お見舞いに行ってる事も聞いた。しかし、山稜さんは事件から昨日までの間は意識が戻っていないという話だった。僕はおずおずとみんなに山稜さんについて伝える。

 

「ケロ、死んでいないのは不幸中の幸いと言っても良いのかしら」

「どちらにせよ。俺達じゃどうしようも無いしな」

「重傷で意識不明、重症の所為で体力は足りず回復は出来ない。悪循環か」

 

 先ほどまでは少しではあったが笑う声が響いていたが、それが嘘であったかのように静まり返った。伝えたことで安心した以上に不安を煽ってしまった事に罪悪感を覚えていると、教室の扉が開いた。そこから入ってきたのは重傷を負っていた筈の相澤で、顔中に包帯を巻いてはいたが普段と変わらない様子である。

 

 

「相澤先生復帰早えええええ?!」

「相澤先生、無事だったんですね!!」

「無事言うんかなぁ、アレ……」

 

「リカバリーガールの処置が大袈裟なだけだ、大した傷でもない」

 

 生徒達の驚愕の叫びに対して相澤は気怠そうに返しながら教卓につくと、闘いはまだ終わっていないと不穏な事を口走る。その内容に生徒達はどよめき、峰田君などは頭を抱えてまだヴィランが?!などと騒ぎだす中。相澤は包帯の隙間から見える目に鋭い眼光を宿し、生徒達へと告げた。

 

「雄英体育祭が迫っている!」 

 

『クソ学校っぽいの来たあああ!!!』

 

 反射的に叫び声を上げたものの、即座に我に返った一部の生徒が、襲撃間もないというのに大丈夫なのかと問いかけるも。相澤は若干不本意そうな様子を滲ませながらも、大人の事情により警備を5倍に増やした上で決行する事、そして生徒達にとっての最大のチャンスである事を述べる。

 

  形骸化したオリンピックに代わり、現在日本のオリンピックの代わりともなっているのが、この雄英高校で開かれる雄英体育祭。数多くのプロがスカウト目的で訪れるこの体育祭は、生徒にとっても卒業後の相棒先を見つけるという意味で非常に有意義。一年に一度、卒業までに計三回しかないビッグチャンスにかける皆の想いは並大抵のものではない。しかし……

 

「あの、山稜さんはどうなるんですか?」

 

 ここに来ることも出来ていない山稜さんは雄英体育祭に参加できるのだろうか、出来ないとすればそれは非常に辛いハンデを背負うような物だ。誰よりも戦い、誰よりもヒーローらしい彼女が出られないというのは納得がいかない。

 

「迫っていると言ってもまだ時間はある。あいつの個性とリカバリーガールの個性はかなり相性が良い。それは俺が証明する。眠り続けている分のリハビリを考えると、2週間以内に目覚めさえすれば……と言ったところだ」

 

 2週間、長いとも考えられるが事件に巻き込まれて一ヶ月、二ヶ月と目を覚まさないことなど普通にあるこの個性社会。重傷で既に1週間寝込んでいる患者ともなれば楽観視は決して出来ない。

 

「一昨日くらいまでは熱が出たりと体調も安定していなかったそうだが、昨日からは落ち着いていると聞く。安心しろみたいな無責任な事は言えないが、余計な不安は抱えるなよ」

 

 その後は普通に授業を受けて、そのまま終わった。雄英体育祭について色々と話し合ったりもしたかったのだが、学校にいる間はどうしてもそう言う気分になれなかった。心操君は今日一日ずっと上の空に近かったが、それ以上に焦っているような必死さも見られた。その焦るような気持ちだけは全員が持っていると思ってる。

 

「強くならなきゃ」

 

 雄英体育祭の為と言うのもあるが、それ以上に誰かを守るためには強さが必要だという事を僕たちは理解している。僕は携帯を取り出して、クラスのみんなへと連絡を送る事にした。学校が終わり、帰ってからそれなりに時間が経っている。日は殆ど落ちているがまだ寝るような時間では無いのでそこまで迷惑にならないと信じて、短い分を書いて送信した。

 

 

[緑谷:みんなで特訓しない?体育祭の為だけじゃなくて、ヒーローに成る(誰かを守る)ために]

 

 自分から連絡を入れるような事はこれまであまり経験に無かったのと、断られたらどうしようかという思いから不安や恐怖で一杯だった。だけど、それ以上にこのままじゃいけないという思いがあった。少しの間、待ってると既読は少しずつついて行くが返信はなかなか来ないでいた。悲しかったが、無理をするべきでは無いと思い提案を下げようと考えたその矢先に……

 

[爆豪:クソデクが、一番個性で体をぶっ壊してる手前が調子に乗ってんじゃねえぞ!!]

[爆豪:言いだした手前が訓練場の許可責任とってぶんどってこい]

 

 

「……え?」

 

 

[切島:緑谷一人に押し付けるなよw素直じゃねえな爆豪ww]

[爆豪:殺すぞクソ髪]

[切島:特訓良いんじゃね?俺も強くなりたいと思ってたし、って爆豪怖えよ……]

[上鳴:よっしゃ、やってやろうぜ!そして切島、ざまぁww]

「耳郎:煽ってると飛び火するよ。それでいつやる予定?」

[芦戸:みんなで特訓て面白そう!!]

[常闇:好敵手と切磋琢磨する。これぞ強者への道]

[葉隠:うん、うん絶対楽しいよ]

[瀬呂:へへ、良いねぇ。ヒーロー科っぽいんじゃね]

[麗日:色々とやれること試してみたいね]

[飯田:素晴らしい提案だ緑谷君、準備などは委員長として手伝わせて欲しい]

[八百万:特訓ですか、家に遅くなると伝えないといけませんね。手続きなどは私もお手伝いいたしますね。順番で行いましょう]

[尾白:相手が居ると助かるから、特訓の誘いは嬉しいよ]

[峰田:俺もやるぞ、やってやる]

[青山:汗水流すのはスマートじゃないけど、弱いままなのはかっこ悪いね☆]

「蛙水:ケロ、楽しみしてるわ。耳郎ちゃん以外だれも日程を確認しないのね」

[轟:思う所があるので特訓には参加させてもらう]

[障子:どこまでやれるか。試す事は良い事だ。俺も参加させてもらう]

 

 

 画面に次々現れる文字に嬉しくなり、急いで返信を行おうと思ったが、手の震えが止まらず、何故か視界もぼやけている。画面に雫が落ちたことでようやく自分が泣いていることに気付いた。だけど、自分の顔が自分でもおかしいぐらい笑顔なのが分かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

心操視点

 

 

 

 俺は落ち着いている。そう信じ込ませることでどうにかその日を過ごしていた。……自分でも落ち着いていない事は分かっている。だが、どうしても不安に駆られると共にもっとフォローできたのではないかと、過ぎ去った時にばかり目を向けてしまう。

 

 クラスの奴らにはかなり心配させたと思う。それでも余計な事を考えないようにしないと自分が壊れてしまいそうになるのが分かった。『ヒーロー』を目指す、絶対あきらめないと語っておきながら、あいつ1人守れてないんだからな。

 

 襲撃では怪我と言えるほどの怪我は無く、個性の過剰使用による喉の痛みも2日後には完全に治っていた。むしろ、限界以上に酷使したからかその限界が上がった気がする。しかし、素直に喜ぶことは出来ていない。学校から帰り、掃除や洗濯などを済ませて、自分の分だけの食事を作って冷蔵庫に入れたら、そのまま最低限の荷物だけを持って病院へと向かった。

 

 襲撃の次の日は見舞いが出来るほど容体が安定していなかったのでその次の日からだったが、既に6日間通っているので受付の方も俺を覚えているようで手続きが早くなっている。許可証を貰い、山稜の部屋の前まで行くと、静かに扉を開ける。

 

「来たぞ。山稜……」

 

 当然呼びかけの返答が返ってくるわけでは無いが、それでも何かを話さなくてはと考えてしまう。家の様子や山稜や俺の家族からの伝言、中学の頃の話などをこれまでは話していたが、今日は久々に学校へ行ったので、その分の話題が追加されている。

 

「あいつらも心配してたよ……なあ、山稜……守れなくてごめんな」

 

 『ヒーロー』を目指して二人でした約束を思い出して、身勝手な懺悔が口から出る。そんなことを望んでいないと分かっているが、どうしようもない自分の弱さを、自分の不甲斐なさを許すことが出来ず、自分が忘れるためだけに発した言葉だ。

 

 俺と山稜が出会ったのは、中学一年の頃で、俺が根も葉もない噂で孤立していた時に出会った。あの頃の山稜は何処を見ているのか分からない瞳をして、目を離せば飛んで行ってしまいそうな、そんな危うさを持ち合わせていた。




かっちゃんはツンデレが良いと思うんですよね(真理)

かっちゃんの柔軟化工程、は~じま~るよ~

緑谷が嘘をついていた。騙されという怒りはある。
だが、戦闘訓練で負けて一度心が折れかける。多少ではあるが、山稜(女子)が首席である事も爆豪のプライドを折る所に貢献している。
緑谷からオールマイト関連の話を除き、事情を聞く。
折れかけだった為、目を逸らすことなく話を聞いていた。
納得できない部分はあるが、個性を貰ったばかりの奴に負けたことで、自分の悪い点を本の少しだが見つめ直す。さらに、USJでは山稜のおかげで全員無事ではあったが、自分が13号の邪魔になったことは理解しており、考え無しに突っ込むだけじゃダメだと改めて突きつけられる。
そのかいもあり爆豪はUSJの後半の戦いでは、相手(黒霧)を倒すのではなく、引き付けて邪魔をすることに実は徹していた。(驚愕の事実)
緑谷がヴィランの襲撃と言う場で個性の制御に成功して、ヴィランを次々に倒し始めた時点で少しずつ緑谷を認め始めており、山稜が倒れて、心操と轟が奮闘している所に向かおうとしている死柄木を緑谷が身を挺してでも止めたことに、昔2人で見ていたオールマイトの姿(憧れ)を幻視する。(先生たちが間に合ってなかったら、黒霧の相手を放って緑谷の所に駆け付けるぐらいの事はこの時にはしてたかな)
そう言った経緯があって緑谷の事は半分、いや7割くらい認め始めたが、それ以上に今までの接し方や自分の性格上それを認めることが出来ず、特に意味も無いのに切れていた。(要するに照れ隠し)
そのため、緑谷がどういった意図でこのような連絡を全体に送ったのか理解し、葛藤に葛藤を重ねたうえで一番に名乗り出た。
「切島の素直じゃねえな」と言う言葉に対して即座に反応を返したのは図星を突かれたというか、自分の心情を理解されて腹が立ったから。(切島自体にはそこまでの意図はなく、揶揄っただけのつもりであるww)


もう、かっちゃんがヒロインで良い気がするんだよね。(遠い目)
ていうか、結構そう言った作品、二次創作あるよね。
この作品のメインが山稜と心操なのでそれ以外の人間関係についてはほぼ白紙ですね。


少しだけBLタグ付けて、がちでそっち方面で話を進めようかと思ったけど、あくまで好敵手といった感じの方が良いので、書くとしても番外編の小話に書くだけにします。(書かないとは言ってない。というより少し考えちゃったから、形にしたい)


まあ、心情の変化により、人間性が少し向上。(人間性を捧げよ)
これにより、緑谷と歩み寄り、クラスとの仲も良くなる予定。
そして、爆豪も少しずつ強化されるかな。


麗日の意気込みなどの下りは後日にみんなで集まった際にやったことにします。というより、特訓の話が書けたらその時に入れられそうなら入れます。

そして前回の後書きでクラスの様子と山稜の目覚めを書くと言ったが、あれは嘘だ!!

まあ、冗談は控えめにして(やめる気はない、というより深夜テンションで止められそうにない)思ってたよりクラス側の展開が思いついて今後への繋げ方の部分を変更したので、それに合わせて山稜や心操側の話も変更することにしました。


次で過去話+目覚め、いけそうならクラスへの復帰も次に入れちゃう。
そしたら、特訓の話と小話を入れまして、一度お休みかな。

ふう、これほど順調に小説を投稿できているのは初めてかも知れない。
少し、創作意欲が強まりますね。ふふふふふ。
あ、アンケートは次で締め切る予定ですので、少しでも興味がある方はぽちっとしてください。

という訳でいつもの挨拶でさようなら。
読んでくれている方々に多大なる感謝を。

今後の展開はどっちが良い?

  • 敵も強くしてバランスを取る方が良い
  • 若干無双の方が良い

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