・・・いや本当に久しぶりでございます。
ヒロアカ完結してしまい虚無っている今日この頃でございます。もう来週からのジャンプにヒロアカは載ってないのを想像すると悲しくなってしまいます。
だとしても、映画にアニメ、リアイベとまだまだヒロアカコンテンツは続いていくという嬉しい部分もあるのでなんとか生きていけそうです。
さて、前回体育祭を始めるよ~で終わった訳なのですが、思い出しがてら読み直してたら誤字があるわあるわ。その内修正すると思います。そんな2年ほど前の記憶を思い出しながら書いてみました。読み苦しい部分もあるかと思いますが、楽しんで読んでいただけたら幸いです。
『さぁさぁ、雄英体育祭第1種目は障害物競争だ!実況はもちろんこのプレゼントマイクが送るぜ!そして解説は頼んだぜミイラマン!』
『おい、俺は何も聞いてねぇぞ・・・』
「相澤ちゃんも大変だねぇ」
スタートゲートから実況席を見ながら、となりで大騒ぎしているプレゼントマイクの横でめんどくさそうにしている相澤の様子を思い浮かべる。
(大方プレゼントマイク先生に連れてこられたんだろうなぁ。さて、こちらはどうするかな?)
人がぎゅうぎゅう詰めになっているゲートを眺める。我先に前に行くために生徒たちが人と人の隙間を縫って進もうとしているようだ。初めから前にいたなら良かったがこの状態から人混みに入っていく考えにはならなかった。
「あれ、春水くんじゃん」
「三奈ちゃんじゃない」
声がする方に振り向くと、芦戸が濡れた手をハンカチで拭きながら近寄ってくる。
「まだ並んでなかったの、ってうげ!人スゴ!」
「こんな感じだからね、今から入ってもなぁと。それに最前列に轟くんがいるのを見ちゃってさ」
「轟?あぁ・・・なるほど。てことは今ゲートに並んでるのは・・・」
「うん、ご愁傷様かな」
「うげー。私も後ろに居とこ」
『それじゃ、リスナーの皆はカウントしてくれ!10、9、8・・・』
耳郎と話しているとスタートまでの10カウントが始まり、ゲート前でごちゃごちゃしていた生徒達はその場からスタートすることに決め、構えを取り始める。その集まりから少し離れた所にいた生徒たちはその人混みが過ぎてから行くつもりなのか話し続けている。
「う~んどうやってこの人混みを超えようかな」
「そうだねぇ」
「いや春水くんは壁走ってけば解決じゃん」
「ありゃりゃ」
「ありゃりゃって。はぁ~しょうがない、私は後から追いかけるかな」
『・・・1、スタートォォォ!!!』
その声と同時に会場では花火が上がり、スタートゲートも仕切り板が外され生徒達が一斉に走り出す、かと思えば地面一体に氷が広がっていき生徒たちの足が捕まってしまっていた。
『1-A轟!早速ゲート前を凍らせて後続を断っていく!初めっからクライマックスだなオイ!』
『一部の生徒は切り抜けているようだな。中にはこれを予想して離れていた生徒達もいたようだが』
「そう上手くいかせねぇよ半分野郎!!!」
レースがスタートしてすぐに派手に個性が使われたことと、それを切り抜けていく生徒の姿に観客も盛り上がりを見せる。そんな観客の盛り上がりに対して現場の声はそうはいかない。
「ってぇ、なんだ凍って!」
「やりやがったなヒーロー科!」
非難轟々。スタート地点で固まっていた生徒たちは急ぎ氷から抜け出そうと荒れに荒れている。後ろで準備していた生徒達はこれ幸いと人混みをかき分けて進もうとするも、捕らわれた生徒から行かせるかと妨害を受けて氷の上で滑りコケて周りに被害を広げていくという悪循環に陥りそこかしこから悲鳴が聞こえてくる。そしてスタート地点はあっという間に、
「地獄絵図・・・」
「三奈ちゃん、この間を抜けていくのかい?」
「・・・かんっぜんに出遅れた!」
前方の状態と置かれている状況に絶望する芦戸。ガーンという効果音も一緒に聞こえてくるのは気のせいだろうか。
「嫌じゃなかったら、前まで連れて行こうか?」
「え!?」
春水の言葉に芦戸の目に光が宿るが、瞬時に躊躇いの表情も出てくる。
「いや、でもそれはズルになんないかなぁ」
「袖触れ合うも多生の縁って言葉があるじゃない?」
「でもこれ競争じゃん?」
「助け合うことはダメとは言われてないじゃない」
「確かに何でもありとは言ってたけど・・・」
『さぁさぁトップの轟は第2関門に到達!落ちればアウト!それが嫌なら這いずりな!ザ・フォール!!』
決めあぐねている芦戸だが、その間も時間は進んでいきトップとの差は開くばかりである。実況からの声でもさらに焦りが生まれ始めるスタートライン組はより混沌と化していく。
「うぅ、よし。春水くん、お願い!」
「それじゃ手貸して。あと、舌噛まないよう口閉じて」
「分かった」
芦戸がこれから来る衝撃に顔を引き締めたことを確認した春水は駆け始め、人混みの上である壁を走り抜ける。無論、壁走りの勢いに引っ張られる人、芦戸は宙に浮く形になる。また、急激なGと速度に体が驚き反射的に目を閉じているとすぐにGが無くなり、気づけば地に足が着いていた。ふと目を開き振り返ると、断崖絶壁と対岸に生徒たちが溢れかえっていた。
「着いたよ」
「ここは・・・」
「第2関門の・・・ザ・フォールだったかな、そこを超えた所だよ」
春水の言葉に驚愕の表情をする芦戸。てっきりスタートラインの人混みだけを飛び越えるものだと考えていたので一瞬で遥か先の第2関門のクリアした所まで来ているなんて誰が想像できるだろうか。
『ナンダ~!?だれもいなかった所に人が現れやがったぞ!』
『八百万の兄だな。手を繋いでいるのは・・・芦戸か。スタートラインで2人そろって何か話していると思っていたが、ここまで飛んできたな』
『飛んできた!?オイオイ、ワープ系の個性なら第1種目なんて楽勝じゃねぇか』
『お前ちゃんと資料読めよ、ワープ系じゃなく吸収と放出だ。文字通りに飛んできたんだよ。原理としては爆豪の爆破に近いな。違いは、そのエネルギーを実物に変換できるという所だな、刀限定だが』
『分かりやすい説明をサンキューなミイラマン!まぁ知ってたけど』
『お前!』
「ちょっ、ここまで飛んできたの!?」
状況を理解した芦戸は春水に確認する。
「まぁね」
「まぁねって・・・・・・なんか凄いズルした気分」
「周りの使えるモノを使って何が悪いのさ」
「いやそうかもだけど。う~よし、過ぎたものは仕方ないか」
「それじゃ、僕はこれで」
言うが早いか春水はその場からすぐに消えてしまった。取り残された芦戸は改めて後方を眺め、前を向き、一息つく。壁走りと言えば戦闘訓練のお姫様抱っこが頭をよぎる。
「・・・ちょっとは期待してたんだけどな」
一言話すと芦戸も前に向かって走り始めたのであった。
『て、は?ゴ、ゴーーーール!!!八百万春水ゴーーール!』
が、すぐに実況の声が聞こえ再び歩を止めるのであった。
――――――
芦戸と別れてすぐ。春水はすぐに瞬歩を使い、会場ゴールテープ手前に現れた。そして、ゆっくりと歩きゴールテープを切っていく。無論、観客も現れてすぐには気付かず、モニターにさっきまで映っていた少年が目の前にいるという事実を受け入れるのに時間を要した。もちろん、それは実況席も同じで、初めに気付いたのは担任である相澤であった。
「おいマイク」
「どうしたイレイザー?」
「1番が到着したぞ、言わなくてもいいのか?」
「はぁ~、何言ってんだイレイザー、今ようやく第三関門に入りかけじゃねぇか」
「会場を見てみろ」
「会場だ~?・・・っちょっ『ヘイリスナー会場の変化に気付いたか!!!さっきまで第2関門の前にいた八百万春水がもう会場内にゴールしちまってんじゃねぇか!誰がこんなこと想像できたよ!急に現れちまって俺も口あんぐりだぜ!』」
相澤の声かけでようやく気付いたマイクは急ぎ実況を開始し、観客を沸かせて視線をモニターから春水に向けさせた。
「うーん、相性という点では改善点がありそうな競技だね」
「やっぱり八百万くんがトップで来たわね。とりあえず、こっちに来てインタビューにでも答えてもらいましょうか」
「やれやれ、ヒーローインタビューってやつかい」
「君が早く着きすぎて正直尺がね。後続で来る子たちのためにちょっと協力してくれると嬉しいわ」
有無を言わせないと、ミッドナイトがマイクを握らせて、インタビューを進めていく。
『ところで八百万くん、皆は最終関門に差し掛かった訳だけど、あなた的に注目してる子、もしくは見て欲しい子とかはいるのかしら?なんなら気になる子とか言ってくれるともっと良い!』
『注目でいうなら緑谷君、見て欲しい子で言うなら百ちゃんだね』
『あら、今トップを走ってる子たちじゃないのね。特に緑谷くん、彼はまだ個性らしいものを使ってないみたいだけどどこが注目点なのかしら?』
『緑谷君はなんて言うのかな、彼の強さの根底は個性じゃないんだよ。どちらかと言えば思考力、窮地を潜り抜ける発想力が他に比べて一歩抜きん出てる。後はそこに身体能力、個性の使い方が追い付けさえすれば、あぁホラ』
瞬間、会場の外から爆破音がすると同時にモニターに映っているトップ二人が緑谷の起こした爆発に吹き飛んでいく。
『どうした今年の一年生!トップ2人を文字通り吹き飛ばして一気に躍り出た!そしてそのまま、ゴール!障害物競走第2位は予想外!大逆転の男!緑谷出久ダァ!』
その後、続々と生徒たちがゴールに辿り着き実況が生徒の名前を読み上げていく。
「緑谷くん、お疲れ様」
「春水くんこそ。あっという間にゴールしててびっくりだよ」
「たまたまだよ、たまたま。競走なんて瞬歩を使えば一瞬だからね。緑谷くんだってあの爆発には驚いたよ」
『さぁ、ある程度の人数が揃ったから次の種目に行くわよ!』
「ほんと唐突だよね、この学校」
「あはは」
ミッドナイトの声に反応し、モニターの競技ルーレットが動き始める。
『次の競技はこれ、騎馬戦!ご存じ、2~4人で騎馬を作ってもらって争ってもらうわ。ただし、第一種目の順位に合わせて各自ポイントを付けます。一番下の子から5点ずつ付けていくけど、上に行く者には更なる受難を。1位の八百万くんには1000万Pを割り振るわよ!』
瞬間的に自身に視線が向けられたのが分かる。
「参ったね・・・どうも・・・」
如何だったでしょうか。
ぶっちゃけ走る系の競技において、瞬歩は禁じ手なんだよなぁと思いながら。
そして、こんな骨董品な作品に評価バーが付いていたことをつい先日知りまして嬉しい限りでございます。そんなの見ると執筆意欲がムクムクと起き上がってくるじゃありませんか。
感想、評価は凄く励みになりますので書いていただけると五体投地で喜びます。
これからも拙作をよろしくお願いします。