バカンス取ろうと誘ったからにはハッピーエンドを目指すと(自称)姉は言った   作:haru970

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ではごゆっくりお楽しみください。


第25話 子供は風の子、大人は火の子。そして……

 そして冬木市……………

 

「冬木市よ! 私は帰って来たぞー!」

 

「「来たぞー!」」

 

「ぞー(棒読み)」

 

「………」

 

「ハァ……もう、この人達は………」

 

 三月が叫び、イリヤは最後の方を真似て、更にイリヤを真似るアイリスフィール。

 それに続く感情の籠っていないリーゼリットの声と無言のチエ、そして最後にセラが溜息を出し、それを見たアイリスフィールがクスリと笑う。

 

「あら、皆仲良しで私は嬉しいわよセラ」

 

「奥様……」

 

 そしてその日、約250人もの()()()()の目麗しい北欧系の美男美女達が冬木市に移住して来てかなりの大騒ぎになったのだとか。

 

 大半の家宅は復興作業が続いているアインツベルン城に、そして残りは衛宮邸へと移住した。

 

 追記として言峰套路と冬木市の政治家達にも胃薬を三月は持って行ったそうな(主にメディア放送や表沙汰になりそうだったのを阻止してくれたり融通を聞かせてくれたりと)。

 

 そして三か月ほど時は過ぎ去り────

 

 

 

「ねえカリヤおじさんは『けっこん』しないの?」

 

「「ブフー!!!」」

 

 ある日、周辺の住宅等を買って更に巨大化し、リフォームを遂げた間桐家での一か月に一回はある『第四次聖杯戦争参加者集会』の晩餐で夫婦仲が良い衛宮家とアーチボルト家を見た桜は雁夜にそう聞いた所、雁夜と三月が飲んでいたお茶を噴出した。

 

「あらー、どうしたの桜?」

 

「だってアイリおねーさんとブショウひげおじさん同士とおーるばっくおじさんとソラウおねーさん同士ってなかがよくて、カリヤおじさんと歳あまりかわらないから」

 

「「「「(無精ヒゲおじさん)」」」」

 

「「「「(オールバックおじさん)」」」」

 

 切嗣とケイネスを見た者達は聞かぬ振りをした二人に若干同情しながら「(桜は辛辣だなー)」と思った。

 

 ちなみに切嗣とケイネスのコップを持つ手は震えていた。

 かなり気になったらしく、切嗣はこの日からヒゲをこまめに剃り初め、ケイネスはヘアーサロンにて定期的にスタイルを変えたとか。

 

「そ、それがどうしたんだい? 桜ちゃん?」

 

 とにかくこの話題を無理矢理変えるより早く終わらせようと試みる雁夜はせっせと会話を進ませる。

 あとはその場にいた遠坂葵を見ないように必死だった。

 

「もしかしてカリヤおじさんってチー姉ちゃんと『けっこん』したいの?」

 

「「「「ブフー!」」」」

 

 これを聞いた雁夜と三月以外いた大人組は噴出した。あるいは何とか堪えたが目を見開いた。

 

 そして雁夜の笑顔はヒクつく。

 

「な、な、な、何でそう思うのかな桜ちゃん?」

 

「だってカリヤおじさんってチー姉ちゃんをよくみているもん」

 

「「「「「………………………」」」」」

 

 急な沈黙が辺りを埋め尽くす事30秒ほど。 痺れを切らしたのか、桜はチエを呼んできて、同じ質問をしている中、他の者達は見守るかまだビックリしている途中だった。

 

「『結婚』? 少し待て………………………ああ、『伴侶』の事か。 雁夜は私を『伴侶』として欲しているのか?」

 

「「「「(ド直球だ?!)」」」」

 

「え?! いや、その! 俺は!」

 

「「「「(しかもこの反応は…………)」」」」

 

「カリヤおじさんはひまがあったらよくチー姉ちゃんをみているよ?」

 

「さ、さ、さ、さ、さ、桜ちゃん?!」

 

「雁夜は性欲が留まっているのか?」

 

「え?!」

 

「(うわー、これは────)」

 

 ────これを見た三月は────

 

 

 

 

「(────面白そうだ。見守ろ。 グエヘヘヘヘヘ)」

 

 未だ赤くなってパニクッている雁夜にチエは更に言葉(追い打ち)をかけ、周りを巻き込み始める。

 

「いや、すまないな。 良く分からない。 私は繁殖行為を考えた事が無くてな。 どうなのだ、アイリスフィール?」

 

「エエエエエエェェェェ?! わ、わ、わ、私ぃ?!」

 

「??? 切嗣と繁殖行為を行ったからイリヤは生まれたと思っていたが?」

 

「え、あ、その、ち…………ちが………違わなくて……その…………」

 

 テンパるアイリスフィールに三月達が心の中で合掌する。

 

「で、どうなのだ?」

 

「ど、どうって………………………………」

 

 アイリスフィールは赤くなり、気まずそうにしながら同じように赤くなる切嗣を見ると二人の目は会い、更に赤くなりながら目を逸らす。

 

「「「「「(これが『リア充』ッ!!!)」」」」」

 

「ところで突然どうした、桜?」

 

「「「「「(場を荒らして放置かよ?!)」」」」」

 

「ううん。 カリヤおじさんがこのまま『けっこん』しなかったら、かわいそうだから桜がお嫁さんになってあげようとおもったの!」

 

「桜ちゃんッッッッッッ!!!」

 

 思わず泣きそうになる雁夜(実際に感動で目が潤んでいる)。 だが────

 

「────駄目よ桜!」

 

「待ちなさい、桜!」

 

「え? イリヤにお…お姉ちゃん?」

 

 先程桜の言ったことを偶然聞こえてきたイリヤと遠坂凛が待ったをかける。

 あと桜は最初の頃は遠坂凛に対して他人行儀であったが今ではちゃんと『姉妹』として接している。

 

「このような()()に桜はもったいなすぎるよ!」

 

「そうよ! 桜があまりにもかわいそうだわ!」

 

「え? え? え? そうかな?」

 

「「「「「「…………………」」」」」」

 

「そうよ! 桜はもっと自分を大切にしないと!」

 

「それに、今は『間桐』なのだからよりベストな人を見つけるべきだわ!」

 

「でも、カリヤおじさんは桜がいないとだめになるとおもうの」

 

「「「「「「……………………………………」」」」」」

 

『時として子供は残酷である』とは良く言ったものを痛感した大人達であった。

 更に追記となるがこれにより更に()()かを意識した者達が数名いたとか、いないとか。

 

 この後、子供達はどこ風吹くのようにチエとリーズリットと遊びに行き、桜とチエが『()()()()()()()()()()()()()()』をしていたのを皆が目撃してしまった為、この世界での『魔法使い』は『間桐雁夜』だけでなく『間桐桜』もそうだと発覚してしまう。

 これにより後で時臣と切嗣、そしてケイネスは教えを乞うが、間桐雁夜にはぐらかされる。

 

 最後には時臣と切嗣とケイネスはチエに文字通り頭を下げながら恥を忍んで教えを乞うが、『お前たちには()()()()』と言われ、桜と同じく片手目で良いのなら『遠坂凛とイリヤなら()()がまだあるから良い』と返事が来た瞬間、切嗣と時臣は喜びの余りから笑い、酒に酔ったとか(二人とも()()に妻達に酒の飲みすぎに説教されました)。

 

 この仕返しとばかりか、ケイネスは後に『聖杯の解析データ』の一部を時計塔で公表をするのだが………以前に書きあげた通り、これが間接的にウェイバー・ベルベットを『ロード・エルメロイ二世』に任命する事と冬木市で後に生まれる(ソフィア)を育てる事に繋がる。

 どんまいケイネス。

 合掌。

 

 …………………

 ………………

 ……………

 …………

 ………

 ……

 …

 

 そして更に月日が過ぎ去り、(聖杯戦争)から春。 更に春の終わり頃────

 

 

「どうしても………行くのか?」

 

「そうね、私たち実はと言うとかな~り無理をして長期滞在していたからね」

 

「そうだな」

 

 間桐雁夜と第四次聖杯戦争の参加者達(と関係者の何人か)全員が三月(本体)とチエを名残惜しい目で見送りにアインツベルン城に来ていた。

 

 そこには間桐家、遠坂家、衛宮家、ケイネスやウェイバーにサーヴァント達だけでなく、冬木市聖堂協会の言峰達と彼らが教会で経営する孤児院の孤児達もいた。

 

 驚く事に第四次聖杯戦争後、言峰綺礼が娘を持っていたと発覚した当時は大騒ぎだった(と言うかこの発覚した時のドライな言峰綺礼に対して子持ち組と三月(本体と分体両方)は騒いでいた。)

 

 実はと言うと血の繋がった娘では無く、少し前に代行者をしていた言峰綺礼が行動中に拾った孤児たちを自分の『仮の養子』として成人するまで聖堂協会に送っていた中の一人で、その子の母親に何かを感じたのか『仮』では無く、正式な『養子』として登録していた。

 それまでは『そのような些細な事』に関心を持っていなかった言峰綺礼は『すっかり忘れていた』らしい。

 

 これを知った言峰璃正は怒るどころか『儂に孫娘がいたのか?!』と感激していてその子を冬木に呼ぶと同時にこれまでの孤児たちも一緒に、と事を進めた。

 今では言峰璃正、綺礼、そして綺礼の娘の『花蓮(カレン)』は冬木の教会の孤児院で孤児たちの面倒を見ていて、三月とチエと()()アーチャーでさえも時々手伝いに来ていた事で孤児たちにも『凄いお姉さん達』として慕われていた。

 半面、アーチャーは『凄いお兄さん』などではなく、『威張る中二病のガキ大将だけど面白い話の数々を知っている金髪』と孤児たちに認識されていたが。 

 

 最初は義務的に延々と子供たちの世話をする綺礼だったが娘の花蓮(カレン)と父の璃正が孤児たちと笑いあう姿を見る度に自分も何故か笑っていき、本人はずっと無表情のつもりが今では無意識に感情が顔に出て良き『親』、または『神父』として孤児と冬木の人々に認識されつつあった。

 

「そうか。 少し………残念だな」

 

「綺礼…………」

 

『本来の彼』を知る者にはビックリどころか『中身が入れ代わったのではないか?』と思う者たちも少なくはない。

 

「そうか。 一応感謝をもう一度言っておくぞ、プレラーリ嬢にチエとやら」

 

「ええ、私からも言っておくわ。 ありがとう」

 

 ケイネスとソラウは時計塔からこの日の為だけにあらゆる者たちとのスケジュールを延期、またはキャンセルして文字通りすっ飛んできた。

 

「チエさん………」

 

「ん? どうしたウェイバー・ベルベット?」

 

「僕…………僕は強くなる! だから………何時かで良いから、見に帰って来てくれるか?」

 

「良いぞ」

 

 チエの返事にパァっと顔を明るくするウェイバーを各大人達は内心微笑ましく思った。

 

「三月、ありがとう」

 

「ん? いやいや、今世のお別れじゃないんだから良いって雁夜」

 

「僕達からも言わせてくれ、ありがとう」

 

「おい、貴様。 考え直さんか?」

 

「断る」

 

「残念だのぉ、余との決着は未だに『引き分け』ばかり」

 

 アーチャーの誘いを即答でチエが答え、ライダーは惜しむ。

 

「あ、時間よ本体」

 

 突然『ズゥン』と何かが唸るような、お腹にくる音と魔力の歪みと共に()が三月とチエの後ろの宙に現れる。

 

 ()の先は何も見えない真っ暗な『闇』で、これを見た者達は言いようの無い『不気味さ』を感じながら、三月(本体)とチエに『行ってらっしゃい』などの言葉をかけ、握手か抱き合う。

 これによりウェイバーはさらに赤くなり、ライダーにからかわれる。

 

「……………では私は先に行くぞ、三月」

 

 挨拶を終えたチエが先に()の中へと消え、三月は歩き出す。

 

 だが彼女は突然止まって、振り返りながら優しく笑う。

 

 

 

 

 

 

()()()はさ、()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

 何時もの口調ではない三月の言葉に、そこにいた者達は困惑しながら隣同士を見る。

 

()()()って誰だ?』と思いながら。

 

 約一名を除いて。

 

「あ…………………………」

 

 それはかつて『彼女』が聞いた問い。

 

 サワガニの由来から『アリマゴ島』という場所で出会った『彼』の『姉』。

『友』。

『初恋』。

 

 そして────

 

「────あ……ああ……────」

 

 

 

 

 

 ────『彼』が持つ『正義の味方』像を歪める原因となった『彼女』が、何時かの夜空の下で聞いた問いに()使()()()()()

 

 

 

 

 

「ぼ、僕は…………」

 

「「「「「「「「切嗣?」」」」」」」

 

 何故か泣きながら震え、笑っている切嗣に周りの人達が『彼』の名を呼ぶ。

 

「僕はね…………()()()()()()()()()()()()()

 

「うん。 素敵な夢だね、『()()()()()』…………………………()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。 じゃな、『()()』」

 

 それを聞いた三月(本体)はニコリと()()()()()()()()、『()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、チエ同様に()の中に消えると()事態も消えた。

 

「ありがとう…………ありがとう…ありがとう、あ゛りがどう゛、ありがどう、あ゛り゛がどう゛!!!」

 

 手と膝を地面に着きながら、死んだ魚のような濁った目にハイライトが戻り、()()は喜びや安心など、他に多数の良く分からない感情で顔がグチャグチャになり、声が崩れながらも『彼女』に感謝の言葉を叫ぶ。

 

「あ゛りがとう゛! ()()()()()ッ! 母さん(ナタリア)ッッ!! ウアァァァァァァァァァ!!!」

 

 その場に残されたアイリスフィールは彼を慰めようとしながらも、夫が今までに見せた事のない『人間性』にビックリしながら感動していた。

 

 舞弥や他の保護者達は貰い泣きをし始める子供たちをあやしながらも、彼ら自身何人かはも切嗣の見せている感情に感化され、今にも泣きそうな感じだった。

 

 そして冷や汗をかく三月(分体)の近くにいたケイネスは声をかける。

 

「これはどういう事なのだ、『大聖杯』?」

 

「……………………………………………………本体のバカー! バカァァァァァ! バァァァァァァァカァァァァァァァァァァァァァ!!! 『私』のほうの事も考えろー!!!」

 

 その場に残された『アラヤ(三月(分体))』の三月(本体)に向けた叫びが虚しく空に響き、後で質問攻めを全員にされる。

 

 

理想(少年)』の『希望(坊や)』へ。

 

希望(坊や)』から『絶望(青年)』へ。

 

絶望(青年)』に押しつぶされる前に『機械化(正当化した大人)』へ。

 

 そして『機械化(正当化した大人)』から『願望(アイリと会う)』。 そこから『理想(家族持ち)』へと変わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねえ、どうだった? チエ」

 

「む? ああ、『ばかんす』の事か。 以前の言った通りに『何もなかった』な」

 

「………………そう」

 

「だが………」

 

「うん?」

 

「そうだな。 心拍数上昇は戦時と引けを取らなかった事から気分は『悪くなかった』とでも言えよう」

 

「……………うん……………うん! 良かった良かった♪」

 

「『姉』と自称するには些かどうかと思う所もあるが────」

 

「────相変わらずド直球────!」

 

「────()()も見ておくとしよう」

 

「……………うん♪ そこは『ありがとう』じゃないかな?」

 

「『感謝』はしている、『三月』」

 

「こちらこそ付き合ってくれてありがとう、『チエ』」

 




これにてこの作品の一区切りになります。 いかがでしたでしょうか?

まずはここまで読んでいただき、誠にありがとうございます。

感想やアンケートのご協力、ありがとうございます。

こちらも『俺と僕と私と儂』と似てほぼ処女作状態と、Fate/Zeroアニメと小説を見ながら脳内シミュレーションぶっ通し続けて原作にまた感動しました。

本当に何十年ぶりの事か………
特にFate/Zeroアニメの18話はもう………………ね。
涙が止まりませんでした。

以上にも書いた通り、この作品の一区切りとなりますが………『その後』の話などに興味がある方達はどうぞアンケートにアンケートにご協力ください。 
ただ『その後』の話が不定期更新になる可能性は『有り』ですが。

ただこの作品からのキャラが他の作品に登場するというかクロスーオーバーは可能性大というか有りです。


実を言うと、三月というキャラは『俺と僕と私と儂』の中でもかなり個人的に好きな方の一人です(まあ、基本的にどのキャラも私は好きなのですが。 え?嫌いなキャラ? もちろんいますよ)。

チエはチエで魅力的なのですがそれは『今』の彼女より、『後』の彼女が私は好きです(『今』のも良いのは不定しません)。

キャラと言えば、Fate/Zeroで私が好きなのはマスター達と彼らの周りの人達ですね。 確かにサーヴァント達も面白いんですが如何せん、『人間』の方達に共感しやすかったので。
と言うか色々と悲惨だった。 (そこで『まあ、型月だから』というのは禁止で。 その通りなので)。


後、時空間的にこの作品は『俺と僕と私と儂』の中間あたりです(現在12/28/2020で出ている第34話よりももっと更に後です)。


では『俺と僕と私と儂』、及び次の作品でお会いしましょう。

今後ともよろしくお願いいたします。



haru970より。





1/1/2021 追記:

次の作品の方針アンケートにご協力ありがとうございます! 今のところ『三月が何故Fate/Zeroの世界でこの作品の行動原理に至ったのか』と言う方針で書き始めたら三日足らずでストックが数話分出来上がったしまいました。
駄文とか自分の文才の無さが怖いのですが、無事に何話か投稿できると思います。

では次の作品、『"Stay, Heaven's Blade" Fate said.  “「その天の刃、待たれよ」と『運命』は言った。”』でお会いしましょう!

リンクはこちらとなります https://syosetu.org/novel/246588/


haru970より。


追記2:

作者の不手際で『その後の話を見たいか否か』のアンケートが正しく表示されていませんでした、誠に申し訳ありません。

『その後』の詳しい展開などにどれほどの興味がありますか?

  • 作者の気分次第で
  • めっちゃ興味あるがな!
  • 自分の脳内展開で十分
  • 無しでも良いが、有りは嬉しい
  • 各キャラのサイドストーリーが見たい
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