絶対守護 ヒーロー嫌いのヒーローアカデミア   作:ひよっこ召喚士

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投稿です。


20 雄英体育祭⑤

 場面は騎馬戦が始まり、爆豪が叩き落されて、山稜と緑谷が空中戦を開始した直後にまで戻る。山稜がばら撒いたプリズムを細かくした欠片が地上の戦闘を妨害し続けていた。

 

「ちくしょう!!こんなものぶっ壊してやる」

「これ、殴った感触がおかしい、なんか気持ち悪いぞ」

「的確に熱を奪われてる。一掃は難しいか?」

 

 爆豪が爆発を喰らわしてもその爆発を吸収しきってようやく一枚だけ割れる。切島が硬化して殴りかかったが、殴った衝撃を瞬時に散らしたため殴った感触がなく触れているのによく分からないそれに不快感を得た。轟が炎を広範囲にぶつけるが初めに触れた欠片が途切れるまで攻撃を吸いつくす。

 

 

『エネルギー・バニッシュ・フラグメント』

 

プリズムを細かくしたもので、殆ど耐久力が無いが在り得ないレベルで攻撃を消し去る。吸収できるエネルギーは無いも同然ではあるが、手のひらサイズのプリズム一枚で爆豪の爆発を完全に抑える事が出来る。それがフィールドのあちこちに漂う様に浮いている。

 

 

 どんな攻撃であっても一撃を必ず消し去る。連続しての攻撃や広範囲の攻撃を完全に無効化する見にくい盾である。移動しようとしてぶつかるとその力を吸収した後で消えるのでバランスを崩して転倒しかねない。限界はあるがまだ結構な数が浮いてることに嫌気がさしてくる。

 

 そして、段々と性質の理解が進んでいくと現状を破壊しようと行動に移す者が出てきた。これを一気に壊すためには、繋がっていない攻撃を連続で的確に放つ必要がある。それが可能だったのは轟、青山、葉隠の3名だった。

 

「『氷現(ひょうげん)』」

 

 轟は炎では無理だと判断すると氷を展開する。拳銃の形を作り出すとそれに合わせる様に氷の銃弾を生み出し欠片に向けて放った。放つ動力は冷気によって収縮した空気を炎で一気に膨張させ、その空気が押し出すという単純な仕掛けだ。冷気と熱気の操作の応用で空気も軽く操れるようになったので、膨張させる空気を詰め込むのも片手間で出来る。

 

 氷と言う物体なので一発ずつ攻撃は完結している。一発で一つの欠片しか壊す事は出来ないが、それを連続して次々と放って行く、確実に欠片へと飛んでいく銃弾の数々を見ると、まるで一流のガンマンのようでとても様になっていた。

 

 しかし、そのまま打ち続けてると多少冷気の方が多く使うため体が冷えてくる。そろそろ切り替えた方が良いだろうと頃異を消し去ると一気に炎を吹き出す。

 

「『炎劇(えんげき)』」

 

 生み出された炎はまるで生きているかのように動き、いくつもの動物の形をとるとそれぞれが別の欠片へと襲っていく。こちらもそれぞれの炎が分かたれているため問題は無い。

 

「氷も炎も使いようってやつだ」

 

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SIDE:轟 

 

 

 クラスの仲間との特訓なんて初めての経験に成る。それどころか友人と何かをやるという事自体あまり経験してこなかった。それでも、参加しないといけないと感じた。あの時、もし俺の力だけで脳無を抑えられていればと何度も思った。

 

 炎を使っていれば何かが変わっただろうかと少しだけ思い悩みもした。それ以上に自分の全てを賭けてでも戦った山稜と自分を比べると、自分がとてもちっぽけな存在に思えてしょうがなかった。だからだろうか、くだらないと今までのプライドを捨て去る事が出来た。

 

「やっぱり、炎も綺麗だねぇ」

 

 目の前にいつも通り無数のプリズムと呼ばれるバリアを展開して、俺が放った炎を事も無げに防ぎきる同い年の少女の姿。氷よりも危険性の高い炎を全力で放てるように工夫してくれているのだが、病み上がりで無茶をさせていなければいいのだが。

 

「だが、駄目だ。ずっと避けてた所為で上手く扱えてない。熱の調整位なら出来るが、そこから先がないと何も意味が無い」

 

 氷でも炎でもそうだが、威力も速度もそれほど凄いとは俺は思っていない。むしろ大雑把な攻撃、全体への攻撃の方が多く、技術に欠けているのが現状だ。特に遅れている炎は氷とは比べるまでも無い。

 

「あのさ、轟は成りたい姿ってある?」

「どういう?」

 

 あまり意味が解らなかった。特訓とどういった関係があるのだろうと少し考えると目標という意味だろうか?

 

「緑谷が分かりやすいけど、ほらオールマイトの真似が多いでしょ。あれって目指すべき姿が定まってる」

「しっかりとして自分の姿を意識しろという事か」

「それもあるけど、個性も同じって事が言いたいんだよ」

「同じ?」

 

 個性も同じという言葉に今度こそ理解が及ばなかった。そもそも個性と言うのは研究されているが完全に解明されていない謎の一つである。自分の個性であったって大抵の人間はなんとなく使っている。

 

「そ、氷の方が意識しやすいかな?轟は氷で作りたい形を作ったりとか、明確な形を与えてあげた方が特訓には役に立つと思う。ゴールが決まればそこまでの道も作りやすいから、そして氷で出来れば炎でも一緒だよ」

 

 細かい操作の特異不得意とかの問題以前に個性を使う際に意識すらしていないという事に気付いた。炎が上手くいかないんじゃない。今まで使って来た氷でさえ俺は満足に扱えていなかったんだ。形を描き、与える、そうすることで望んだゴールへと届けることが出来る。

 

氷現(ひょうげん)

 

 俺はとりあえず精巧な剣を想像し氷で作り出した。それは想像と比べるといささかお粗末な出来ではあるが確かな手ごたえを感じた。

 

「後はその逆も試したりすればもっと良いと思うよ?」

「逆?」

 

 今までずっとアドバイスをしてくれていたと思うのだが、その逆を行うというのは意味があるのだろうかと頭を考えが埋め尽くす。

 

「細かく操作するために形を与えるのもそうだけど、決まった形が無い事が強みの場合もあるからね。炎とかは隙間に入り込むことが出来るでしょ。流れる様に動かす、滑らかな動きも無くしちゃいけないからね。あまり堅くなりすぎないようにってことだよ」

 

 その言い切ると適当なアドバイスだからほどほどにねと言い残して山稜は去って行った。形と流れ、氷と炎、組み合わせは色々と出来そうだ。形ある氷と流れる氷、流れる炎と形ある炎、まだまだ学ぶことは多いが、まずはやってみよう。

 

 そうして繰り返し練習することで氷と炎に形を与える事と炎と氷を流れる様に動かす事が出来るようになった。まあ、氷と炎でとれる形や動きに差はどうしても出てしまうが、そこそこ役に立つだろう。その副産物として操作できるようになった空気も工夫次第で役に立つだろう。後はこの力を持って俺も結果を出し切るだけだ。

 

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 そして轟に後れを取ることなく次々に欠片の破壊を行っている二人組がおり、それは青山と葉隠のペアだった。青山は特訓により、多少は個性の制御が上がったがそれでも実戦に使えるかと言われると少し微妙だが、それをカバーできるのが葉隠だった。

 

 葉隠自身は攻撃力が無く、騎馬を組んでいる以上居場所は分かってしまうので個性を生かしようが無いが、二人の個性を合わせればそれなりに凶悪な攻撃が出来た。

 

「準備は良いかい?」

「いつでも良いよー」

「『キャントストップトゥインクイング スーパーノヴァ ネオ』」

「『集光チャージ・屈折拡散レーザー』」

 

 青山のレーザーを体を通して集光したのちに、屈折、拡散させて無数のレーザーを撃ち放つ。身体を利用しているため完全な操作は難しく、ある程度発射するタイミングや場所は限られるが、絶えず様々な方向へと撃てるのは非常に強力だった。

 

 青山は体調に影響が出ないように時間を置いて葉隠にレーザーを放ち、葉隠がそれを体の内側に溜めてから放つ。そのため今は必要ないが青山の最大威力よりも強力な一撃を放つことも可能である。

 

 次々と放たれる本来のネビルレーザーより弱い大量のレーザーが凄い勢いで欠片を壊していく。殆ど狙った場所に行くがまだ完璧に当てられず、何発か外しているがそれは量でカバーできた。

 

 

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「私って直接戦闘向きじゃないんだよねー」

「僕も個性は扱えてないからね」

「「と言う訳で何かアドバイスをください」ちょうだい」

 

 山稜の目の前にいるのはクラスメイトの葉隠と青山である。確かに葉隠は透明な事を除けば普通の人と変わりない。青山は結構強力ではあるが扱えきれない力に振り回されている。

 

「青山は訓練するか、道具でサポートするかに成るけど体育祭は基本的にアイテムは禁止だからねぇ」

「困っちゃうよねっ☆」

「葉隠は何か出来る事ある?」

「えっと、光を集めて目くらましとかが出来るよ『集光屈折ハイチーズ』」

 

 いきなり光られるため意表をつけるだろうが攻撃にはならない。

 

「青山は撃てる限界を伸ばすほかに、撃つタイミングとかリズムにも気を付けて見れば?」

「リズム?」

「緩急をつける事で相手を騙せたり、当てやすくなるから。不規則に撃てるのが一番だね。後は溜めれるんなら溜める限界も伸ばそう」

「とりあえずやってみるよ☆」

 

 青山はこれで良い、次は葉隠だが、体育祭は基本的には競技であるため葉隠の持ち味はなかなか活かしにくい。と言うか体育祭なら目立つ必要性があるが、目立たないのが葉隠の個性だ。

 

「意識を逸らしたりする手段は私より心操に聞いた方が良いね。後は武術とかの歩法などかな」

「歩法?」

「そう、気配を消すのに足音を消したり、足音の不自然さを消したり。そう言った技術を取り入れられれば強いかもね。後は見えないからこそ直接的な攻撃が読まれにくい。正面から戦うより、言い方が悪いけどせこい戦いの方が適してるんだよ。相手を騙すということに繋がるからやっぱり心操だね。武術に関しては尾白にでも聞くと良いよ。足運びを教えて貰うだけでもだいぶ違うだろうから」

「分かった。ありがとう」

 

「後はどうなるか分からないけど団体競技があったら二人で協力してみると面白いことが出来ると思うよ」

 

 そうして二人に伝えられたのが青山が動力と葉隠がレンズの役割をこなして放つ『集光チャージ・屈折拡散レーザー』だった。

 

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 別に自分だけで戦う必要は無いのだ。戦う個性(ちから)が無い透明少女と個性(ちから)を制御できない少年が手を組んだ事により残っていた欠片も殆ど取り除かれた。

 

「僕の力を魅せつけちゃったかな」

「けっこう、注目されてるねー」

 

 それにより、これから本格的に騎馬戦の戦いがスタートする。先に手札を見せてしまった轟と青山・葉隠ペアは少し不利になるかもしれないが、それでも一つの状況を打ち破ったとして、その三名は会場から注目された。さて、次はだれが動くのか会場の熱狂はまだまだ続く。




轟は炎の克服と氷と炎の捉え方の変化により、技のバリエーションの細かさがアップ。技名は漢字の方が合ってると思い必死に考えた。

氷の形は無機物を作るのが得意、炎の形は生物を作るのが得意。
氷の流と炎の流はまた今度。


葉隠と青山の特訓は1人称に出来ないので3人称で対処。二人の合体技での立ち回りを少し書くけど、そもそも騎馬戦向きではないよな。予定している3回戦のルール的には葉隠は上がれたら強いけど騎馬戦においてはこれ以上の活躍は難しい。強化の方法が他に思いつかなかった。

後は光を集めたり、屈折できるなら望遠鏡とか出来ないかなとも思ったけど、発目の『ズーム』の個性があるのであまり意味ないと感じた。

色々と考える事が多いし、特訓入れると長くなるし、騎馬戦だけで結構続きそう。と言うか以前に4月までに体育祭終わらせたいって言ったけど終わるか怪しくなってきた。

まあ、気にしないでおこう。
読んでくれている方々に多大なる感謝を。
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