転生したら米国二冠ウマ娘だったけどコーチの依頼が無くて極東に行ったら名コーチになって教え子に囲まれてます(仮) 作:罠ビー
今回はやや短め。そろそろ95年終わらせたいけどあと2話必要かも。12月はジュニアに香港にスカウトにと書きたい内容が多い。
1995年11月23日
電気屋に足を運ぶと生徒の一人であるエアシャカールがいた。彼女がこんなとこにいるのはなぜだろうと声をかけると「んだよ先公かよ」と言われる。彼女が見ていたのは売れ行き商品として置かれていたコンピューター。いわゆるパソコンである。
U‐wind95*1。前世で見たパソコンよりはるかに大型のそれにシャカールは興味を示しているのだろう。実際10年もしないうちに目覚ましい発展を遂げる予想がされる分野である。
しかし中々高いな。ただデータ処理とかも助かるだろうし買ってみてもいいのかもしれない。
1995年11月26日
秋のシニア王道2戦目、ジャパンカップ。今日の注目はやはり天皇賞では思った走りができなかった三冠ウマ娘、ナリタブライアンがあの頃の走りを出来るのか、そして世界に通用するのかという部分だった。
2番人気ほ昨年の有馬記念2着の女傑、ヒシアマゾン。 海外勢は昨年も来日したブラジルの雄サンドピット。バーデン大賞を連覇してるドイツ代表のランド*2やG1.3勝のアワッド*3と豪華な顔ぶれが揃った。
レースを組み立てたのはタイキブリザードだ。安田記念、宝塚記念と好位を追走していたが今日はペースを握るためハナを切ることになった。ヒシアマゾンは後方、ナリタブライアン中団に構えた。
ペースは2400を考えると気持ち遅めといったところだ。3コーナーから4コーナーにかけて集団が速くなり始めるところでナリタブライアンが少し下げたのは気がかりだ。4コーナー外からまくる態勢を見せたがフォームも昨年とは違う、ちぐはぐさを感じさせる。
一度下げてから外を回ったロスは、後方から足をためて外に回しスムーズに回してきたヒシアマゾン相手には分が悪い。ヒシアマゾンもブライアンを千切った瞬間顔を意外そうにしていた。去年のブライアンなら不利でも千切らせはしていない。ヒシアマゾンもすぐ標的を先頭を走るドイツのランドに切り替えたがタフさに定評があるドイツのウマ娘だ。足の持続力は強い。
結局ランドが1着入線。ヒシアマゾンが2着。ブラジルのサンドピットが3着。ヒシアマゾンもアメリカからの留学生であり掲示板に乗ったのは逃げたタイキブリザード以外は海外のウマ娘だ。ナリタブライアンは6着。URAとしては完敗と言える内容だろう。ここ数年海外のウマ娘とも互角以上に戦えていた分少し気勢をそがれる結果だったかもしれない。
1995年11月29日
今年のスカウトが最も苛烈なのはサイレンススズカだ。東条と滝それに沖野と若手の有力株がこぞってアプローチをしている。特に入れ込んでいるのが滝だ。いままでダンス姉妹やマーベラスもスカウトを受けていたが熱量が違う。
基本的には生徒任せの私にまで熱心に営業をかけてきており、少々行き過ぎた行いもあった為その点は冷水浴びせて落ち着かせたが、そのくらい入れ込んでいる。
東条はいつも通りだが東条はスカウトする人数を絞っており、今年はスズカとウチで見てるタイキシャトルに絞っているからか様子を見に来るペースが早い。
沖野は元々積極的なスカウトをするタイプでは無い為、滝や東条ほど接触してはこないがコイツにしては連絡を取ってくる。前二人と比べると慣れてない感じがするのは場数の差だろうか。
スズカ自身はなんで私にみたいな、困惑というか当惑を抱いている様子で結論は出せていない。
そんなスズカの裏でチーム選びを実直に進めているのがリョテイだ。というのも彼女の奇行はトレーナー陣も知るところだ。そしてアイツはトレーナー陣が知る以上に強かでクレバーだ。
奇行によって自らかけたフィルタリングで合わないだろうチームは排除している。そんな彼女に目をつけたのが南坂だ。
南坂は名物チームカノープスを率いる若手トレーナー。しかし滝や沖野のような花は無い。というのが世間の評価だが、若手トレーナーで名物チームと呼べるチームを作り上げてる手腕は引けをとる物では無いだろう。互いに強かでクレバーなタイプであり相性もいいのかもしれない。
1995年12月3日
今日は阪神ジュニアの日だ。つまり来週には朝日杯がありジュニア王者が決まるころである。その裏で二人の生徒がデビューした。
一人はダークだ。滝のチームでダンスパートナーの妹、世間の評判も上々である。本人のキャラが非常に独特なところがあるがそれもまた注目を集める一因になっていたかもしれない。走り方も姉のような後方待機からの差し切り。新たなスターの登場を予見させた。
もう一人はタッチ。こちらもウィニングチケットの妹であり奇しくもG1ウィナーの妹だ。所属チームこそ海老谷トレーナーの所だが短期的にフランスの名トレーナーであるO.ペリー*4トレーナーの指導を受けていた。こちらも勝利し同日デビューで、私の下で騒いでいた時代からの友人に置いて行かれたくはないといったところだろうか。
これで自称四天王は全員デビューしたことになる。バブルが一足先に来週の朝日杯にコマを進め、三人が年末のたんぱ杯ジュニアに行く予定らしい。また次のクラシックの足音が近づいてきた。こいつらはどんな時代を描くのか。楽しみである。
1995年12月4日
昨日の阪神ジュニア。注目は昨年の快進撃から今年は難しいシーズンを送ったトップトレーナーの東条が送り出すエアグルーヴだ。オークスウマ娘ダイナカールを出した一族からの新星で昨年のリーディングサイアーであるトニービンの生徒。その姿はダイナカールと瓜二つですでに女帝の風格を持っている。
しかし勝利したのはエアグルーヴではなかった。2番手につけてレースを展開しようとしたエアグルーヴに対して、先頭でレースを引っ張り続けエアグルーヴに背中を見せたままゴールした彼女はゴールした後無邪気に喜びを爆発させていた。
アイルランドにルーツを持つ、支配者たる雰囲気を漂わせるエアグルーヴとは違うどこか牧歌的な雰囲気を漂わせる少女、ビワハイジであった。
二人ともタイプは違うがファンが増えそうな、そんな気がした。
◆◆◆◆◆◆
最近私の所に複数のトレーナーさんがやって来る。
1人は東条さん。女性のトレーナーで身近な所だとフジ先輩が所属しており、ナリタブライアンさんやシンボリルドルフさんみたいに誰もが知ってるウマ娘がいるチーム。
もう一人は滝さん。ダーク先輩やパートナー先輩姉妹やマーベラス先輩と知った顔も多いチームで少し人見知りがある私にも心強い。トレーナーさんの迫力が凄くてビビってしまったけど先生が一度話しをしたら凄く迫られる事はなくなった。
滝さんのチームもスーパークリークさんをはじめG1を勝ちドリームシリーズに進んだウマ娘の多い名門チームだ。
そんな強いチームに私は馴染めるだろうか?そんな事を考えていると私の脚をジロジロと見ている人がいる。以前脚を触って先生にぶっ飛ばされていた。
彼は沖野さん。メジロマックイーンさんとトウカイテイオーさんを指導したすごいトレーナーさんなんだけど……さっき上げた二人に比べると何となく頼りなさがある。
「サイレンススズカだよな。チームどうするんだ」
「まだ決めてないです。お声掛けは頂いてるんですが」
「あちゃー遅かったか。あの二人も注目してたもんな」
そうおどけながらも私が悩んでいることは察いるだろう。それは彼にとってもチャンスのはずだ。自分のチームに勧誘はしないのだろうか?
「まあうちにも来てほしいけど、この前話したろ。少し君が考えてくれて、それでうちに来てくれるなら嬉しいけれど。おハナさんや滝なら君を悪いようにはしないと思うよ。君が走りやすい環境で走るのがベストだ」
トレーナーとしては少し珍しい考え方なんじゃないだろうか?スカウトしたウマ娘には来て貰いたいに決まっている。この時は変な人という感想しか抱かなかった。
結局のところチーム選びはこのあとも2チームになってからも難航した。
96世代
サンデー四天王とエアグルーヴが世代の中心。明らかに罠ビーお気に入りのダークの出番が多いのは御愛嬌。たんぱ杯組と朝日杯。迎えるクラシックの事を考えるとどう前年と差異をつけていくか
スズカさん
3チーム競合の魔性の栗毛。まあ仕方ない。
リョテイさん
カノープスリョテイ。絶対誰もが考えた奴。ウチのリョテイさんはクレバーさを奇行で隠すそのまま不沈艦の香りを感じるスタイル。初年度組の話が一段落する97あたりからは2人とどこぞの総大将を中心に回す。