世界は思いの外勝手に回る   作:睡眠は健康をもたらす


オリジナルファンタジー/コメディ
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ゲームの放り出される。なんともネット小説の題材であるやつだ。ただ、それはフィクションだから良いのであって実際にそんな目に遭うのはゴメンである。何故そうかって?それは僕がそんな目に遭ってあるからである。
雑にやっていたゲーム(なのか違う世界なのかすら本人談では定かでない)世界に放り出されたマサヨシ。彼に有るのは脳死ベリーイージーモードで手に入れた脳筋パワーと耐久と生来の雑さだけ。
頑張れマサヨシ!負けるなマサヨシ!続く気は無いから酷い出オチさだけが待っている!

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人体の健康のために寝よう!


世界は思いの外勝手に回る

 初めにすごく荒唐無稽な事を言う。

 

 僕がこの世界にやってきて早一年が経った…

 

 藪から棒になんだと思うのは大変共感出来る。ただ、僕にとってはまさしくそうとしか言いようが無かった…

 

「こんな無駄に気取った書き出しの随筆?日記?駄文?、痛いな…。我ながら相当参って書いた世迷い言に違いない…」

 

 一年の月日を経てもまだなお美しいと感じさせる湖のほとりで、僕は昨日の夜に何を思って書いたか不明な怪文書に悶えていた。

 

 僕の名前は[ヨシマサ]。様々な事を端折って説明するとプレイしていたゲームにいつの間にか取り込まれていた。

 

「ネット小説によくあるやつじゃん!」

 

 こんなツッコミを気が付いた第一声にした。

 

 そんな事はともかく。僕はこのゲームそのままなのか、はたまたベースだが違う世界なのかよく分からない世界に、ゲーム時代自らの分身たるアバター[ヨシマサ]として放り出された。

 

 ちなみに、このゲームについて僕は[一人用のオープンワールドアクションアドベンチャー]という非常に雑かつコレすら正解なのか定かで無い程度の情報しか持ち合わせていない。

 

 なにせ、セール時に安くてそれなりに良評価を得ている余り頭を必要としない楽で一人用のゲームという若干僕の人間性を疑われそうなフィルタリングの果てに、知り合いの勧めもあって買ったゲームで思い入れも前情報もへったくれもない。

 

 そんな状態なのでゲーム自体も余り頭を使わずぼんやりと雑魚敵をせっせと狩り(反復が面倒臭い人向けの超成長モードなんて優しさを全力で使った)火力と耐久を付けボスをゴリ押しで殴って倒す脳筋オブザイヤーにノミネート出来るのではと自惚れるプレイしかしていない。

 

 そんなヤカラにこの世界に秘められた秘密だとか物語りなどは馬耳東風が字でいく有り様なのは想像に難くないであろう。

 

 一応ラスボス扱いのキャラクターも変わらぬ知性ゼロ戦闘で乗り切り、最近はゲーム内を散歩する暇つぶしに勤しんでいた果てに冒頭の話に戻る。端折ると宣言していたのに途中からなんだかんだと説明(?)していたのはきっと、この世界に放り出されてまだ人とさして話していないせいかも知れない…

 

 僕は最初にこの湖畔に放り出され、初期の混乱を「とりあえず面倒な事を考えるのは後回しにする」という素晴らしき解決策(?)を持ってして乗り越え、前述の中で垣間見えたであろう面倒臭がりによってこの湖畔を拠点する事にした!

 

 …のまでは良いのだが、残念ながら持ち物はゲーム内で装備していた装備のみ(着の身着のまま一張羅)であり、小説の様にアイテムボックスもそのまま使えるなんて素敵な事は起こらず、ここでそれなりに様々なモノを失った事に打ちひしがれ、立ち直り、幸い近隣に腐るほど豊かな自然を持った森林があるのでそこから腰に差した終盤手に入るなんか凄い剣(ゲーム時代の散歩時薮刈り用)の切れ味と、己がパワーの暴力によって必要な分だけ森林破壊を行い、不細工な積み木とでも表現するべき家を建築しそこからこの湖畔の周辺をウロウロと徘徊する毎日の積み重ねで一年が過ぎた。

 

 その間不思議な事に空腹を感じる事や排泄欲求などの極めて人間らしい事とは無縁だったので、異界に放り出されてサバイバルなんて厳しい事には直面しなかったが自分の人外感は嫌というほど感じた。

 

 一年の徘徊の成果だが、湖畔の周りには人気はない。森の中にはゲーム的表現でモンスターとでも言うべき生き物がいる。そいつらは瞬殺可能だが爆裂四散させるとポリゴン等になってくれる優しさなんて無いので、高速道路で引かれた小動物より酷い有様になってコッチも汚れた場合洗うのが面倒なので気を付ける。湖畔と森は少々小高いのか周囲が見通す事が出来、少し先に確実に人が歩く事で出来たであろう道が有った。

 

 こんな所である。ここで迷うのはこの静かなる湖畔生活を捨てて街道であろう道を進み第一異世界人(どちらかと言うと僕の方が異物であろうが)と接触してニンゲンの文明に触れて自らの野人さを取り除く行動的選択か。

 

 はたまた、変わらずにこの湖畔と不細工積み木を捨てずに居座り、「こんな風光明美な場所に人が来ない訳がない」と謎の理論を振りかざして人がやって来るのを待つ受動的選択か。

 

 熟考の末無い頭で考えても仕方ない上、ダメだったならば戻ってくれば良いと、何ともダメな思考で人恋しさを埋めるべく第二の故郷(仮)から旅立つ事とした。




人生の安寧の為にちゃんと寝よう。

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