転生したら米国二冠ウマ娘だったけどコーチの依頼が無くて極東に行ったら名コーチになって教え子に囲まれてます(仮) 作:罠ビー
某栄冠9と、LOHとチャンミをしてました。あと単純に忙しかった。
今回ちょっとお辛い展開です。注意。
1995年1月29日
小倉レース場でパートナーのデビュー戦があった。パートナーは素質こそ十二分にあるが彼女はゲートが不得手であり若手のホープの滝トレーナーでも上手く御しきれてないところがあるのかデビューは年明けまで遅れてしまっていた。
そして今日も当然のように出遅れていたがその資質は本物であり重賞ウィナーの姉、今年のジュニア最注目ウマ娘の妹にも負けず劣らずの素質を遺憾なく発揮して2バシン差で圧勝した。春のティアラ路線に間に合うなら注目の一人だろう。クラシックが待ち遠しい。
1995年2月1月
ドリームシリーズの新シーズン直前であるがついぞスキーパラダイスの日本参戦についてURAから何か発表はなかった。結果的に今日スキーパラダイスと滝トレーナーは会見を開いた。
スキーパラダイスは欧州の走行登録を解除し日本のマイナーシリーズに参戦することに決めたようだ。欧州でならプレミアリーグに所属できるかは微妙なところだが国内1部でプロとして戦えるだろうに、日本のマイナー所属は少しもったいない気がするが本人が選んだなら仕方ない。
この件である種、海外移籍の前例ができたことになる。欧州間以外ではなかなか移籍というのは活発ではない。いずれ日本から海外に行くウマ娘も出てくるだろう。しかし今の状況では故郷の登録を解除して海外でマイナークラスから走らないといけないのが現状だ。リスクも高いため現状は活発になることはないだろう。
1995年2月4日
今日は京都でマーベラスのデビュー戦があった。マーベラスはあんななりだが身体が弱いところがあり、そのくせあのテンションではしゃぎ回るので危なっかしい。名手である滝トレーナーでも完全にコントロールをするのは難しくコンディションを整えるのに時間がかかってしまった。マーベラス自身そこに焦りはないんだがブレーキも無い。
結果としてマーベラスは2着に2バシン半つけての圧勝だった。パートナーといい少しデビューが遅れた子も順調に勝ち上がっておりみんな頑張っておりいい感じである。
1995年2月8日
今年も学年末レースが迫ってきている。ウチのクラスは昨年のジュニアチャンピオンをフジが取った影響か注目度も高く去就が注目される子も多い。
注目のダークは姉を受け持っている滝トレーナーのチーム練習に既に参加しておりバブルは刑部トレーナーがこの前声をかけに来ていた。
早い子や行動的な子は既にスカウトや希望チームの練習に参加してるがそうでない子も多い。そんな子たちにつばつけとこうと今日び、我がクラスはトレーナー達に大盛況だった。
1995年2月14日
今年もバレンタインの季節だ。何故か私に対するチョコが毎年増えていくのだろうか。少年のような中性的なトニー、貴族のように高貴なブレーヴ、なんだかんだスタイルのいいBTに比べると私は貧相で姿勢も悪く目付きも悪い。
今年はクラシックで忙しいだろうフジ達やチーム選びに忙しいだろうダーク達も準備をしてくる。なんでそんなにバレンタイン、しかも義理チョコに律儀なのか。と思いながら私も準備してはいる。手作りする手間もないし、数年前の惨事を知っている奴らはあからさまに微妙の顔をする。
1995年3月1日
今年のクラシックが近づいてきた。三冠路線の注目はやはりジュニアチャンピオンのフジだろう。その実力は私の贔屓目抜きにしても世代トップとみなされていて、気が早すぎる気はするがナリタブライアンに続く三冠ウマ娘になるかもしれないという声もあるほどである。そのフジを追いかける立場として注目されているのがラジオたんぱジュニアを勝ったツヨシとそのツヨシに共同通信杯でリベンジをしたナリタキングオー*1だろう。他にはホープフルS勝ちのマイネルブリッジ*2や府中ジュニアを勝っているホッカイルソー*3なんかが注目されているだろう。が今のところフジの一強ムードと言ったところだろう。
ティアラ路線はやや拮抗状態と目されていて、姉妹の評判からパートナーの評価が高いが、デビュー3連勝を決めていたプライム、そのプライムにデイリー杯で土をつけたエイシンバーリン*4あたりが有力だろうか。
少し贔屓目ではあるがうちの生徒たちが注目されているのは素直に嬉しい。トニーやBTのように最初の年からクラシックを取れるかもなんて甘く考えすぎだろうか?正直期待している私がいる。
1995年3月5日
京都の1勝クラスでマーベラスが勝ち上がった。これでマーベラスにもギリギリクラシックへの挑戦権が残ったことになる。ややきついが毎日杯あたりを使えば間に合う計算になる。マーベラスは体質がまだ十分ではないからそこまで無理をするかはわからないが。
そして今日はクラシックへの登竜門、皐月賞トライアルの弥生賞にフジが参戦する。大方の予想通り今年の主役と目されているフジに人気は集まり1番人気となる。2番人気はホッカイルソーだが人気としてはフジの一強という様相を呈していた。
馬場コンディションは重でありぬかるんだ地面のためか1000m通過は62.5というスローペースで展開していた。フジは2番手で追走をしていたが3コーナーで先頭に立つ。しかし後続との差はなかなか広がらずホッカイルソーに追いつかれそうになる場面もあったが直線でフジは再加速しホッカイルソーを置き去りにする。結果的に2バシン半つけたその走りは2段ロケットと称されていた。この勝利でフジはその評価を確たるものにしてクラシックに向かっていくことになる。
追記:滝トレーナーから連絡があった。⋯⋯マーベラスが故障したらしい。膝の骨折だそうだ。⋯⋯マーベラス。気丈な彼女だが人一倍さみしがりやの彼女の事が心配になった。
1995年3月6日
マーベラスの見舞いに行ってきた。本人は私に気丈な様子を見せていたが正直な所辛いんだろうなということは感じた。あいつは聡い子だからという気もするが目の前でぎこちなく笑うマーベラスが痛々しく愛おしく仕方がなかった。⋯⋯気持ち悪がられてないかな。
◆◆◆◆◆◆
パラダイスとトレーナーが帰ってきた。パラダイスはトレーナーがフランスに留学してる時に出合った娘。フランスでマイルのG1を勝った一流のウマ娘。でも日本の実績は無いから結局パラダイスはマイナーリーグから走る事になっちゃったみたい。
「そんな顔しちゃノーベラスだよパラダイス、トレーナー。それにこれもきっとマーベラスな事だから」
「マーベラス、アンタ。姉貴は上で走る実力があるのにマイナーを一年無駄に走らされるんだぞ」
お姉さんが大好きなキャプテンがアタシに詰め寄る。確かに残念かもしれない。だけどパラダイスはマイナーリーグを走る事が出来るんだ。
「やめなさいキャプテン。マーベラスは私がプロになるには足りないと言いたいのですか?」
「そんな事はないよ。パラダイスは凄いウマ娘だもん。でも無駄なんてないよ。パラダイスは厳しいマイナーリーグを走れるんだ。スカーレットブーケ先輩みたいに昇格を目指す娘、サンエイサンキューみたいに大怪我から復帰した娘、ダイアナソロン先輩みたいに再びの昇格を狙う娘。バチバチがいっぱいでマーベラスだよ」
「走れる事がマーベラス。パラダイスは日本で走りたくて来たんでしょ?自分で路を切り開いて行けるなんてとってもマーベラス」
アタシは自分の思いをパラダイスに伝える。キャプテンはアタシに掴みかかっていた手を外しパラダイスは私の目を真剣に見てくる。アタシの言葉を待っているみたいだ。
「マーベラスは下のリーグから始める事が私の力になると言いたいのですか?」
「その通りだよパラダイス。わざわざ日本で走る事を選んだ挑戦者のパラダイスならこの経験は力に変えられる。それにトレーナーや先輩達もついてる。パラダイスのマーベラスはこれから始まるんだ」
走れる事はマーベラスな事なんだ。それは小さい頃走れなかったアタシは良く知っている。でも足を停めちゃう子も少なくない。センセーだってそうだ。センセーは生まれた国で一度走る事を諦めちゃった。でもアタシ達とあの日走ってくれたセンセーは、ダサいなんて言ってたけどとても充実した顔をしていた。
フジにツヨシにジェニュインそしてマヤノ、ダークやバブル、スズカにリョテイ、センセーやまだ知らないみんな。アタシは色んなウマ娘と走りたいな。
毎日はマーベラスに溢れている。だけれどアタシの願いはきっと少し、叶わないんだろうな。
◆◆◆◆◆◆
1995年3月24日
フジキセキ、屈腱炎発症。その話を聞いた瞬間、急に何かが冷えていくような感覚が私を襲った。それはフジに一層期待していたからなのか、フジという目標を失ったジェニュインやツヨシの事が気の毒なのか。
マーベラスの事といい身体と心が張り裂けそうになる。ああでもチビ達のもとに行かないと。不安がらせてはだめだ。
私は今日、うまく笑えるだろうか?
マイナーリーグ
ドリームシリーズに進めなかったウマ娘や降格したウマ娘が走るリーグ。レベル的にはリステッドから古馬重賞くらいのイメージ。今回上げたウマはマイナーでも上積みレベルのウマ。来年度けっこう描く予定。
スキーパラダイス
海外所属→日本移籍の第一号。でもこの時点で移籍の取り決めなどはなく成績も国内参照のためドリーム所属資格も無いのでマイナーからの参戦。そして第ニ号がURAのみならずレーシング界揺るがしてしまう為の布石。