バカンス取ろうと誘ったからにはハッピーエンドを目指すと(自称)姉は言った 作:haru970
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アーチャー、チエ 視点
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先程見た円蔵山の洞窟の入り口付近には数々のクレーターが出来ていて、木や林は無く、ほぼ更地と化していた地形の上は壊れた数々の武具で埋め尽くされていた。
激しい金属音と爆音が続く音の発生源には二人の人影が衝突していた。
一人は金髪赤目のアーチャーが金色の甲冑を纏い、笑いながらもう一人の黒髪赤目のチエに切りかかりながら武器をこれでもかと周りから放っていた。
「フハハハハハハハ! 何かして見せよ、女! 俺がこうも高ぶるのはそうそうない事だ、光栄に思え!」
目立った傷を負っているアーチャーだがまだまだ余力を残しているのか、あるいは
「くッ!」
これに相対するチエは苦しそうに、または悔しそうな顔をしながらアーチャーの攻撃を流す。
こちらはアーチャーと違い、目立つ傷がそのまま影響を与えているのか動きが時々ぎごちなかった。
「(早くしろ三月、やはりギルガメッシュは
突然チエが手に持っていた槍が崩れ去り、ギルガメッシュの振るう斧を避ける為に後ろへ飛ぶと彼女の背中が何かに衝突する。
チエが横目で見るとそこにはアーチャーが先程放った大きめのハルバードが地中深く突き刺さっていて、アーチャーは『してやったり』と笑いながら斧をもう一度振るう。
「(さあ、俺に見せてみよ!)フハハハハ! さあどうする女?! 腰のモノを抜け!」
「(これは………不味いな)」
チエは今までの攻防の中、腰の自身の刀は抜いていなかった。
これに気付かない筈が無いギルガメッシュは彼女の
単にアーチャーは今まで何も出来なかった事の鬱憤を晴らす為だけではない(七割程はそうだが)。
チエは素早く周りを見たが辺りには壊れた武器ばかり、背中には自分より大きいハルバードが深く地面に刺さってとてもではないが、抜き取れる状態ではなかった。
ガキィンッ!
「何?!」
「ヌグオオオオォォォ?!」
金属がぶつかり合う音はアーチャーの斧の刃とチエが
弾き返した斧にはひびが入っているのを見るとそのまま横に飛び、斧をチエへと投げ、チエはこれを躱す。
「貴様…………どういうつもりだ! 初めの勢いはどうした?!」
「…………」
「まさかとは思うが貴様………俺を愚弄しているのではないな?」
チエは答えず、ただ自分の腕に集中して取り敢えずは感覚だけでも取り戻そうとして────
「────AAALaLaLaLaLaieeeeeeee!!!」
轟音と爆音と高らかな声と共にアーチャーとチエの間に
「ライダー?!」
「雑種が────!」
「────双方待たれよ! 金ぴかにバーサーカーよ、
「チエさん! 三月はどこだ?!」
「バーサーカー、ご無事ですか?!」
「な、雁夜にセイバー?! 何故ここに? それに────!」
「────切嗣、セイバー! あの洞窟の中からよ! 早くバーサーカー達を────」
「────貴様ら、我を無視────!」
唖然とするチエの前にはライダーの戦車から下車するセイバー運営に雁夜がチエに駆け寄り、ライダーは戦車から降りると未だに邪魔をされて怒り増大中のアーチャーへ声をかける。
「あんな禍々しい空気、魔術師ではない余でもこう近寄っただけで気持ち悪くなるのに二人は何を呑気に痴話喧嘩などしている?!」
「痴話喧嘩ではない────」
「そうだ、これはしつk────」
「「────?!」」
アーチャーとチエはハッとするように洞窟の方を見る。
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セイバー、アーチャー、雁夜運営 視点
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今まで相手に集中していた故感じていなかった異常にチエは寒気を感じ、アーチャーは不愉快な苛立った顔を作る。
「これは────」
「────チエさん、三月はまさか────」
あの中か?と雁夜が言う前にぐったりとした三月と時臣を抱えた綺礼が洞窟から飛び出し────
「────綺礼!!!」
「────?!」
────チエは軋む体を無理やり動かし、綺礼達三人のそばまで跳躍して他二人を抱えている綺礼を横へと倒すとチエの胸にずぶりと手刀が撃ち込まれる。
「ウッ、ゴハッ」
呑み込めなかった血を吐きながらチエは手刀がそれ以上めり込む前に片手でその腕を掴み、無理やり抜けさせ後ろへと他の皆がいる所に飛ぶ。
「フム、準備運動としてはまあまあだな」
「ごど…みね゛」
「「「え?!」」」
「ム、これはまた珍妙な」
「チッ」
洞窟の影になっている場所から言峰綺礼(老)が出てそこにいるセイバー運営、雁夜が驚き、ライダーが興味深そうに見る半面、アーチャーは舌打ちをしながら汚物を見るような顔をした。
「貴様」
「油断大敵…では無く、生への密着が無いからだと言うべきか────ヌッ?!」
綺礼(老)を睨む綺礼(若)に綺礼(老)が声をかける途中セイバーが斬り込み、綺礼(老)が素早く黒鍵でこれを受け取る。
「な、馬鹿な?!」
「これは嬉しい誤算だな。やれ、
「ッ!」
セイバーは何かに気付いたかのように手に持っている剣の向きを変え、咄嗟に
「「「な?!」」」
この新しい乱入者にセイバーと切嗣と雁夜はまたも驚き────
「何と?!」
ライダーは目を見開き────
「そんな?! セイバーが………
アイリスフィールが
「……………」
黒い甲冑姿の
「フン、成程な。 我らが『影法師』であれば、貴様らは『影』そのものと言ったところか」
「ほう。流石はアーチャー、いやギルガメッシュ王か」
綺礼(老)が答え、先程までぐったりしていた三月が下ろされ、時臣も立ち綺礼(老)を見る。
『雁夜!』
『うわ?! いきなり大声────』
『────今すぐに一番きついのを撃ちなさい!』
『え? でm────』
『────撃・て!!!』
三月のドスの効いた声に雁夜はすぐに行動を移す。
「皆下がれ! 唸れ! 轟音!」
各人達がライダーの戦車とアーチャーのヴィマーナに乗り込むと同時に綺礼(老)と黒い甲冑姿の
爆音が続く中、雁夜はライダーの戦車に乗り込むとヴィマーナの後を追い空へと飛び立つ。
「バーサーカー!」
「アイリ、治療を頼む────」
「ええ、バーサーカー傷を────」
「どうしたんだ? 具合が────」
「ッ! 皆しっかり掴まっておれい────!」
ライダーの戦車は空中で回避をすると轟音と共に黒い魔力を纏う斬撃が空を切る。
「今のは『風王鉄槌』?!」
「いいえ、違いますキリツグ! あれは単なる
「馬鹿な! 地上からここまで────」
「また来るわ! ライダー!」
「分かっておるわい! 振り落とされるなよ?!」
迫り来る斬撃をライダーの戦車は右左、上下と躱し続ける中、三月の顔が青くなるのを雁夜が珍しく心配する。
「三月?!」
「雁夜…私────ゴハッ!」
三月が咳をし始め、手で口を覆うが指と指の間から血が漏れる。
「こっちにも治療を────!」
雁夜がチエの傷を塞いでいっているアイリスフィールに声をかけようとすると三月が彼の顔を自分の方へと戻す。
「────雁夜、よく聞いて。 私のリュックの中にある水銀の短槍が────」
「────今はそんなのは良い────」
「────いいから聞け! 水銀の短槍はケイネス特製の対聖杯用魔術礼装────」
「────何を言って────?」
困惑する雁夜を無視し、三月は延々と説明を続ける。
「────射程距離は長くないわ、せいぜい十メートルと言っていた。 肝心なのは当てる数とタイミングで少なくとも二本以上短期間内に当てなければ
「な、何を言っているんだ?
「
「大聖杯と小聖杯があって、小聖杯は敗れたサーヴァントを集めてできた魔力、またはそれを世界の外側へ放って、できた孔から引き出した魔力が、願いを叶えられる力へと変える。 そして大聖杯、これが────ゲホッ! ゴホッゴホッ!」
「もういい、喋るな三月!」
「時間が無いから単刀直入に言うわ。 汚れている小聖杯をいくら浄化しても意味は無い。 大元の大聖杯に対聖杯用魔術礼装を使って浄化しろ、雁夜!」
「お、俺が? だ、だが俺は────」
「私にはまだやるべき事がある! ここで
「む、無理だ………俺は、半人前で────」
「────お前ならやれる、雁夜! このままだと冬木市は火の海にな────!」
「────セイバー!」
「ハアアアアァァァァァァ!」
回避運動が疎かになりつつあるライダーの戦車に迫り来る斬撃をセイバーが叩き下ろし始める。 これを見たと思われるアーチャー運営のヴィマーナは戦車の隣について、アーチャーはライダーを笑う。
「は、所詮は地を這いずるのが似合う牛共よ────」
「────金ぴか、ぼさっとしてないでちょっとは────」
「────雁夜、やれるかやれないかじゃない。
そう言い残すと三月の目は虚ろになり、身体から力が抜ける。
「どうした、雁夜?」
「………アイリスフィールさん、三月を頼む。 チエさん、セイバー。力を貸してくれ」
「え、ええ。いいけど貴方は?」
雁夜はそう言い、アイリスフィールには声で答えず一瞬苦笑いを浮かべる。 三月からリュックを取って自分が背負い、隣まで来たヴィマーナに頭を下げる。
「「雁夜?!」」
「ギルガメッシュ王よ!」
「ん?」
「俺は………俺は聖杯を浄化しに行きます! どうか一時休戦を!」
「良い、許す」
「「「「?!?!」」」」
アーチャーのほぼ即答にそこにいる者達はびっくりする。
「我も聖杯があんなに汚れていてはかなわんからな、少し我自ら汚れを落とそうと思っていたところだ。 行け、雁夜とやら」
「ありがとうございます! 時臣、邪魔をするんじゃねえぞ! セイバー、チエさん────!」
「────チエで良い、行くぞ!」
傷が塞がったチエは立ち上がり、雁夜も立ち上がるとセイバーも立つ。 これに時臣と切嗣達は雁夜に叫ぶ。
「雁夜、正気か? 相手は少なくとも綺礼並みの体術の上にセイバー並みの戦力なのだぞ?」
「そうだ、それに情報が必要だ。 今は撤退して────」
「────そんな悠長に時間をかけていられない! ライダー、皆を安全なところまで連れて行ってくれ!
雁夜の掛け声と共に彼、チエ、そしてセイバーは戦車から躊躇なく飛び降りる。
作者:や、や、やっと投稿出来たどー!
マイケル:しかも最後の方はなんかロープなしのバンジージャンプになっているし
ラケール:いや、まあ………私達も本編で同じような事しているし
チエ:うむ、あの浮遊感は心地良いな
作者/マイケル/ラケール:え?
チエ:ん?
作者:…………………えー、と言う訳で大詰めっぽいところまで来ました! 次はどの世界にし・よ・う・か・な~?
マイケル:え? まだするのコレ?
作者:うるさいやい! これめちゃくちゃ楽しかったんだから勘弁しろよ!
マイケル:本音は?
作者:あまりにも三月とチエのコントが面白くてつい
ラケール:本編は?
作者:う゛…………頑張ります…………
チエ:両方の作品並行はよほど切羽詰まっているとみた
作者:まあ…………少なくとも週一はキープしたいです。ハイ
ラケール:というか、この次の世界って────
作者:────はいそこでストップ! アンケートを出す予定ですがそれは後で!