絶対守護 ヒーロー嫌いのヒーローアカデミア 作:ひよっこ召喚士
他の作品を書いてたり、就職して忙しくなったりで全然書けていませんでした。それと、やはりヒロアカはにわかな分、調べながら書くと時間が掛かるためどうしても後に回しがちなんですよね。
まあ、少しずつ書いて行きますが、他の作品より更に更新は遅いので覚悟してください。不甲斐ない作者で申し訳ありません。
瞳空の奴、家族の手助けもあって一皮むけたのか中々に厄介な一手を残していきやがった。だが、他の奴らが積極的に壊してくれてるから動く必要はねぇ。
「下手に壊すと狙いがばれる。障子、指示を出すからそれに従ってくれ。耳郎と吹出は接敵したら個性で場を搔き乱してくれ」
「「「了解」」」
狙いをつけているチームまでの道程は、真っ直ぐには迎えそうに無いが逆に分かり難くて良い。とにかく『集中しろ』場を見極めるんだ。自分に言い聞かせる事で集中力を高める。
「『普段と同じ速度で動け、右回りに欠片を避けて進め、その後直進全速で八歩、右前にジャンプ、着地と同時に地面に一撃』」
個性を使っての指示なので俺が把握し間違えて無い限り、障子は想定通りの動きをしてくれるだろう。3人が背に乗っているが軽快な動きで進み、目的地へと辿り着いた。
「こっち来たぞ!?」
「……!?」
「ん!!」
「今の動き!?うらめしい」
相手をするのはB組の円場、小大、柳、それと普通科の口田の四人編成のチームだ。選んだ理由はこちらの個性を防ぐ手段に乏しいからだ。訓練を一緒に行った者がおらず情報を詳しく知られていないと言う点も結構重要だ。
「『耳郎は音で吹出は擬音で相手を攪乱してくれ』」
「了解、『ハートビートレゾナンス』」
「ガツンとボクに任せてくれ『ズドーン』『ドッカアン』」
耳郎は障子の背から少し体を乗り出すと狙いをつけてプラグとなってる耳たぶを地面に投げつけた。すると鼓動の音を地面の底でぶつけ合う事で敵の足元で爆発させた。吹出は顔を出して擬音語を具体化して攻撃を行うが、耳郎の攻撃を避けようとしている所に立て続けだったので綺麗に入った。
「ちくしょう、『エアプリズン』これに砂を入れて小大、柳!!」
「ん!『サイズ』」
「『ボルターガイスト』」
エアプリズンの応用で小さな箱を作り出すとそこに砂を詰め込み即席のブロックを造ると、小大に柳が操れるギリギリまで大きくして貰い飛ばして攻撃を仕掛けてきた。しかし、この程度ならば問題は無い。
「『障子、殴って崩せ』」
「ああ、元がぼろいから簡単に崩れる」
「『耳郎、音を叩きつけろ』」
「了解『ハートビート・ハウリング』」
耳のプラグ同士をぶつけた状態で増幅させた心臓音で相手の耳を攻撃する様な音を響かせた。近くに居るため多少は巻き込まれてしまうが一応指向性があるので大部分は敵チームにぶつけられている。耳を塞ぎたくなるが騎馬を組んでいる関係上それは出来ず悶えるばかりだ。
「『はは、音で苦しそうだね?』」
「うるせぇ!!」
「ん!!」
「うらめしい!!」
心操は声を耳郎の物に変えて向こうをあざ笑うかのように話しかけた。先ほどからの戦いと音への苛つきでつい反応を返してしまった。全て終わった時には競技は終わっており、嵌められた事に気付いた円場チームは怒りもなく、呆然としてしまっていた。
「はぁ、思ってたより抵抗された所為で点が他に取れなかったな」
「まあ、微妙な点だね」
「ガツンと戦った結果だ。仕方ない」
「まあ、結果を待とう」
心操チームのポイント:575
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周囲で戦闘が起こり始めた頃、ビームによる欠片の破壊で目立ってしまった青山チームは他のチームの中でも上位に入る実力者の集まったチームからの襲撃を受けていた。
「A組にはお世話になりましたが、戦いでは別です『
塩崎、宍田、泡瀬、骨抜の4人で構成されたB組チームとでも言うようなチームで塩崎と宍田は特訓の参加者であるため青山と葉隠の技は知られている。
「ええっと、塩崎さんの蔓はビームで削り続ける。青山くんは可能な限りビームの補充を、砂藤くんは私たちを担いで相手チームに追いつかれないようにして『集光チャージ、屈折拡散ビーム』」
「了解ッ☆『キャントストップトゥインクイング スーパーノヴァ ネオ』」
「分かった。ここが踏ん張りどころか、砂糖を補給する」
塩崎の茨を防ぎ続けてはいるが、葉隠の操作で無駄が減っていてもビームには限りがある。数が少なく、強化系の個性の砂藤がいるからどうにかなっているが、それももう終わる。
「なっ、足が取られ」
「地面が柔らかく、これは」
「骨抜さんの柔化の個性です。それと今です」
「おらよ、柔らかい地面を『溶接』」
「『ガオン・レイジ』鉢巻受け取れ」
蔓で追いやられた先は既に塩崎チームが罠を仕掛けていた場所の様で、足を踏み入れた途端に地面がぐにゃぐにゃで身動きが取れず、溶接して固められた地面と補強する蔓によって完全に足止めされ、宍田が青山に飛びかかり鉢巻を掴んで投げ渡した。
「動けないし、リタイアかな」
「先だって目立ちすぎちゃったね☆」
「数的不利もあったが、無念だな」
綺麗に罠に嵌められた青山チームはその場でリタイアを宣言して教員に助けられた。塩崎チームは残り時間と現在戦っているチームのポイントを比べてこれ以上戦闘は仕掛けずに防衛に力を注いで終了を待ち、無事に競技を乗り切った。
「結構B組も残れてますかね?」
「俺らで4人、主席の所に取蔭がいたしな」
「勝ちあがれて良かったですな」
「作戦考えた塩崎の手柄が大きいな」
塩崎チームのポイント:730
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ふむ、山稜君も大きく動いてくれたものだ。騎馬戦という事で足役を僕が、そしてどっしりと構えて相手の攻撃を防いでくれる切島君と舌を用いた遠距離攻撃の出来る蛙水君を仲間にしたが、直接的な攻撃が多い僕等ではこの欠片の対処は難しいと言わざるを得ない。
「どうする飯田?」
「少しずつ他のチームが欠片を壊している。狙われる可能性が高いが下手に動かずにいた方が良いだろう。むしろ挑んで来た相手を返り討ちにするカウンターで行こう」
「ケロッ、それなら逆に周りの欠片を盾に利用したらどうかしら?」
初めは走り回りながら鉢巻を掠め取って行くつもりだったが、話し合いを経て新しい作戦を詰めていった。あちらこちらで他のチーム同士が戦っているのが見える。漁夫の利を狙いたい気持ちも出てきたが、一つのチームが僕たちに近づいて来ている。
「飯田か、訓練でも同じ委員長としても世話になったね。それでも挑ませてもらうよ!!」
「体育祭の競技だ。遠慮は必要ない。こっちも正々堂々挑戦させてもらう!!」
挑んできたのは拳藤君のチームだったか、他のメンバーは物間君、角取君、庄田君か……物間君以外は訓練にも参加していたのでどういった個性か知って居るが、逆にこちらの手札もバレている。作戦や連携を意識してしっかり当たって行くべきだろう。
「角取、欠片の隙間から攻撃」
「了解です。『サンダーホーン』!!」
「切島君、頼んだ」
「おうよ『安無嶺過武瑠』、効かねえな!!」
「反撃だ。蛙水君」
「ケロッ、『フロッピーウィップ』!!」
「『双大拳・防』」
飛んできた角を難なく受け止めた切島君、山稜君のバリアには負けると言っているが、先生が言うには彼の防御力はプロ顔負けなレベルだ。そして反撃は長い舌を鞭のように扱い蛙水君が仕掛けた。しかし、拳藤君が大きくした手のひらを組んで前に出して防御の姿勢を取る。
「やっぱりお互いに知ってる技は対処されるか」
「であれば物間、やはり君が鍵だよ」
「はっ、ようやく僕の重要性を理解したか、A組の訓練に混ざって多少は強くなったみたいだけど結局は僕に頼らざるを得ないとは、やはり僕は間違っていな「煩いよ!!早く支度をしな!!」ひぃ、分かってるよ」
向こうのチームは何かを話し合っているようだ。全ては聞こえないが物間君の個性を用いて逆転を図ろうとしている様だ。確かに彼の個性が判明していない以上、その場で対処する必要がある。僕たちは気を引き締め直した。
「喰らいな『風刃』!!」
「欠片が削れていってる。見えない攻撃、くっ!!」
「前に出るぜ『安無嶺過武瑠』!!当たり方からして斬撃だ!!」
物間君の技名から考えるに風を操る個性なのだろうか、見えない攻撃と言うのは非常に厄介だが欠片の防御のおかげで気付くことが出来、切島君の防御が間に合った。物間君の挙動に気を付ける必要が出てくるが対処はどうにか出来そうだ。
「まだだ。庄田、角取、合わせ技を!!」
「『サンダーホーン・タワー』」
「『インパクト・チャージ』」
自由自在に操る4本の角を一直線に並べて発射することで攻撃力と貫通性能を高めた技、それは訓練でも何度か見かけた。そこに何やら庄田君が攻撃を放っていた。庄田君の個性は『ツインインパクト』、打撃を仕込んでいるのか。
「「『インパクト・サンダーホーン』!!」」
解放された衝撃で急加速した角と軌道をいきなり変えた角がある。急加速は衝撃を前に、起動を買えたのは横からの衝撃か……多面的な攻撃を切島君だけでは防ぎきれないか。
「横からのは任せてくれ『レジプロエクステンド』!!」
「ああ、『安無嶺過武瑠』!!」
前方からのは威力が高く少し後ろに下がらせられたが切島君が防いでくれた。そして横からの刃はレジプロバーストの速度で放った僕の蹴り技で弾き飛ばした。厄介な攻撃だったが、どうにか凌ぐことが出来た。そう思っていたら突然猛スピードで飛んできた角に鉢巻を奪われた。
「『インパクト・ストック・
「『アッド・インパクト・サンダーホーン』」
「なっ!?庄田君の個性!?いや彼は既に個性を使った後では」
衝撃を重ね掛けして貯める技を使えるようになったのは知っていたが、あの発射までの時間に溜めた衝撃は使い切っているはず。
「ハーハッハッハ、騙されたな。僕の個性は風を操るなんてものじゃない『コピー』、庄田の『ツインインパクト』を僕が使い、角に衝撃を貯めていたのさ!!」
「まったく、なに盛大にネタばらししてるんだ。さて鉢巻は貰ってくよ!!」
「作戦の勝利でーす」
そう言うが早く彼らは鉢巻を持って逃げ去った。その際に目くらましに煙を発生させていたがあれも物間君がコピーした個性だろう。彼らに個性が風を操る物だと思いこまされ、綺麗に騙されてしまった。
「待ち時間が長かったから欠片を壊して追いかけていたら時間切れだろう。すまない、僕の作戦が駄目だったみたいだ」
「いや、あれには俺も騙された。しょうがねえよ」
「けろっ、向こうの強みを上手く活かされてしまった形ね。飯田君のせいじゃないわ」
拳藤チームのポイント:745
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『終了!!』
『どこもかしこもスゲェ戦いばっかだったな』
『結果発表中だ。うるさいぞ山田』
『だから山田はダメー!!』
『では最終的なチームのポイントを発表します』
最終結果
山稜 一千万15ポイント
轟 800ポイント
拳藤 745ポイント
塩崎 730ポイント
緑谷 715ポイント
爆豪 心操 575ポイント
他のチーム 0ポイント
表示されたポイントに全員が注目する。何人が、もしくは上位何チームが出場できるのかと全員がミッドナイトの声に耳を傾けている。
『第三種目出場者枠20名となっています。1位から5位までのチームで18名、本来であれば6位のチームから2名だけ進出なのですが、今回は6位のチームが2つあるため、両チームから1名ずつ出場してもらいます』
どうやらポイントを保持しているチームはどこも参加することが出来そうだ。しかし、6位のチームである爆豪チームと心操チームは誰が行く事になるのかと他のチームもその様子を見守っている。
「爆豪、行って来いよ」
「ああ!?どういう意図だしょうゆ顔てめぇ!!」
「いや、意図なんてねぇよ。てか怖えからやめてくれ。俺らの中で一番強いのお前だろ」
「正直僕たちより、山稜さんに挑めるだけの力がある君が言った方が可能性は高いからね」
「けっ、礼は言わねえぞ」
他2人の辞退により、爆豪チームより爆豪が第三種目出場が決定した。騎馬戦と言うルール上では万全に動けていたとは言えない爆豪、第三種目の内容次第では厄介な敵になるのは間違いないと周囲は思いつつ、順当な選出だと実況席の先生たちも納得している。
「どうする?」
「いや、普通にあんたがいけば?」
「作戦考えたのも、ずっと指示出してたのも、鉢巻取ったのも心操だしな」
「ガツンとその意見に賛同するぞ」
「俺は戦闘面ではあまり秀でてないぞ。第三種目は昔から戦闘系が多いと聞く、俺よりそうだな耳郎の方がどんな状況でも対応できるし、良いんじゃないか?」
「いいからあんたが居なけりゃ6位にも慣れてなかったんだから行きな!!」
「断り続けるのも失礼だぞ心操。俺達はお前ならと言ってるんだ。仮に直ぐに負けたとしても文句は無い」
「ドシンと構えるのが良いぞ」
「分かった。それなら頑張ってくるとしよう。それとありがとう」
実績があるとはいえ基本的に搦手な個性の心操が他に譲ろうとしたがチーム全員からの推薦により心操チームから心操が第三種目出場が決定した。
『両チームからの出場者が決定したわ、第三種目出場者は以下の20名よ』
第三種目出場
山稜 八百万 取蔭 発目
塩崎 宍田 泡瀬 骨抜
拳藤 物間 角取 庄田
緑谷 麗日 常闇
轟 上鳴 峰田
爆豪
心操
『そして気になる最終種目の内容を発表するわ』
未だに分かって居なかった最後の種目の発表に会場にいる全員が耳を澄ませ、シンと静まった。
『最終種目それは『バトルロワイヤル』!!20名が特設エリアにて自由に戦って貰うわ。ルールは簡単、最後まで残ってた人が優勝よ!!』
後は第3種目と表彰式だな。第3種目はどうしようか、出場者同士で手を組むのは構わないと言う形でやっていく予定なので陣営をいくつか決めるか、基本的に山稜は1人の予定、と言うか山稜が人数減らしていき、危機感を覚えたメンバーが手を組んで挑むレイドバトル的な感じかな。
問題は山稜を勝たせるか、勝たせないか、勝たせない場合は誰を1位に持って行くかなんだよな。1対1なら負けないが、無敵と言う訳では無いからな。そして勝つとしたら候補はやっぱり緑谷、轟、爆豪かな。
次の更新ははっきり言っていつになるか分かりません。そして体育祭が終わったら一度更新止める予定です。
では久しぶりにこの挨拶でさようなら。
読んでくれいている方々に多大なる感謝を。