転生したら米国二冠ウマ娘だったけどコーチの依頼が無くて極東に行ったら名コーチになって教え子に囲まれてます(仮)   作:罠ビー

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 お疲れ様です。
 ラーク育成楽しい。今回で95年に足を踏み入れました。ようやく第一世代のクラシック年です。サンデー旋風始まります。

 ※ほんのちょっぴりある自然災害について触れてます。注意


王道とそれ以外

 

 1994年12月18日

 年末の電撃戦、スプリンターズステークスはこの舞台ではサクラバクシンオーの一強だろうと予想されてた中に海外からの刺客が現れた。

 ソビエトプロブレム*1今年米国の短距離で7連勝を決め、米国No.1スプリンターを決めるBCスプリントは2着のフィリー級ウマ娘が参戦を表明したのだ。

 しかしことスプリントという土俵においてはドリームトロフィーでも通用するだろうその才能はその程度の事では揺らがなかった。前半600mを32秒台と異次元のハイペースの中先団に位置を取り、しかもそこからさらに前に出て直線では後方から追い上げてきたビコーペガサスに4バシン差をつけて圧勝、圧巻のパフォーマンスを見せつけた。

 ダイタクヘリオス、ダイイチルビー、ニシノフラワー、ヤマニンゼファー、ノースフライト、サクラバクシンオー。今までは中距離の落伍者と思われていた短距離路線にもここ数年で多くの才能が現れた。彼女たちが戦いの場をドリーム級に移してからもその輝きを放ち続ければいずれこの路線が王道と呼ばれることもあるのではないだろうか。

 

 1994年12月24日

 今年も早いことでクリスマスだ。生徒達とのクリスマス会はいつも通り行った、今年もスぺとお母さんを招待しており、来夏から編入という形にはなるが馴染みやすいような下地は作れていると思う。後輩にあたるスティンガー達4人娘にも先輩なのに可愛がられていたり、それをアヤベが遠巻きに見ていたり、スズカが珍しく世話を焼くけど見当違いだったり愛されている様子ではある。

 それとは別の早い時間、フジとマーベラスとジェニュインが訪ねてきた。いわく今日が重賞初挑戦のツヨシの応援をしないかという誘いだった。なんだかんだライバルであり友人の活躍は気になるのだろうか。2000mに距離を伸ばした前走は持ち直しており同距離である今日のラジオたんぱ杯ジュニアステークスでも高い評価を得ていた。

 結果ツヨシは1番人気ナリタキングオー*2を競り落としてレコードで勝利した。この勝利でツヨシもフジを追う立場という評価になるだろう。来年のクラシックでは期待を受けるだろう。そしてそれはここにいるジェニュインもだ。一方でまだデビューを迎えていないが焦りを見せていないのがマーベラスだ。自分の本格化がまだであることを理解しているのだろうか。見た目に似合わず聡い子である。

 

 1994年12月25日

 今年の総決算有馬記念の一番人気は圧倒的破壊力でクラシックを蹂躙したナリタブライアンだった。最強姉妹対決こそ実現はしなかったがネーハイシーザー、チョウカイキャロル、ヒシアマゾン、ライスシャワーと各路線のトップからカノープスの面々やアイルトンシンボリといった名脇役まで好メンバーが揃っていた。それでもなおブライアンが優勢というのが大方の見解だった。

 ……まあクラシックの走りを見てればそうなるのも頷ける。一人だけドリームトロフィー級の走りをしているかのような力強さだったし。

 レースはカノープスのツインターボが大逃げをかます約束された波乱の展開で始まった。後続は突き放され、どうしてもブライアンの影がちらつく為ツインターボの大逃げは無謀だが効果的と考えられたがそんな簡単な展開を許すメンバーでもなくツインターボは4コーナー手前で捕まった。

 代わって先頭に立ったのは今年の主役であったナリタブライアンだ。先団に構えていたが向こう正面から徐々に進出しツインターボを置き去りにするとそのまま中山の直線に飛び込んでくる。後方から規格外のティアラ級留学生、リギルのチームメイトであるヒシアマゾンが必死に追い上げるがそれを3バシンつけてしのぎ切って見せた。

 まさしく今年の主役といった走りで年末のグランプリも蹂躙したナリタブライアンの今後が楽しみでありフジ達と戦う未来を考えると胸がいっぱいになる。インターミドルならいい勝負ができるんじゃないだろうか。

 

 1995年1月1日

 あけましておめでとう。新年を迎え初詣も終わりドリームトロフィーを見る。そろそろ日本の慣習に慣れた⋯⋯ということにしておいてくれ。

 今年は阪神開催である。香港に参戦した二人は出ないものの好走して帰国している。ここで風聞が良くないのはシンボリルドルフである。彼女は香港参戦の権利を蹴っての国内専念である。やはり大衆への受けは良くない。そんなルドルフは夏と同じロングを選択する。参戦発表の会見の時に多くは語らなかったが言外の雰囲気は雄弁だった。

 それに呼応したのが昨年度MVPシンザンである。ドリームトロフィーで幾度となく繰り広げられた来た三冠対決だ。しかし秋シーズン初戦のトウカイテイオーとの一戦やスピードシンボリの香港での激走、新たなる三冠ウマ娘の誕生といったファクターがこの一戦を過熱させていた。

 他にも豪華な顔ぶれがそろっていたがレースは二人が支配する形だった。そう思われていたレースに割って入ったのはクラシックには縁のなかった、かつてその毛色のウマ娘は走らないといわれた葦毛のウマ娘だった。

 王道の先行策のルドルフを後方からシンザンが追い上げる。最終直線ラスト1ハロンで二人の戦いに割って入ったのがシンザンのさらに後ろ、最後方強襲をかけたタマモクロスだった。タマモクロスは4角で膨れるシンザンの内をついて上がってきてそのままシンボリルドルフとシンザンの間を駆け上がり三人並んでの入線になった。

 優勝はシンボリルドルフで昨年のリベンジを果たした。久しぶりの戴冠とともにドリームトロフィー連対とシーズンMVPをもほぼ確実にする勝利であった。2着は追い上げたタマモクロス、3着にシンザンという結果だった。タマモクロスはオグリキャップという大スターの影になってしまっているがドリームシリーズ昇格後も堅実に結果を残しており強豪と言って差し支えはないだろう。

 

 1995年1月9日

 昨年のURA賞の発表があった。年度代表ウマ娘はナリタブライアンが予想通り受賞した。最優秀ジュニア(コルト)をフジが受賞したことは当然だし嬉しかった。トゥインクルシリーズで意外だったのは最優秀クラシック(ティアラ)を受賞したのがオークスウマ娘チョウカイキャロルではなくエリザベス女王杯のヒシアマゾンに軍配が上がったことだ。まあ有馬記念の結果を考えれば妥当かもしれない。

 そして最優秀サイアーを今年受賞したのはなんとトニービンだった。今年はG1を取った教え子はノースフライトだけであったが他エアダブリンやサクラチトセオーが重賞級を勝利しており受賞に至った。

 ドリームシリーズMVPは大方の予想通りシンボリルドルフではあったが新人王に関しては少し難しい所であった。今年の有資格者の内ドリームトロフィー出場にこぎつけたのはダイタクヘリオスとミホノブルボンであった。さてこの二人だがドリームトロフィーの成績はダイタクヘリオスの方が上だ。しかしシリーズポイントはミホノブルボンの方が稼いでいる。

 ミホノブルボンがインターミドルでカブラヤオーに蓋をされて撃沈したためダイタクヘリオス優勢と考えられていたが受賞したのはミホノブルボンであった。⋯⋯きわどいところだがやはりマイル主戦のダイタクヘリオスよりインターミドル以上で戦うミホノブルボンの方が受けがいいのだろう。MVPもインターミドルまでが主戦場の選手が多い。短距離が盛り上がれば違うのだろうか。

 

 1995年1月17日

 地震によって阪神レース場に損壊が出たので復旧までは阪神レース場で行うレースは代替開催されるという通達がURAより発表された。ドリームトロフィーは阪神開催だったし暫くは回ってこないけど一部の阪神巧者にとっては少々向かい風だろう。

 

 ……これ以上の記述は野暮だろう。一言置いておくと災害救助の場面でウマ娘の力は大変有用であった。

 

 

◆◆◆◆◆◆

 

 

「ハロートニー。リーディングサイアーおめでとう。オレの居ない間にその玉座の座り心地を味わっておくんダナ」

 

「チャオサンデー。サンデーにはこの椅子の座り方なんか分かんないでしょ。恥かくくらいなら僕に膝をついてよ」

 

 

 玄関前、私とトニーがそんな事を言いながらにらみ会う。数年の付き合いだがこいつとは気心の知れた友人だと思っている。

 

 

『ハハハハ』

 

「いや何やってんだよお前ら」

 

「主賓を置いて馬鹿な事言ってないでくださいませんこと、私の残念会をすると言うから来てあげたんですのよ」

 

 

 私の家。URA賞の発表のあとに適当な要件で声をかければ二つ返事でOKしてくるノリのよい奴等を家に呼んだ。騒ぎたいだけなので理由は適当である。トニーはリーディングサイアー、私はフジの最優秀ジュニア、BTはナリタブライアンの年度代表ウマ娘。オレ達が騒ぎたいだけなのにドリームトロフィー不参加慰め会だと思っている名家のご令嬢を可愛らしく感じる。

 

 

「んな事言ったカ?トニー」

 

「さあどうだろうねサンデー」

 

「はっ倒しますわよあなた達」

 

「諦めろマックイーン。こいつ等はこんなんだ」

 

 

 揶揄いがいがある。引っ越してきた当初はイージーみたいなコイツが隣かよと思っていたが慣れてくると面白い奴だ。イージーの奴とももうちょいうまくやれただろうか。⋯⋯いや、イージー相手にそれは無理か。マックの奴とは違う因縁が奴にはあるしな。

 

 

「おらケーキ買ってあるから落ち着けよフロイライン」

 

「それを早く言いなさい」

 

 

 

*1
ニジンスキー系。G1級勝利は無し

*2
マイナー系ワイルドアゲイン産駒。この年の有力ウマ娘で将来的に重賞勝利もある




 1月17日
 日本災害史に残る災害。描写するか悩みましたがこの阪神レース場被災による代替開催を組み込みたかったのでさらうだけ描きました。

 マックちゃん
 マクサンとトニサンがあります。ブラサンだけはありません。同世代のイージーと下級生のマックちゃんでは扱いが違う。
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