僕のヒーローアカデミア ~悪戯は人のために~   作:護廷隊

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どうも、護廷隊です。

今回は、いつもより少し量が多くなりました。大体2倍くらいですかね。いい区切りの所がなかったんです。

それでは、第6話になります。どうぞ。


6話 戦闘訓練

ところ変わって訓練施設前。

 

「ごめんね、春水君。私も気が動転しちゃって。」

「大丈夫、大丈夫。僕も不注意だったし。」

「分かったよ。それじゃぁ行こう!」

 

お互いの謝罪が済んだところで、芦戸が何も考えずに行こうとするのを慌てて止めて作戦会議を始める。

 

「まずは、お互いの個性を知らないと連携もできないから教えてもらってもいいかな?」

「そうだった!私の個性は『酸』!体から酸性の液を出すことができるんだ!酸度も粘度も自由自在!春水君は?」

「僕のは、この前に見せたけど『吸収と放出』だね。ただし、放出に関しては両手から吸わなきゃできないし、刀が出てくるだけと思ってほしい。」

「向こうの個性は分かる?」

「峰田ちゃんは髪に関する個性だってことは分かるけどそれ以外は・・・。百ちゃんなら『創造』と言って、体内の脂肪分から自分の知っているものをなんでも作り出すことができるんだよ。」

「さっすが!家族だけあってよく知ってるじゃん!なんでもって本当に何でも?」

「そうだねぇ。百ちゃんも自分の個性が分かってからはたくさん本も読んでいたみたいだし、それこそ今回の訓練なら監視カメラなんて作っててもおかしくない。」

「私らの行動つつぬけじゃん!」

「だからこうやって作戦会議してるんじゃないか。」

「私そういうの考えるのからっきしだしな~。春水君、何かいい考えある?」

「まぁ、少しはね。」

「よぉし、それじゃそれで行こう!」

「まだ何も説明してないよ?」

「大丈夫、大丈夫。春水君こういうの考えるの上手そうだし!で、どんな内容?」

「はぁ~。それはね―――――――。」

 

 

 

 

――――――――

 

 

 

 

「両方とも準備はできたかな?・・・よし。それじゃぁ、訓練スタート。」

 

ビルの最上階では百が耳に当てたインカムからのオールマイトの声に気を引き締める。近くに峰田が座っているが、こちらは先ほどの恐怖から抜け出ていないのか三角座りで「怖い怖い」とブツブツ呟いている。

 

「もう、峰田さん!いつまでいじけていますの。もう訓練は始まったのですよ!」

 

その声にハッとした峰田は未だ暗い顔をしつつも訓練モードに意識を切り替える。

 

「春水も、芦戸もゆっくりくるよな?」

「と思いますわ。芦戸さんの個性はよく知りませんが、体力テストを見た限りですと、接近しなければ使えないようですし、お兄様の個性は私が一番よく知っています。それは向こうも同じになるのですが。」

 

百と峰田は話しながら、設置したカメラの映像を核の隣の部屋で見守る。百と峰田の作戦はこうだ。ビルの各所に八百万によって生み出されたカメラを設置し、春水と芦戸を捕捉。階段にはビルと同じに見える壁を設置して階段を見つけにくくしている。たとえ、壁を壊して見つけられても、峰田のモギモギと遠隔式のトリモチ弾を設置して上階への侵入を難しくしている。捕まってくれればタイムアップまで待つか、カフスを付けに行く。もし、ここまで来られそうなら急ぎ一つ下の階におり、あたかもここに隠していますという体を装いながら相手をして時間稼ぎをするという内容であった。

 

(何の躊躇もなく進んできますわね。お兄様なら私の個性から色々な飛び道具が飛んでくる可能性を考えそうなものですが。)

 

映像には1階を走っている二人の映像が流れている。しばらくすると、2人は顔を見合わせて頷くと、春水は袴の胸元に入れていた簪を2本吸収して2本の刀と脇差に変えて腰帯に刺す。芦戸は手から酸性の液を出し、壁を溶かし始めた。二人とも階段が隠されていることを把握し壁を壊し始めたのである。しばらくすると芦戸が階段を見つけるも足元のギミックを見て渋面になる。春水は芦戸に何か説明すると刀を構える。

 

(そんな所から何をするつもりですの?)

 

百がそういう思うと同時に、春水は走り出し階段の壁を走り始めた。「壁走り」。重力に逆らって歩くそれはできる人が限られており高校生でそれができる者がいるなんて誰も考えない。

 

(それでも、甘いですわ!)

 

百は手元のリモコンボタンを押すと、春水に向けてトリモチが発射され始めた。

 

(壁走りしている上にこれでは流石のお兄様でも避けられませんわ。)

 

階段の上から迫りくるトリモチに対して春水は、刀でトリモチを切り裂いていく。さらに足元を狙って飛んでくるものに対しては反対側の壁に飛び移り躱していく。遂に階段の上に着いた春水は飛んできたトリモチの位置から場所を想定したのだろう。機械の元まで一直線に進み、機械を壊していった。

 

(くっ、まさかここまでとは。しかし、芦戸さんはどうしますの?)

「春水のやつなんて身体能力してんだよ~。」

 

全ての機械を潰し終えた春水は階段の下にいる芦戸のもとに階段からジャンプして飛び降りる。

 

「三奈ちゃん、壁走りはできるかい?」

「無理に決まってんじゃん。てかすごすぎだよ。刀ズバーッてすごかったし。」

「ありがとねぇ。じゃぁ僕がだき抱えるからそれで階段をのぼろうかな?」

「う~、変なところ触らないでよ。」

「そんなことはしないさ。」

 

芦戸はそれしか移動手段がないかと諦め少し顔を赤らめながら目を閉じ、両手を広げる。春水は芦戸をお姫様抱っこして階段を先ほどと同じく壁走りして超えるのだった。

 

「着いたよ。」

「ありがと。」

 

芦戸を下ろした春水は周りの様子を確認しながらトリモチの付いた刀を消した。芦戸は高校生になって初めて経験するお姫様抱っこに緊張したのか、顏を手でパタパタ扇いでいる。

 

「これと同じのがあと何回か続くのかな。」

「どうだろうね。」

「百ちゃんの考えた作戦ならトリモチが増やされているとかそれ位だと思うんだけど。」

「それってあと何回かこれが続く?」

「そういうことだね。」

(ヤオモモ~、これは作戦ミスだよ~。)

 

この映像が皆に見られていることを考えた芦戸はあと何回春水にお姫様抱っこをされるのか考えると、より顔が赤くなっていくのであった。そして、この映像を見ていたのはヴィラン側も同じで、

 

「芦戸さん、なんてうらやま・・・いえ、なんて突破法を。このままですと、すべての階段を見つけるくらいしか時間稼ぎができませんわ。こうなってしまっては、峰田さん!」

「ちくしょう春水のやろう、なにイケメンムーブかましてんだこの野郎。ヤオヨロッパイをいつも眺めるだけでは飽き足らないってかこん畜生。見てやがれ、おいらが正義の鉄槌を「峰田さん!」ハイゴメンナサイデスカラトビヒザゲリハカンベンヲ!」

「何を言ってますの。想定以上にヒーロー側の進行が早いですから下で向かい打ちますわよ。」

「まじかよ!よ~しあのリア充やろういまに見てろよ、オイラが目にモノみしてやるよ。」

「気合は十分のようですわね。では私がお兄様を、峰田さんは芦戸さんを「チョーっと待ってくれ。」なんですの?」

「春水はオイラにやらせて欲しい。」

「なっ、今の映像見ましたでしょう。お兄様の相手をするならまだよく知っている私がしたほうが勝率は「男には!」っ!」

「男には譲れない戦いってものがあるんだぜ。」

 

親指を立てながら決めポーズをする峰田。なんの茶番なんだと思う百であったが、その目に宿る闘志に気圧される百。先ほどまで沈んでいた様子はどこへやら、背中から龍が見えてきている。映像では、4階に上ってきた二人の様子が流れている。ここまでやる気が見えなかった峰田が初めて見せたやる気(殺る気)に梃でも動かないんだろうと考えた。

 

「もう時間がありませんわ。分かりました、私が芦戸さんのお相手を致しますのでよろしくお願いします。」

「おうよ!」

 

2人は急ぎ5階に向かうのであった。

 

 

 

 

――――――――

 

 

 

 

春水と芦戸が5階への階段を見つけ、通算4回目となるお姫様抱っこにユデダコ状態の芦戸を抱えて階段を飛び越えると目の前には二人のヴィランが立っていた。

 

「三奈ちゃん、奴さんのお出ましだよ。」

「フゥフゥ、お・・・終わり?これでお姫様抱っこ、終わり?」

「うんおしまいだよ。残念だねぇ、もう少し三奈ちゃんとは仲良くしていたかったんだけっど!」

 

春水は飛んできた黒い球を刀で切ろうと振るったが、刀に張り付くだけで切ることはできなかった。

 

「ありゃりゃ、なるほどこれが階段に張り付いてたものか。君の仕業だったなんてね、峰田くん。」

「うるせぇ!お前なんて、お前なんて!おいらが捕らえてやるぅ!」

 

峰田は目から火を出しながら髪の毛を毟り取る。春水は刀を一度消し、体術の構えをとる。

 

「髪だったのかいこれ。君にはくっつかない所を見るに少々厄介かな。」

「おいらを怒らせたこと、後悔させてやる!」

 

 

片や女性陣はというと、

 

「も~、ヤオモモなんて作戦考えてくれたんだよ~。めっちゃ恥ずかしかったんだからね。」

「それはお兄様に言ってください。私もあのような突破方法をとるなんて想定していませんでしたので。」

「確かに、春水くんの突破方法は驚いたけど、それはそれ、これはこれなんだよ!」

「そうは言われましても。」

「もう~、この気持ちはヤオモモを捕らえて落ち着かせるしかないじゃん。」

 

そう言うと、芦戸は手から酸の溶液を垂らしながら身構える。

 

「そうはいきません。こちらも訓練ですので。」

 

百ははだけている胸の部分から棒を取り出すと戦闘態勢に入る。

 

「くらえぇ!」

 

初めに仕掛けたのはやはり峰田。春水に向かってモギモギをたくさん投げる。春水は当たらないように避けながら峰田を中心に右側に走っていく。壁走りをするくらいの脚力があることは分かっていた峰田は進む先に当たるように投げ続けるが、中々当たらず壁、床、天井あらゆる所に張り付いていく。

 

「そんなに投げちゃ足場が無くなっちゃうじゃない。」

「うるせぇお前なんかリア充街道から落ちればいいんだよ。」

 

同じ部屋で争うのは三奈の邪魔になると考えた春水は部屋を出ていく。

 

「待てよこの野郎~。」

 

峰田は春水を追いかけていき続いて部屋をでていく。遠ざかる声を眺めながら女子二人も攻防を始めていた。芦戸が酸を飛ばしながら、足から出してスケートのように地面を百を中心に円を描くようにヒット&アウェイを繰り返していく。百はというと、飛んでくる酸は避けながら時折飛んでくる蹴りやパンチは棒で受け流すようにしている。芦戸が滑りながら地面に転がっている鉄パイプを拾い上げ、百に直接殴り掛かり鍔迫り合いになる。

 

 

「やるねっ、ヤオモモ。」

「芦戸さんこそ。」

 

2人は笑みを浮かべながら、百が芦戸を押し返す。

 

「おっとっと。見かけによらず力強いねヤオモモ。」

「入学までお兄様と訓練しておりましたから。」

 

なるほどと頷いた芦戸はまた、百の周りを滑りながらヒット&アウェイを繰り返していくのであった。

 

 

 

 

―――――――――

 

 

 

 

 

女子の戦闘が本格的になる一方、男子はというと

 

「待ぁぁぁぁぁぁぁてぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

 

峰田が鬼ごっこよろしく鬼の形相で春水を追いかけていた。走るといっても5階の中だけであり、百と芦戸のいる部屋を避けて走っている春水はと言うとどこかに上に続く階段はないかと探す余裕を持ちながら、一つの部屋に入った。

 

「観念したか!」

 

続いて峰田も入ってきて部屋中にモギモギを投げつける。

 

「おりゃおりゃおりゃおりゃ。」

 

それでも避けていた春水であったが、袖の広い袴を着ていたため服に付き始める。そしてついに、床と袴の間にモギモギがくっ付き春水が動けなくなる。が、その時になって峰田のモギモギ投げが止まった。肩で息をしている所をみると体力の限界が来たようだ。

 

「あちゃ~つかまっちゃったね。」

「ま・・・まだまだ・・・だよ。・・・この野郎。いくぜ・・・・・おいらの・・とっておき!」

 

そう言って、峰田がモギモギの上に飛び乗ったかと思うと、玉が峰田を反発して部屋中を飛び始める。

 

「これは。」

 

部屋中を飛び回っていた峰田は目に追えぬ速さで跳躍し続けたと思ったら春水の腹めがけて頭突きを繰り出した。峰田自身、最後は自分の目でも追い切れておらずどこに行くか分からなかったが、執念と怨念で春水の元にたどり着いた。

 

「これが、オイラの本気だ!いっけぇぇぇぇ!峰田ヘッドォォォォ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まだ甘い。」

「へ?」

 

達成感と当たった衝撃に心の安らぎを得たと思えた瞬間だった。当たったにしては何かに掴まれている感覚が頭からするし、何よりも落ちていかない。何より頭が掴まれているという事実に少し嫌な予感をかんじる。

 

「確かに速さは驚異的だし、考えも悪くないよ。でもただ一点。峰田ちゃん、考えなしで実践したでしょ。確かに僕も捕らえられているけどまだ手は動くし上半身も動かせる。避けようと思えば避けれるんだよね。それにほら、あそこ見てごらん。」

 

そう言いながら、峰田の頭を掴んだ手を頭突きの延長線上の壁を見えるようにする。そこには罅の入った窓ガラスがあった。

 

「もし僕が避けてたら、あの窓に突っ込んで外に飛び出ていただろうね。ここは、5階だから飛び降りてもただでは済まなかっただろうね。」

 

説明すると、峰田の体が震えてきたことを掴んでいる腕伝いに分かる。

 

「うん、その恐怖心を分かっているなら大丈夫だ。ただ、その技は君の強みを生かしたものでもあるから、もっと視野を広げれるようになってから使ってみるといいよ。」

 

そう言いながら、峰田の手首にハンドカフスを巻き付けるのだった。

 

「さて、三奈ちゃんはどうなってるかな。」

 

春水は確保した峰田を地面に置いて、裾に付いたモギモギを吸収して核を探しに向かうのだった。

 

 

 

 

『峰田少年、確保!』

 

その声に、女子側も戦いがヒートアップしていく。百の服はところどころ破けており、初めに出した棒は酸で溶けたのか足元に転がっている。現在、手には盾とパチンコを持っている。対して芦戸は、ずっと滑り続けていたのだろうか足を抑えながら肩で息をしている状態であった。

 

「峰田さんがつかまってしまいましたか。」

「人のこと気にしてる場合じゃないよ。」

 

芦戸は手から酸を百にめがけて飛ばす。百は盾で受けながらパチンコを打ち込み、芦戸の足に当たる。

 

「アゥッ!」

 

痛みに我慢できずその場にうずくまる。

 

「これでおしまいですわ、芦戸さん。」

 

動けないでいる芦戸の前に、カフスを片手に近寄る百。

 

「そうだね。ところでヤオモモ、しゃがんだほうがいいよ。この床・・・揺れるから!」

「っ!何を――――」

 

芦戸は百に伝えると、足の裏から大量の酸を出したかと思うと地面が煙を出して揺れ始めた。

 

「まさか!」

「そう。いままでヤオモモの周りを滑っていたのはこのためなんだよ!」

 

その言葉を皮切りに芦戸が繰り返し滑って円を描かれた床がくりぬかれる様に下に落ちていく。

 

「や、やりすぎですわ~!」

「大丈夫、だって落ちた先には・・・」

 

モギっ!

 

「ヤオモモが設置した階段トラップがあるからね。」

 

両手でVの字をしながら笑う芦戸は百と一緒に階段のモギモギに引っ付くのであった。百が不安定な態勢で引っ付いたのに対してある程度予測していた芦戸は引っ付いていない腕を使って百にカフスを付けるのであった。

 

『八百万少女、捕獲!よってヒーローチームWiiiinn!!!!』

 

ちなみに、その時春水はというと、6階の核を見つけて触れようとするところだった。

 

「お、三奈ちゃん勝ったんだ。」

 

オールマイトからの連絡を聞いた春水は芦戸の所に向かい、モギモギに捕らえられた2人を助けるのだった。




峰田君は書いてると勝手に動いてしまうんで書いてて楽しかったです。

あまり、刀を使った戦闘が書けてないですね。まぁ、チャド対京楽の時もあまり刀使いませんでしたし、そうなってしまったんだということにしたいです。
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