転生したら米国二冠ウマ娘だったけどコーチの依頼が無くて極東に行ったら名コーチになって教え子に囲まれてます(仮) 作:罠ビー
1994年2月26日
不動産屋と内見に行った。西東京の中でウマ娘の利用者が多い、それなりにセキュリティのいいマンションの部屋を借りることにした。広さも一人暮らしなら十分すぎるほどである。家賃も十二分に賄える程度である。ウマ娘が多ければ生活の相談とか、ご近所付き合いの面での衝突も減るだろう。即断即決な気もするが契約をすることにした。隣の部屋も最近入居が決まったらしい。
1994年3月3日
今年も学年末レースの幕が上がった。ジュニアの生徒やトレーナーにとっては一大イベントの一つである。序盤は下級生達が中心であるが再来週には今年からチームに所属することになる学年のレースになるため注目度も大きく上がる。生徒たちにとってはチームの公開練習の参加や選抜試験といった様々なチームおよびトレーナー選びの方法はあるがこの学年末レースは一つの大目標にしやすく、大きなアピールチャンスであるからか先週ぐらいから緊張が高まってきている。
名門と呼ばれるチームに入ることはステップアップの近道だと思われてる節がある。一概に否定はできないのだがそれ以上に大事なのは相性である。そこらへんは歴戦のトレーナーたちはよく見ており単純な勝ち負けで評価が決まるわけはないのだが⋯⋯結果に一喜一憂せずに目の前のレースに力を出してもらいたい。
1994年3月7日
C組の最下級生でひと際輝きを放っていたのはキングヘイローとアインブライド*1だった。どちらもダンシングブレーヴが面倒を見ている娘だ。ダンシングブレ―ヴは現場復帰して間もないはずなのに彼女のもとにはすでに才能が集まっている。エリモシック*2やキョウエイマーチ、スエヒロコマンダー*3など今後の活躍が期待される娘も多い。ただこの世代はアニメの内容が正しければおそらくとんでもない留学生が編入してくると思われる。そこに編入組のスぺ、いまは雌伏の時を過ごしてる兵達と一つの転換点となる才能が集まってくることになる。彼女らが88年世代のようにURAのレベルを上げてくれる事が楽しみである。
1994年3月10日
C組の2年生も一つ下の世代に負けず劣らず個性的な世代だ。BTの所のマイネルマックス*4やメジロライアンがドリームシリーズを走りながら指導している同じメジロ家のメジロドーベルやメジロブライトの注目が強い。そして滝、東条、沖野といった若手トレーナーのホープたちがこぞって大器だと評価しているうちのサイレンススズカだろう。
スズカは前進気性が強くまだペース配分などは粗削りな部分が強いのは今日のレースを見ても明らかであった。しかしポテンシャルは高く通過タイムはC組で出るようなタイムではなかった。現在の時点で運動能力には秀でたものがあるため柔軟性や回復力といった面が向上するように気を配っていきたい。
1994年3月15日
B組の1年生はうちの自称四天王のうちバブルとタッチが、そしてトニーの所のエアグルーヴが出ているレースで波乱が起きた。後方から追い込み一閃競り合うエアグルーヴとバブルを一人のウマ娘が一気に抜き去り差し切って見せた。その切れ味はまだジュニアB組にしてはキレる程度ではあるが今後さらに切れ味が増すようなら、それこそ音速とも揶揄できる切れ味になっていくとするとダーク達にすれば新しいライバルの誕生かもしれない。
1994年3月17日
いよいよフジ達の、今年からデビューするクラスのレースが始まった。あまりひいきはよくないがこの一か月愚直にトレーニングを続けてきたプライムに報われてほしい気持ちはある。悪戯かプライムが超えたいと思っていたパートナーと一緒のレースである。お互いに気の強いところがあり身近なライバルとして切磋琢磨してきた二人だ。ここら辺はフジとジェニュインあたりにも通じるところがある。
スタートを決めて前に3人ほどおいて好位抜け出しの形をとるプライムとは対照的にパートナーは囲まれるのを嫌い、スタートが上手くないのもあってか中盤は控えた形で展開するだろうと思っていた。しかしパートナーは若干いつもより前、差しぐらいの位置でレースを進めていた。いつものパターンとは違う何かを試しているようだった。結果は慣れない位置でレースをしたパートナーはわずかに集団を捌くのが遅れてプライムが半バ身残すという結果であった。
結果は出したプライムと挑戦をしたパートナー。勝者はプライムだが成長しようとしているパートナーにうかうかはできないだろう。
1994年3月18日
フジとジェニュインという注目度の高い二人が最終レースでぶつかった。結果としてはフジが一歩上手で3/4バ身差をジェニュインにつけて勝利していた。二人とも好位に構えてレースを進め、ほとんど同じタイミングでスパートを切ったが位置取りのわずかな差が抜け出しに影響しそのまま着差として現れたように感じた。ジェニュインも3着に1バ身差をつけていたのだが⋯⋯惜しいレースだったな。
追記:ジェニュインとプライムは刑部トレーナーのチームに所属することになったようだ。今後の飛躍を応援したい。
1994年3月28日
借りた新居に引っ越しの日。そこまで運ぶ荷物もねえしウマ娘の力を使えば引っ越しは当日で行える。繁忙期に引っ越し屋の手を借りるほどの移動でもないしな。さて新たに始まる新生活だが⋯⋯隣の部屋アイツかよ。嫌いじゃないけどイージーの奴が隣にいるみたいで落ち着かねーな。
1994年4月4日
今年も新入生が入ってきた。若干暗い⋯⋯じゃないな。やけにシリアスな、悪く言えば追い詰められたような感じのする子が一人入ってきたのが強く印象に残った。走ることを志望して入ってくるがこの年で彼女のような覚悟の決まった感じのする子は珍しい。才能は今年入学の中でもかなりいいものを持っていると思うが潰れてしまわないか心配である。
それと特筆するべきは今年、私のクラスにアメリカから留学で編入してくるウマ娘がいた。私がベストサイアーというわけではないが私がいま日本だと彼女の指導に一番向いているだろうということで私の受け持ちになった。編入はジュニアB組なのでスズカ達と同じ世代でのウマ娘だ。非常に陽気なウマ娘であり初日でスズカともリョテイとも打ち解けられていた。
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勝った⋯⋯勝ったけどパートナーはいつもと違うレースをしていた。⋯⋯このレースは通過点ってことなの?私はこの短期間で新しい技術を取り入れることがリスクだととらえていた。実際このレースでは私がレースに勝てたけどパートナーはこのレースより先を見ていた。あの子はもう滝トレーナーの練習に参加していて⋯⋯私は出遅れたのでしょうか?
「勝利おめでとう、プライムステージ君」
「ありがとうございます、スカウトですの?」
そう若干思い悩む私に声をかけてくるトレーナーが。彼の顔に見覚えがある。ジェニュインとよく話していたのを思い出す。
「貴方は私を次の舞台に連れて行ってくれるんですの?」
「次の舞台を選ぶのはお前さん自身だ。ただ俺は、俺のチームはリギルに勝つことだからな。お前さんの次の舞台に進むのに俺たちを選んでくれるなら嬉しい。お前さんの走りもそうだが、お前さんが今回のレースっていう目的に向けて自分の芯を持って行動を選択し周りに流されずに全うし結果も残した。その芯の強さを評価が気に入った」
熱烈な誘い文句ですわね。さすがのベテラントレーナーですわね。⋯⋯というより結構私の事ご存じですわね。ジェニュインか先生かしら。まったく余計なお世話ですわ。
「⋯⋯前向きに考えますわ」
「……あーコレ、ツマラネーものですが」
「いえこちらこそありがとうございます……わ」
「ゲッ、lady cake face」
「ア"っ!?」
メジロマックイーン
という訳で引っ越し先のお隣になったアイツ。史実要素。ドリームシリーズ進出という転機かつ社会勉強のために一人暮らしを一度体験させられる事になりマンションを借りた模様。ただ皆さんの期待ほど絡まないかも。