転生したら米国二冠ウマ娘だったけどコーチの依頼が無くて極東に行ったら名コーチになって教え子に囲まれてます(仮)   作:罠ビー

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 お待たせしました。いつも閲覧ありがとうございます。
 今回でテイオーちゃんの話は一区切り。たぶん。
 なかなかサンデー産駒とイチャイチャできないのでタイトル詐欺になってないか不安。
 阪神JFはソダシちゃんに頑張って欲しいですね(12時)


ボクとヤンキー先生×2と真夏のドリームトロフィー

 1991年7月15日

 マーベラース。無事1学期の期末テストが終わったよー。マーベラスはけっこう危ないかなって思ってたんだけどなんとかなって良かったよ。しっかり教えてくれたセンセーのおかげだしいっしょにお勉強に付き合ってくれたフジやジェニュのおかげだよー。ありがとー

 先生のコメント

 Marvelous。良く頑張った。もうすぐ夏休みだがその調子でいこう。夏休みでゆったりしてもいいしやんちゃしてもいいから必ず元気な顔を合宿の時にはセンセーに見せてくれ。合宿は8月1日からだから忘れないよーに

 

 1991年7月20日

 マーベラース。マヤノも合宿が同じ日程らしい。という事は夏休みは一緒に遊べるね。合宿もフジ達ともマヤノ達とも一緒にできたら良いけど……

 先生のコメント

 

 

 1991年7月25日

 マーベラス。マヤノが同室という事でマヤノの部屋にトウカイテイオーさんのお見舞いに行った。テイオーさんはマヤノに何か言ったあとに一緒にお外に行くことになった。憧れのスター選手と一緒に遊べて楽しかったです。

 先生のコメント

 

◆◆◆◆

 

 1991年7月25日

 今日は予期していない来客があった。生徒達にはいつでも来てもいいと言ってはいるが不在だと申し訳ないためまず電話をいれるように言ってるからたぶん違うだろう。どうせブライアンズタイムかトニービンだろうと扉を開けるとマーベラスがいた。マーベラスとマヤノトップガンとトウカイテイオー。それと通りかかったスーパークリーク。

 とりあえず彼女らを部屋に上げてブライアンズタイムを呼び出して対策を練る事にする。トウカイテイオーもギプスは取れているのでマヤノトップガンとともにブライアンズタイムの所で少し面倒を見てもらうことにした。

 追記:どうやらスピカの合宿に参加できない事が不満らしい。骨折も治癒はしているようだが筋肉、関節がとてもじゃないが走れる状態ではない。頭ではわかっているが感情が理解しきれていないという感じだろうか。まだリハビリの段階の為ハードな練習は厳しいという判断だろう。

 

 1991年7月26日

 もろもろあってマーベラスは私の部屋にお泊まりした。一応生徒達が何時来てもいいようにすぐに教育に悪いモノは片付けられるようにしているがマーベラスのゲリラ来訪によりもしかしたら不十分だったかもしれない不安にかられる。

 沖野トレーナーに連絡を取ると昨日一報は入れていたため大慌てという訳ではないが慌てていた。……すれ違いくらいコミュニケーション上良くあるだろうに。ロジックではなくパッションの問題なのでなんともいかんしがたいがとりあえずブライアンズタイムのもとに日参するようにアドバイスをしとく。今のトウカイテイオーがまともに話を聞くとは思えないが顔を見せる姿勢は必要だと思う。

 

 1991年7月30日

 マルゼンスキーからシンボリルドルフの予定を聞いたので今日会いに行った。SDT前の為調整している姿をアメをなめながら見てたら睨まれた。……トウカイテイオーが今私達が面倒みてるのが不服なのが見てとれる。余計なお世話だろうがSDTの応援をしておいた。きっとトウカイテイオーにはお前の姿が何より効くだろう。

 

 1991年8月1日

 今日から合宿が始まった。といってもジュニアC組なのでどちらかというとお泊まり会的な側面の方が強い。学園の所有する合宿所を使わせてもらう。時々遊びに来てた子もいたが生徒達は私に会えるのが楽しみだったらしくそれは嬉しいかぎりだ。

 トウカイテイオーはブライアンズタイムの合宿についていってる。ジュニアの合宿だし激しい運動もないだろうしそこら辺はブライアンズタイムと付き添ってくれてるスーパークリークがなんとかするだろう。少し気分をリフレッシュしてもらいたい。

 

 1991年8月2日

 3泊4日なので今日は2日目だ。一部の生徒にセンセイの料理?と不安がられていたがこうお菓子みたいなのが苦手なだけなのでカレーやバーベキュー等は好評だった。汚名返上。

 生徒達の様子だがやや興奮ぎみなものの話を良く聞いてくれており今の所目立った危険はない。……幾人かが徒党を組んで消灯前に枕を持って乗り込んで来たので軽くのした。流石にまだ生徒に遅れはとらない。

 追記:宿題の様子もチェックしといた。数人怪しい気がするが大丈夫だろうか?うちの生徒で宿題を未提出はさせる気はないので覚悟してもらいたい。

 

 1991年8月3日

 ビーチは足に負担がかかりづらくまた足元を鍛えるのにちょうどいい。というわけで瞬発力を鍛えるためにビーチフラッグ大会を企画してみた。だいたい予想どおりだがフジは足元が砂でも反応とスピードで勝ち上がってきた。意外だったのがイシノで普段走らない砂の上でも足を取られることなく勝ち上がってきていた。ダークやバブルはイシノに負けたのが悔しかったみたいだった。逆にイシノはけっこう喜んでた。どちらかというと適正面な気はするがこのままみんなで切磋琢磨していってほしい。

 

 1991年8月4日

 今日で合宿は終了となる。最後に一人一人頑張った事など褒めたりフィードバックしてバスに乗る。バスの中では皆疲れたのか眠っており、その可愛らしい寝顔に癒されながら学園に戻ってきた。生徒達とはここで一回お別れとなる。宿題をちゃんとやるように言い聞かせて別れた。何人か怪しいので8月30日に各家庭に電話もしくは突撃する事を心に誓った。

 

 1991年8月6日

 先送りにしてた問題だがトウカイテイオーはあのあとブライアンズタイムの生徒、特にマヤノトップガンのおかげか少しリフレッシュが出来たみたいだった。しかし三冠への思いが強いのかまだ全休を受け入れられていないようだ。菊花賞に間に合わせる事は出来るだろうがリスクがないとも言えない。ここからはトウカイテイオーと沖野トレーナーの話し合いで決める所になるだろう。

 全休の判断は沖野トレーナーがしたことなのでトウカイテイオーにも抗う権利はある。それがそのウマ娘にとって致命傷にならないなら私はトウカイテイオーがチームを変えたって良いと思う。

 これはトウカイテイオーが今を取るか未来を取るかの問題だ。選んだのなら後悔のないようにいってほしい。

 

 1991年8月15日

 SDTは京都で行われた。インターミドルからエクステンドに距離を大きく伸ばしたシンボリルドルフがSDTエクステンドの栄冠を掴んだ。……夢を見せるのがスター選手の役目だと思わされる。トウカイテイオーの目を見てそう思った。

 

◆◆◆

 

 マヤノとその先生と少し暮らして、天真爛漫なマヤノの様子に少し心が落ち着いた。一緒に合宿についていってジュニアの生徒達にいっぱい絡まれるのもいい気分転換になった。

 ボクの足は骨はくっついているけど走るのはまだ厳しい事は理解できてた。この足でハードなトレーニングをしたらまた足の何処かを悪くするだろうと直感的に感じられた。だからトレーナーの言う事は最もなんだと思う。だけど会長と同じ三冠ウマ娘になるチャンスを諦められるかというとそれはまた別の問題だ。

 SDT当日、ボクはブライアンズタイム先生とサンデー先生に連れられて京都に来ていた。会長の走りを目の前で見る為だ。

 

「オ前ハ何デ三冠ヲ獲リタインダ?」

「何でって憧れの会長と同じ三冠ウマ娘になるためだよ。当たり前でしょ」

 

 不意にサンデー先生はそう聞いてきたのでそう答えた。ボクは会長と同じ三冠ウマ娘になる。ジュニアの時から決めていた事だ。

 

「……ナラヨー、憧レノ会長ト一緒ニナルコトト憧レノ会長ト一緒ニ走ル事、ドッチガ大事ダ」

「それは……」

 

 返された言葉の答えに詰まる。どっちもだよって答えたい所だけれど今ここで即答できない事が、どちらかを選ばなければいけない事を理解している証明だった。

 

「まあ、憧れの会長のレースを見てからでも遅くはねーだろ。もっともお前はもう憧れるだけの立場じゃないことはうちのチビ達といてわかっただろ」

 

 俯くボクを励ますようにブライアンズタイム先生は肩に手を置いた。ファンファーレがなり京都レース場は歓声に包まれる。

 

「アアーウルセー」

「楽しみな顔して素直じゃないねーサンデーは」

 

 ゲートが開いて走り出す。3200mの長いレース。先頭はポーンと躍り出るが他のウマ娘には目もくれずただ一人のウマ娘、会長を見つめる。威風堂々と王者の空気を見にまとい先団の中央に陣取ればまるで他のウマ娘がレースの相手ではなく王が従える家来のようにすら見える。

 3200mが長いといってもスタートから3分も経つ頃にはレースはクライマックスを迎える。各ウマ娘が無敗の三冠ウマ娘、シンボリルドルフに注意を傾ける中後方のウマ娘が仕掛けた。それに呼応するかのように、順々に先団のウマ娘もスパートをかける。しかし会長はまだ仕掛けない。

 そろそろ2のハロン棒に近づく所で会長はギアをいれる。まるで当然かのように、皇帝が凱旋するかのようにゴール板にたどり着く頃には1バシン程リードして先頭に立っていた。

 ゴール後に会長は指を立てた。それが何を意味するのかは正直分からなかったがボクの中で何か答えになるものはあったような気がする。

 

 ボクは会長と本気で走りたい。

 

 




テイオー「ボクも走りたいー」
クリーク「ダメよ。ムチャはしないって約束で来てるんだから。ブライアンズタイムさんに迷惑がかかってしまうわ」
BT「チビどもーそこの二冠ウマ娘様に色々教えてもらえ。それと暴れないよう見張っとけー」

トウカイテイオーさん
恋のダービーすこ。本作は史実通りの年代設定の為スペちゃんより年上。でもこの時代はクラシック走ってるのでまだ子供。スピカ入りの理由はアニメとはちがうけどそれを作中で描く気はない。というか考えてない。マヤノちゃんとは同室設定。

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