転生したら米国二冠ウマ娘だったけどコーチの依頼が無くて極東に行ったら名コーチになって教え子に囲まれてます(仮)   作:罠ビー

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 ジャパンカップ見てから月曜日提出のレポートを書き出した残念極まりない専門学生は誰でしょう
 そう、私です。

 アイちゃんおめでとー


帝王の覇道と名優の花道/メイルストロム
豆と試験とドリームトロフィー


 1991年1月1日

 HAPPY NEW YEAR

 という訳で年が明けた。冬休み期間中は今のところ部屋でゴロゴロとしていると年明けそうそうトニービンとブライアンズタイムがやって来た。いわくドリームトロフィーを観ようとの事だった。もともと観る予定ではあったがあれよあれよのうちに予想対決となっていた。

 ドリームシリーズのレース体系はまちまちだがこの真冬の期間に一番大きいレースをやることが多い。アメリカ*1ではクリスマスと独立記念日にドリームシリーズの総決算のレース*2をやっていた。日本では冬は正月にやるらしい。トニービンいわくヨーロッパ*3もクリスマスに冬のドリームトロフィー*4が行われるらしい。ここら辺は地域性や宗教性によるところだろう。

 日本ではこの冬のドリームトロフィー(WDT)はダートと芝は距離毎に計6レース行われる。今回は東京レース場で行われる。予想対決はWDT LONG(芝2400)で行うことになった。……よくよく考えると私は一番日本の事知らないのだから不利なのではないか?と今考えると思う。

 今年のWDT LONGは皇帝シンボリルドルフがインターミドル(芝2000)にエントリーした為前評判は混線模様だ。一番人気は世界のエース、カツラギエース。二番人気が悲運の桜、サクラスターオー。そして初参戦のタマモクロスが期待を背負い3番人気と続く。トニービンは迷わずタマモクロスに私がサクラスターオーに、ブライアンズタイムがカツラギエースにベットした。

 ……なお金銭をかけてこのような事を行うとノミ行為としてしょっぴかれるので負けた奴が買い出しに行くという健全なものであることを記述しておく。

 

 1991年1月5日

 冬休みが終わりに近づくにつれて現実に帰らないといけない問題が1つある。サイアー試験だ。実はサイアー試験まであと二週間を切っているのだ。まあ落ちるような感じはしないが試験が近づくというのは否応なしに意識を向けざるをえない。……ブライアンズタイムの奴が煽りちらしてきてうざい。と思っているとリアルシャダイが去年ブライアンズタイムがリアルシャダイに泣きついた事を教えてくれた。ざまぁ。

 

 1991年1月7日

 冬休みが明けて学園に活気が戻り出した。金杯に出場する生徒やWDT出場ウマ娘くらいしかいなかったのは普段の学園からするとさびしい限りだった。という訳でサイアー業務も再開となる。寒いので怪我しないように注意していこう。というか子供達は寒いのに元気だ。

 

 1991年1月10日

 とりあえず3月の学期末レースが今のジュニアクラスの大きな関心事だ。この時期になると今年ジュニアA組に進級する子達はこの学期末レースで結果を出してトレーナー達にアピールしたいという思いをありありと感じる。そしてトレーナー陣もクラシックを目指すウマ娘の指導をこなしながら主にB組の子達の様子を見に来る。

 C組しかまだ担当のいない私には関係の薄い事だがリアルシャダイのところにはけっこうトレーナーが訪れておりリアルシャダイも慣れた様子で対応していた。リアルシャダイのところからはけっこうレースを勝つ娘が多いからまあ当たり前か。

 さてそんな話題のリアルシャダイクラスにおいて今年の才能はライスシャワーだろう。イマイチ私は彼女に恐れられているような気がして残念なのだが。体躯が小さくまた硬く見える為成長力を疑問視する声も聞こえて来るがスタミナとバランス能力には秀でたところがあると思う。

 

 1991年1月14日

 私達はセールスマンではないので見ている娘達をトレーナーに売りこんだりはするべきではないと思う。例えば先のライスシャワーだと体躯が小さく成長力に欠くと評価したトレーナーにライスシャワーの良さを触れ回ったりするべきでは無いと思う。

 素質を見抜けないトレーナーに師事される事はウマ娘にとってもトレーナーにとっても不幸な事だろう。……とまあこれは今のところの私の持論である。もし今見ている娘達で去就が決まらない娘が出たら私はどう思うのか、正直わからない。

 

 1991年1月19日

 サイアー試験当日。私は中身が日本人なので苦心しなかったがよくよく考えるとこの期間で日本語を覚えてサイアーの試験に合格するのは大変な事だと気づいた。それはあんだけ余裕そうにしてたら気にしたくもなるかもしれない。ブライアンズタイムには悪い事をした。……いややっぱり奴は私を煽りたかっただけだろう。

 試験場の中を見渡せばともに講習を受けてきたオグリキャップやスーパークリーク、イナリワンがそれぞれペンを持ち試験にあたっている。スーパークリークは余裕そうに。オグリキャップはイマイチわからないが大丈夫だろう。イナリワンは少々筆が止まりそうだ。

 正直にいうとそんなに難しくない。わざわざつれてきた海外のウマ娘や国内のスターウマ娘を試験で落とす理由もないのである。しかしそうはいっても幼いウマ娘を預かる職。という訳で免許制になっているのである。

 まず問題なく受かっているだろう。一つ荷が降りたのでまた日々頑張っていこう。

 

 1991年2月2日

 節分というらしく子供達と豆まきをした。角をつけたら子供達に完全に恐れられていた。お面を着けた方がまだ寄ってくるのはどういう事?

 うちのチビ達も私に向かって豆を投げてきた。二冠ウマ娘の動きで避けたり金棒(プラスチックバット製)で打ち返したりした。マーベラスがところ構わず投げたので掃除が大変だったがとても楽しかった。

 追記:お嬢様染みたダンスパートナーや物静かなジュニュインはこういうイベントは苦手かと思ったが意外とノリが良かった。マーベラスの暴走にも付き合ってくれたし後片付けも文句のなさそうにやってくれた。みんなの仲がよくてうれしい。ほんとに出来た生徒達である。

 追記の追記:サイアー試験合格!!

 

 1991年2月10日

 ジュニアC組も学期末レースがあるため準備をしていく。ゲートを閉めないがゲートを使うので閉所に慣れるようにトレーニングをしていく。という訳で段ボールを用いて閉所訓練を行う事にした。やはり閉所が苦手な娘が多くなかなかに難航する。特にダンスパートナーは閉所がダメっぽい。安心させるように一緒に入ったら今度は他の娘達がズルいと声を挙げ出したので結局みんなと入った。

 ……なんか釈然としないがみんながそれで安心するならいいのだろう。

 

 

 

 

 今年のWDTは皇帝、シンボリルドルフが東京芝2000メートルの忘れ物を取りにインターミドル参戦を表明した事により情勢が様変わりした。ミスターシービーもインターミドルへ参戦し非常に高いレベルのレースが期待される。

 一方皇帝が登録しなかったロングだが役者不足という事ではない。世界のエース、カツラギエースはジャパンカップと同じコースで伝説の再現を狙いそれに待ったをかけるのが悲運の二冠ウマ娘、サクラスターオーが取れなかった東京2400の冠を取り返しに。今年、ドリームトロフィー初参戦のタマモクロスと同期のスターオーとの対決も目が離せない。

 エクステンドは5冠ウマ娘、シンザンが抜けているともとれるがそこにコダマが襲いかかる。鉈と日本刀、どちらの切れ味が勝るのか。流星の貴公子テンポイント、天馬トウショウボーイも参戦を表明している。

 マイルはニホンピロウイナーのスプリント参戦によりインターミドルチャンピオン、マルゼンスキーにサクラシンゲキ、ニッポーテイオー等といったマイルの雄がどう立ち向かうかが注目。

 スプリントは前述のマイルの皇帝、ニホンピロウイナーを中心に展開されるがここにフィリークラスのテスコガビーが食らいつけるか。

 ダートはフェートノーザン、カウンテスアップ、テツノカチドキ等元地方ウマ娘達の活躍に期待。

 

『1990年1月1日日刊ウマ娘 WDT展望』

 

 

 

*1
NRL:ナショナルレーシングリーグ

*2
NRLオールスター/スーパーレース

*3
UERAプレミアムリーグ

*4
UERAチャンピオンズカップ




TB「タマモいけー」
BT「耐えろカツラギ、耐えろ」
SS「スターオー。二冠の意地見せろっ」
『内側からグリーングラス、グリーングラスが上がってきたっ』

ブライアンズタイムさん
サンデーさん、トニービンさんと同時期に活躍したサイアー。数々の個性的な産駒を残してきた名種牡馬がモデルでウマ娘的にはマヤノトップガンとナリタブライアンの父でウオッカの直系の祖父。サンデーさん達とはちがうグラマラスな体系で黒鹿毛を長く伸ばしているカッコいい系姉御。向○拓海系。完全に3人ともカッコいい系。これは執事喫茶キャーキャーですわ。

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