バカンス取ろうと誘ったからにはハッピーエンドを目指すと(自称)姉は言った 作:haru970
三月:で、評価の設定は直したの?
作者:ハイ本日のジト目いただきました! すみませんでしたー!
三月:ハァー、これで評価がちゃんと反映されるならいいけど………
チエ:あとさっき“この作品”と指定したのは?
作者:では第15話“家族思いのゴルゴ(仮)”、楽しんでください! いつもありがとうございます!
三月:逃げた
チエ:逃げたな
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間桐雁夜、衛宮切嗣 視点
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「いいだろう、僕の願いは────」
「────ああ、言っておくけど、『平和』は望んでいるが『恒久平和』とかは望んでないからな。 聖杯を介さなくても、破滅するような願いは持ってない」
切嗣は息を飲んだ。
自分の言葉に被せるようにして放たれた言葉は、あろう事か否定の言葉。
まるで次の自分の言葉をわかっていたかのような、そんな口調であった。
「……な、何を言っている?」
聖杯を介さなくても、破滅する願い。
そんな筈はない。
誰も争わないのなら、誰も不幸にならないのなら、人類が滅ぶ筈はない!
思わず、そう叫びそうになるのをグッとこらえ、切嗣は先程の問いを投げかけた。
こんな風に明らかに動揺している切嗣を見た雁夜はと言うと────
「(────いや本当、三月は何手先を考えているんだ?! マジで切嗣の願いは『世界平和』関連だったよ、コンチクショウ!)」 と雁夜は心の中で吐いた。
【ちなみに推測だけど切嗣の願いは恐らく『世界平和』とか『恒久平和』……その辺りよ、今はね。 とにかく、その願いは無理よ。 だって────】
「────
極端な答えは
だがそれを奪うという事は、人から進化や成長を奪うのと同義。争う事を忘れた
『
ふざけるな!そんな馬鹿な事があるか! そんな、何時訪れる未来の事を僕は言っているんじゃない!
それに
「なら……………なら、お前自身の言う『平和』とはなんだ! 誰も争わない世界が破滅というなら、一体お前は何を『平和』だという気だ!」
間桐雁夜は溜息を出し、「ああ、少し前の俺自身を見ているみたいだ」と思った。
一年前、魔法の存在を知った雁夜は同じような問いを三月とチエにした。
少年時代の憧れや夢等も関係あったかもしれないが、それまでルポライターとして世界を旅していた彼は世界の理不尽さや不毛な現実など実際に見て来ていた。
それでも三月は言った、『
魔法は誰にでも同じように使える訳ではない。
魔法で差別概念は消せない。
魔法で貧因は『治療』出来ても『直す』事は出来ない。
最初に弓と矢、銃、核兵器等を発明した先人達の様に“これで戦争は終わる”と言ったように、ただ人が死ぬのが加速しただけのように。
それから雁夜は考えた。
「…………戦争があるから、それを無くそうとする人間がいる。 難民がいるから、それを救おうとする人間がいる。 『平等』にならないから、それに向けて努力する人間がいる現状は悪いのか?」
それは一種の諦め……………というよりは『捉え方』だった。
「確かに今の世界は不毛だ。 でも、今はそれでいいんじゃないか? 皆が『平等』になれば、努力する人間はいなくなる。 或いは一種の冷戦状態が続いているなんて捉え方もある。
だがそれは下手をすれば世界大戦の勃発だ……まぁ、ここまでは俺の持論だけだから、これはお前には特に関係ない。
逆に俺が衛宮切嗣に疑問を投げかけるとしたら………そうだな、まず…………どうやって『恒久平和を実現する』かだ」
「……………そんな事は聖杯に望めばいいだろう?」
「…………あー、うん。 それは聖杯には無理だ」
「何だと?」
「(いやまったく、俺も同じような質問を三月にしたよ。)」
【え? なんで無理かって? そりゃあ勿論、元の聖杯は使用者の考えている経路で願いと言う到達点を叶えるから。 だから方法を本人が知らなければ、聖杯は叶えられない………叶えられたとしても必ず願いをした本人の描いたような結末とは限らない可能性の方が大きいわ】
「具体的な内容は? 方法は? まさか、『恒久平和の世界にしてください』って言っただけで聖杯がしてくれるだなんて、思ってないよな?」
そう言われて、切嗣はすぐに答えようとしたものの、次の言葉が出なかった。
確かに、具体的な内容は決めていない。
恒久平和を聖杯に望めば、それで世界は平和になる……………
と、本当に思っていたし疑いもしていなかった。
聖杯は万能の願望機。 叶えられない願いは存在しないはず。 そこに何の疑念も抱かなかったし、それも事実だ。
「聖杯は願望機だがさっき言ったように無色透明。 言うなれば何でも出来る、生まれたての赤子同然だ。 だが、誰の願いでも叶えられるのなら、それは『抽象的なもの』であってはならない。
仮に聖杯を元の状態に戻したところでお前の願いを言われても叶わないな。 まあ、その願いはわからない事もないけどさ」
誰も犠牲にならず、誰も不幸にならず、恒久平和にする方法。
そんな事は思いつく筈もない。
「(でもだからって……僕にどうしろというんだ?!)」
気付いたところで後の祭りだ。
既に後戻り出来るような状況ではない。
例え、切嗣の願いはなくとも、アインツベルンとの契約上、聖杯は持ち帰らなくてはならない。それが七年前に結んだ契約だ。破れば娘であるイリヤスフィールにその重責を担わせてしまうだろう。
願いはなくとも、目的はなくとも、勝たねばならない。 絶対に。
勝ち残らなければ、愛する娘が次の聖杯戦争の犠牲になるだけなのだから。
そして勝てば愛する妻が聖杯の器に完璧になってしまう、今は
切嗣は頭を抱え、悩む。
そして彼自身は気付いていないが、今の彼の表情は『絶望』と『悲しみ』と『悔しさ』で歪んでいた。
これを見ていた雁夜は少なくはないダメージを心に受けていた。
特に『イリヤスフィール』という、今の衛宮切嗣の背景情報を知っている自分としては桜ちゃんと事情などが被る。
当初この事を知った雁夜は三月達に人質同然になっているイリヤスフィールの奪還を頼んだが、頑なに三月に断られた。
そして逆に雁夜に提案し、彼は驚きつつも同意した。
「さて、ここからが俺
切嗣との交渉の際に『コレ』を使うと。
「この聖杯戦争が終わった後、『魔術師』を辞めて大切な者達と共に生きるか、それともまた『傭兵』を続けるかの二択だ。 前者だとそこに行くまでの過程に苦労するが、後はもう人殺しになる必要は無い。 後者は比較的楽だ。 今までの生活に戻るだけだ」
「……………………」
「前者を選ぶと言うのなら、俺
頭を抱えていた切嗣が顔を上げ、雁夜を見る。
それは切嗣にとって、どれほどの甘い誘惑だったか。
キャスター襲撃の直前、妻であるアイリスフィールに吐露した心中(そしてそれらを目撃していた三月)。
妻と我が子を連れて、逃げ出したいという願望は、父として、夫としての衛宮切嗣の叶わぬ願いであった。
そして、今目の前にいる雁夜はそれを実現させる手伝いをすると言った。
十中八九達成すると同じ事だ。
しかし、切嗣は首を縦には振らなかった。
何故なら────
「────見返りは………何だ?」
────一般人だけではなく、魔術師の世界は常に雁夜がさっき言ったようにギブアンドテイクの社会。
メリットとデメリット、損得が絡み合うドロドロの世界。
これを無視した、明らかに片方にしかメリットのない取引に合意をするのは余程の馬鹿か間抜け、後は重度のお人好しだけだ。
「え?」
「そちらにメリットが全くない。 それどころか間桐雁夜が正規の魔術師じゃないと露見するようなものだ。 そうなれば確実に執行者が送られる事になる。 挙げられるデメリットはあるが、メリットが全くない」
「………執行者か。確かにそれだと危ないなぁ……………………………桜が」
「…………………………………は?」
「いや、桜ちゃん。 間桐桜、六歳。 遠坂から間桐に来た養子。 俺はまあ、『油断していなければ多分大丈夫』とお墨付きはもらっているけど…………
ちなみに雁夜のお墨付きは三月が行っていた。
雁夜にはお世辞としか聞こえていなかったが先日の活躍も見た通り、初見であった切嗣と綺礼の即席最強(最凶?)タッグを一人でやや強引にだが引き分けにまで勝負を持っていった。
そして彼の言う
実際に
更に追記になるが桜本人は基本的に直接害をなす魔法は嫌がり、本人の希望で基本的に強化や回復といった
現時点では。
返事を聞いた切嗣はズッコケそうになった(本日二度目)。
雁夜の心配する部分がズレていたからだ。
今、切嗣が提示したのは雁夜に対するデメリットである筈なのだが、本人は自身にかかる負担を露ほどにも気にしていなかった(無理もないが)。
「………う~~~~~~ん………
「え? ………そんな事はお前が教えればいいだろう?」
「あー、一応師匠は俺達二人の世話を見てはいるんだが、知っての通り俺は魔術から逃げた落伍者だ。 それに間桐の魔術は駄目だ。 それに………」
「それに?」
「……………いや、桜が『
「???????」
何故師に自分が選ばれたのか、切嗣は理解できなかったが、それはやはり雁夜が切嗣に近い思考をしているからであった。
模範的な魔術師として育つのではなく、一般人の感性も失わず、そして魔術を教えられる存在というのは雁夜にとっては極めて稀な存在だった。
「さて! 異論はあるか? ないなら、協定を結んでおきたいんだが────」
「────最後に確認したい……もし…………………もし、僕が家族を助ける為に、アインツベルンを裏切るとなったら………キミは手を貸してくれるんだな?」
「勿論だ。 これでも俺も子供の面倒を見ている。 『家族』というものがどれだけ大事なのかは多少理解しているつもりだ。 何なら契約でもしていい。(これで合法的に三月を巻き込める、ザマァないぜ!)」
切嗣の問いに雁夜は一拍も置かずに返した。
この一年間で、雁夜も娘を持つ親の気持ちを完全とは言わないまでも理解出来た。
厳密に言うと娘二人(一人はお利口で聡明で素直な天使同然、もう一人は人をを引っ掻き回す我儘な悪ガキ)、と同居している文武両道系物静かJK(っぽい(?))人達だが………一緒にいて悪くない気分が本音だった。
なら、我が子を助ける為に動こうとする
雁夜は一応切嗣が取り出し、内容を整えたセルフギアススクロール全てに目を通し、そして迷うことなく契約し、二人はサーヴァント達の待っている通路へと出た。
「お、待たせたなバーサーカー」
「いや、待ってはいない」
「セイバー」
「どうしたのですか、キリツグ?」
「今から僕達と間桐雁夜運営と協定を結んだ」
「それは………」
「色々あって、ね」
切嗣はそう言い、未だに鼓動が激しく脈を打っている心臓を大人しくさせようと煙草を取り出し、火をつける。
作者:う~ん、やっぱり一週間に一回はしたいし…………でも作品は二つあるけどそこまで器用じゃないし…………
三月:どったの?
作者:いや実は“俺と僕と私と儂”とこの作品なんだけど、自分はあまり器用じゃないし、仕事と書くのって大変だな~って
三月:今更?
作者:でもほかの人達は化け物だな、一話に8000文字以上を毎日ってやってる人達もいるし
切嗣:おい、貴様。 ゴルゴ(仮)とは何だ?
作者:うぎゃ?! きr────