僕のヒーローアカデミア ~悪戯は人のために~   作:護廷隊

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どうも、護廷隊です。
いつもいつも暑さが半端ないですねこの時期は。
個人的には夏は好きでない季節なんで、はよ過ぎれと願ってます。

さて、前回は障害物競争が無事終了しバカみたいな点数を付けられてしまったわけですが誰と組むんでしょうか?


13話 第2競技

『それじゃこれから15分間、チーム決めの交渉タイムを始めるわよ』

 

周りの様子を見ると、あからさまに視線を逸らすもの、こちらをギラギラした目で睨んでくる者、好奇の目で見てくる者と三者三様の反応を示す。

 

(参ったね、誰かと組もうにもこうもあからさまだとね)

「春水くん、よかったら組まない?」

「三奈ちゃん?」

 

第一種目のスタート地点と同じく振り向くとそこには芦戸が立っている。

 

「さっきの種目、春水くんのおかげでいい順位に付けたし今度はそっちが困ってるみたいだしね。相手、いないんでしょ」

「本当かい、助かるよ。それじゃあとは百ちゃんをと」

「あ~ヤオモモなら轟のやつがもう誘ってたよ」

「あちゃー百ちゃん取られちゃったかぁ」

「それでどうする?クラスの皆と固まる方が作戦も立てやすいと思うけど」

「う~んそうだねぇ、お、ちょうどいいや」

 

そう言うと春水は2人の男女の元に近づいて行くのだった。

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

『タイムアップ!どうやら騎馬も出揃ったようね。実況のマイク!カウントダウンよろしく!』

「OKミッナイ!ハッハー中々面白れぇ組み合わせもいるじゃねぇか。リスナーの皆、カウント10から一緒に頼むぜ!10、9、8・・・」

「それじゃぁいこうか、三奈ちゃん」

「うん」

「出久くん」

「よし」

「お茶子ちゃん」

「っはい!」

『・・、1、スタート!』

「実質それの奪い合いだ」

「緑谷くんいっただくよー!」

 

 

前騎馬に緑谷、左騎馬に麗日、右騎馬に芦戸マイク、観客の掛け声と共に各騎馬が一斉に動き出す。

 

「右のB組、左の透ちゃん。出久くん」

「うん、逃げよう。春水くんおねがい」

「よし来た、しっかり捕まっててよ」

 

鉢巻きまであと一歩と言う所で、迫っていた騎馬の前から春水たちの騎馬が消えた。

 

「どこ行きやがった1位のやつ」

「耳郎ちゃん、上!」

「わってる」

 

耳郎の耳たぶが上に向かって伸びるが、粘液によって直撃を阻止される。

 

「いやぁ危ない危ない、ナイス三奈ちゃん」

「緑谷の予測ありきだけどね」

「着地するよ」

『1位騎馬の八百万チーム!初っ端から魅せてくれるぜ!騎馬になっても八百万の機動力は健在かぁ!』

『八百万兄の機動力は学生の中でも随一だ。騎手として扱うなら振り落とされないようにしなければいけないが、まぁあいつらもそれを込みで組んでるんだろう』

 

よく見てるねと思いながら春水は騎馬担当の3人の様子を伺う。座っている腕が震えていることから負担が掛かったのは丸わかりだ。

 

「どうだい、何回使えそうかな?」

「こ、これはちょっと思ってた以上だ。僕はあと1回が限界かな」

「私も」

「う、うちも1回くらい、でないと酔う。というか今ちょっと酔いかけとる」

「なるほどなるほど、ならできるだけ使わないことを願って行こうか」

「よこせや1000万!!」

 

声とともに爆豪が単独で迫ってくる。騎馬はというと少し遅れて追いかけてくる。瀬呂が構えている所を見るに、

 

「瀬呂くんが回収担当かな」

「余所見してんじゃねぇ!」

「おっと」

 

顔面に迫る爆破を左手で吸収しつつ反対の手で反撃するが、爆豪はそれを除けて後ろから延ばされたテープに回収されていく。

 

『爆豪騎馬から離れたぞアリなのかぁ!?』

『テクニカルとしてオーケー。地に足着いちゃダメだけどね』

 

その後も次々と1000万Pを狙ってくるがのらりくらりとかわしていく春水たち。ある程度の時間が経過した頃、流石に一つの騎馬に集中するには厳しいと判断したのか他の騎馬同士で争い始める箇所が出始める。

 

『ここで半分の時間が経過!今現在の上位3チームを見ていくぜ!1位はご存じ1000万P所持の八百万チーム、スタート直後の急襲もなんのその。騎馬の緑谷、麗日、芦戸と連携して迫りくる魔の手から逃げ続ける』

『八百万が状況把握と機動力、緑谷が作戦参謀、麗日が個性で軽くして機動補助、芦戸が死角と遠距離攻撃の迎撃担当と言ったところか。互いの声かけ、連携が上手くいかないと瓦解するがハマれば恐ろしい騎馬だな。いざと言う時の瞬間移動も備わっているから逃げの一手なら他の追随を許さないだろうな』

『続いて2位!意外や意外、鉄哲チーム!ここに来てB組が上り出てきたー!』

『意外とか言うんじゃない、B組の鉄哲、塩崎、骨抜、泡瀬の騎馬だ。序盤に骨抜が地面を柔らかくして、多数の騎馬を一時行動不能にしたのは流石と言うべきか。騎手の鉄哲が熱い男だとブラドから聞いてるからな、冷静なメンツの騎馬で組んで鉄哲をサポートと言ったところか』

『そして最後に3位に爆豪チーム!ってあぁっと今鉢巻きを取られて順位が入れ替わっちまったぞ、2位に物間チームが上がってきたぁ!』

『八百万に集中しすぎだ。騎馬を組んでる常闇のダークシャドウがカバーしてくれていたが限界があったか』

 

遠くで鬼も裸足で逃げ出す顔を作っている爆豪を見てついつい笑ってしまう春水。

 

「かっちゃん・・・」

「あっはっはっ見てみなよ緑谷くん、爆豪くんの顔」

「全国放送してええ顏ちゃう・・・」

「ちょっと春水くん、峰田からの妨害来てるから指示欲しいんだけどぉ」

「ごめんごめん」

「行かせねぇよ」

 

その声と電撃が地面を這って迫り、会場全体が光に包まれる。突然の電気に対応できなかった騎馬が痺れて動けなくなり、次いで氷がフィールド全体を覆いつくす。春水達は咄嗟に瞬歩を使用して電撃を避けれたが、次いで来た氷は避けられず、騎馬の足元が氷で固まってしまう。

 

「しまった。皆ごめんね」

 

瞬歩の反動をなんとか我慢している3人に向けて声を掛けながら氷の首謀者に顔を向ける。3人の反応がない感じ的に、もう瞬歩はできそうにないね。

 

「八百万、もらうぞ1000万」

「らしいよ百ちゃん、スーツケース用意して」

「お金ではありませんわお兄様。いえそうではなく」

 

右半身から冷気を出しながら近づいてくる轟達を見て、観客も何かが起こると固唾を飲んで見守る。

 

「百ちゃんがそっちに行っちゃったのは残念だったよ」

「私は今回お兄様に勝つつもりでいますから。そのために轟さんの誘いに乗ったのです」

「機動の飯田くんに、広範囲の上鳴くん、そして百ちゃんで機動の補助に防御と言ったところかい」

「話して氷が解けるまでの時間稼ぎなら諦めろ。追加の氷はいつでも出せるんだ」

「ごめん春水くん、ちょっと時間頂戴」

 

芦戸が個性で氷を溶かしているが、温めるのとは違うためか時間が掛かっている。

 

「騎馬が動けないなら流石のお前もお手上げだろうが油断はしねぇ」

 

轟が手を伸ばしながらこちらに迫ってくるが、八百万も動けない騎馬の上で避け続ける。轟も右手の冷気で牽制してくるが氷を吸収することで難を逃れ続ける。長丁場は嫌なのだろう轟が一度その場を離れる。

 

「埒が明かねぇ」

『残り1分!最後の力振り絞ってけガイズ!』

 

マイクの放送も入り、フィールド全体の熱が一際上がる。氷の壁の外から爆破の音も聞こえてくることから、この一対一も時間の問題であろう。

 

「諦めてくれると嬉しいんだけどねぇ。ほら、他にもポイントはある訳だし」

「そうはいかねぇ。俺は証明しなきゃならねんだ」

 

轟の表情に影が差し、目に恩讐にも似た炎が宿る。

 

「君も色々抱えてそうだね」

「うるせぇ」

「ところでさっきから寒くて仕方ないんだ。良ければ()()()の力も使ってくれると、こちらとしては温まって嬉しいんだけど」

「左の力は戦闘において使わねぇ」

「戦闘ではなく寒さで困ってる人を助けると思ってさ」

「春水くん、お待たせ」

「よしきた」

 

轟が何かを言おうとしたが、騎馬の拘束が解けた事で一度頭を振る。

 

「・・皆、俺はこれから競技終了まで使い物にならなくなるが必ず隙を作る」

「飯田?」

「だから獲れよ、轟君!トルクオーバー レシプロバースト!」

 

瞬間、春水達の目の前から轟達の姿が消えたかと思うと後ろからエンジン音が聞こえてきた。

 

『飯田早ぇ!なんだその速さは、そんなんあるなら予選から使っとけ!これには流石の八百万もハチマキを取られたぁ!轟チーム1000万P奪取!』

 

無理をした反動で飯田の足のエンジンからはプスンプスンとガス欠の音が鳴っているが当人たちにとって取れた割に驚きの色が強い。特に轟は手にハチマキを持っていないにも関わらず、ポイントが加算されていることが理解できていない。

 

「・・・取れてねぇんだが」

「春水君!」

「いやぁ参ったね流石だよ・・・百ちゃん」

「言いましたでしょう、お兄様に勝つと。轟さんはこれを」

「八百万?」

 

手渡されたハチマキを受け取ると1000万の数字が刻まれている。

 

「どうして」

「瞬歩を普段使いしているお兄様のことですから、ただ速さを活かしただけの突貫では避けられてしまう予想はすぐに立ちます。ですので必要なのは死角からの予想外の一撃。粘着力のあるテープを創造しつつ、騎馬の後ろに回った瞬間にワイヤーガンをハチマキに引っ付けて回収しましたわ。芦戸さんの酸がネックでしたが、目で追えない速さの中なら妨害なんてありませんから」

 

取れた喜びが強いのか抑えられないプリプリとしたオーラが出ているが、目は春水達を追い隙を見せないようにしている。

 

「そうか、ありがとう」

「お礼なら飯田さんに。きっかけは飯田さんでしたから」

「僕も緑谷君に挑戦すると言ったからな、緑谷君を驚かせたなら本望だよ」

「てか皆々さん、春水達が迫ってきてるから早く逃げウェイ」

 

騎手の八百万は涼しい顔をしているが、騎馬である3人は焦りの表情を浮かべながら轟達に迫りくる。

 

『さぁさぁのこり10秒だ!観客の皆、一緒に10カウントを頼むぜ!10、9、・・・』

「やばいよ、もう時間もないのに0点だよ」

「飯田くん、あんな早よ動けるなんて知らんだ。他のポイント取りに行く?」

「僕たちは氷で囲まれてたから外のポイントの状況を把握できていないからねぇ。どうしようか出久くん?」

 

騎馬の視線が緑谷に集まる中、いつものブツブツを終えた緑谷が覚悟を決めた顔を3人に向ける。

 

「麗日さん、芦戸さん。最後にもう一度高速移動をしよう」

「瞬歩るん?」

「そんな動詞みたいに言わないで欲しいなぁ」

「いや、春水君はハチマキに集中してもらいたいから移動は僕が担当するよ。ただ、足に力を籠めるから地面が割れるかもしれない。麗日さんと芦戸さんは怪我だけしないようにしてほしい」

「別に高速移動なら並列してできるから問題ないよ?」

「・・・ごめん、正直に言うよ。この騎馬戦が始める前に飯田君も組もうと思って声を掛けたんだけど、

ぼくに挑戦するって言われて組めなかったんだ。それで、あんな大技見せられたら、僕も応えなくちゃって思っちゃうんだ。だから、これは僕の我儘だ。僕にも飯田君に挑戦させて欲しい」

 

緑谷の言葉に他の3人はしばらく目を合わせ笑顔になる。

 

「やっぱりデク君は、頑張れって感じがするね!」

「どっちにしろ高速移動はお約束だしね、後悔の無いようにやろ緑谷!」

「百ちゃんには驚かされたからね、今度は驚く表情を見せてもらおうかな」

 

カウントダウンが進む中、轟チームに接近し残り3秒。

 

 

『  3!  』

 

 

緑谷の足に光の筋が行き渡る。仕掛けてくると読んだ轟達は各々ができる防御態勢を取る。

(飯田君はエンジンを意図的にキャパオーバーするようにして高速移動をした。春水君は体のエネルギーを溜めて放出することで高速移動を可能にしている。溜めて放つ、これを足でやれば)

 

 

『  2!  』

 

 

爆音と共に地面が割れ、轟達の前から八百万達の姿が消える。

 

 

『  1!  』

 

 

 

次の瞬間には、轟達の後ろで八百万が2本のハチマキを持って着地しながら、騎馬の3人が勢い余って崩れていく。

 

「あでっ」

「きゃふっ」

「ぐえっ」

「・・・これは」

 

『タイムアップ!』

 

その時、終了の合図が出されそれぞれの騎馬が解体していく。

 

「緑谷君、君は」

「飯田君、君の挑戦受け取ったよ。だから、今度は僕からの挑戦だ」

「君ってやつは」

 

互いに握手しながら緑谷が飯田に支えられて立ち上がる。力を込めた足のズボンはボロボロになり、足元に血が流れている。

 

「さっきのは、」

「うん、飯田君のを見て咄嗟に。でもまた調整失敗しちゃって、足先だけなんだけどね。靴踏みつぶしちゃったみたい。あとでリカバリーガールに見てもらわないと」

 

『第2種目の集計が完了したぜ!結果発表の時間だガイズ!』




はいー、1話で騎馬戦終わりです。原作と違うのは芦戸と常闇チェンジ、発目が青山ポジに行ってます。
次回からは、試合試合試合のバトル祭り。あまり戦闘描写がクドくならないように注意して書いていきたい所存。

この小説を書き始めた時は、原作も青山君にフューチャーされてなかったんで不在にしちゃったんですけど、最終話まで進んでちょっと思いついた事あるんで青山不在のタグを消したいと思います。青山ファンの皆様、いつか出てくる彼を心待ちにして頂けると嬉しいです。
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