バカンス取ろうと誘ったからにはハッピーエンドを目指すと(自称)姉は言った 作:haru970
仕事がががががががががが
4/4/21追記:誤字報告ありがとうございますadachiさん!
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アインツベルン城内サーヴァント(+マスター) 視点
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ランサーとチエは一礼をした後、他のサーヴァント同じ様に席に座った(ちなみにアーチャーの椅子は他の椅子より若干高かった。)
「フン、何時までその安酒を飲むつもりだ。 王の宴を称するというのなら、用意すべきは『王の酒』であろう」
嘲るように笑うアーチャーの傍ら、虚空の空間が渦を巻いて歪曲する。 一瞬マスターの何人かは身構えるがアーチャーが傍らに呼び出したのは、武具の類ではなく、黄金に光る一揃いの酒器。 重そうな黄金の瓶の中には、澄んだ色の液体が入っていた。
「見るがいい。そして思い知れ。これが『王の酒』というものだ」
「おお、これは重畳!」
ライダーはアーチャーの憎まれ口を軽くスルーして、嬉々として新しい酒を人数分の杯に酌み分ける。
セイバーとランサーも、アーチャーの事をライダー以上に警戒はしているものの、僅かばかりの躊躇いをもって、それでも差し出された杯を拒むこと無く、受け取る。
チエはそのまま無表情に他の皆と一緒に受け取る。
「むほォ、美味いッ!」
先に呷ったライダーが、目を丸くして喝采する。 それによって警戒心を薄め、好奇心が先立ったセイバーとランサーもそれを飲み干すとおそらく無意識であろう感嘆の声を上げていた。
まぁ、どれだけ警戒しても、この場で王を名乗るセイバーに飲まない選択肢は存在しないわけだが。
「凄ぇな、オイ! こりゃあ人間の手になる醸造じゃあるまい。 神代の代物じゃないのか?」
「ああ。 俺の故郷でも、これ程のものはお目にかかったことなどない」
惜しみなく賛辞するライダーとランサーに向けて、アーチャーもまた悠然と微笑を浮かべるが………チエの方を見て、不服そうな表情を浮かべた。
「何故飲まない?」
「いや、思いに浸っていただけだ」
チエは酒を喉に流し込み、飲み終えた後満足気に息を吐く。
「………………
「当然であろう。 酒も武具も、我が宝物庫には至高の財しかあり得ない。 これで王としての格付けは決まったようなものだろう」
「ふざけるな、アーチャー」
喝破したのはセイバー。どうやら馴れ合いめいてきた場の空気に、そろそろ苛立ち始めていたのか声を上げる。
「酒蔵自慢で語る王道なぞ聞いて呆れる。 戯言は王でなく道化の役儀だ」
「さもしいな。 宴席に酒も供せぬような輩こそ、王には程遠いではないか」
「こらこら。 双方とも言い分がつまらんぞ」
なおも言い返そうとするセイバーを、ライダーが苦笑いしながら遮って、アーチャーに向けて先を続ける。
「アーチャーよ、貴様の極上の酒はまさしく至宝の杯に注ぐに相応しい。 が、生憎聖杯と酒器は違う。 これは聖杯を摑む正当さを問うべき聖杯問答。
まずは貴様がどれ程の大望わ聖杯に託すのか、それを聞かせてもらわなければ始まらん。
さてアーチャー、貴様はひとかどの王として、ここにいる我らをもろともに魅せる程の大言が吐けるのか?」
「仕切るな雑種。 第一、聖杯を
「ん?」
「そもそもにおいて、アレは我の所有物だ。世界の宝物はひとつ残らず、その起源を我が蔵に遡る。いささか時が経ちすぎて散逸したきらいはあるが、それら全ての所有権は今もなお我にあるのだ」
「じゃあ貴様、昔聖杯を持っていたことがあるのか?どんなもんか正体も知っていると?」
「知らぬ」
ライダーの追及を、アーチャーは平然と否定する。
「雑種の尺度で測るでない。我の財の総量は、とうに我の認識を超えている。だが、それが『宝』であるという時点で、我が財であるのは明白だ。それを勝手に持ち去ろうなど、盗人猛々しいにも程がある」
「おまえの言はキャスターの世迷い言と全く変わらない。 錯乱したサーヴァントというのは奴一人だけではなかったらしい」
「いやいや、わからんぞセイバー。この金ピカがかの英雄王というのなら、その見識は間違ってはおらんだろう。 じゃあ何か?アーチャー、聖杯が欲しければ貴様の承諾さえ得られればいいと?」
「然り。だが、お前らの如き雑種に、我が褒賞を賜わす理由は何処にもない………そこな者が我の物のなると言うならば話は別かもしれんが」
「………………」
チエは黙って、ただアーチャーの視線を返す。
「ほーん、それはそれで興味深いが……………アーチャーお前さん…案外ケチなヤツだのぅ」
「戯け。 我の恩情に与えるべきは我の臣下と民だけだ」
「じゃあ、あの時俺が臣下になっていたら、聖杯はくれたのか?」
「それ相応の忠義を見せるというのであればな。 今からでも、以前我の言葉を否定した謝罪と、それ相応の態度を示せば、今一度臣下になる権利を与えてやろう。 誇るがいい、この我が二度も誘いをかけるなど、そうある事ではない」
「「「「…………………」」」」
セイバー、ランサー、ライダー、チエの四人は何も言わずにただ黙り込む。 そして先に口を開けたライダーはアーチャーへ疑問をかける。
「でもなぁ、アーチャー。 貴様、別段聖杯が惜しいって訳でもないんだろう? 何ぞ叶えたい望みがあって聖杯戦争に出てきたわけじゃない、と」
「無論だ。 我の財を狙う賊には然るべき裁きを下さねばならぬ。 要は筋道の問題だ」
「つまり、何なんだアーチャー? そこにどんな義があり、どんな道理があると?」
「法だ。 我が王として敷いた、我の法だ」
「完璧だな。 自らの法を貫いてこそ、王。 だがなぁ、余は聖杯が欲しくて欲しくて仕方がないんだ。 で、欲した以上は略奪するのが余の流儀だ。 何せこのイスカンダルは────征服王であるが故」
「是非もあるまい。 お前が犯し、俺が裁く。 問答の余地などどこにもない」
「征服王よ。 お前は聖杯の正しい所有権が他人にあると認めた上で、なおかつそれを力で奪うのか?」
憮然として押し黙っていたセイバーの問いかけには僅かながらに怒りが滲んでいた。 セイバーの王としての在り方を考えればライダーの王道は許容出来たものではない (もの凄く省略化はしているがブリテンを統一し、外来からの脅威から民を守り、国に繁栄をもたらそうとした。 詳しくはアーサ-王伝説を)。
「ん? 応よ。当然であろう? 余の王道は『征服』……即ち『奪い』、『侵す』に終始するのだからな」
「そうまでして、聖杯に何を求める?」
「受肉だ」
「「「はぁ?」」」
疑問の声を上げたのはセイバー、ギルガメッシュ、ウェイバーの三人だった。 後声に出してはいないが切嗣も“こいつ何言ってんだ” とばかりと反応している。
「おおお、お前!望みは世界征服だったんじゃ────ぎゃわぶっ?!」
ライダーに詰め寄ったウェイバーはデコピンによって宙を舞う。
「馬鹿者! たかが杯なんぞに世界を獲らせてどうする?! 征服は己自身に託す夢。 聖杯に託すのは、あくまでもその為の第一歩だ」
「雑種……よもやそのような瑣事のために、この我に挑むのか?」
「いくら魔力で現界していても、所詮我等
余は転生したこの世界に、一個の命として根を下ろしたい。身体一つの我を張って、天と地に向かい合う。それが征服という『行い』の総て……そのように開始し、推し進め、成し遂げてこその我が覇道なのだ。だが今の余は、その身体一つすら事欠いておる。
これでは、いかん。始めるべきモノも始められん。 誰にも憚ることもない。 このイスカンダルただ独りだけの肉体がなければならん!」
ライダー、イスカンダルは良き堂々と自分が聖杯に託す思いを宣言し────
「決めたぞライダー。 貴様もこの我手ずから殺そう」
────アーチャーが笑いながら釘をさす。
「ふふん、今更念を押すような事ではあるまい。 余もな、聖杯のみならず、貴様の宝物庫とやらを奪い尽くす気でおるから覚悟しておけ。 これ程の名酒、征服王に教えたのは迂闊すぎであったなぁ」
「その夢に、騎士達を乗せていたか……」
「なんだランサー、余の配下に加わりたくなったか? いつでも歓迎するぞ、と言いたいが…貴様は来ないであろうな」
「当然だ。 俺は、至らなかった。 それを思い知ったのだ。 ここから真の忠誠を誓う。 そして、必ずや栄光を捧げるのだ」
「惜しいな。 貴様ほどの騎士を逃すとは、実に惜しいぞ。 しかし、今までよりも遙かに良い顔をしておるわい。 それでこそ、征服しがいがあるというものよ」
互いに威圧し合いながら、その雰囲気は戦のそれとほど遠い。 もしかしたらこの時こそが、本当の意味でアーチャー、ライダー、ランサーは相手を認識しあった瞬間なのかもしれない。
「ところで征服王よ、先程お前は“我等
「────おおそうだ!
「フン」
「…………」
「「「?!」」」
ライダーの爆弾宣言にアーチャーは鼻で笑い、チエは反応せず、他の運営のサーヴァントとマスター達は目を見開く。
ラケール:えー、只今作者が仕事に追われているのでふしょう、私達が今回あとがきを仕切っています!
マイケル:いや、大丈夫か?これ?
三月:いいんじゃない? 別にこの時空帯は本編とは違うし
マイケル:いや、まあ……そうかも知れないが。 チエは何呼んでいるんだ?
チエ:作者が考えた他のプロット
ラケール:あ、なんか面白そう
マイケル:こっちにもくれ。
マイケル、ラケール、チエ:………………………………
三月:えー、という訳でこのサイドストーリー以外のプロットは一応あるので興味がある人たちは感想など遠慮なく言ってください! 作者は“本編頑張ります”と言っているので