転生したら米国二冠ウマ娘だったけどコーチの依頼が無くて極東に行ったら名コーチになって教え子に囲まれてます(仮) 作:罠ビー
マーベラスシナリオ見ました。……なんかイメージと違ったけどマーベラスだからヨシ!!
94年も下半期まで来ましたがまだまだ長いぜ……。
欧米ドリームシリーズの名称を遡って変更しました。アメフトやサッカーを真似パクった名称になってます。
1994年8月28日
今年の夏休み宿題ステークスは、常連だったダークとバブルも私と一緒にやらなければいけない状況にはなく成長を嬉しく思う反面寂しく思う所もある。下級生達もどちらかというと真面目でついに今年は開催しなくてもいいのかもしれないと少し感動しかけた。リョテイは相変わらず見せるのはかたくなに拒むため軽い鬼ごっこが発生したが予想通りアイツはそれなりに堅実に進めていた。⋯⋯私をだますためにダミーとか準備しなくていいからなホント。
1994年9月4日
滝トレーナーが欧州留学で指導しているスキーパラダイスが仏マイルG1で欧州でもマイルのビッグタイトルの一つであるムーランドロンシャン賞を勝利したことが報じられた。さてスキーパラダイスは来年から日本でプロになることを望んでいる。慣例的にクラシック以上のG1勝利を記録していればドリームシリーズに昇格することは可能であるが、これは国内レースにある収得ポイントを参照しているからである。海外所属の、ほぼ海外実績のみのウマ娘の場合はそれが適応されない。
私で把握している内容をURAが把握していないとは考えにくい。当然滝トレーナーを追ってフランスまでついていっていた日本のマスコミに今後の事を聞かれていた。本人も滝トレーナーもまだURAからの回答はないと言っていた。URAとしても対応に困っているのだろう⋯⋯はっきり言うと対応は遅いが。それにあまりに容易な条件にしてしまうと海外では昇格できないけれど日本ではと簡単にプロになれると思われてしまうのも遺憾だろう。
これは勝手な想像だがURAはこのまま回答する気はないように思える。マイナーからでも走るという言質を取るか実際にそうなるまで耐久する気だと考えられる。こういう時のお役所はリスクのある行動はしない。現状維持バイアス⋯⋯と言うんだったかな。
1994年9月10日
英国のトレーナーであるA・ムード*1トレーナーが短期留学という形で来日した。名目上は留学だがおそらく招聘という言い方の方がどちらかというと正しいだろう。
サイアーは海外のウマ娘を招致しているがその先のトレーナーやURAという部分はまだ発展の余地があると滝トレーナーの留学が決まった時に書いた事だが、今回の事はトレーナーのレベル向上……新しい知見の獲得の為にURAが動いたのだろう。
香港の招待競争といい確実に日本のレース界に新しい風が吹こうとしている。
1994年9月13日
メジロマックイーンのドリームシリーズデビュー戦があった。つい先日ドリームトロフィーのあった京都レース場で3000mを走るエクステンド戦である。DTに出ていた面々はこの時期はまだ調整であることが多くこの時期はルーキーとそれを迎え撃とうとするドリームシリーズの中級ランナーがぶつかりあうことが多い。
今日のレースは期待のルーキーメジロマックイーンにアンバーシャダイや貴公子タイテエムがドリームの厳しさを教えるのか、マックイーンがその才能で上回っていくのかという所が注目だった。
結果は淀の下りを下りきると好位からロングスパートを切り、ついて来ようとするウマ娘達も流石の猛者で一方的に置いていかれる事は無いが一度つけた差はやすやすとはつめられず、ドリームトロフィーにも出場経験のあるアンバーシャダイを2バシン後ろに従えてのゴールインだった。
この走りを見て奮起しているルーキーもいるだろう。翌日デビューのもう一人のスーパールーキーとか。
1994年9月14日
もう一人のスーパールーキー、トウカイテイオーは東京2400mのロング戦というチャンピオンディスタンスでの戦いになった。やはり時期的にドリームトロフィークラスの大物は出てこないと思われていたが、このレースにはSDTに出場していなかった超大物が参戦してきた。
昨年度URAMVP、最強の戦士シンザンである。この電撃参戦に本人は『皇帝の嬢ちゃんの一番弟子には興味があるさね……まあ皇帝の嬢ちゃんにはウチのミホが世話になったろ』との事だった。一方のテイオーも『刃こぼれした鉈じゃ皇帝を超える帝王には届かないモンニ』とこちらも威勢よく返していた。
若干私怨交じりにも見えるが彼女は歴戦のドリームレーサーだ。こういうトークもサービスである。まあドリームトロフィーに出てないことを良い事に期待の新人と戦いたくて仕方なかったという所だろう。⋯⋯基本的に登録前には対戦相手はわからないはずなんだがなあ。
レースはこのコースを得意とするテイオーだが末脚勝負は分が悪いととらえたのか比較的前目、好位をキープしての立ち回りだった。シンザンは当然の後方待機。しかしシンザンは長い東京レース場の直線に入る前から加速をはじめ距離ロスなんて何のそのと言わんばかりに外をそのたぐいまれなる武骨な鉈の力で駆け上がる。対するテイオーも後ろから迫りくる老兵の足音に気づきスパートをかけるもすでに到達している加速力の差でシンザンがテイオーの前に出る。テイオーも最後足を伸ばすが東京レース場の芝を抉りながら進む最強の戦士に届かずデビュー戦は苦いモノとなった。まあこの1試合でへこたれたりはしないだろう。
1994年10月8日
夏が明けた秋、フジが出走する2戦目はもみじステークスだった。前走の様子から1番人気の評価をもらっていた。そんなフジに対するのが3番人気でこちらも私の生徒のツヨシだ。ツヨシは8月のメイクデビューからさらに2戦キャリアを積んだ4戦目で3番人気だ。
互いに私のクラスで切磋琢磨してきたライバルで友人だがここまでメイクデビューを勝利し悠々と駒を進めたフジとここまで3戦して1勝となかなか勝てなかったツヨシ。そしてレースもその差を感じさせるものだった。
ツヨシは少し出遅れたがフジの1バシン後ろをピッタリとつける形でレースを進めていく。対照的なのは表情で、ツヨシは全力なのに対してフジは悠々とした様子で走っている。そのまま二人は外を回りながらも1バシンを保ったまま、距離こそ1バシン差だがその差は距離以上にツヨシは感じたんじゃないだろうか?なんとか前を向いて欲しい。お前はやれる子だ。
走破タイムは1:35:5は阪神1600mのトゥインクルシリーズのレコードタイム。ジュニア級によるレコード更新。今後どうなっていくのか、それこそ絶好調のナリタブライアン、ビワハヤヒデと戦う日が楽しみだ。
1994年10月15日
今日はジェニュインのメイクデビューだった。本人も先週のフジとツヨシのレースは見ており、そんな二人とライバルである彼女も燃えないはずがなかった。観客もそんな彼女を1番人気に支持した。
しかし彼女は前を逃げる二人のウマ娘のうち一人を捉える事が出来ず2着で入線した。これには自分こそがフジを追いかけ、抜き去ると思っていた彼女には少し堪えるかもしれない。生真面目なジェニュインの事だし少し引きずるかもしれない。
◆◆◆◆◆◆
届かなかった。
メイクデビューを終えた私は先の敗戦を振りかえっていた。フジはOPでツヨシを相手に余裕を見せる走りをしていた。そもそもフジはメイクデビューを出遅れながら圧勝していたのだ。
現時点での差というものを感じずにはいられない。私もツヨシもトレーナーや黒沼トレーナーの指導で力をつけて来た筈だ。
トレーナーはまあそういう事もあるさと言っていた。私も頭ではわかっている。多分私が感じてる程隔絶した差は無くて、一歩の差に絶望的な距離を感じているだけだって。それに上を見ればフジを越えるだろう選手もたくさんいる。それでもと言い続けて前を向かなければならないのに……
感情を理性で御するのが難しい。
「ふむ、なかなか思い通りに行かなかったって所かなジェニュイン君」
そう声をかけてきたのはドリームシリーズランナーも多数所属している今のチームで歳の近い姉弟子、ビワハヤヒデさんだ。
「才能にうちひしがれている……というフェイズでは無いな。君は才能豊かなウマ娘だ。絶望すら出来ない程身の程知らずでは無いし、絶望するほど君の目標と距離があるわけでもない」
非常に聡明で言語化の上手い先輩である。その一方で走りは速いというよりは逞しい走りをする先輩だ。パワーのいるコースで彼女に勝つのは大変難しいだろう。
「認識と感情のズレみたいのものだろう。ウマ娘としての渇望が、野生が自分の認知とブレを産む……と私は解釈してる。最初で戸惑っているだろうがそれの向き合い方は自分で見つけるしかないぞ」
先輩の言葉は表面上理解できるが芯の部分では理解出来てない。それは私の経験が不足してるからだろうか?
「例えば私は理性と方程式でその渇望をコントロールして心と身のブレを抑えるように心掛けている。妹なんかは逆に心のおもむくままに振る舞っても身がついてくる。これは人それぞれだよ」
先輩に言われて自分の中の衝動と向き合ってみる。フジに勝ちたいのは当然だがその根底はなんなのだろうか?No.1を目指して?いやそうではない。フジみたくエンターテイメントにも通じていない。
私が勝ちたいとフジに固執してる理由……。私が走る理由。その答えを見つけることがこの感情を納得させる為の道標だと思った。
ジェニュイン君
刑部トレーナーのもとに行った第一世代きっての真面目枠。もしかしたら産駒きっての真面目枠かもしれない。弥生賞からの皐月賞楽しみですね。
ハヤヒデパイセンの言葉
ウマの衝動を娘の部分がコントロールしてる解釈。感情ベースはウマの為理性との解離が発生する。このウマの衝動が萎えている状態は謹慎編の辺り。高ぶり過ぎると……。