転生したら米国二冠ウマ娘だったけどコーチの依頼が無くて極東に行ったら名コーチになって教え子に囲まれてます(仮)   作:罠ビー

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 お疲れ様です。対戦よろしくお願いします。前回更新後日間にちょっとだけ載りました。ありがとうございます。
 タイトルは例のサポカですが95年が終わり、ちょっと区切りですので。長かった95年。結構やりきったかな?
 今後も緩く続けていきます。


玉座に集う者達

 1995年12月23日

 ラジオたんぱ杯にはバブル以外の四天王の3人が参戦した。バブルが朝日杯を優勝した手前、ここで良い成績を残して弾みをつけてクラシック戦線に駒を進めたい所だろう。

 意外にも最も注目を集めていたのは若手の志比トレーナーと3戦2勝で乗り込んできたイシノだった。メイクデビュー勝ちの好素質ウマ娘ダークがそれに続き、同じくメイクデビュー勝ちのタッチは4番手評価であった。

 

 私の生徒の中でも今年の注目株が揃ったレースはタッチにイシノ、そしてダークまでもが中段をとる走りを選択していた。その中でもやや後ろに位置とっていたイシノが道中ポジションを上げていき後半には先団から先頭を睨む位置で展開していた。

 一方でダークは最初からポジションは変えずにその位置で足をため続ける選択をし、タッチはイシノとは逆に後半に入るころには一度ポジションを下げていた。

 

 直線は早々にイシノが抜け出して勝負を決めにかかるとそれに合わせたダークだがイマイチ足のキレが悪い。逆にポジションを下げてしっかりと足を貯めたタッチが強襲をかける。

 イシノも充分な足で粘っていたが勢いは完全にタッチが勝っていた。接戦ではあるが写真判定が必要な程ではない。突き抜けたタッチの方が大勢優位だった。

 

 勝ち名乗りを上げたタッチはダークやバブルと比較すると性格も控えめだったがトレーナー選びを最後まで迷ってOペリー臨時トレーナー*1と組んだりと、その地道な努力と大胆な選択が今日の逆襲に結びついたのだろう。

 

 1995年12月24日

 クリスマスイブだ。ステイツではNRLオールスターの時期で日本でもそろそろドリームトロフィーの話題が出始める時期だが、関係者の注目は暮れの大一番有馬記念である。

 

 今年の有馬記念は12人と出走は少ないが文句なしのスターが集まったと言えるだろう。G1勝利こそ1回だが昨年の有馬記念に今年のジャパンカップ2着とフィリー級離れした能力は疑いようのないヒシアマゾン。秋の天皇賞で悲願のG1勝利を手にしたサクラチトセオー、クラシック級からはG1ウィナーのジェニュインとマヤノトップガン。カノープスの屋台骨で大ベテランのナイスネイチャ。

 その中で、人気こそ好調のヒシアマゾンに譲りはしたが昨年の年度代表ウマ娘ナリタブライアンが逆襲するかという事がやはり世論の注目であった。三冠ウマ娘になった以上衆目を集めるのはもはや運命だろう。中々全盛期の走りを取り戻せない事に東条トレーナーに対して心無い手紙などが来ていることも風の噂で聞いている。

 

 レースのハナを切ったのはクラシック級の天才少女マヤノトップガンだった。菊花賞は好位のレースを展開していたが今回はスタートから前に立ちレースを支配しにかかる。一方で力みが出たのかヒシアマゾンはスタートで出遅れてしまった。

 ハナを主張したマヤノトップガンはハイペースではなくスローペースでレースを運んだ。スローは前が比較的有利になるがマヤノトップガンに競りかけるウマ娘は居ない。出遅れたヒシアマゾンを中心にした後方の有力ウマ娘、中団に構えたナリタブライアンを意識して立ち回りたいという思惑が抜け出した天才少女に自由に描けるキャンバスを与えていた。

 

 ゆったりと逃げるマヤノトップガンをジェニュインは後ろから見るように好位で追走しておりその後ろに外からナリタブライアンが上がってくる。やはり気持ち長いのか後ろから上がってくるブライアンにはついていくことはしなかった。

 直線に入りマヤノトップガンにブライアンは迫る。うまいレース運びで三冠ウマ娘復活かという気もしたが、クラシックのころのブライアンの迫力だとしたらここで確信を持たせていた。残り200mでタイキブリザードに差し返され後方一気のサクラチトセオーに差し返されてしまう。

 

 結局終始プレッシャーがなく優位にレースを運んだマヤノトップガンがそのまま優勝した。ジェニュインは10着。まあ緩いペースとはいえ中山の2500は長めだったのだろう。

 

 1996年1月1日

 今年のWDTは再びダートを選択したマルゼンスキーはもちろんだが注目はドリームシリーズ新人王争いの行方だろう。

 メジロマックイーンとトウカイテイオー。オグリキャップの去ったトゥインクルシリーズの主役であった2人であるが対戦機会は1度きりとその歯車が揃う事はなかった。

 その2人がドリームトロフィーの出場権を獲得し、示し合わせたように選択した距離はロング。舞台はマックイーンが得意としている京都、しかし距離はテイオーも得意としているロング2400m。再戦の舞台としては申し分はないだろう。

 当然ルーキーにそう簡単に勝たれては面白くもない。オグリ時代のダービーウマ娘サクラチヨノオーや三冠ウマ娘の後継者というテイオーと似た境遇のミホシンザン。そして三冠ウマ娘のミスターシービーと他の参戦ウマ娘もさすがのドリームトロフィーという感じである。

 

 ルーキー二人の注目度も当然高いのだがやはりスター選手としての地位を確立しているターフの演出家を警戒してか立ち上がりは比較的スローであった。それを嫌ったのはマックイーンだ。積極的にせりかけていくと前も集団もやや前へと意識が傾く。稀代のステイヤー相手に消耗して足が上がることも、後方のの演出家と末脚勝負をする事も、どちらも並のウマ娘には荷が重い。それはいくら超一流がそろっていたとしても即決は難しい。

 末脚勝負を即決したのがミホシンザン、サクラチヨノオーはマックイーンの外を、テイオーはマックイーンの後ろに一度つけるがポジションは大きく変えずインで貯めるような走りをする。

 

 じりじりと続いていた牽制は第3コーナーでマックイーンが半分スパートのようなペースアップをしたことで局面が動く。追走をやめた先頭集団内側のウマ娘により後方には壁ができる。サクラチヨノオーは集団を交わし単独2番手で最内をロスなく回る選択をする。

 それと同時にまるで読んでいたようにミスターシービーはロングスパートをかけようとするがそれを察知していたようにテイオーが淀の坂のくだりを利用し速度を上げて少し膨らむように下っていく。うちにコースが開くが外の道はつぶされており一度速度を下げることを余儀なくされる。

 

 シービーが下りの速度を使えずに最終コーナーに差し掛かる頃には下りの傾斜を存分に使ったテイオーはスパートを切っておりそのまま先行集団に襲い掛かる。最終コーナーからマックイーンはさらに速度を上げようとするがテイオーとの速度の差は明らかだ。

 テイオーがチヨノオーを内回りコースとの合流が終わるところで捉えあとはやや無理な走りをしたテイオーの足が上がらないか、マックイーンがリードした距離が十分なものだったのか、その勝負だ。

 

 残り1ハロンでテイオーが追いつくが順調に進めたマックイーンと坂で無理をしたテイオーでは余力が違っただろうか。しかしラスト50m、引き離されかけたテイオーが一度落とした速度を上げる。

 マックイーンは順調に進めたがそれでも彼女よりも短い距離を軸にするチヨノオーにつかれたことが長距離王者の計算を狂わせた。最後に失速したマックイーンにテイオーがクビ差で競り落とした。

 

 これで新人王はトウカイテイオーがほぼ確実のものにし、マックイーンはURAの表彰の機会を逃すことになった。

 

 

◆◆◆◆◆◆

 

 

「なあ、普通にスーツじゃダメだったか」

 

「サンデーさん、貴女今日は壇上に上がられるのでしょう?でしたら花のある格好は必要ですわ。それに貴女の生徒もいらっしゃるのでしょう。無様は晒せませんわ」

 

 

 URA賞表彰式。慣れない公的な場に出席が決定し、その話を隣のマックイーンにしたらあれよあれよとメジロ家ご用達を紹介されドレスを買わされた。スーツでいいんじゃないかと話すと信じられない形相をされた。去年のトニーはどうだったんだよとも思うが奴は欧州の出だし顔に似合わず慣れてやがる。

 

 

「お久しぶりですお姉さん、奇麗ですわよ」

 

「thanks パートナー。欧州遠征惜しかったナ」

 

 

 結果この黒のタイトドレスだ。褒めてくれたパートナーには悪いが世辞にも似合ってると私は言い難いと思うけどな。トニーやBT(バカ共)がゲラゲラ笑うのが目に見えている。

 

 それにしても知り合いは幾人かいるが偉いやつとかに挨拶したり、なんともうっとおしいと感じる。生徒たちは無邪気なものだがトレーナーやドリームシリーズの奴らはあまり楽しんでるという空気ではないな。

 

 

「無頼ぶってばかりじゃいられないわよ。立場があるものは」

 

「⋯⋯アンタを見てればそう感じるナ。立場があるってのは大変だ」

 

「フジのことは申し訳なかったわ。せっかく預けてもらったのに」

 

「別にフジが恨んでネーならオレがとやかく言うことじゃネー」

 

 

 東条と壁際でそのような事を話しているとプレイヤーの表彰は終わる。新人王はトウカイテイオー。MVPはマルゼンスキーの可能性もあったがやはり夏の騒動といい体裁が悪かったのか今年はエクステンドで皇帝に競り勝った天帝トウショウボーイが久々の戴冠となった。

 

 

 

 

「続いて、彼女達の活躍のために尽力した関係者の表彰に移ります」

 

「本年から生徒たちがクラシック級にデビューし皐月賞ウマ娘ジェニュイン、ダービーウマ娘タヤスツヨシ、最優秀クラシックフィリーズダンスパートナー、そして最優秀ジュニアバブルガムフェローを競技前指導し最優秀競技前ウマ娘指導員に選ばれました」

 

「サンデーサイレンス女史です」

 

 

 あの日空港でした約束を、私は少しは果たせただろうか。

 

*1
この時期から2010年頃まで欧州トップトレーナーであるすごい人。日本だとシンボリクリスエスとゼンノロブロイあたりと縁が深い




 新人王争いとWDT
 TT対決延長戦。トウカイテイオーとメジロマックイーンが中距離でどうなのか。正直賛否はあるだろうしいくらでも皆さんの中で答えがあると思います。
 マックイーンはエクステンドを選択したら新人王はきっとほぼ取れたんじゃないでしょうか(エクステンドはエクステンドで強豪多いですが)。それでもロングでテイオー相手に挑む。そういう女だと思います。因みにゼファーも同時期引退ですので新人王争いしてました
 WDTのメンバーはマックイーン以外は正当後継者という選抜。

 URA表彰式
 サンデーさんはこういう場が苦手。だけどこれから10年以上参加確定だからね。黒スーツは浮きますわとマックイーンは思ったが関係者表彰なのでそうでは無かったかも。
 因みに昨年のトニービンはロングパンツでダンススーツみたいな奴で来た模様。
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