転生したら米国二冠ウマ娘だったけどコーチの依頼が無くて極東に行ったら名コーチになって教え子に囲まれてます(仮) 作:罠ビー
チャンミは東京マイル雨不良らしいですね。辛そう(小並感)
登場人物紹介を94年前期に逢わせて少し修正しました。
1994年5月15日
今年の安田記念は例年とは違う様相を見せていた。昨年から国際競争に指定され海外選手も出走できるようになっていたのだが今年は海外選手であるスキーパラダイス*1とサイエダディ*2が上位人気を占めており日本選手は昨年のスプリンターズステークスの覇者サクラバクシンオーの3番人気が最上位人気という珍しい様相であった。
というのも前哨戦である京王杯から外国選手は参戦しており京王杯で外国選手に1~4着までを独占されてしまっていた。特に京王杯を勝利したスキーパラダイスは滝トレーナーが来日から面倒を見ており、本人も年の離れた姉弟子であるダンシングブレ―ヴと会えることを楽しみにしていたりリップサービスかもしれないが親日家である様子も語っており意外と日本のファンに受け入れられていた。
さながら『マイルのジャパンカップ』の様相を呈していたレースを勝ったのは外国選手でも日本総大将サクラバクシンオーでもなく、5番人気のトニービンの生徒、ノースフライトであった。
マイネルヨース*3とサクラバクシンオーがハナを主張しあい外国勢もそれについていき1000m56.9秒という異常に速いペースで推移した。そのため前方は足が上がる形となり後方につけていたノースフライトが残り200mで抜け出し、2着に2馬身半差をつけて圧勝した。しかし前がガタガタになる中、掲示板に残したサクラバクシンオーとスキーパラダイスは流石の意地だと感じた。
1994年5月17日
安田記念でファンを賑わせたスキーパラダイスがフランスのチームから日本の滝トレーナーのチームへの移籍を発表した。トゥインクルシリーズ級は今年までしか走らないとのことで今後はフランスで数戦走ってから完全に日本に拠点を移すとのことだった。
ここで来年以降のスキーパラダイスの所属について問題が上がった。スキーパラダイスはこれまでG1級の勝利こそ無いもののジャックルマロワ賞やブリーダーズカップといった欧米のマイル戦では一角の成績を収めているウマ娘だ。
これまで海外選手の日本への移籍という例がない。今まで日本のトゥインクルシリーズからドリームシリーズへの昇格は『クラシック級以上の国内での重賞実績』により決められているらしく、それにのっとるとスキーパラダイスは京王杯1勝という何とも絶妙な成績である。スキーパラダイス本人は所属クラスに頓着していないようだがこの件はこれから国際的に門戸を開いていくとなると今回だけのケースではないだろう。私達みたいな来日したサイアーにもかかわってくる話であるため続報を待ちたい。
1994年5月22日
オークスの1番人気はやはり桜花賞ウマ娘であのオグリキャップの妹であるオグリローマンだった。そりゃ国民的大スターへの道を進んでおり、こちらも名門と言っても差し支えない滝トレーナーのチームに所属と話題性には事欠かない。しかし距離が厳しかったのか、その高い注目が悪い方に転んだのか彼女は思うような走りができなかった。
樫の栄光を得たのは2番人気、デビューが遅く桜花賞には間に合わなかった遅れてきたヒロイン、ベテラン黒沼トレーナーが指導するチョウカイキャロルであった。彼女もBTの教え子であり昨年のトニーのように彼女の生徒が1年目から結果を残していた。なんというかBTやトニーの生徒たちが活躍していると来年1年目の私も期待されているのだろうか⋯⋯いや走るのはフジ達だし、世間やトレーナー陣がどう思うかは置いておこう。私が変にそわそわするのはよくない。
1994年5月29日
今年のダービーはやはり皐月賞で他をあれだけ圧倒して見せたナリタブライアンが話題の中心だった。その才能は暴力的と言っても差し支えのないレベルであり誰が勝つか、というよりナリタブライアンがどれほど圧勝して見せるか。そのような雰囲気すら感じた。強いて言えば8枠17番という枠番が少し悪いとの声があった程度だろうか。
そして件のナリタブライアンはその評判や人気をまるで意にも介していないという様子であった。むしろ担当している東条トレーナーの方がここ数日固さが出ていたように感じた。
実際のレースでは中団を追走したナリタブライアンが直線で上がり最速を出して5バシン差をつけて勝ったというレースになった。担当している東条トレーナーは自身が担当するルドルフとの比較を求められ、いつもとは違うぎこちない様子で「同時期のルドルフにさえ勝っている可能性すら感じさせる」と答えていた。これから三冠を目指すことになるが泰然としているナリタブライアンよりむしろ東条トレーナーの方が心配である。
1994年6月1日
スキーパラダイスのフランスでの転戦に伴い滝トレーナーの欧州への短期留学が報じられた。他にも昨年ジャパンカップで来日したホワイトマズルの指導も現地のトレーナーと協力をしながら行うらしい。スキーパラダイスの件といい滝トレーナーは新たな挑戦を続けていて非常に先進的に感じる。サイアーは海外の血がどんどんと入っていく中でトレーナーやURAは国内で完結している人が多いため新たな風が吹きこんでくるようで期待している。一方で彼が担当するパートナーとかのデビューの予定はまだないがパートナーの事を考えると若干複雑である。
追記:滝トレーナーが欧州に行っている間に彼のチームの面倒を見るのはトレーナー資格持ちのURA職員という若干異色の経歴を持つ樫本理子氏が一時的に受け持つらしい。どうやら短期留学の構想は滝トレーナーの希望もあるがそれを実現にこぎつけたのは樫本氏らしい。まだ比較的若いように見えるが東条トレーナーのような才媛なのだろう。
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皐月をナリがオークスをキャロルが取って迎えた今年の日本ダービー。去年はナポリ野郎のトニービンの所の生徒がティアラ二冠を取ってからダービーを迎えて、そしてダービーを取ったはずだ。そんなことを思い返しながら雑踏の中からパドックを見る。招待席もあるし指定席も買えるが俺の性に合わねえからな。
俺はトニービンやサンデー、さらには勇者様と比べたら才能は劣っている。リアルシャダイほど物分かりも良くねえし、今更俺なんかがなんで今、後進を教え、導く立場に立っているのか。しかもステイツから離れたこのジャパンの地で。それは俺すらも分からねえ。
そのくせにおめでたいガキどもは俺の事をまるで姉のように慕ってくる。ナリにしろマヤノにしろその才能は俺より遥かに上のモノを持っているだろう。器の小せえ俺は初めてナリの走りを見たとき嫉妬した。俺の心がナリの奴を生徒として愛おしく思うことに狂いそうになった。これだけ敗北感を生徒に感じさせられて、競技者としての俺は嫉妬し、折れてしまっている。その相手を憎めず愛おしく思う。俺がリアルシャダイほど諦めが良ければここまでは苦しくなかっただろう。
『タイムの姉御、話とはなんだ』
『ナリ、俺はお前に本音を話す。だけれどお前は俺に気を使うな。俺はお前の才能が、力が妬ましいと正直思ってる。歯を食いしばっても逆立ちしても俺はお前の才能に届かないだろうよ。そしてお前に俺みたいな感情を抱く奴はいくらでも出てくる』
『お前はそんな俺達の情念の炎を蹴散らして進め。焦がれていく奴の影なんか見る必要はねえ。俺の事なんざ即座に思い出にしてもかまわない』
『お前の中の才能という獣が求めるように走ればいい。俺はお前がその獣に喰われないようにお前の心と身体を鍛えてやる。俺は愛しいお前が才能に喰われるところを見たくはねえし俺が妬んだ才能が腐るところも見たくはねえ』
なんて言葉をガキに投げかけてるんだよ俺は。今思うと自分の嫉妬ぶりに反吐が出る。そろそろパドックにナリが出てくる頃か。
「一番人気、17番。皐月賞をレコードタイムで勝利しましたシャドーロールの怪物ナリタブライアン。姉であるビワハヤヒデは昨日天皇賞を勝利しました」
「皐月賞は圧巻の走りでした。今日もコンディションは非常に良さそうです。かなり外枠のスタートですが期待できます」
あー、ほんと
ナリは俺には一瞥もくれることはなく、当然のようにパドックパフォーマンスを終え、そして当然のように東京レース場を一周してきた。
「カカカ。ほんと惚れ惚れするのう、皇帝の嬢ちゃんとも演出家の嬢ちゃんともまた違う。他を統べるだとか、他に魅せるだとか、そういうことのない純粋な力」
「アタシを最後に喰らうのはお主なのかのう。早うおいで。
「ブライアンちゃん」
BT「ナリ」
?「獣の嬢ちゃん」
スキーパラダイスさん
当初はこんなに書くキャラじゃなかったけど後に準備してる展開の布石として経歴的に便利かもしれない事に気づいた。
ナリタブライアンさん
シャドーロールの怪物。この時代的には主役にあたるキャラ。ただ作品的主役は別の奴です。
ブライアンズタイムとは作中タイムの姉御はあんな事言ってますがナリはタイムの姉御をちゃんと慕ってます。影(有象無象)に怯えるな。
ブライアンズタイムさん
こんな屈折した奴だったっけ?ブライアン強火オタクですねこれは。サイアーイツメンと絡んでる時とは大違いだあ。 でもこれ来年以降のブライアン見てどうなるんや
おハナさん
胃が痛い人。皇帝より強いかもなんて軽率に言ってはいけない。