バカンス取ろうと誘ったからにはハッピーエンドを目指すと(自称)姉は言った 作:haru970
今年もよろしくお願いします!
え、イメソンですか? 今回はないです。
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三月、雁夜 視点
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────不意に、間桐家の電話が鳴り三月(分体)が電話に出る。
「はいもしもし間桐家です! ただ今電話に出れませんので、『ピィー』と────」
『三月か? 切嗣だ。“準備” が整った』
三月(分体)の悪ふざけを一刀両断した切嗣の声は低かった。
「………分かった」
三月(分体)が電話を切ると、これを見ていた三月(本体)は舞弥とアイリスフィールと雁夜とチエに声をかけて五人は既に出かける用意をしていた。
「え? 本体?」
「いや、まあ……ここまで来たら最後まで面倒見るっきゃないでしょう、分体?」
「そう…………ね。 行ってらっしゃい!」
三月(分体)が抜ける三人(主に舞弥の役割)をヒィコラ言いながら引き継ぎ、三月(本体)、舞弥、アイリスフィール、雁夜、チエは
イリヤを救いに。
…………………
………………
……………
…………
………
……
…
「へっくち! さみーよー! 雪は綺麗だけどさー」
三月(本体)はもこもこのコートと帽子を着ながら視界を覆うほど吹雪いている山の中の森を切嗣、アイリスフィール、チエ、そして舞弥と共に歩いていた。
「我慢しろ。 この吹雪は外側の結界同様、アインツベルンの人払いによるものだ。ただ外側の結界と違い、低レベルの魔術師なら凍死するまで彷徨い続ける事になっている」
そう言いながら三月達は進む。
「でも、本当に大丈夫なのかしら? サーヴァントを連れて来た方が────」
「────それは悪手。 確かにサーヴァントは強い戦力になるけど『気配遮断』を持っていないサーヴァントは魔力やその存在が結構ダダ漏れ。特に一番戦力になるセイバーは魔力を登録されて遠見の魔術か何かで常に彼女経由でこちらを見ていた可能性が高い…………まあ、その代わりにチエを呼んで来たんだけど……不服?」
切嗣はチラッとチエを片目で見るが何も言わずに進む。
「気にしないで三月
「あ、三月『ちゃん』か『三月』でお願いします。 後チエには『手加減無し』と言ってあるので、少々のストレス発散に成ると思いますので。 ただビックリしないで下さい」
「マダム、今はこの者達を信じてみたらどうでしょうか?」
「…………そうね。そうしようかしら」
「お喋りはそこまでにしておけ。着いたようだ」
切嗣がサーモグラフィー機能付きスコープを通して城らしき建物の外を徘徊して様々な武器で武装したホムンクルス達の姿が見える。
切嗣達がこれを確認し、大体の城の形状や見取り図を予め描いていた物に切嗣が情報を足す。
「良し、これだけの情報があれば────」
「────チエ、行けそう?」
「問題ない、行ってくる────」
チエが急に立ち上がり、城の方へと歩き出すと切嗣達が焦る。
「お、おい待て────!」
「待って、あの中にはイリヤが────!」
チエがそのまま歩くと思った三人は、彼女が居合の構えから空に向かって抜刀する途端、荒れ狂う吹雪は収まり、風と雪が収まるどころか温度までさっきからの零度以下から春のような温度まで急上昇していた。
吹雪対策をしていた切嗣達は気温上昇により暑くなり、上着を外しながら周りを見た。
「これは?!」
「どうした、アイリ?!」
「結界内だけに変化を?! いえ、これは………
『
これは決して容易い事ではなく、結界の上書きなどは無く先ずは先に張ってあった結界の破壊、または無効かをした後、新しく張るものか既にあったものの強化。
「………雁夜もだが、彼女は出鱈目すぎる。 彼女は一体何者なんだ?」
切嗣が三月に問うが彼女は答えず、ただ城門を見ていた。 ホムンクルス達は急に真冬の吹雪から晴天の春に天候が変わったのが余程想定外だったのかオロオロと辺りを見渡していたとしていた。
それを見た切嗣は城に向かって可能な限りの大声で叫ぶ。
「当主殿! 僕は娘を……イリヤスフィール・フォン・アインツベルンを迎えに来ただけだ! それ以外の目的は無い!」
切嗣の答えの代わりは静寂と、急に声を出した者への臨戦態勢を取るホムンクルス達だった。
「駄目か」
「出来れば、彼らと彼女ら達は巻き込みたくなかったけど……」
「仕方のない事ですマダム。 貴方が気落ちする事は無い」
「お母様ー!!!」
アイリスフィールを呼ぶ幼い声が、臨戦態勢を取ったホムンクルスの集団の間から走り出してきて────
「────あ、キリツグもいたんだ! おかえりなさい!」
「「イリヤ!」」
切嗣とアイリスフィールは我先にとイリヤを抱きしめながら涙を流す。
「えへへ。キリツグの言っていた通り、イリヤずっと良い子で待っていたよ!」
「うん……うん……だから父さんも……母さんも早く迎えに来たよ」
「あれ? なんで二人とも泣いているの?」
「何でだろうね。 ハハハ…多分、走った時にゴミが目に入ったんだろうね」
「(うっわ、切嗣って素直じゃないなー)」
「イリヤの元気な姿があまりにも眩しすぎてお母さんは泣いているのよ」
「(それに対してアイリスフィールはやっぱり
イリヤの抱きしめる二人は聖杯戦争で戦ってきた『兵士』や『道具』などでは無く、純粋に『我が子に会いたかった親』と言う、雁夜からしてみれば魔術師にしては『人間臭い』行動だった。
「………(成程、三月は『コレ』の事を言っていたのか………『魔術師殺し』は実は一般人の感性を持っていたからこそ行える所業………か………)あれ? そう言えばホムンクルス達何もしてこないよな?」
アインツベルンの取った行動は明らかに部外者へ対する警戒態勢。 だがそれ以降何も行動を起こしてはいない。 せいぜい上着のチャックなどを開けるか、上着を脱ぐかのような些細なものだった。
これを不思議に思った切嗣とアイリスフィールはイリヤに問いかける。
「ねえ、イリヤ? 大爺様はいるかしら?」
「うん、いるよ」
「彼は今どうしているの?」
「おねんねしている!」
「「は?/え?」」
「急にね! 天気が良くなったらねちゃったの! 『ひなたぼっこ』ってかな?」
「「…………………」」
「切嗣、マダム。 城門からチエが出てきます」
「よっし! ここからは私の出番ね!」
双眼鏡を覗き、城から出てくるチエと交代するように、三月が城門前に集まってくるホムンクルス達と会い、何かを話しているかのように切嗣達には見えた。
数分後、三月は切嗣達がいる場所へと戻る。
何故か大勢のホムンクルスを連れて。
「────と言う訳でこの子達もアイリスフィール達と一緒に日本に行くことを決めたから!」
ゴチィン!
「いっっっっっっったぁぁぁぁぁぁい!」
「何が『と言う訳で』だ! 何人いると思うんだよ?!」
「143人だけど」
イラつく雁夜に対してさっきまで痛がっていた三月は冷静に、かつピンポイントで人数を答えると雁夜は切嗣を見る。
同情たっぷりの目で。
「………と言う訳でバトンタッチだ、切嗣」
「は?」
「143人分の偽造パスポートと航路等の確保、俺も手伝うからさ」
「な?!」
「あら~、大きい家族になっちゃうわね~」
「アイリ?! ぼ、僕はまだ────!」
「────キリツグ! ガンバ!」
「イ、イリヤまで………」
「切嗣────」
切嗣最後の希望の舞弥の声に期待の目を向ける。
「────私はこれからマダムとお嬢様を警護し、別ルートで日本へ帰還する準備をします。 後ほど合流しましょう」
バッサリと期待を一刀両断した舞弥に切嗣は更に気落ちすると、雁夜は切嗣の肩を叩き、切嗣は雁夜を見てギョッとした。
雁夜の目はいつの間にか狂言者のように、狂ったような眼をしていて、瞳孔は開きっぱなしの状態で笑っていた。
「大丈夫だよ、切嗣」
「か…か…か…雁夜…………君?」
「大丈夫。 俺もド素人だったけど二人分の偽造パスポートを入手した事がある。 一応養子としての登録もしたけどさ、後で調べて見たら『変質者』と指名手配されて────」
「────ひ」
切嗣は短い悲鳴のような息を出して延々と愚痴る(?)雁夜の話(?)を聞いていた。
話が終わったのは一時間後だが切嗣にしたら永遠とも思えるような長い、長ーい時間だった。
救いはアイリスフィールが出来るだけ長くイリヤと切嗣を一緒にしたかったので全ての準備が整い終わるまでドイツに一緒に皆がいた事か。
そして結局手伝わされる舞弥だった。
彼女の目が赤く、涙を流した跡はその日の夕飯の為に玉ネギを切っていたからだそうだ。
ちなみにその日の夕飯は簡単なマッシュポテトとグレービー、ステーキ、そして野菜スープ。
玉ネギはどこにも見当たらなかった。
全てが終わる頃には何故か大人しくなったアインツベルン現当主のアハト爺と、当時生産中だったホムンクルス達まで頭数に入っていた。
三月曰く『アインツベルン次期当主は切嗣とアイリスフィールの二存で決める事に
これを聞いた雁夜と切嗣と舞弥だけでなく
ただ────
「────ああ、どうしよう! アハト爺の嫌いな物とか苦手な物って何だったかしら?! 機嫌を損ねて切嗣との結婚を破棄させられたらどうしよう?! と言うかそもそも彼って普通に人の前に出せるような人物だっけ────?!」
────
後少しズレていたのは言わずもがな。
既に切嗣とアイリスフィールにアインツベルン次期当主の選択を渡した時点で二人の婚約に文句を付けられない立場の上……………いや、これ以上は止そう。
その間、イリヤは見事三月とチエ両方と意気投合し、毎日彼女のお供をするホムンクルスの中で名がある二つの個体のリーゼリットとセラと一緒にドイツの街へと出ていた。
ちなみに最初
困惑するチエとイリヤ、無表情のリーゼリットはどうしたら良いのか分からず、イリヤの教育係であるセラが仕方なく慰めようとしたところ、三月が余計に泣きながらリーゼリットとセラに抱きつき、結局は泣き止むまで待つこと30分。
その間に三月は何かを言おうとしていたが涙に紛れて、要領を得ない言葉だった。
泣き止んだ三月は耳まで赤くなりながらも、そして恥ずかしそうに二人に何度も謝り、イリヤが何故泣いたか聞いたところ、三月は『二人が私の世話係と非常に
その日からイリヤ、リーゼリット、セラ、三月は非常に仲良くなり、終いには三月とイリヤに二人に引っ張りまわされていたチエとリーゼリットが何故か日本に戻ったら『また』組手をする事に。
そして教育係のセラは悩みどころが更に多くなり(主に何となく似ている者同士のリーゼリットとチエ絡み)に胃を痛めているところに三月が雁夜と切嗣達に勧めている胃薬を分けてあげたその次の日からセラは何かと三月に文句(もとい愚直)を言う為に三月の下をよく訪れるようになった。
そのような日々が約一か月半の時が過ぎて、やっと全員日本へ帰国できる準備が整った。
余談だがこの一か月半の間、三月(分体)と桜と凛からの国際電話はほぼ数時間おきに三月(本体)と雁夜とチエに掛かって来た為、チエにほとんど対応をお願いしていた(流石に悪いと思ったのか途中から三月(本体)も切嗣、雁夜、舞弥の手伝いをし始めてあまり眠らないチエにこの役割が回った)。
ラケール:明けましておめでとうございます! はい、と言う訳でまさかのアインツベルン絡みの話でした。 そしてまさかのテクスチャ変え。
チエ:物足りんな。
マイケル: え゛
次の世界でどんな展開を三月達にさせたいですか?
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原作沿い
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原作改変
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作者に任せる
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三月とFATEの関係が気になる、説明求む
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本編早よ!